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太陽の世界 1 聖双生児 あらすじ・内容
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"ムー"2000年の興亡。畢生の一大叙事詩、開幕
かつて、南太平洋には巨大な大陸が存在していた。それはムーと呼ばれていた。そこには、想像を絶するほど高度に完成された一大文明が栄えていた。だがある日、広大で肥沃な土地に住み、完成された国家を持ち、平和な日日を送るムーの人々を、突然の災厄がおそった。大地震、大洪水、そして火山の爆発があいつぎ、そこに栄えたあらゆるものを、跡かたもなく海中に没し去ってしまったのだ――。失われた大陸・ムーの誕生から滅亡に至る2000年の歴史を描く大河ロマン。
「太陽の世界シリーズ」作品一覧
(18冊)418円〜506円(税込)
アムの指導者は歴代、“血の流出”を大きな問題としていた。他国との交流によって空飛ぶ者と飛べぬ者の間に、いかに大きな差があるかを知ると同時に、将来、諸国の悪王側に念者が味方することを阻止しなければならなかった。一方、クメル僧の登場で交易の功績を認められなかったバラム家のバスクはアム社会の価値観に疑念を抱き、新たなる奸計をめぐらしていたのだった……。アムにとって諸国の交流と統治が世界を握る鍵となりつつあった。
タリム国の裕福なタグ家の末っ子タルボは、大人たちから子供扱いされ自由に遊びまわっていた。しかし幼なじみで貧しい家のキロが、自分より頼りにされているのを羨ましく思うのだった。そしてタルボは、将来自分の家に居場所が無いことに気付き、人間の価値に疑問を持ち始めた。ある日ラ・ムーの噂をきいたタルボは鳥人になる修業をしたいと思い立ち、家を飛び出し王宮のある町へ行く。タルボは町で知り合った老人の紹介により、下働きとしてネプトの船団に乗り込むことができた。いよいよラ・ムーを目指す旅が始まったのだ。同時にタルボの周辺には邪悪な影がつきまとい始めていた。何年か後タルボは、ラ・ムーの地を踏むことができるのだろうか。今、少年の夢を乗せて、船は荒海に向かって出港していった。
東山(カジマ)の僧、クメルは十年間の修行をひたすら精神世界に没入することに費やした。やがて、その成果を発表するときがきた。聖宮殿(イムキーラ)の長老たちは、内面世界を現実世界へ運び出す力をもったことに驚くと同時に畏怖さえ覚えた。一方、諸国の情報収集と交易(クカイ)の任務を与えられたカゲルは、アムとは全く違った価値基準をもつネプトとかかわり、誘拐事件を契機にネプトの娘、ルシア姫との恋に悩むのだった。他国との交流によってラ・ムーにも新たなる時代の幕開けが近づいていた…。