「富士見ファンタジア文庫」約2,000冊が読み放題!
今回追加となるのは『甘城ブリリアントパーク』『織田信奈の野望』など過去TVアニメ化した人気作品、2020年10月クールTVアニメ化の『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』1~3巻など人気シリーズ合計500冊以上。11月末までは合計で約2,000冊の「富士見ファンタジア文庫」作品を月額836円(税込)~でお楽しみ頂けます!
さらにサイト内で、「ファンタジア大賞 歴代選考委員が選ぶ<一番衝撃を受けた応募作品>」「ファンタジア大賞 受賞者が選ぶ<一番影響を受けたレジェンド作品>」を公開中。人気作品を執筆している先生方が感銘を受けた作品を、ぜひチェックしてみてください!
10月16日追加作品
読み放題で読める「富士見ファンタジア文庫」作品
あざの耕平先生のコメント
初めて選考員として賞に関わらせてもらったときのタイトルなので、個人的にも思い出深い作品です。 最初に読んだときは、とにかく空戦シーンのイメージが鮮明で、瑞々しかったことが印象的でした。広大な空を駆ける空戦魔導士たちのビジュアルが、素直に格好良く、また爽快だったのです。主人公やヒロイン勢も良い意味でキャッチーで、ああこれは正統派の王道ライトノベルだなと感じました。 一方で、正直未熟な点も少なくなかったように思います。書き手の「好き」が先行して描写が追いつかない部分や、テンプレ過ぎる箇所、キャラクターの配置等、「これはもっと良くなる」という部分が多かったのです。 ところが、いざ出版されたとき、こうした点の多くは解消されていました。編集さんとかなり手を入れたそうですが、わずかの間にグンと良くなるのは成長著しい証拠。事実、その後の作品の展開や作者である諸星先生の活躍は、いまさら説明するまでもないでしょう。 人気シリーズの誕生に立ち会えたことを、いまでも嬉しく思います。
上川景先生のコメント
「国語0点・数学100点」と「国語80点・数学80点」の子がいたら、ヒロインとして魅力的なのは絶対に「国語0点」の方だと思います。 ヒロインのダメダメな部分は主人公が助けてあげて、逆に得意な部分はヒロインがドヤ顔で活躍して輝くことができる。 でも「80点」の子はそれができない。物語の変化というか、感情の振れ幅がどっちでも小さいからです。 冴えカノはそんな「80点」の子に鉄槌を下す作品です。 主人公安芸くんは、ヒロインの加藤恵にこう言います。 「加藤……お前は地味なんかじゃない」「ただキャラが立っていないだけなんだよ!」 ギャルゲーにおいて、欠点さえ魅力になることを知っている安芸くんは、容姿、能力、そして欠点すら目立ったものない……言ってしまえばどれも中途半端で、個性も特徴もない属性に困り果てるのです。 キュンキュンできない。 このままでは萌えられねえ、と。 けれど、彼女のポテンシャルを知っている安芸くんは、彼女を「最高のヒロイン」にするために奔走し---そして、シリーズを通して本当に最高のヒロインになっていきます。ヒロイン育成ものの名作です。
玖城ナギ先生のコメント
私の人生を変えた一冊。 心優しい「死にたがり」の少年と、記憶を失った幽霊少女の物語。 「ゲーマーズ!」や「生徒会の一存」で有名な葵せきな先生のデビュー作です。 私は本作の主人公・式見(しきみ)蛍(けい)を愛しています。 すぐに「死にてぇ」と言う自殺志願者のくせに、妙なところでポジティブ。家事や自炊もきちんとするし、周囲への気配りも忘れない。歩きタバコや他人の口論が気になるほど繊細で、だからこそ理不尽な世界に生きづらさを感じてしまう。しかし「死にたい」と思う自分がおかしいとの自覚もあり……。 彼のように心がきれいな人間になりたいと、私は本気で思っていました。 そして、本作の続きが待ちきれず、自分を慰めるために書き出した短編が、全ての始まりです。 あれから十数年。 私はすっかり式見蛍とは違う人間になってしまいましたが……彼とは違ったやり方で同じことをしたいと思い、今日も文章を書いています。
竹町先生のコメント
『鋼殻のレギオス』『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』と自分がハマった作品は数多くありますが、一番に影響を受けた作品と言えば『生徒会の一存』です。読んだのは高校時代。当時「ライトノベルってこんなに自由なんだ!」と衝撃を受けました。媒体を通じて施される演出やストーリーに翻弄され続け、驚き続け、「自分がクリエイターになったら、色々と作品に仕込みたいなぁ」と思わずにはいられない傑作です。 ――と書くと、壮大なミステリー作品と勘違いされそうですが、この作品の九割は生徒会室での会話で構成されています。登場人物はマジで動かない。コミカルな会話が中心のゆるい青春劇。ただ、この作品の肝はそこ。ゆるく流れる青春の中に、一滴の不安要素が混じる時、その日常が光り輝く。読者はおそらく肩の力を抜いて、この作品を読むでしょう。そして読み終えた時、ゆったりと流れた彼らの日々が宝物のように感じられるはずです。
羊太郎先生のコメント
僕がこのラノベ業界に入る切っ掛けといえば「フルメタル・パニック!」を読んだことですが、作風として影響を受けた作品といえば、よくよく考えてみると「スクラップド・プリンセス(通称、すてプリ)」だと思います。自分で執筆するなら、僕はSFよりファンタジーの方が得意ですからね。この「すてプリ」という作品は、神話時代の真実と謎解き、ハイセンスで格好いい特殊部隊、やたらシステマチックな魔法の設定、主人公の根本的な雰囲気……等々、一つ一つの要素を思い返して見ると、僕が自分の作品で滅茶苦茶影響受けまくっていることがもうバレバレです(笑)。もちろん「すてプリ」の面白さは折り紙付きで、全編通して徐々に明かされていく謎解きはもう圧巻、大興奮間違いなしです!間違いなくライトノベル史上に残る、珠玉の王道バトルファンタジーです。未読の方は是非、手に取ってみてはいかがでしょうか?
武葉コウ先生のコメント
「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」をはじめ、数多くの作品で知られる細音先生のデビュー作です。ひとたびページをめくれば、色鮮やかな物語があなたを待っています。「名詠式」という召喚技術を筆頭に、まるで底の見えない重厚で濃密な世界観。主人公ネイトやクルーエル、誰も彼も魅力的な登場人物たち。彼ら彼女らの物語を繊細に描く文章表現。読書をしていながら、どこか絵画を眺めているような気分にもさせてくれます。何より特徴的なのは、「セラフェノ音語」と呼ばれる作品独自の架空言語でしょう。そこに実際に「ある」と感じさせてくれる世界観が魅力なのです。当時中学生だった私は、その壮大な物語に触発され、初めて小説と呼べる何かを書きました。創作の楽しさ、ひいては物語を空想するための感性の土台を、「黄昏」につくってもらったように思います。読めばきっと、貴方も細音先生ワールドの虜になること間違いなし。この機会にぜひ、手にとってみてはいかがでしょうか。
井中だちま先生のコメント
言わずと知れたライトノベルの元祖。井中にとっては、小説を書くという概念を与えてくれた作品、であります。……当時はまだ若く、小遣いをはたいて原稿用紙500枚を購入したものの、三日坊主で放棄したのはいい思い出。しかしながら、思い出は思い出にとどまらず、与えられた衝動はずっと自分の中に在り続けていたようです。その衝動に従った結果、井中だちまという作家が生まれました。『元祖』『原点』『ここから全てが始まった』等々、発展の起点と称されるこの作品からは、新たに何かを始めるための熱量を摂取できます。小説に限らず、様々な創作活動の起爆剤となるでしょう。ドラゴンもまたいで通るほどに爆発しちゃうかも?おススメです。
葵せきな先生のコメント
憧れの異性に近づくため、周囲からアドバイスを受けるラブコメは多々あれど。 まさかのヒロイン当人(思念体)から攻略指南を受けるラブコメが出てくるとは。 またこの特殊状況設定がただの飛び道具にはなっておらず、 ラブ、コメディ、ミステリー(?)といった要素の全てを素晴らしく盛り上げています。 そしてなにより個人的に本作を推したいポイントが、この一冊で綺麗に話が閉じること! 「語るべき全てを、きっちり語りきっている」 物語を評価する上でこれ以上大事なことはないと、私は考えております。 なにより「賞応募作品らしさ」という意味で、やはりこういう「一冊入魂」のラブコメは全力で推していきたいかなと。 「先が気になる!」と続刊を買いに走るエンタメも勿論いいのですが。 「ふぅ、面白かった」と爽やかな余韻を持って閉じられる本をお探しなら、本作を是非!