『新書・実用、白水社、3か月以内(実用)』の電子書籍一覧
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近年、日本に暮らすベトナムの人が増え、ベトナム語に触れる機会も増えています。これを機にベトナム語を学んでみませんか。
最初は文字、発音から。会話文をもとに文法を解説、練習問題を重ねて、最後は短い読み物に挑戦します。単語リスト付なので、まずは辞書なしで大丈夫。ホテルや買い物で使う表現を収録した「表現力アップ」は、旅行会話にも役立ちます。★音声アプリ無料ダウンロード -
英国の歴史家によるヴェトナム戦史の決定版
本書は、第一次インドシナ戦争前夜からサイゴン陥落までの30年を振り返り、開戦から終戦に至る歴史的背景と政治的思惑を事実に即して描写し、戦争の本質に迫った大作である。一つひとつの作戦や戦闘、その結果としての災禍が時間軸に沿って詳細に描かれており、時代の空気が変化していくさまが臨場感をもって伝わってくる。
著者は25歳のときに初めて、BBCの特派員としてヴェトナム戦争取材に携わった。その後の人生に大きな影響を及ぼした戦争を俯瞰し、その細部を再現しようとしたのが本書である。当時、取材で訪れた土地を再訪し、三年間で米越仏の生存者100人以上にインタビューを行った。生々しい戦闘シーンに加え、兵士や市民の肉声を巧みに構成したことで、50年前のモノクロ写真でしかなかった出来事の断片が現場の人びとの内面とともに浮かび上がってくる。
英国人という第三者的な立ち位置が、冷徹な筆致、ひいては本書の客観性に利していることは間違いない。戦史ものの体裁をとりながらオーラルヒストリーとしての側面も併せ持つ、稀有な戦史ノンフィクションである。[口絵16頁]
[目次]
地図一覧
本書で採用した記述スタイルに関する注記
用語解説
はじめに
第1章 美女と多くの野獣たち
1 帝国への執着
2 ヴェトミンの行進
第2章 「汚い戦争」
1 力任せの連中
2 結果を甘受するワシントン
3 農民たち
第3章 存在しなかった要塞
1 ザップを待ちながら
2 災いが迫る
第4章 血の足跡
1 放棄、もしくは爆撃?
2 「意志の勝利」
3 ジュネーブ
第5章 双子の専制国家
1 「テロ政権」
2 「われわれが手にした唯一の男」
3 好況期
4 さあ、武器をとれ
第6章 ちょっとケネディ流
1 「彼らは国を失おうとしている」
2 マクナマラ流君主制
3 レ・ズアン、賭け金を引き上げる
第7章 一九六三年──二人の大統領のための棺桶
1 アプバク──小さな戦闘、大きな記事
2 仏教徒の反乱
3 殺戮の時間
第8章 迷路
1 「全員に行きわたるだけの戦争」
2 決定を回避する
第9章 湾に入る
1 虚偽
2 タカ派の台頭
第10章 「いかに進めるべきか、途方に暮れている」
1 下り道
2 コミットメント
第11章 段階的拡大へ
1 「最低の連中」
2 新たな人間、新たな戦争
第12章 「雲をつかもうとして」
1 兵士と水上スキーヤー
2 非友軍の砲撃(アンフレンドリー・ファイヤー)
3 罠と足跡の塵
第13章 汚職とハッカ油
1 窃盗行為
2 統治
3 導師(グールー)たち
第14章 「ローリング・サンダー作戦」
1 石器時代、ミサイル時代
2 北へ向かって
第15章 苦労を引き受ける
1 最良の時、最悪の時
2 友軍
写真クレジット
注記と参照先 -
ロシア正教の倫理と共産主義の精神
ロシアの共産主義はナショナルな特徴に根ざす現象であり、マルクス主義的な見地からのみでは決して説明しえない──ベルジャーエフは、ロシアにおけるボリシェヴィズムの必然性を、キエフ・ルーシから連綿と続くキリスト教精神と、インテリゲンツィアによって編まれる歴史・思想史のなかに探っていく。「ロシア本国において一九九〇年代から、ベルジャーエフも含めて、一九世紀末から二〇世紀初頭に登場したあまたのロシアの宗教哲学者たちが、西欧とは異なるロシア独自の精神的価値として、高く評価されるようになった。しかし、今日では、こうした見かたもまた一面的なものとして克服を迫られている。ベルジャーエフによる「ロシア的理念」にたいする批判的分析は、ベルジャーエフ自身も含めたロシア思想を新たな視点から再検討するうえでも重要な示唆を含んでいる」(本書解説[佐藤正則・九州大学教授]より) -
一番重い負担を背負うのは誰か?
私たちの身の回りには、さまざまな税があり、生活費の支出のかなりの部分が税金だ。しかし、税がいつからはじまり、どのような試行錯誤と歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているのかは知られていない。
所得税はナポレオン戦争下のイギリス、消費税は一九五〇年代フランスで始まったなど、本書には豆知識が満載だ! また関税や酒税、たばこ税への依存は発展途上国の特徴であり、国が豊かになればその比重が落ちるという指摘も、トランプ関税が世の中を席捲している現状を踏まえると興味深い。もしかしたら時代は逆戻りしているのかもしれない。
こうした歴史の小ネタだけでなく、税の経済効果についても本書は踏み込む。本書によれば、昨今話題の食料品の消費減税は実は効果はないという。そして、税負担は最終的に誰にのしかかってくるのか。この重い問いに本書では経済分析に基づいて回答を与えている。
近代国家は物品税から直接税へ、直接税から間接税へと展開してきた。環境問題や貿易不均衡が大きな課題になるなか、税の未来には果たして何が待っているのか? 世界的権威が語り切った一冊!
[目次]
第一章 なぜ税金があるのだろう?
第二章 税制の仕組み
第三章 税金を負担するのは誰か?
第四章 税制と経済
第五章 脱税と対抗策
第六章 税制の問題 -
「最果ての島」からの問い
インド洋東部、インド領アンダマン諸島の孤島・北センチネル島。世田谷区ほどの広さのこの小島に暮らす人びとは長年、外界との接触を拒み続けてきた。しかし2018年、若いアメリカ人宣教師が上陸を試みて島民に殺害される事件が発生。国際的に報道されたことで、現代にも「未知」が存在することに世界は驚愕したのだった。
本書は、事件の20年前に偶然この島の存在を知った著者が、これまで可視化されることのなかった島民の実態に迫ろうと、長期にわたり取材・調査し続けてきた記録である。現地訪問の体験や、限定的とはいえ島民と接触した人類学者の証言、周辺諸島の事例を手がかりに、接近と拒絶の歴史を丹念にたどる。
「つながる」ことが是とされる現代社会において、彼らが「つながらない」ことを今日まで続けられたのはなぜなのか。そして、外部の人間は「文明」の名のもとに彼らをどうとらえてきたのか。北センチネル島とそこに暮らす人びとの姿から浮かび上がるのは、結局のところ、人間とはどのような存在なのかという根源的な問いである。
「最果ての島」から、文明と人間の在り方を見つめ直す傑作ノンフィクション。
[目次]
第I部 祝福されし島々
第II部 一回目の旅 一九九八年
第III部 二回目の旅 一八五七─一九〇〇年
第IV部 三回目の旅 二〇二〇年
情報源と補遺/謝辞/訳者あとがき/写真・図版クレジット -
名著の誉れ高い「新しい古典」、待望の邦訳!
ドイツ歴史学の泰斗、トーマス・ニッパーダイによる「19世紀ドイツ史三部作」の第一巻である本書は、世紀の幕開けから普墺戦争まで、ナポレオンからビスマルクまでを網羅し、「新しい古典」として名著の誉れが高い大作だ。
ニッパーダイは、批判的・社会科学的な歴史学に対して、当時の状況や可能性に基づいて出来事を理解しようとする立場に立った。批判的歴史学の政治史解釈の一面性を鋭く指摘し、よりバランスのとれた解釈に道を拓いたといえる。本書では、政治的な出来事を中心とした叙述に留まらず、かつてカール・ランプレヒトが(「出来事史」に対して)「状態史」と呼んだもの、第二次大戦後の西ドイツでは「構造史」や「社会史」「社会構造史」などと呼ばれたものに、紙幅を大きく割いている。政治から生活・労働・経済・宗教・教育・学問・文化まで、各分野の研究成果を採り入れ、総合的・全体的に把握した圧巻の歴史書。
ニッパーダイはこの「19世紀ドイツ史三部作」で「ミュンスター市歴史家賞」、「ドイツ歴史家賞」の栄誉に輝いた。図表多数・参考文献収録。 -
脱植民地化の現段階
国家は、現代アフリカ研究の中心課題である。今日のアフリカが直面する問題検討すれば、必ず国家に突きあたる。従来、アフリカが抱える問題として、汚職、独裁といったネガティブな国家像が強調されてきた。
アフリカ国家の原型は、欧米列強の征服と植民地化によって、いわば「他者」によって創られた。「自分たちの国をつくる」ことは簡単ではない。いかに他者が決めた領域を統治するか、一筋縄ではいかない課題である。先進国で当然とされる統治が通用せず、紛争が勃発することもある。本書はこうした国家建設のプロセスに注目してアフリカの経験を考える。
本書では、「他者」によって基盤を創られた国家を領民自らが統治する過程としてアフリカの国家建設をとらえ、その性格や特徴を考える。アフリカ諸国の国家建設の経験は、先進国とは大きく異なるが、その様態はさまざまな気づきを与えてくれる。さらに、「他者」によって国家を創られたアフリカの経験は、世界的にみれば決して少数ではない。植民地状況を経験したグローバルサウスの国々は、多かれ少なかれ似た経験をしているからだ。
[目次]
はしがき
序章 アフリカの国家と国家建設(武内進一)
第I部 領域統治
第1章 領域統治の実態(阪本拓人・松原優華)
第2章 領域統治の制度的基盤(中尾世治)
第3章 首長制と国家建設の逆説(友松夕香)
第4章 牧畜民からみた国家建設(楠和樹)
第II部 社会契約
第5章 近代国家とイスラーム(阿毛香絵)
第6章 政党政治と抗議運動(網中昭世)
第7章 社会的保護政策から国家・社会関係(佐川徹)
第III部 国際関係
第8章 ソマリアの国家性の現在(遠藤貢)
第9章 外向の論理と国家統治(網中昭世)
第10章 アフリカにおける難民と国家(佐藤千鶴子)
終章 アフリカ国家建設の現段階(武内進一)
あとがき -
人間の歴史は、〈欲望〉の歴史である。
1933年――ドイツでヒトラーが首相として就任した年――パリの高等研究院でアレクサンドル・コジェーヴによるヘーゲル講義がはじまった。本講義にはジョルジュ・バタイユ、ジャック・ラカン、ロジェ・カイヨワ、アンドレ・ブルトン、メルロ=ポンティなど、フランス哲学・文学の中心となる人物たちが多く参加している。
「歴史が何であるかを知るためには、この歴史を実現する人間が何であるかを知らねばならぬ」――コジェーヴは『精神現象学』を精読しながら、プラトンからヘーゲルへといたる哲学と、キリストからナポレオンへといたる歴史とを重ね、動物から人間がいかに生まれ、自然から歴史がどのように発生したかを辿っていく。
フランス現代思想を知る上で避けて通ることのできない記念碑的講義録を、訳者によるあらたなあとがきを加えて、Uブックスで待望の復刊。
【目次】
出版者の覚書
第一章 序に代えて
第二章 『精神現象学』の最初の六章の要約
──一九三七-一九三八年度、最初の三回の講義の全記録
第三章 『精神現象学』第七章の一般的導入部の解釈
──一九三七-一九三八年度、第四回及び第五回講義の全記録
第四章 一九三七―一九三八年度講義要約
──高等研究院・宗教学科の一九三八-一九三九年度年報からの抜粋録
第五章 哲学と知恵
──一九三八―一九三九年度、最初の二回の講義の全記録
第六章 永遠・時間・概念についての覚書
──一九三八-一九三九年度、第六回講義より第八回講義までの全記録
第七章 『精神現象学』第八章第三部(結論)の解釈
──一九三八-一九三九年度、第一二回講義の全記録
訳注
『ヘーゲル読解入門』への後書き -
データサイエンス化の潮流で失われるものとは?
経済学は、テクニカルに洗練された学問といえる。サムエルソンの『経済学』以来、入門から修士課程までの教科書が整備され、体系的かつ網羅的に学習を進めることができる。しかし、学問のこうした「制度化」は、「硬直化」の歴史でもある。とりわけ、近年、急速に進んだデータサイエンス化の潮流は、経済学の〈余白〉を洗い流してしまってはいないだろうか──。
本書は経済に限らず、文化・歴史・音楽など、経済思想史家の折々の所感が静かに綴られている。
本書はこう問いかける。経済学を学ぶ者は、経済学以外の幅広い分野に関心を持ち、みずからの教養を高める努力をすべきではないか。数学や統計学しか扱わない経済学に果たして未来はあるのか。
清水幾太郎との出会い、師事した菱山泉・伊東光晴のことなど、本書ではさまざまな情景が浮かび上がる。一方、高校に導入された「歴史総合」や大学で相次いで廃止される第二外国語についての著者の思いが語られる。
めまぐるしく進んでいく時代に失ってはならないものとはなにか。経済学の〈余白〉を恢復する試み。著者による連載、日本経済新聞夕刊「あすへの話題」の書籍化。
[目次]
はしがき
I 経済学者の歳時記
春の訪れ/桜/むごい運命/オンライン授業/大河ドラマ/独立の気概/名前の読み方/福沢諭吉とミル/ジャズと即興/ケインズ伝/イノベーション/学問とゆとり/祇園祭/夏目漱石の講義/秋月鶴山と上杉鷹山/ウルトラセブンと音楽/歴史総合/江戸の文人/真夏のワーグナー/送り火/経済思想史家の悩み/経済学者と映画/朗読を聴く楽しみ/クラシックの教訓/向学心/読書/深まる思い出/アントレプレナー/名刀「義元左文字」/語学は役に立たない?/「貴公子」の真の姿/宮澤賢治とクラシック/紅葉と歴史/哲学者の茶目っ気/カレンダー/ゆたかな社会とは/松の廊下/左手のピアニスト/卒業論文
II 過去と未来のあいだ
シュンペーターの「予言」、資本主義の盛と衰/英オックスフォード、理論家ヒックスが学んだもの/資本主義、グレートリセットは困難/ケインズ政策の本質、政府の規模ではない/米経済思想、自由放任だけが「専売特許」ではない/「科学」偏重に抗す、経済理論家ハイエクの哲学/異端派ガルブレイス、名文が伝える米国の「貧しさ」/アダム・スミス、自由放任と異なる「自由主義者」/インフレの是非、イノベーション要因に着目/マーシャルの「経済騎士道」、財界トップが実践/企業家論、「シュンペーター絶対主義」に注意/人文学と経済学、「知識の発展は飛躍的に生ずる」/米国標準を日本に、有言実行の経済学者・小宮氏/シカゴ学派、巨頭ナイトは複眼の持ち主/偉大な経済理論家ワルラス、条件の平等を重視/経済学の泰斗高田保馬、思想の原点は社会学/パレート、経済理論家とは違うもう一つの顔/生誕百四十年に思う「ケインズもシュンペーターも」/マーシャルが説く企業家の資質、没後百年で再考/ロバート・ソローをしのぶ、成長理論でノーベル賞
あとがき -
憧れと搾取の連続体
力による支配や専横、そして分断……。現代社会では、覇権主義や権威主義が頭をもたげ、消えていったはずの〈帝国〉がふたたび世界に影を広げている。
そうしたなかで、本書が注目するのは、帝国が「望ましい身体」を創出しようとしてきたその作用だ。帝国はトランスナショナルな移動を促し、多様な人間どうしが出会う接触の場を増殖させてきた。「他者」との対峙や葛藤のなかで、身体は創出され、序列化され、作り直され、また搾取されていったのだ。
とくに「望ましい身体」創出の強い契機となったのは、優生学、宗教、セクシュアリティといった要素である。これらを通じて帝国は人びとに「夢」や「憧れ」を提示し、しばしばジェンダー規範を揺るがした。だが、それらは同時に抑圧や搾取とも深く絡み合うものだった。
本書は歴史学、社会学、文学、国際関係論、法哲学、社会政策、スポーツ教育など、異なるディシプリンから健康や出産、スポーツやダンス、衣服や性愛など具体性を分析する。これにより、権力と欲望の交差のなかで重層的に身体が構築されていく生政治の過程を読み解き、近現代における公式・非公式の帝国をジェンダーの視点から再考する。
[目次]
はじめに 山口 みどり・周東 美材
第1章 帝国、混血、白人男性性 生駒久美
マーク・トウェインの作品を通じて
はじめに
一 ハワイ王国と若きトウェインの性的な視線
二 混血の通訳者ビル・ラグズデイル
三 インジャン・ジョーとラグズデイル
四 ハンク・モーガンの社会改革と男性性
おわりに
第2章 海を越える衣服の政治学 山口みどり
イギリス国教会女性宣教師の「帝国」建設
はじめに
一 女性たちの宣教活動
二 「文明化」と衣服のポリティクス
三 ミッションボックスがつなぐ世界
おわりに
第3章 健康的であることは美しいか 春日芳美
近代日本の美人観と女子体育振興方策の関係
はじめに
一 近代教育における体育
二 価値観にみる女子体育普及の阻害要因
三 「健康」と「美人」
おわりに
第4章 植民統治下台湾における学校女子体育 金湘斌
纏足、天然足から皇国民錬成まで
はじめに
一 纏足・解纏足下の女子体育(一八九五~一九一四年)
二 天然足世代下の女子体育(一九一五~一九三五年)
三 「皇国民錬成下の女子体育(一九一五~一九三五年)
おわりに
第5章 優生学と大正デモクラシー期の家族観 吉永圭
穂積重遠は「病める身体」をいかに論じたか
はじめに
一 穂積と結婚制限論
二 穂積と精神病離婚
三 大正デモクラシー期の家族
おわりに
第6章 歴史のなかのジャニーズ性加害問題 周東美材
「アメリカ」の夢と暴力
はじめに
一 夢の「アメリカ」
二 暴力のアメリカ
三 見えなくなる暴力、前景化する夢――性暴力の連続体
おわりに
第7章 フェミニストの夢、土地、そして植民地の権力 ルーシー・デラップ
はじめに
一 「私たちは他人の土地を欲しがったりしない」
二 深いつながりと両性具有
三 驚異の証人に
四 「女性ならではのもの」
おわりに
第8章 植民地後東ティモールの文化と女性 井上浩子
客体化される身体
はじめに
一 DVと「東ティモール文化」
二 堕胎と「東ティモール文化」
三 二〇〇九年刑法におけるDVと堕胎
おわりに -
ルソーの「幸福論」
「この地上では、すべてが絶えざる流転のうちにある。そこではなにひとつとして一定不変の固定した形を持ち続けるものはない。だから、この世で得られるのは、せいぜいすぐに消え去る喜びでしかない。永続する幸福などといったものを、この世で味わう人がいるとは思えない」
迫害のなかで「地上に一人きりになってしまった」ルソーは、もはや人間や社会の変革に希望を託すことはない。湖の岸辺に腰を下ろして、寄せては返す波の絶え間ない単調なリズムに、自身の存在=運命を感じ、また幸福を見出す……
こうした自己の存在のほかいかなる幸福も感じない徹底的な自己充足の境地は、「絆」の素晴しさが自明視される今日、新たな意味をもって迫ってくる。『マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙』を収録。訳者と川出良枝東大名誉教授の解説を付す。
【目次】
孤独な散歩者の夢想
第一の散歩
第二の散歩
第三の散歩
第四の散歩
第五の散歩
第六の散歩
第七の散歩
八
九
十
マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙
第一の手紙
第二の手紙
第三の手紙
第四の手紙
訳者解説 孤独な散歩者の夢(佐々木康之)
訳者解説 マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙(佐々木康之)
解説 ジュネーヴ市民から孤独な散歩者へ(川出良枝) -
「私は考えている、だから私は有る」
デカルトは久しく近代思想の父とよばれてきた。それは中世のコスモスが崩れるなか、徹底的な懐疑の果てに、考える自我の直観から主体性を確立し、近代文明に道を開いたからである。
近代のあけぼのに「いかなる人生の道に従い行くべきか」を思い迷いながら、「ひとりで、しかも暗闇のなかを歩いて行く」旅する人の遍歴と、その旅先の一夜の啓示と決断とを、〈私〉の精神の歴史としてここに語る。すなわち、〈方法〉とは「道に迷う、道に従う」ことである。
数多の学問を修めながら、やがてそれらの真理性を徹底して疑い、しかしそれらについて思考している自分は何かでなければならないと気づき、「私は考えている、だから私は有る」という有名な第一原理に到達するまでを語った近代哲学の名著の清新な翻訳。養老孟司解説。
[目次]
訳者まえがき
第一部
第二部
第三部
第四部
第五部
第六部
解説 脳の機能のきわめて明晰な表現 養老孟司
解題 三宅徳嘉 -
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無味乾燥に見える文法の中には、実はコトバの働きを支える「しくみ」が潜んでいます。その「しくみ」を掘り起こし、意識することで、フランス語らしい表現ができるようになります。 -
華麗なる時代の最後の輝きの日々
登場するのは、『日の名残り』の主人公のモデルといわれる「クリヴデンのリー卿」ことアスター子爵家のエドウィン・リーをはじめとする五人。彼らはみな、十九世紀後半~第二次大戦前のイギリスで、地方の労働者階級の家に生まれて十代前半から働きはじめる。執事になってからの、大邸宅の日常や豪華な大イベントを取り仕切る仕事。チャーチル首相や王家の人々との関わり。そして、二十世紀社会の激変に翻弄されながら、華麗な貴族の時代の終わりを目の当たりにする哀しみ……。華やかなまま引退する者もいれば、悲運に見舞われた雇用主一家にあくまで忠義を尽くす者、〝旧時代の雇い主〟の要求と〝新時代の部下〟という現実の板ばさみになって苦しむ者など、その結末はさまざまだ。 五人それぞれが一人称で語る人生の物語は、楽しい読み物であると同時に、二十世紀イギリス史の貴重な記録である。
【目次】
まえがき
1 プロローグ
2 ゴードン・グリメット
ランプボーイの話
ゴードンの回想についてひとこと
3 エドウィン・リー
ページボーイの話
リー氏の回想についてひとこと
4 チャールズ・ディーン
ブーツボーイの話
チャールズの回想についてひとこと
5 ジョージ・ワシントン
ホールボーイの話
ジョージの回想についてひとこと
6 ピーター・ホワイトリー
雑用係の話
ピーターの回想についてひとこと
7 エピローグ
解説
訳者あとがき -
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会話+文法、入門書の決定版!
ショパンを生んだ東欧の国
ことばを知れば、出会いが広がる
ポーランド語の世界へようこそ! つづり字の読み方と発音から始め、スキットと練習問題で〈会話+文法〉を同時に学びましょう。
ポーランド語はスラヴ語派のひとつで、話し手が、自分自身の性はもちろん、聞き手や第三者の性を常に意識しながら、動詞や名詞・形容詞の語尾を区別する言語です。難しく感じられるかもしれませんが、この特徴こそがポーランド語のおもしろさであり、学習の醍醐味です。文字と発音から始め、スキットと練習問題で〈会話+文法〉を同時に学んでいきましょう。パーティやカードに使える簡単な挨拶も用意しました。最後には少し長めの文も読んでみましょう。
【本書の構成】
◆ポーランド語ってどんなことば?:最初にことばの特徴や話されている地域などをご紹介します。
◆文字と発音:文字の読みかたや発音のコツをやさしく解説。
◆本文:全20課で、見開き2ページに会話・和訳・単語、次の2ページに文法説明があります。
◆練習問題:2課ごとに2ページ、解答は同じ見開きですぐに確認できます。
◆単語力アップ・表現力アップ:テーマ別の単語と表現のコーナーで会話もバッチリ。
◆単語リスト:出てきた単語が載っているので、辞書なしでも始められます。
【ここがプラス!】
◆簡単なスピーチ・メッセージの表現:人前で話すときに便利な表現や、カードに書けるメッセージを取り上げます。
◆文法チェック:学んだ文法を短い作文問題で総復習。
◆読んでみよう:少し長めの文章を読んでみます。「日本について」はシリーズ共通。
◆音声ダウンロード:音声はダウンロードしてお聴きいただけます。 -
「言葉をもって空気をふるわす」
専制体制下のロシアにおいて生涯をかけて、社会体制の変革と民衆=人民の解放に向けた言論活動を行なったチェルヌイシェフスキー。ここに集められた諸論攷の多くは一八六一年の農奴解放令に関連するものである。自由主義的な貴族や知識人からは「大改革」と称讃されたが、そこにはいくつか問題があった。農奴解放によって「農奴」は人格的自由を得たものの、同時に、分与された土地に対して膨大な額の支払い義務を負わされたことや、農村共同体の位置づけなどである。「土地つき解放」を求める彼の争点はここにあった。この「リベラルな」改革は真の意味での「農奴解放」とはいえず、圧倒的に不十分だったのだ。つまり、彼の闘争の矛先は、専制体制のみならず、不徹底なリベラリズムにも向けられている。
これらの論攷は、検閲を避けるべく意図的に晦渋な文章で紡がれることも相俟って、かなりわかりづらい。だが、彼の活動がナロードニキ運動やレーニンに影響を与えるように、われわれが今そこから汲み取るべきは、偽りの「解放」を摑まされることなく、真の解放を求め、言論活動によってそれを具現化せんとするそのあくなき魂である。 -
600年にわたる変容の歴史を紡ぐ
15世紀、農民の娘であったジャンヌ・ダルクは、イングランドに占領されていたフランス領を奪還せよという「神の声」に導かれ、英仏百年戦争の転機となるオルレアン解放を果たす。そして、宗教裁判によって弱冠19歳で火刑に処され、後年には列聖された──。
魔女狩りのような異端審問や誹謗中傷をのりこえ、史上屈指のヒロインとして聖人になったジャンヌの生涯を、本書では、多様な側面から物語ってゆく。裁判記録、法廷での本人の証言、年代記、書翰など歴史的資料、文学をはじめ、絵画・映画など表象文化に描かれたジャンヌ・ダルク像も網羅し、その実像と象徴的意味に迫る。とりわけ、イエス・キリストの生涯と比較しながら進めてゆく語り口が、比類なき特長だ。
中世ミソジニー社会で戦った「異性装」の少女は、どのように語られてきたか?
フェミニズムの視点とともに読み解き、600年にわたって変容されてきた「人生」を紡ぎあげてゆく、実力派作家による博覧強記のナラティヴ・バイオグラフィー。地図・年表・図版多数収録。
[目次]
第1章 初めに言(ことば)があった
第2章 天使たちの話しかたと言葉で
第3章 小さな、いえ、ほんのつまらぬこと
第4章 国王の宝
第5章 いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか
第6章 おとめに降伏せよ
第7章 跳ねる牡鹿
第8章 黒い騎士
第9章 金色のマント
第10章 塔の監獄
第11章 燃えない心臓
第12章 永遠の命
地図:1429年のフランス/1429年のオルレアン/ジャンヌの道程
年表
謝辞
訳者あとがき
注記/資料 -
「社会学は人生から生まれ、人生へ帰っていく」
清水幾太郎ほど毀誉褒貶のある人物はいない。
東京帝国大学社会学研究室からの「破門」、マルクス主義を標榜しての社会学攻撃、進歩的文化人・安保同伴知識人として活躍、そして「転向」と核武装論……
しかしながら、清水は社会学者としての長いキャリアにわたって、必ずしも場当たり的に翻身を繰り返していたわけではない。その膨大な業績を改めて振り返る時、いくつかの重要な主題によって貫かれていることを見出すことができる。
とりわけ、本書が注目するのは、彼が自伝の執筆を通じて、「人生」を語る社会学者であったという点である。清水は自身の晩年期においてではなく、むしろそのキャリアの盛期を通じて、繰り返し自身の自伝を書き連ねてきた。
さらに興味深いのは、社会学的な著述においても、しばしば回想風の叙述スタイルを採用していることである。これは単に自分語りが好きだったわけではなく、清水にとって社会学とは、人それぞれの人生のなかの「闘争」を捉える試みであったことによる。「社会学は人生から生まれ、人生へ帰っていく」という言葉がなによりそのことを語っている。
清水へのまったく新しいアプローチ!
[目次]
第I章 問題設定——清水幾太郎と社会学
〇 はじめに
一 問題の所在——社会学と「人生」
二 人生の中の闘争
三 先行研究・議論の概観
四 視角、対象と方法
第II章 ある社会学者の出発
一 社会学との邂逅
二 青年論へ——「社会学青年」とともに
三 小括
第III章 生きた闘争の把握
一 公私区分の再検討——往還とその動態
二 生存の要求とその諸形態——『流言蜚語』(一九三七・一二)
三 倫理学と闘争——「競闘」(一九四一・一二)
四 小括
第IV章 家族——生きるという闘いの場
一 清水の家族道徳論批判
二 清水の家族集団論
三 小括
第V章 「人生」を語り始める清水幾太郎
一 若き社会学者の自伝
二 人生を語る社会学
終章 意義と展望
あとがき
文献/写真出典/註 -
失われたディオニュソス的なものを求めて
「ディオニュソス的とは何か? それが問題なのだ。その答えがここにある。」
悲劇を死に導いたソクラテス以降の理性的、アポロン的なものへと傾いていくヨーロッパを鋭く批判する、ニーチェ哲学の起原。それは、彼の処女作にして「最大の問題作」の一つであった。古代ギリシアから当時のドイツにいたるまで、音楽や宗教に関する様々な論の飛躍を繰り返すその筆致は、論理よりもパトスにまかせて書き上げられた、ある種の迷宮のように思われる。ニーチェはそこに「アポロン的なるものとディオニュソス的なるものとの相剋」という迷宮脱出の糸口を読者に提示し、古代ギリシア悲劇に、理性と恍惚の融合として芸術の極致を見出すのだった。一九七九年刊『ニーチェ全集』より、新たに納富信留(東京大学大学院教授)の解説を加えた、「白水社のニーチェ・コレクション」第二弾。 -
食べてみよう、毒。
今となっては遠い思い出話ですが、天下の嶮と呼ばれた山道の麓、湯煙立ち上る名湯の街で、男たちが小さなお茶屋を営んでいました──。
このお話は、観光地にある、現代的な茶屋が舞台です。健介と隆治という、ふたりの男性が共同経営しています。健介は、お茶やお菓子をおもに担当しています。隆治は、鍼灸師という顔も持ちながら、経営や運営の全般を管理しています。隆治は、「毒のあるものを調理する」という健介の趣味に、惚れ込んでいます。ある日のこと、近くの温泉旅館で働く女性・前野と、オーガニックレストランを経営する宮口が店を訪れて、健介の食にまつわる趣味を知ることとなります。彼らは、その趣味を沢山の人にシェアし、ビジネスとして展開するようにと説得を試みるのですが、台湾から楊という女子大学生も訪れて……。
観光地の、おいしい日本茶と鍼治療をふるまうモダンな茶屋の物語。そこに集う者たちが、「毒のある料理」に魅了されてゆく。五感をゆさぶる旨味絶佳のブラックコメディ。
巻末には、「あとがき・演出ノート」を特別付録。
装画・葛西由香、装丁・緒方修一。 -
シシィ神話を史料から解きほぐす
エリーザベト──愛称シシィ。16歳でオーストリアの君主フランツ=ヨーゼフの妃となった彼女は、永遠の若さと美をまとったまま、やがてアナーキストの刃に倒れた悲劇の皇妃として語り継がれてきた。堅苦しいウィーン宮廷の儀礼に順応することを拒み、ハンガリーの精神に強い共感を寄せた一方で、日に何度も体重計に乗っては一喜一憂する強い自己愛の持ち主。無謀なほどに激しい乗馬に励み、風雨のなかを何時間も歩きつづけるような過酷な運動に身を投じ、休む間もなく次の旅に出かけるような「過活動」的性質。こうした神話が幾重にも折り重なるシシィ像の前で、著者のふたりは史料の限界や矛盾を受け止めながら、史実から明らかなかぎりでエリーザベトの姿を誠実に描きなおすとともに、彼女のもうひとつの顔をも照らし出す。皇妃は率直に政治的見解を述べ、ハプスブルク家の過ちや弱点を容赦なく抉り出す詩を書き残していたのだ。そうした事実は、見る人が見たいものを見いだすスクリーンのような存在と化した「シシィ」を現実のほうへと引き戻し、鋭さと痛みを抱え、言葉で世界に抵抗しようとした生身の人間として立ち現われさせる。
[目次]
序
ポッセンホーフェンでの楽しい子供時代?
両親
子供時代と青春
皇帝フランツ= ヨーゼフとの婚約と結婚
一八四八年革命の影の中での出会い
イシュルでの婚約
ウィーンでの結婚式
ウィーン宮廷での初期の結婚生活
最初の一緒の旅行
子供の誕生
イタリアとハンガリーへの旅
自由と自己決定への長い道のり
マデイラ
コルフ、ヴェネツィア、リゾート地
皇妃としての使命
皇太子ルードルフの教育をめぐる権力闘争
ハンガリーと皇妃の政治的側面
ハンガリーとのアウスグライヒ
ブダペシュトでの戴冠式
ハンガリーへの愛と政治的禁欲
美しさとその裏側
美崇拝
強迫的な痩身願望
身体トレーニング
自分探しの旅へ
エリーザベトと子供たち、バイエルンの親族たち
皇妃としておこなう公務の重荷
乗馬
ギリシアの世界
安息の地──アキレイオンとヘルメスヴィラ
落ち着きのない放浪生活
アナーキストがもたらした死
暗殺
ルイジ・ルケーニ
葬儀と遺産
性格と生活を映し出す、後世のための詩
文学的野心
皇帝との関係
ハプスブルク家の親族たち
政治的態度
ルートヴィヒ二世
愛の生活
ヨーロッパの記憶の場としてのシシィ
記念碑と命名
エリーザベトの文学像──神話の生成
エリーザベトに関する「学術上の」取り組み
映画
ミュージカル的な解釈
博物館
エリーザベトが伝説であり、ノスタルジーの中心人物であるのはなぜか?
日本語版へのあとがき
訳者解題
参考文献一覧 -
戦下の人間へのまなざし
「20世紀ロシア文学の最高峰」と評され、戦後の畢生の大作『人生と運命』で知られる作家ヴァシーリイ・グロースマン。ウクライナのユダヤ人家庭に生まれ、小説がゴーリキイに賞賛されていたが、独ソ戦に際し赤軍機関紙特派員として従軍、常に最前線で、誰よりも長期にわたり取材を続けた。本書は、スターリングラート攻防戦から、クールスク会戦、トレブリーンカ絶滅収容所、ベルリン攻略戦まで、グロースマンの取材ノートを編集し、独ソ戦を再現した「ナマの記録」だ。
グロースマンは従軍当初、肥満体だったが、軍事百般を学び、「兵士」らしく変貌する。多くの特派員は司令部周辺にとどまるが、彼は兵士と行動を共にし、「前線につきまとうにおい」にまみれ、兵士の信頼と尊敬を得ていく。兵士や市民の声に耳を傾け、政治的な決まり文句も使わなかった。本人曰く、「人間が好きで、生活を探求するのが好き」なのだ。
本書でもっとも胸を打つのは、記者として世界で初めてトレブリーンカ絶滅収容所を取材した記録だ。まさに地獄を目のあたりにする描写で、ニュルンベルク裁判で資料としても採用された。〈戦争の非情な真実〉が記された超一級資料。解説=池田嘉郎。 -
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【この電子書籍は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きい画面の端末で読むことに適しています。】
「できる」こと、「したい」ことからはじめよう!
自分や家族の紹介ができる。
買い物や仕事、身近なことについて、簡単な言葉でコミュニケーションすることができる。
「話す」「書く」「聞く」「読む」「文法」の全技能を鍛えていくドイツ語入門書。全18ユニット。
著者は全員NHKドイツ語講座講師。ドイツ語を楽しく、しっかりと身につけることができます。
新たな言語学習のスタンダード(ヨーロッパ言語共通参照枠)準拠。
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生死をめぐる「差延」の論理について語る、1975~76年の高等師範学校での講義
1970年代、デリダは高等師範学校において哲学教授資格試験準備講座を担当していた。すなわち、高等学校以上の教育資格であるアグレガシオンや、中学校での教育資格である試験のテーマについて、受験希望者に対策をほどこす講座である。1976年度アグレガシオンの哲学の試験のテーマのひとつが「生と死〔la vie et la mort〕」だった。だが、デリダは生と死が対立するという伝統的な論理に疑義を呈し、生と死が不可分であること、ひいては死こそが生を可能にすると説く。そしてそのために、試験のテーマから接続詞の「と〔et〕」を削除した「生死〔la vie la mort〕」を自らの講義のテーマとした。
生と死は、はたして対立すべきものであるのか? DNA、遺伝子、細胞……生き物にプログラムされた「非音声的エクリチュール」を踏まえながら問いかけ、ジャコブ、ニーチェ、フロイトを脱構築的に読解することで、再生産や新陳代謝のメカニズムを哲学する──「生死」をともにする全14回の講義。
生命科学を探究する、差延の論理! 性的差異、自伝、二重拘束、補綴、隠喩……デリダ的な圧巻のテーマが語られてゆく驚くべき講義録。 -
中東近現代史の必読書
欧州側の史料のみならずトルコ語、アラビア語の文献を渉猟し、斯界の権威が中東混迷の遠因となった大戦と戦後処理の過程を描いた大作。
【目次】
用語の適用について
はじめに
第1章
革命と三つの戦争
一九〇八-一九一三
第2章
「大戦」前の平和
第3章
世界規模の動員令
第4章
一斉射撃始まる
バスラ アデン エジプト 東地中海
第5章
ジハード開始
オスマン帝国領コーカサスとシナイ半島での戦い
第6章
ダーダネルス海峡襲撃
第7章
アルメニア人の虐殺
第8章
ガリポリ半島でのオスマン帝国の勝利
第9章
メソポタミア侵攻
第10章
クートの攻囲
第11章
アラブの反乱
第12章
負け戦
バグダード シナイ半島 エルサレムの陥落
第13章
次々と結ばれた休戦協定
終章
オスマン帝国の終焉
謝辞
訳者あとがき
解説 オスマン帝国はなぜ崩壊したのか(今井宏平)
写真クレジット
参考文献
原注 -
ロシア革命から現在まで、「陰の戦争」の攻防を追う
本書は、英国のMI5、MI6、米国のCIA、ソ連のKGBに連なるスパイたちが繰り広げた二〇世紀の「陰の戦争」を臨場感豊かに描く通史。そして二一世紀、インターネットやAIを駆使したロシアや中国とのサイバー戦を分析、展望する。ハーヴァード大学の世界屈指の研究者による、学術性と物語性を兼ね備えた諜報史の決定版!
時代はロシア革命から第二次大戦、冷戦、ソ連崩壊、新冷戦、ウクライナ戦争までを網羅。諜報から破壊、暗殺、煽動、情報操作、選挙介入、サイバー攻撃までの知られざる実態、超大国の台頭と衰退、プーチンのロシア、習近平の中国の勃興を俯瞰。
「マフィア国家」ロシア、「デジタル権威主義警察国家」中国の策謀にどう立ち向かうのか?「この壮大な物語は人間ドラマと悲劇に満ちている……本書は一般読者にも政策決定者にも衝撃を与える内容であり……中国の行動を知るうえで重要な視点を提供する」ブレンダン・シムズ(ケンブリッジ大学教授)。外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』と国際関係専門誌『フォーリン・ポリシー』の最優秀図書に選出。
【目次】
第1章 諜報の世紀
第Ⅰ部 独裁体制と民主主義の衝突
第2章 東の冷気
第3章 因果応報
第4章 スターリンの攻勢
第Ⅱ部 文明の衝突
第5章 世界大戦から冷戦へ
第6章 パズルの迷宮
第7章 裏切りの風土
第Ⅲ部 兵器の衝突
第8章 戦場
第9章 科学技術
第10章 一〇月のミサイル
原注 -
同じ社会のメンバーとは誰か?
ここにきて移民/難民に関する議論が本格化しつつある。今夏の参院選では移民規制が大きな争点となった。
ところが、日本での従来の議論はグローバル化や経済的要請にもとづくもので、どうしても皮相なものになりがちだ。
政治的・社会的な背景が考慮されないままに話が進んでしまっているのである。これでは、「ポピュリズムの仕掛人」によって足元をすくわれる危険もある。
こうした懸念を払拭すべく、移民論の哲学的・社会科学的な基礎を構築するのが本書である。
他方、本書ではリベラル・ナショナリズムという観点から移民論に迫るのが特長だ。同じ社会のメンバーとは誰のことなのか? ネーションに基づく集団的自律はどこまで擁護できるものか? 社会的包摂の望ましいあり方とはいかなる形か? 徹底的に掘り下げている。
また、国民国家、移動と帰属、ナショナル・アイデンティティなど、社会科学上のキー・タームを用いながら、移民論の交通整理をしている点がこれまでの類書にはない本書の大きな強みになっている。
経済効果と外国人嫌悪で引き裂かれた移民論について、法哲学者がメスを入れることで開かれる議論の地平! -
20221年クーデター前のビルマ
2011年の「民政移管」以降、それに伴う制裁解除とともに、ビルマ(ミャンマー)の地政学的位置づけが急速に変わろうとしていた──。本書は、ビルマを「アジアの勝手口」と見立てて、国境を接する東西の大国、中国とインドとの関係を中心にビルマ史を概観し、同国を取り巻く国際情勢を冷静に分析した入門書である。中印両国がビルマを含めた周辺国に与えた影響について、近代以前にまでさかのぼって丁寧に跡づけているのが特長だ。
著者は元国連事務総長ウー・タン(ウ・タント)の孫にあたる気鋭のビルマ史家。ビルマ北部の辺境といわれる少数民族居住地域を自ら歩き、ここで見聞し思索したことを要所要所にまとめている。こうした紀行の要素と情勢分析とが相まって、道路や天然ガスパイプラインなどのインフラ整備計画のほか、観光客の受け入れ計画などが各地で進められ、東アジアと南アジアを結ぶ新たな「十字路」としてのビルマの姿が浮き彫りとなる。二大文明に挟まれているというその位置こそが、ビルマにとって最大の「資産」であるという観点から、「アジア最後のフロンティア」の実像に迫る。
第26回アジア・太平洋賞特別賞受賞作。解説=中西嘉宏(京都大学准教授)
[目次]
プロローグ
第1部 裏口から入るアジア
夢みるイラワディ
パウポー
ビルマ・ロード
日暮れの王
新しいフロンティア
第2部 未開の南西部
マラッカ・ディレンマ
雲の南
ガンダーラ
シャングリラ
インド洋への道
第3部 インド世界のはずれ
東へのまなざし
忘れられた分離
国内の「国境」
新たな交差点
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
解説(中西嘉宏)
原注解説:中西嘉宏(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授) -
ショーペンハウアーの「幸福論」
「いっさいの生は苦しみである」とみなしたショーペンハウアーが、逆に「生活をできるだけ快く、しかも幸福に過ごす」方法を説いたのが本書である。
『意志と表象としての世界』の哲学が「生活の知恵」として日常生活のなかにいかに応用されるか、ショーペンハウアー本人が具体的に記述している。
ショーペンハウアーにとって「生活の知恵」とは、襲いかかる運命から身を守る方法、この世でもてはやされるものの空虚さを知り、本質的なものを考える力であった。
「私は生活の知恵という概念をまったく独特な意味にとる。つまり生活をできるだけ快く、しかも幸福にすごすてだてと考える。そのための方策を幸福論と名づけてもよい。生活の知恵とは、実は幸福な暮らしかたを教えるものである。」
ゲーテやシェイクスピアなどの引用に富み、楽しく高雅な、厭世的哲学者による「幸福論」。
【目次】
はじめに
第一章 基礎になるまえがき
第二章 人にそなわるものについて
第三章 人が所有するものについて
第四章 他人がいかに思うかについて
第五章 さまざまな教訓と原則について
第六章 年齢のちがいについて
あとがき(金森誠也)
解説(梅田孝太) -
まだ自由に取材できた時代の貴重な記録
中国全土に高速道路網が整備されるのに伴って、それまで隔絶していた都市と農村が急速に近づいていった――。本書は、本格的なモータリゼーションが始まったばかりの中国各地をレンタカーで巡り、ときに長期滞在して、都市と農村に押し寄せる変化の大波を、市井の人びとの視点から描いたドキュメントである。
チベット高原に近い辺境の地で目にした「消えゆく村々」の歴史と現実、北京郊外の農村で生活をともにした魏一家の民宿ビジネスと泥沼の党書記選挙、浙江省麗水市の起業家が手がけた下着製造工場の盛衰など、昨日とはまったく違う今日を必死に生きようとする人びとの姿を、ユーモアを交えながら多角的・多層的に描く。目の前の問題をいわば即興で切り抜け、小さな交通違反を重ねる彼らのやり方は、日々めまぐるしく変化し、混沌とした社会を生き抜くための生活技術そのものだと著者は言う。
中国滞在十年、米国随一のチャイナウォッチャーが人びととともに暮らし、彼らの深層心理にまで入り込むことでなしえた「力技」の傑作ノンフィクション。解説=阿古智子(東京大学大学院教授) -
日本独自編集版のアンソロジー
「ショーペンハウアーがけっして世捨人のような孤独な哲人ではなく同時代の社会の動きにも大きな関心を抱いていること……通俗的な事柄にも独自の見解を示していることに感心した。彼は真面目一方の学者ではなく、広く人生の諸相を観察し、かつそれを批判した人であった」(訳者あとがき)
主著『意志と表象としての世界』『倫理学の二つの根本問題』を中心とする著作から、ワーグナーに大きな影響を与えた有名な「音楽の形而上学」をはじめ、認識論・人生論・道徳論・芸術論等を抽出編集した、日本独自のアンソロジー。
苦悩としての生を説いた哲学者の、生の苦悩とそこからの救済をめぐる珠玉の警句がちりばめられた考察を精選。嫉妬、不安、野心、尽きせぬ欲望に満ちた世界を、われわれはいかにすれば逃れることができるのか。ショーペンハウアー入門にふさわしい一冊。梅田孝太解説 -
戦争の時代に戦後の原点へ
「反戦」や「非戦」、「アジアの連帯」が語られなくなって久しい。
戦後民主主義の記憶も遠くなり、中国・韓国はじめアジア諸国が台頭するなかで、ナショナリズム感情を煽る言説やパワーポリティクス論が巷に氾濫している。
本書は「反戦」や「非戦」、「アジアの連帯」といういまや打ち捨てられようとしている問題群に、現代の世界情勢を踏まえて再接近しようとする試みである。
まず、ウクライナ戦争やガザ戦争を受けて、真の「現実主義」がなにかが問われる。
本書によると、それは、たとえば、井伏鱒二『黒い雨』における「戦争はいやだ。勝敗はどちらでもいい。早く済みさえすればいい。いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」という言葉に端的に現れているという。
そして「正義の戦争」の欺瞞、軍隊の理不尽という戦後日本の原点が何度も確認される。続いて、いまでは忘れ去られた近代日本における反戦非戦の系譜に光が当てられる。
反戦・非戦の視点を恢復してみると、アジアはまったく異なってみえてくる。アジアの人々はだれも戦争や強権を望んでいるわけではないのだ。戦争の時代に広く読まれてほしい一冊。
[目次]
はじめに
第I章 真の現実主義とは
1 戦争と軍隊の理不尽
2 もし武力侵攻されたら
第II章 日本の反戦非戦の系譜
1 日清戦争に反対した勝海舟
2 足尾鉱毒問題に生涯をかけた田中正造
3 幸徳秋水の平民主義・社会主義・平和主義
4 内村鑑三の非戦論
5 石橋湛山の「小日本主義」
6 戦後の平和運動の担い手たち
7 アフガニスタンで井戸ほりをした中村哲
第III章 台湾海峡の緊張をどう解きほぐすか
1 中台の攻防の歴史
2 台湾の戒厳令の時代
3 台湾アイデンティティの形成
4 台湾の選択
5 台湾と中国の交流
6 共通する文化の土壌
第IV章 香港の民主化運動はどこへいく
1 香港の民主化デモと中国の介入
2 植民地としての香港の歴史
3 植民地主義をどうみるか
4 香港の自立のディレンマ
5 香港の相対的地位の低下
6 香港のこれから
第V章 中国とどう向きあうか
1 中国とアメリカの応酬
2 中国のアキレス腱
3 中国への対応
第VI章 アジア・ビジョンをどう描くか
1 反戦非戦と文化力
2 戦前と戦後のナショナリストのちがい
3 アメリカと中国の反戦非戦
4 魅力ある国とは
おわりに
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。