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地の果ての獄(上) あらすじ・内容
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明治十九年秋、薩摩出身の有馬四郎助が看守として赴任した北海道月形の樺戸集治監。石狩川のほとりにあるこの監獄は、十二年以上の受刑者ばかりを集めた、まさに悪党どもが年貢を納めるにふさわしい地の果ての牢獄だった。正義感あふれる青年看守がそこで見た奇怪な事件と、牢屋小僧、五寸釘の寅吉といった受刑者たちの数奇な過去の数々。使い捨ての労働力として受刑者を使役し、道路建設や炭鉱開発にあたった薩長閥政府の功罪を抉り、北海道開拓の裏面史を描いた歴史長篇。
「地の果ての獄(文春文庫)」最新刊
「地の果ての獄(文春文庫)」作品一覧
(2冊)各495円(税込)
明治十九年秋、薩摩出身の有馬四郎助が看守として赴任した北海道月形の樺戸集治監。石狩川のほとりにあるこの監獄は、十二年以上の受刑者ばかりを集めた、まさに悪党どもが年貢を納めるにふさわしい地の果ての牢獄だった。正義感あふれる青年看守がそこで見た奇怪な事件と、牢屋小僧、五寸釘の寅吉といった受刑者たちの数奇な過去の数々。使い捨ての労働力として受刑者を使役し、道路建設や炭鉱開発にあたった薩長閥政府の功罪を抉り、北海道開拓の裏面史を描いた歴史長篇。
明治中期、北海道・樺戸集治監に赴任した薩摩出身の有馬四郎助を中心に展開される数奇な人間模様。時の政府高官はもとより、若き日の幸田露伴、山本五十六の実兄・高野襄、与力上りのクリスチャンで監獄教誨師の原胤昭、元からす組の細谷十太夫、独休庵(ドク・ホリデイ)と称する酔っぱらい医者、加えて秩父困民党、加波山事件や静岡事件、佐賀の乱の残党たちがクロスする意外性こそ著者の明治物の大きな特色。アメリカ西部劇を思わせるスケールの大きさも魅力である。
明治中期、北海道・樺戸集治監に赴任した薩摩出身の有馬四郎助を中心に展開される数奇な人間模様。時の政府高官はもとより、若き日の幸田露伴、山本五十六の実兄・高野襄、与力上りのクリスチャンで監獄教誨師の原胤昭、元からす組の細谷十太夫、独休庵(ドク・ホリデイ)と称する酔っぱらい医者、加えて秩父困民党、加波山事件や静岡事件、佐賀の乱の残党たちがクロスする意外性こそ著者の明治物の大きな特色。アメリカ西部劇を思わせるスケールの大きさも魅力である。