『P+D BOOKS、1か月以内、0~10冊(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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漁師町の人たちとの交流を描く自伝的小説。
――巨大なかじきであった。かじきは二度、三度と海上に躍り上った。嘴だけではなく、かじき全体が鋭い大きな刃物のように見えた。かじきは海を裂き、空を切った。かじきの怒りが、必死の抵抗が、空や海を圧していた。その迫力に、私の全身は震えた。――
東京の家屋敷を売り払い、母親とふたりで鴨川の漁師町に流れ着いた〈私〉。売れない画家であったが、手元のお金もさみしくなり、漁師の手伝いをして小銭をもらっていた。荒波にもまれる小船の上の生活は厳しいが、烏賊、蛸、鰤、鯖、鰹といった房総の恵みと、漁師たちとの濃厚な交流が心地よく、いつしかすっかりこの町のとりこになっていた。
――海人の生活が原始的であるが故に、却って私は強く惹かれるのであろう。――
著者自身「最も気に入った作品」と言い切る自伝的小説の名篇。 -
忘れかけていた情熱を想起させるSF短篇集。
「須磨のあちこちには、まだ、木の精や草の精が、いっぱい生きているのよ。そんな精が、ときどき、いたずらをして、人間を引っ張り込むんだわ」
観光案内を買って出たフリーのアナウンサーが、実は木の精だった「須磨の女」、アイデアに詰まっていた作家を、かつての思い人が救う「風花の湖西線」、おのれの可能性を信じていたはずなのに、冒険心を失ってしまっていたと気づかされる「空から来た女」など、遠出をした先で出会った不思議な女性が、忘れかけていた熱意や素直な思いを想起させてくれる7つの物語。
ひたすら前を追い続ける日本人に、立ち止まる勇気を持てと警鐘を鳴らす秀作。
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