『ファンタジー、東京創元社(文芸・小説)』の電子書籍一覧
1 ~60件目/全134件
-
この世は竜の創りしもの。竜のあるところに豊穣あり。だが竜が病む時、彼らは破壊をもたらす。〈竜ノ医師団〉とは竜の病を退ける者。極北の国カランバス。虐げられし民ヤポネ人の少年リョウは、憲兵から逃れ必死で飛空船の発着場を目指していた。〈竜ノ医師団〉は治外法権、飛空船で辿り着き入団できれば、ヤポネ人でも道が開ける。発着場に向かう途中リョウは、上流階級のお坊ちゃんレオニートに出会う。彼も医師団に入団したいというのだ。二人は協力して船に乗りこむが……。『水使いの森』で第4回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞の著者が贈る、竜の医師を目指す少年たちの物語。/【目次】プロローグ/カルテ1 咽喉(のど)の痛みと、竜の爆炎/カルテ2 全身の痒(かゆ)みと、竜の爪/カルテ3 もの忘れ、ふらつき、そして竜巻(たつまき)/解説=小出和代
-
ペンリック・キン・ジュラルド19歳、兄が決めた婚約式のために町へ行く途中、病で倒れている老女の最期を看取ったのが、すべての始まりだった。亡くなった神殿魔術師の老女に宿っていた庶子神の魔が、あろうことかペンリックに飛び移ってしまったのだ。おかげで婚約は破棄され、ペンリックは10人の人間とライオンと馬を経てきた年古りた魔を自分の内に棲まわせる羽目に。魔はすべて庶子神に属する。魔を受け継いだペンリックは魔を制御すべく訓練をはじめるが……。中編3編を収録、ヒューゴー賞など5賞受賞の〈五神教シリーズ〉登場。
-
2026年注目の翻訳ミステリ特集。倉知淳、久永実木彦新連載ほか。
-
珈琲店を開きたい。それがヴィヴの夢だった。苦楽を共にしてきた傭兵仲間に別れを告げ、最後の冒険の戦利品である幸運の輪を引き寄せるというスカルヴァートの石を持って、いちから店作りに着手する。廃屋同然の厩を買い取り、気むずかし屋だが腕は確かな船大工を雇って改装。見慣れない飲み物に最初は閑古鳥が鳴いていた店も、募集広告を見てやってきた店員が描いたセンス抜群の看板や、隠れた天才パン職人のつくるうっとりするようなパンや菓子のおかげで、次第に繁盛しはじめるが……。ネビュラ賞最終候補の心温まるコージーファンタジイ。
-
明治11年夏、奥州を縦断して蝦夷地を目指す英国人女性がいた。その名はイザベラ・バード。お供は通訳兼従者の若者伊藤鶴吉と英国からついてきた小妖精ディル&ジンジャーだ。一行は行く先々で妖怪に出くわし、思わぬ事件に巻きこまれる。本当に恐ろしいのははたして妖怪か人間か。旅を続けるうち、好奇心旺盛なイザベラと無口な鶴吉は少しずつ心を通わせていくが、鶴吉はある秘密を抱えていた。ヴィクトリア朝の英国を飛び出した実在の女性旅行家(レディ・トラベラー)が、日常と非日常のあわいをたゆたう謎に挑む、レトロで新鮮な正統派歴史冒険ファンタジイ!/解説=小出和代
-
19世紀後半、伝説の魔術師アル=ジャーヒズがジン(精霊)の世界の扉を開き、世界は一変した。ジンの魔法と科学の融合によりエジプトは急速な発展を遂げるが、アル=ジャーヒズはなぜか姿を消す。それから40年後、世界都市となったカイロに彼の名を名のる謎の男が現れ、彼を崇拝する人々を焼きつくした。エジプト魔術省の敏腕女性エージェント・ファトマは、恋人の女性シティ、新人パートナーのハディアと捜査に乗り出す。ネビュラ賞、ローカス賞など4冠に輝き、『SFが読みたい!』ベストSF2024海外篇第1位に選ばれた、新鋭の第一長編!
-
無実の罪で逃亡中の治療師エルウィンがたどり着いたのは、ある村外れの一軒の家。無人のようだが、彼女を歓迎するかのように、目に見えない何者かの手で料理が振る舞われ、寝台まで整えられていた。ここは主を迎えたがっている治療師の家なのだ。もう治療師の仕事をするつもりはなかったが、しばし身を隠すつもりで滞在して村の女性たちの心配事を聞いているうちに、さまざまな症状に効くハーブティーを出すティーショップを開くことになってしまう……。〈(株) 魔法製作所〉の著者が贈る、不思議な村を舞台にしたお茶と謎のコージーファンタジイ。
-
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※〈森〉に侵食され〈壁〉のなかだけに人が暮らしている世界。〈壁〉の一角〈灰色男の門〉集落に住むフェザーは、冒険心にあふれた少女だった。だが集落のはずれで出会って外の話をしてくれた〈よそ者〉に手ひどく裏切られ、望遠鏡を盗まれたうえに崖から突き落とされてしまった。望遠鏡は〈灰色男の門〉にとってかけがえのないものだ、このままではみんなのもとに戻れない。フェザーはペットのフェレットだけを連れ、〈よそ者〉を追ってひとり危険でいっぱいの森に踏み入った。『嘘の木』の著者がケイト・グリーナウェイ賞受賞の挿絵画家とタッグを組んだ豪華なYAファンタジイ第2弾。 -
妖怪の子育ても楽じゃない! わけあって赤ん坊を育てることになった、妖怪の子預かり屋の弥助。妖怪たちのせいで、にぎやかな毎日だ。だがそんなある日、とんでもない事件が! 大人気の〈妖怪の子預かります〉第二シーズン、いよいよ開幕!/装画・挿絵=Minoru
-
季節は夏。昼下がりの林道は家に続いている。歩きながら(事故だわ!)ふいにそう思った。なにかが変。事故に遭ったって思うんだけど、頭がぼやけてて何も思い出せない。気がついたら、ここ歩いてるんだもの。あたしいま何着てるんだろう。わからないから下を見た。体がない! あたしは生垣を通り抜け、ドアを通り抜けて家のなかに入った。宙に浮きながら。部屋じゃ、だいっ嫌いな姉さんや妹たちが相変わらずのけんか。誰もあたしのこと気づきゃしない。あたし、幽霊になっちゃったんだ……でも、なぜ? 現代英国を代表する著者が贈る、おかしくてほろ苦くも暖かい時空を超えた物語。/解説=金原瑞人
-
江戸の片隅で妖怪の子預かり屋を営む一人の若者がいた。その名は弥助。妖怪に育てられたのだが、ある事件で育ての親を失い、かわりに授かった赤ん坊千吉を、今度は懸命に育てている。顔なじみの妖怪達は遊びにくるし、入れ替わり立ち替わり子供を預けに来る妖怪もいるしで、騒ぎの絶えない毎日だ。そんなある日、弥助の大家、久蔵の双子の娘が、不気味な黒い影にさらわれた。だがさらったのは妖怪ではないらしい。双子の捜索は、妖怪奉行所西の天宮の奉行で、犬神の長、朔ノ宮の手に託されることに……。大人気〈妖怪の子預かります〉第2部開幕。
-
姉から猫の世話を頼まれ、 見知らぬ町に滞在することになった翻訳家の宮原。ある日、 近づかないように忠告されていた商店街にうっかり足を踏み入れてしまう。常に景色が変容し、 重なりあった異界が垣間見える商店街の深淵から、アリアドネの伊藤と名乗る人物に救出されるも、姉が異界の町の御神体にされたという事実を知らされる。事態を打開するには、 来たる 「掌紋祭」 の 「踊り合い」 で異界に近づく必要があるという。宮原は祭りに参加するべく、 町のダンス教室で猛特訓を積むことに。言葉とイメージの奇術師・酉島伝法が贈る往(ゆ)きて踊りし物語!/【目次】無常商店街/蓋互山、葢互山/野辺浜の送り火/巻末特別対談 カシワイ×酉島伝法
-
ホフマンは友人のコンテッサとフケーを誘い、それぞれ1編ずつ短編を創作し、『子どものメルヘン』として1816年のクリスマスに刊行、翌17年にはその第2巻を刊行した。なかでもホフマンの「クルミ割り人形とネズミの王さま」が代表作で、今は翻案のバレエがクリスマスの定番となるほど親しまれているが、刊行当時は子どもには複雑すぎて理解できないとされた。本書には1巻と2巻を集約、他に森の精霊に翻弄される話(コンテッサ「別れの宴」)、怪しい風体の男の甘言に乗せられて怖い目に遭う子どもの話(フケー「覗き箱」)など全6編を収録。/【目次】K・W・ザリーツェ=コンテッサ「別れの宴(うたげ)」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「小さい人たち」/E・T・A・ホフマン「クルミ割り人形とネズミの王さま」/E・T・A・ホフマン「見知らぬ子」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「剣と蛇 八章からなるメルヘン」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「覗き箱」/訳者あとがき
-
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。女を殺しては魔法の力を奪う呪われた大魔道師アンジストに、目の前で育ての親を惨殺されたことで、彼の人生は一変する。月の乙女、闇の魔女、海の女魔道師、アンジストに殺された三人の魔女の運命が、数千年の時をへてカリュドウの運命とまじわる。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る〈夜の写本師〉としての修業をつむが……。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションを巻き起こした著者のデビュー作。
-
ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ずっと歳上の男の人なのに仲良しになって、それから……それから、とても恐ろしい何かが起こりはじめた……失われた時を求める少女の、愛と成長と闘いをつづる現代魔法譚!/解説=三村美衣
-
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※帝国主義時代が続いている架空の英国・ロンドン。移民の両親をもつ少年アダムは、ある日追い剥ぎに襲われたところを、遠い昔に絶滅したはずの不思議な生き物の姿をした「タイガー」に救われる。助けてもらったお礼に、肩に刺さっている矢を抜いてやると、タイガーは世界の秘密に通じる驚くべき事実をアダムに告げた。世界とタイガーを救うべく、アダムは友達の少女とともに奔走するが……。ブリティッシュ・ブック・アワード最優秀児童書賞受賞、ウィリアム・ブレイク、フィリップ・プルマン、アラビアンナイトにインスパイアされた奇妙で独創的な物語。 -
ある王国の田舎の村に高潔な学者が住んでいた。学者には母親のちがう息子が二人おり、兄は賢く弟は美しかった。ある時、王国の第二王子が学者の評判を聞きつけ、自分の家庭教師にと招いた。王子は聡明で学者も喜んで教えたが、王子に父王に対する反乱を企んでいるとの疑いがかけられ、学者も捕らえられてしまう。幼くして罪人の子という重い軛(くびき)を背負うことになってしまった兄弟。互いを思いやりながら別々の道をゆく二人の運命は? 〈天山の巫女ソニン〉シリーズで人気の著者が家族とは何か、絆とは何かを問う感動のファンタジイ。
-
SFの叙情詩人ブラッドベリが、若い読者に向けて自ら選んだ傑作集。「この本は、イリノイ州の小さな町で育ち、宇宙時代の到来を──そうなってほしいと願い、そうなることを夢見たとおりに──生きて目にした男の子の手になるものなのだ。これらの物語をすべての男の子たちに捧げる」(はしがきより)。宇宙船乗りに選抜されることを夢見る15歳の少年の日々を描いた高名な表題短編を巻頭に、代表作「霧笛」「太陽の金色のりんご」「霜と炎」などの17編を収録した。/【目次】ウは宇宙船のウ/初めの終わり/霧笛/宇宙船/宇宙船乗組員/太陽の金色のりんご/雷の音/長雨/亡命者たち/此の地に虎あり/いちご色の窓/ドラゴン/贈りもの/霜と炎/アイナーおじさん/タイム・マシン/駆けまわる夏の足音/解説=牧眞司
-
巨大なアンテナ設備の近くにある家で、幼い娘を育てる父親が体験する数々の異変(「アンテナ」)、なにげなく漂着物を砂浜に埋めたことで老夫婦が巻きこまれる思わぬ事態(表題作)、中年になり帰郷した男が振り返る、キャンプ場で姉と過ごした子供時代のあれこれ(「海辺のうた」)……。海沿いに点在する無人の家、大潮の日にだけ行ける入り江、漂着物が絶えず流れ着く砂浜、さびれたキャンプ場……英国コーンウォールの海辺に見られるありふれた場所では、ふとしたはずみに幻めいた現象が起こり、もの哀しくも美しい物語がいくつも紡がれる。現実と幻想の境目で生まれた、いずれも忘れがたき13の短編を収録。サマセット・モーム賞受賞作『潜水鐘に乗って』に続く、珠玉の第二短編集。/【目次】空っぽの家/アンテナ/すぐの未来に/帰郷/出て行け/ソルトハウス/漂着物、または見捨てられたものたち/波乗り/嵐の日/死者たちの年/ケーブル/海辺のうた/漂流するクラゲたち/謝辞/解説=石井千湖
-
元地図学者のネルは、ニューヨーク公共図書館の高名な地図学者である父の急死を知らされる。父はなぜか、平凡な一枚の道路地図を大切に隠していた。だが、価値がないはずのその地図の複製は、あらゆる所蔵機関から失われていた。父の死の翌日に図書館を襲い、煙のように消えた殺人犯の狙いもこの地図らしい。ネルは地図の秘密を探っていく。その地図は、隠された世界への招待状だった──新鋭が放つ傑作幻想小説。2023年ミソピーイク賞候補。/解説=渡邊利道
-
皇帝の末娘アルスルは、特別な才能もなく人づきあいも苦手で、いつも皆にがっかりされていた。そんなある日、舞踏会に出席していた彼女の目の前で、父が何者かに暗殺されてしまう。アルスルは皇帝殺しの容疑で捕えられ、無実の訴えも空しく帝都での裁判で死刑を宣告される。部族の裁判を受けるため、一族の所領である城郭都市ダーウィーズに護送されたアルスルを待っていたのは、鍵の城の城主リサシーブ。だがその正体は……。人よりも優れた能力をもつ獣、人外が跋扈する世界を舞台に、変わり者と言われた少女の運命を描く異世界ファンタジイ。
-
月のケーキの材料は、桃にブランディにクリーム。タツノオトシゴの粉、グリーングラスツリー・カタツムリ。月の満ちる夜に作らなければならない……「月のケーキ」。幼い娘が想像したバームキンを宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のないバームキンがひとり歩きしてしまい……「バームキンがいちばん!」。魔女である祖母亡きあと城の守りを託された孫のコラムは、いかにしてヴァイキングの侵略を退けるのか? 「にぐるま城」。ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手による、幻想的で奇妙な味わいの13編をおさめた短編集。/【目次】月のケーキ/バームキンがいちばん!/羽根のしおり/オユをかけよう!/緑のアーチ/ドラゴンのたまごをかえしたら/怒りの木/ふしぎの牧場/ペチコートを着たヤシ/おとなりの世界/銀のコップ/森の王さま/にぐるま城/訳者あとがき
-
銀と、ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法によって、大英帝国が世界の覇権を握る19世紀。英語とは大きく異なる言語を求めて広東から連れてこられた中国人少年ロビンは、オックスフォード大学の王立翻訳研究所、通称バベルの新入生となり、言語のエキスパートになるための厳しい訓練を受ける。だが一方で、学内には大英帝国に叛旗を翻す秘密結社があった。言語の力を巡る本格ファンタジー。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作。
-
1994年、緑のジャングルと茶色い川をかかえる亜熱帯の町に、理解不能な言葉を話す9歳から13歳の子どもたちの集団がどこからともなく現れた。その存在は徐々に大人たちの日常に罅を入れていき、やがてスーパー襲撃事件という大事件を起こす。そして数ヶ月後、32人の子どもたちは一斉に命を落とすに至った──。社会福祉課長としてこの出来事に関わった語り手が、22年後のいま語る、その顛末。現代スペインを代表する作家が描く、子どものかわいらしさと暴力性、野生と文明、そして保護と支配。一読忘れがたき恐るべき寓話が、待望の文庫化。
-
アレックス・イーストンはヨーロッパの小国ガラシアの退役軍人だ。旧友マデリン・アッシャーから病気だという手紙をもらい、アッシャー家の館を訪ねてきた。不気味な沼のほとりに立つ館は陰気で憂鬱で、久しぶりに会ったマデリンの兄ロデリックはやせ衰え、目は落ちくぼみひどい有様だった。マデリンも見るからに病が重そうで、今にも息絶えそうなのにもかかわらず、夜には夢遊病者のように歩き回る。そして悲劇が……。ヒューゴー賞、ローカス賞、ミソピーイク賞などを受賞した著者がポオの「アッシャー家の崩壊」に捧げた傑作ゴシックホラー。
-
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※マイロの父は死者の魂を船に乗せて送り届ける渡し守をしていた。島の住人は死者が出るとその靴を渡し守のところにもっていく。そうしないと死者が島じゅうをさまよい歩いてしまうのだ。ある日領主の娘が亡くなった。ところが領主は娘の死を受けいれず、渡し守から靴を取りもどし、魔術師の闇のまじないで娘をよみがえらせようとする。マイロの父は領主の手の者に殺されてしまい、このままでは島じゅうに死者が放たれる! 怖がりのマイロはなんとか父のかわりに船を出すが……。『嘘の木』の著者による傑作YAファンタジイ。英国を代表する絵本作家エミリー・グラヴェットによる挿絵満載。 -
猫のムルは生まれたての子猫の時、稀代の知識人にして奇術師アブラハム氏によって、橋の下から拾いあげられ、大切に育てられた。アブラハム氏の家にいるあいだにムルは、氏が書き物をするそば近くに陣取って、読み書きを習得したのだった。そして、自らの人生を回想する原稿を書き始めたが、羽根ペンで書いては、近くにあった一冊の本、『楽長ヨハネス・クライスラーの伝記』のページをちぎり、吸取紙や下敷きとして原稿にはさんだのだった。いざ、原稿を出版する運びとなった折、印刷所が、はさまれた『クライスラー伝』をうっかりそのまま組み込んで印刷してしまったというのが、本書である。つまり、牡猫ムルが自らの人生を語っている文章のそこここに、音楽家クライスラーの伝記が、はさみ込まれているという二重構造の物語(二重小説)なのである。猫が主人公の動物小説であり、怪奇小説であり、犯罪小説であり恋愛小説でもあるという贅沢なこの物語は、当初は全三巻を予定していたのだが、著者ホフマンの死によって、第二巻で未完のまま終わっている。
-
人々に妖精の谷と怖れられる地で、荒野を庭として育った少女がいた。母は少女の名を隠し、少女の父、海の息子マナナーンから盗んだ鉢を護って洞穴でひっそりと暮らしていた。だが少女は日ごとに成長し、力強く、そして素早くなった。やがて広い世界への憧れが抑えきれなくなった少女は、母からペレティルという名前を受け取ると、カエル・レオンに玉座を構える王アルトゥルスの戦士団に加わるべく旅立った……。ネビュラ賞受賞作家が、アーサー王伝説群の中のパーシヴァルの物語を独自の視点で語り直した鮮烈な作品。LAタイムズ文学賞受賞作。
-
「わたしはオペラの怪人やドラキュラやコウモリの私生児だったのだ。本宅はアッシャー家であり、おばやおじはポオの末裔だった」(序文より)──ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者にしてSFの叙情詩人ブラッドベリ。その幻の第1短編集『闇のカーニヴァル』から15編を選び、新たに4つの新作を加えた珠玉の作品集。その後のSF、ファンタジーを中心とした作品と異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界が、なまなましく息づいている。ジョゼフ・ムニャイニのカラー口絵1葉と挿絵12葉を収録した。/【目次】こびと/つぎの番/アンリ・マチスのポーカー・チップの目/骨/壜/みずうみ/使者/熱気のうちで/小さな暗殺者/群集/びっくり箱/大鎌/アイナーおじさん/風/二階の下宿人/ある老女の話/下水道/集会/ダドリー・ストーンのすてきな死/訳者あとがき
-
〈月影ノ乙女〉は、〈月の獣〉を身の内に住まわせている。それはことあるごとに、人は独りで生まれて独りで生き、独りで死んでいくのだと囁くのだ……。精霊の恵み深き国ハスティア。ジルは幼い頃から卓越した魔法の力を発揮し、国に仕える魔法師(フォーリ)となった。だが、平和で豊かな国ハスティアを虎視眈々と狙う者がいた。竜に変じる王を戴くドリドラヴの侵略を受け、戦火に踏みにじられるハスティアの町々。掟によって魔法での攻撃を禁じられているフォーリたちは苦悩を深める。無辜の民の命を救うためにジルたちの選んだ道は……。『夜の写本師』でデビューした異世界ファンタジイの紡ぎ手が今放つ渾身の大作。/解説=小出和代
-
【新しい本を書きました。今回の本は世界に一冊しかありません。とても勇敢で、賢く、願いを叶える方法を知っている人に差し上げます。遠い昔、最も勇敢だった読者のみなさん数名に、本日特別な招待状をお送りします。】ルーシーは大好きな作家ジャックからの招待状を手に〈時計島〉に渡った。そこには彼女を含め四人の男女が招待されていた。ジャックの出す問題に答えて優勝した者が〈時計島〉シリーズ最新作の版権を得られる。ルーシーはゲームを勝ち抜くことができるのか、そして心からの願いを叶えることができるのか? 現代版『チャーリーとチョコレート工場』、本があなたを幸せにする、心あたたまる物語。
-
イギリスの片田舎にたたずむ〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉では、シャーロック・ホームズやドラキュラ伯爵など、名作の登場人物たちが実体化して暮らしている。ひとりの登場人物との出会いをきっかけにこの図書館を訪れた読書好きのバージャー氏は、やがて物語の世界をゆるがすとんでもない事件を引き起こし……。エドガー賞最優秀短編賞を受賞した表題作ほか、同図書館で語り継がれるホームズの逸話、『失われたものたちの本』の世界から贈る短編、次々と怪現象を起こす奇書をめぐる中編の四作品を収録。本と物語がテーマの作品集!/【目次】キャクストン私設図書館/虚ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)/裂かれた地図書──五つの断片/ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事/訳者あとがき/解説=牧眞司
-
純粋無垢な七十七人の少年たちと七人の大人たちは、空をゆく船に乗り、はるか彼方にあるらしい楽園を目指して旅をしていた。ある時、ひとりの少年が船から墜落する。不幸な事故と思われたが、親友の矢車菊には気がかりなことがあった(「無垢なる花たちのためのユートピア」)。人間が人形へと変化する病が流行した村で、ひとり人間の姿で救出された少女は、司祭のもとで看病される。しかし怪我が癒えた少女はだんだんと人形に近づいていくようだった(「人形街」)。歌人、小説家、評論家として活躍する幻想文学の新旗手・川野芽生の初作品集。/【目次】無垢なる花たちのためのユートピア/白昼夢通信/人形街/最果ての実り/いつか明ける夜を/卒業の終わり/解説=石井千湖
-
理性偏重の啓蒙主義への反発から、18世紀末、ヨーロッパで感情を重視するロマン主義運動が興隆した。その先陣を切ったドイツロマン派は、不合理なものを尊び、豊かな想像力を駆使して、怪奇幻想の物語を数多く紡ぎだした。本書はそんなドイツロマン派の作品群の中から、ティーク「金髪のエックベルト」、コンテッサ「死の天使」、フケー「絞首台の小男」、アルニム「世襲領主たち」、ホフマン「砂男」など選りすぐった9篇を収録。不条理な運命に翻弄され、底知れぬ妄想と狂気と正気の狭間でもがき苦しむ主人公たちの姿を描く、珠玉の作品集。/【目次】ルートヴィヒ・ティーク「金髪のエックベルト」/ルートヴィヒ・ティーク「ルーネンベルク」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「死の天使」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「宝探し」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「絞首台の小男」/ヴィルヘルム・ハウフ「幽霊船の話」/アヒム・フォン・アルニム「世襲領主たち」/E・T・A・ホフマン「からくり人形」/E・T・A・ホフマン「砂男」/訳者あとがき
-
砂漠に咲く奇跡の都ナルマーン。王宮の上空では翼をもつ魔族が飛び交い、豊かな水をたたえた池の中には魚や竜の姿をした魔族が泳ぐ。ナルマーンの王は神に選ばれ、魔族を操る力を授けられたのだ……。そんなナルマーンに住む孤児の少年ハルーンが出会ったのは、不思議な塔に閉じ込められたひとりの少女だった。ハルーンは、自分の名前も知らないというその謎めいた少女を助けて塔を脱出する。だが彼らのあとを、魔族が、そしてナルマーン軍が追いかけてきたのだ! 〈妖怪の子預かります〉シリーズで大人気、気鋭の著者が贈る傑作異世界ファンタジー。
-
邪悪な魔女や人間を襲う人狼。クロスボウを構えたラプンツェル。人間を憎む恐ろしい妖精(フェイ)。――「めでたしめでたし」なんて、無縁の世界。ロンドンに暮らすセレスは、ひとりで8歳の娘を育てていたが、ある日、娘が交通事故で昏睡状態となってしまった。医師の勧めで、セレスは田舎にあるケア施設に娘を移すことにする。その施設の敷地には、『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があった。娘の看病を続けるセレスが限界を迎えた日、彼女は何者かに呼び寄せられるようにして屋敷の屋根裏部屋に入り込み、さまざまな本が呼びかけてくる声を聴いた。そこに突然現れた怪物に襲われ、屋敷から逃げ出すが、気がつくと知らない場所に迷い込んでいた。そこは魔女や人狼、巨人たちが存在する、美しくも残酷な世界だった。セレスは元の世界に戻れるのか? 異世界冒険譚『失われたものたちの本』続編!
-
迷路のような地下都市カヴェルナの人々は自分の表情をもたず、《面(おも)》と呼ばれる作られた表情を教わる。そんなカヴェルナに住むチーズ造りの親方が、トンネルで痩せこけた幼子を見つけた。ネヴァフェルと名づけられた幼子は、ある理由から外の世界から隠されて育てられる。一瞬たりともじっとしていられない好奇心いっぱいの少女に成長したネヴァフェルは、ある日トンネルを抜けだし街に出てしまい、そこで奇しくも国全体を揺るがす陰謀のただ中に放り込まれるが……。『嘘の木』の著者が描く、健気な少女が大活躍する冒険譚。カーネギー賞候補作。
-
叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵(そうだりえ)は叔父を殺した。その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合う――その法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。/【目次】羅刹国通信/続羅刹国報/続々羅刹国――雨の章――/続々羅刹国――夜の章――/解説=春日武彦/津原国通信=北原尚彦
-
イノフェ公国は貧しかった。干魃で農耕ができず、経済は物々交換に依存する始末。そんな公国のプリンセス、エロディに、豊かな島国オーリア国の王子から結婚の申しこみがあった。エロディが嫁いでくれば、公国を援助してくれるというのだ。豪華な婚礼衣装、贅を尽くした料理、オーリア国は母国とは天と地ほども異なっていた。おまけに夫となる王子はうっとりするほど素敵なのだ。だがエロディはどこか違和感を覚えていた。そして結婚式の夜……。貧乏国のプリンセスが機知と勇気で運命を切り拓く、Netflix映画原作の異世界ファンタジイ登場!
-
【サマセット・モーム賞受賞、ホリヤー・アン・ゴフ賞受賞】48年ぶりに夫と再会するため、旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人(表題作)、身体が石になる予兆を感じた女性が過ごす最後の一日(「石の乙女たち」)、やがて巨人になる少年と、人間の少女のなにげない日常のひととき(「巨人の墓場」)、数百年を生き、語るべき話を失いながらも再び物語を紡ごうとする語り部(「語り部(ドロール・テラー)の物語」)……妖精、巨人、精霊、願い事をかなえる木、魔犬……さまざまな伝説や伝承がいまなお息づく現代の英国コーンウォール地方を舞台に、現実と幻が交錯する日々をあるがまま受け入れ、つつましく暮らす人々の姿を、新鋭ルーシー・ウッドが繊細かつ瑞々しい筆致で描く12編を収録した短編集。/【目次】潜水鐘に乗って/石の乙女たち/緑のこびと/窓辺の灯り/カササギ/巨人の墓場/浜辺にて/精霊たちの家/願いがかなう木/ミセス・ティボリ/魔犬(ウイシット)/語り部(ドロール・テラー)の物語/訳者あとがき=木下淳子
-
人間の医者と呪いにかけられた妖精の王女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の不思議な絆の物語「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハーブと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全10編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集、第3弾。/【目次】ロブの飼い主/携帯用エレファント/よこしまな伯爵夫人に音楽を/ハープと自転車のためのソナタ/冷たい炎/足の悪い王/最後の標本/ひみつの壁/お城の人々/ワトキン、コンマ/訳者あとがき
-
〈原野(ワイルズ)〉と呼ばれる沼の森を抱える国ラディスでは、〈小さな仲間〉という生き物がもたらす呪いが人々に大きな影響を与えていた。15歳の少年ケレンは、呪いの糸をほどいて取り除くほどき屋だ。ケレンの相棒は同じく15歳のネトル。彼女はまま母に呪いをかけられ鳥にかえられていたが、ケレンに助けられて以来彼を手伝っている。二人は呪いに悩む人々の依頼を解決し、さまざまな謎を解き明かしながら、原野に分け入り旅をするが……。英国SF協会賞YA部門受賞。『嘘の木』の著者が唯一無二の世界を描く傑作ファンタジイ。
-
ルーシ北部の領主の娘ワーシャは、変わった少女だった。人には見えない精霊を見る力をもっていたのだ。だが母が亡くなり、新しい母アンナがやってきたことで、彼女の運命は一変した。アンナは熱心なキリスト教徒で、精霊を悪魔と呼び、怯え嫌ったのだ。さらに都から派遣された司祭が村人の精霊信仰を禁じたため、本来人々を悪しきものから守っていた精霊たちの力が弱くなってしまった。ある冬、村を極寒と夜の化け物が襲った。ワーシャは精霊を助け、化け物と戦うが……。心のままに自由に生きようとする少女ワーシャの闘いを描く、三部作開幕。
-
『丘の屋敷』『ずっとお城で暮らしてる』『処刑人』「くじ」など数々の名作を遺した鬼才シャーリイ・ジャクスン。日常に潜む不安と恐怖、目には見えない邪悪な超自然的存在との出会いや家族間の複雑な関係、人間心理の奥底に流れる悪意を鮮やかな筆致でえぐりだした彼女に敬意を表し、ケリー・リンク、ジョイス・キャロル・オーツ、ジェフリー・フォード、エリザベス・ハンドら当代の錚々たる幻想文学の名手たちが書き下ろした傑作18編を収録する、珠玉のトリビュート・アンソロジー。シャーリイ・ジャクスン賞特別賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。/【目次】序文=エレン・ダトロウ/弔いの鳥=M・リッカート/所有者直販物件=エリザベス・ハンド/深い森の中で――そこでは光が違う=ショーニン・マグワイア/百マイルと一マイル=カルメン・マリア・マチャード/穏やかな死者たち=カッサンドラ・コー/生き物のようなもの=ジョン・ランガン/冥銭=カレン・ヒューラー/鬼女=ベンジャミン・パーシィ/ご自由にお持ちください=ジョイス・キャロル・オーツ/パリへの旅=リチャード・キャドリー/パーティー=ポール・トレンブレイ/精錬所への道=スティーヴン・グレアム・ジョーンズ/柵の出入り口=ジェフリー・フォード/苦悩の梨=ジェマ・ファイルズ/晩餐=ジョシュ・マラーマン/遅かれ早かれあなたの奥さんは……=ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/抜き足差し足=レアード・バロン/スキンダーのヴェール=ケリー・リンク/謝辞/解説=深緑野分/編者紹介/訳者紹介
-
村外れに一人で住む少年コルネーリオは、森で瀕死の男を見つける。男はフィレンツェ共和国政府の要人でもある芸術家ミケランジェロの密偵だった。教皇と神聖ローマ皇帝の軍勢から故国を救おうと、レオナルド・ダ・ヴィンチが隠した兵器の設計図を、密かに探していたのだ。だが手がかりは謎めいた詩だけ。治癒の力をもつコルネーリオと、かつてかれが命を助けた少女フランチェスカ、そしてヴェネツィアの魔術師も加わった一行は、敵の追っ手が迫るなか、万能の天才が残した手がかりを追う。『ヴェネツィアの陰の末裔』の著者が16世紀イタリアを舞台に描く、歴史ファンタジイの決定版。
-
アコースティックギターの調べは、ぼくの目の前に金色の雨として現われる。指で絹をなでたときには、レモンメレンゲの風味とねっとりした感触を舌に感じる。ぼくは「共感覚」と呼ばれるものの持ち主だった――コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くネビュラ賞受賞作「アイスクリーム帝国」、エミリー・ディキンスンが死神の依頼を受けて詩を書くべく奮闘する「恐怖譚」、マッドサイエンティストが瓶の中につくりあげたメトロポリスの物語「ダルサリー」、町に残される奇妙なしるしに潜む魔術的陰謀を孤独な男女が追う表題作ほか、繊細な技巧と大胆な奇想に彩られた全十四篇を収録する。/【目次】アイスクリーム帝国/マルシュージアンのゾンビ/トレンティーノさんの息子/タイムマニア/恐怖譚/本棚遠征隊/最後の三角形/ナイト・ウィスキー/星椋鳥(ほしむくどり)の群翔/ダルサリー/エクソスケルトン・タウン/ロボット将軍の第七の表情/ばらばらになった運命機械/イーリン=オク年代記/編訳者あとがき
-
代理祖父母派遣会社のエースとして、核家族の子どもの「ばあば」を演じて報酬を得ている女性(「替え玉」)。自分の中の発火遺伝子に怯えながら、製菓店の娘に恋する青年(「発火点」)。折りヅルを用いた遺産相続ゲームに挑む一族の男たちと、その審判を務める孫のぼく(「ツルの舞う家」)。大学を卒業し、何者にもなれず生きてきたある朝、ふと裏庭にトンネルを掘り始めた三人の若者(表題作)。――とびきりヘンで、優しく、がむしゃらな人々を描いた11の物語。シャーリイ・ジャクスン賞と全米図書館協会アレックス賞を受賞した珠玉の短編集。/【目次】替え玉/発火点/今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き/ツルの舞う家/モータルコンバット/地球の中心までトンネルを掘る/弾丸マクシミリアン/女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語(もしくは歯の生えた赤ん坊の)/ゴー・ファイト・ウィン/あれやこれや博物館/ワースト・ケース・シナリオ株式会社/謝辞/特別エッセイ=津村記久子/解説=倉本さおり/収録作原題・初出情報
-
魔導士の訓練校ネレイス城は百年前に反乱を起こし処刑された王子たちの幽霊が出るという城。夜になると目撃される不気味な幻、どこからともなく聞こえる声、人が消えるという噂。だがこの城には、もっと恐ろしい秘密が隠されていた。孤児として育てられ、虐げられたせいで口がきけなくなってしまった少女ル・フェ、聡明で不正を見逃せず、妥協を許さないがゆえに孤立してしまったセレス、臆病で事なかれ主義の自分に嫌悪を抱いているギイ。ネレイス城で出会った三人が城の謎に挑む。『魔導の系譜』の著者が力強く生きる少年少女の姿を描く感動作。/【巻末付録】漫画=イヌヅカヒロ
-
七夕の夜、ユアンは留学で中国を離れる恋人ヂィンに会いに出かけた。別れを惜しむ二人のもとに、どこからともなくカササギの大群が現れ――東アジア全域にわたり伝えられている七夕伝説をはじめとし、中国の春節に絡んだ年獣伝説、不老不死の薬を求める徐福伝説、済州島に伝わる巨人伝説など、さまざまな伝説や神話からインスピレーションを得て書かれた十の幻想譚。日中韓三ヵ国の著者によるアンソロジー。/【目次】「七月七日」ケン・リュウ/「年の物語」レジーナ・カンユー・ワン/「九十九の野獣が死んだら」ホン・ジウン/「巨人少女」ナム・ユハ/「徐福が去った宇宙で」ナム・セオ/「海を流れる川の先」藤井太洋/「……やっちまった!」クァク・ジェシク/「不毛の故郷」イ・ヨンイン/「ソーシャル巫堂指数」ユン・ヨギョン/「紅真国大別相伝」イ・ギョンヒ
-
妻が奇妙な強盗事件に遭遇した。犯人はお金に興味を示さず、居合わせた人々から「もっとも思い入れのあるもの」を奪っていったという。以来、なぜだか妻の身長は縮んでいき……(『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』)。祖母の授けた不思議な〈力〉に悩まされてきた五人兄妹。ある日、祖母から〈力〉を消してやると告げられた三女は、ひと癖もふた癖もある兄妹たちを集めるために奔走する(『奇妙という名の五人兄妹』)。――おかしな運命が照らし出す、夫婦の、兄妹の、家族のつながり。カウフマンの輝きに満ちた小説世界を2冊合本で贈る。/解説=牧眞司
-
深い森のまん中にある、深い深い穴の底。兄弟は空を見上げ、脱出の方法を思案している。土壁に階段をつくる。弟を肩にかつぎ上げる。どれほど見込みがなくとも、ふたりは生きなければならない。虫や木の根を食べ、泥水を飲む日々が綴られるなか、やがて物語は不可思議な幻覚と、めくるめく謎で満たされていく――。なぜ章番号は素数だけなのか。幻覚に隠された暗号とはなにか。そもそも兄弟はなぜ穴に落ちたのか。ふたりが辿りつく結末は、驚愕とともに力強い感動をもたらす。現代版『星の王子さま』であり、“深い穴”で生きるあなたに捧げる寓話。/解説=西崎憲
-
大学院生ザカリーが図書館で出会った、著者名の記されていない本。そこには誰も知るはずのない、彼の少年時代の不思議な体験が記されていた。本の秘密を追う彼は謎の男に導かれて魔法の扉をくぐり、どことも知れない地下に広がる〈星のない海〉の岸辺にある、物語で満ちた迷宮にたどりつく……めくるめく物語の魅力を巡る傑作本格ファンタジー。/解説=川野芽生
-
神戸に住むかりんはお菓子作りが得意な高校生。祖母の遺品の中にあったドイツ語の本を従兄の慧に訳してもらい、一緒に読んでいくことにする。そこに書かれていたのは、19世紀末の寄宿学校を舞台にした少女たちの物語だった。赤ずきん伝説の残るドレスデン郊外の森、学校で囁かれる幽霊狼の噂。校内に隠された予言の書と宝物の言い伝え。読み進むうちに、二人は物語と現実を結ぶ奇妙な糸に気づく。そして浮かんできたひそかな悪意……。『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の著者がグリム童話をもとに描いた神戸とドイツの不思議な絆の物語。
-
望楼館、かつては田舎の大邸宅だったが、今や積み重なった歳月に埋もれたかのような古い集合住宅。そこに住んでいるのは、自分自身から逃れたいと望む孤独な人間ばかり。テレビドラマの世界に生きる女、汗と涙を流し続ける男、人間であることを忘れ犬のように暮らす女……。語り手であるフランシスは、常に白い手袋をはめ、他人が愛した物を蒐集し、秘密の博物館に展示している。だが、望楼館に新しい住人が入ってきたことで、忘れたいと思っていた彼らの過去が揺り起こされてゆく。鬼才ケアリーのデビュー作にして比類ない傑作、ここに復活!/解説=皆川博子
-
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしに届いた、不思議な猫についてのメール。なぜか人の言葉をしゃべるその猫は、死ぬたびに生き返る数奇な半生を送ってきたらしい。おまけに猫の飼い主は行方不明になっていて――。本を愛し、へらず口をたたき、永遠の命を生きる猫。その周囲で起こる不可解な事件。メールに綴られた出来事は現実か、創作か。わたしは好奇心をくすぐられて調査に乗り出すが、その先には意外な展開が待ち受けていた。元・図書館司書と謎に包まれた猫が織りなす、ブラックで奇妙で、なのに心躍る物語。/解説=金原瑞人
-
イギリス南西部の建築事務所で非正規社員として働くレベッカは、幼いときに父親が家を出ていっていしまい、母親に育てられた。父親のレオには20年近く会っていない。ある日、男性記者エリスが取材目的でレオの行方を尋ねてきた。レオはかつてBBCの子ども番組に出演していた人気俳優だったのだ。エリスはレオが現在どこにいるのか見つけられないという。父親など存在しないかのように暮らしてきたレベッカが母親や親戚に聞いても、「ろくな男じゃない」としか教えてもらえず、生死すらわからない。だが、祖母がこっそり一冊の本を渡してくれる。それは、父親が自分のために書いてくれたらしいおとぎ話の本だった。レベッカはエリスの取材に協力しつつ、本を手がかりに父親を探そうとするが……。〈収集家と水の精〉〈世界の果てへの航海〉〈魔女とスフィンクス〉……7つの奇妙なおとぎ話が収められた本が、知らなかった父親の想いを描き出す。本をこよなく愛する著者が贈る、切なくも心温まる家族の物語。
-
子ども9人と大人3人を乗せた船が、スコットランドのヒルタ島から無人島へと出航した。孤島で海鳥を獲る旅が、この島の少年たちにとっては、大人への通過儀礼なのだ。だが、約束の3週間が経っても、迎えの船は一向に姿を現さず、このまま島から出られないのではないかと、不安が皆の心を蝕み始める。そんななか年長の少年のひとりクイリアムは、密かな決意を胸に、希望を捨てることなく仲間を励まし、生きのびるために闘うのだった。果たして迎えは来るのか? カーネギー賞受賞作。YAの名手が実際の事件をもとに描いた、勇気と成長の物語。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。