人間と妖怪が共に暮らす地――幻想郷。その非常識の存在として、不死身たる人間・藤原妹紅は終わることも終えることもできない永遠の生を過ごしていた。
その日は確かに具合が悪く、自慢の炎を生み出すことも出来なかった。だが寝れば治る、治らぬ道理はない……そんな不死身の希望的観測は、千余年の時を経て初めて打ち壊される。
私の体はどうなった?
もしかして私は死ぬのでは?
永い間忘れていた死への恐怖に為す術もなく翻弄される妹紅。その姿は幾多の妖を屠り、里の人間から頼られるようになったそれとは程遠かったーー。
少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした、各巻完結型東方Project二次小説・幻想少女恐怖シリーズ第1弾。
(C)2018TukiyoIgarashi
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吸血鬼レミリア・スカーレットは、友人の魔女の戯れによって、性格まで鏡写しになった己の偽物を生み出されることになる。本物と違って素直で勤勉な偽物は、消え去るまでの間、紅魔館に暖かく迎え入れられた。
不快の種だった偽物騒動も一旦の落ち着きを見せた頃、今度はレミリアに些細な不調が這い寄っていた。
陽の光が、普段より痛い。
魔力が、いつもより心許ない。
自分から、力が失われている――。
困惑するレミリアは、原因を求めて己の運命を垣間見る。しかし、飛び込んできたビジョンは、紅魔館の皆を呪いながら消滅する未来の姿だった。
そして彼女は理解することとなる。それは、黒死の悪魔と呼ばれていた『吸血鬼になる前のレミリア』という過去に裏打ちされた、避け得ぬ運命なのだと。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第四弾「レミリア・スカーレットは蝕が怖い」が、全編改稿を経て新装版として蘇る。
0円〜1,100円(税込)
妖怪の山で建設に勤しむヤマメは、ふと刺されたような痛みに襲われる。事故か、あるいは虫か、原因の分からないそれは地底に帰った後も続き、ちくりちくりと彼女を苛み続ける。下手人どころか切っ先すら見当たらないその刺突の執拗さは、やがてなんでもない家具の角や畳のささくれにも目を向けさせるようになり、尖端恐怖症の様相を呈していく。
犯人を探していく過程で浮上したのは古明地という尤もらしい名前。不可解な現象の目撃証言も得られ、決死の覚悟で地霊殿へとヤマメは向かう。
だが、彼女はそこで突きつけられることになる。古明地姉妹がヤマメを害することはできない、完全な不在証明を。そして、過去より伸びた茨が死の迷宮となって彼女を囲っていたという、抗いがたい現実を。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第16弾。
人里の寺子屋で教鞭を執る慧音は、ある日己の腕に奇妙な瞳が現れたことに気づいた。生徒たちの手前、それが自身のもう半分――白沢によるものだと誤魔化したが、噂は人里を巡るうち、『慧音が神獣・白沢として覚醒した』と尾ひれがついていく。 ご利益のある存在として人間たちに再度認識された結果、群がってきたのは慧音を求める人里の有力者たち。最初は不器用な挨拶で済んだそれも、次第に脇目も振らぬ手段に発展していく。すべては、白沢が徳の高い為政者の下に現れるから――お墨付きを欲する人々の行いに、慧音は苛立ちを募らせていく。 だが、加熱した上白沢慧音争奪戦の果てに待ち受けるのは、幻想郷の危機。叡智へ手を伸ばした者たちが破滅を巻き起こさんとする一方、慧音自身も鏡写しのように突きつけられることになる。自分もまた、叡智へと手を伸ばした語られざる歴史を持つのだと。 少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第17弾。
小鈴が自殺した――突如もたらされた友人の凶報に、調査へ乗り出す阿求。父親より語られる死の直前の様子は、まさしく狂死と呼ぶべきものだった。破られた本が散乱する惨状の部屋を調べる阿求だったが、遺書を見つけた直後、猛烈なめまいに襲われ気絶する。そして目覚めた阿求の目に写っていたのは、他人の考えていることが文字として浮かび上がる光景。それこそが小鈴が遺書で告げていた『観測者』の呪いであり、小鈴のように狂死する未来を阿求は運命づけられてしまう。呪いは解除できるのか、どのように感染するのか、その根源は何なのか――膨大な他人の想いをすべて記憶してしまう苦しみを抱え、阿求はその目の根源となる一人の少女を追う。だが、その足跡に敷き詰められていたのは、人里に潜む過去の絶望。終わってしまった悲劇の続きに呑み込まれる阿求は、観測者の真の悲嘆を知ることとなる。少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第18弾。
世間から隔絶された山奥で暮らす一族の少女。神や自然の声――言霊を見聞きする巫女として生きてきた彼女は、最後の生き残りとなった果て、誰からも忘れ去られた少女となって幻想郷に至る。
山に放り出された少女は、時に河童に救われ、時に死神に導かれ、ただただ人里を目指す。時に妖怪に殺されかけながら、時に魔法使いの怒りを買いながら、それでも孤独な少女は言霊の力と共に、新たな居場所を手に入れるのであった。
しかし、辿り着いた人里で暮らし始めた少女は、思いもよらぬ現実を突きつけられることになる。
己の知らない、己の過ちを。
顔も名も知らぬ者から、その怒りを。
初めての友からの、拒絶を。
大切な人のため、幻想に生きる者として認められるため、未だ人と世界を知らない少女は神の試練へ挑む――
幻想少女恐怖シリーズの語り部が幻想郷に受け入れられるまでを描いた外伝小説
※本書は2008年に連載していた東方二次創作ノベル「忘れ去られた少女」を 再構成の上、大幅に加筆修正したものです。
不死の妙薬を口にし、永遠の命を得た人間・藤原妹紅。千三百年の人生に飽いて死を求めていた彼女は、ある日、不死鳥の炎を生み出せなくなっていることに気づく。
一眠りしても治らない変調。不死身にあるまじき病の兆候。悠久の時の中で初めて遭遇したその異常に、待望していた本当の死を予感する。
だが、同時に去来したのは、千三百年余りの間忘れ去っていた死の恐怖。 限りある生命にやり直しは効かない。
心臓を突いたその先なんて存在しない。
自殺なんて、試せるわけがない。
あれほど疎んでいた生を求め、泥に塗れるように暮らし始める妹紅は、ここがどこなのか思い知らされることになる。
妖怪を隣人とする地・幻想郷。
死を隣に置いた地獄の園で、妹紅は堕ちた不死鳥として――ただの人間としてもがいていく。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第一弾「藤原妹紅は死が怖い」が、十年の時を越えて新装版として蘇る。
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