『俳句・短歌、ふらんす堂、0~10冊(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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◆ふらんす堂友の会会員様にお送りしている冊子「ふらんす堂通信」の一年分が一冊の電子書籍に!
四冊分の内容が詰まったお得な一書です。
●受賞特集
森賀まり句集『しみづあたたかをふくむ』
――第62回俳人協会賞
髙柳克弘句集『涼しき無』
――第46回俳人協会新人賞
和田華凜句集『月華』
――第11回星野立子賞
小川軽舟句集『無辺』
――第57回蛇笏賞・第15回小野市詩歌文学賞
大辻隆弘歌集『樟の窓』
――第15回小野市詩歌文学賞
河津聖恵詩集『綵歌』
――第41回現代詩人賞
熊谷蓬山句集『数珠子』
――第53回福岡市文学賞
山崎るり子詩集『猫まち』
――第63回中日詩賞
山田牧句集『青き方舟』
――第19回日本詩歌句随筆評論賞
種谷良二句集『蟾蜍』
――第19回日本詩歌句随筆評論賞・奨励賞
岩田奎句集『膚』
――第14回田中裕明賞
●追悼
……徳高博子追悼
徳高博子歌集『ジョットの真青』評――堀田季可
「思い出」――宮野健次郎
……秦夕美追悼
秦夕美さん追悼――藤原龍一郎
●書き下ろし書評
南うみを著『石川桂郎の百句』――細谷喨々
中村雅樹句集『晨風』――中西亮太
和田順子句集『皆既月蝕』――山崎祐子
松尾隆信句集『星々』――堀切克洋
山口昭男句集『礫』――岩田奎
「主題ということ」――小山玄紀
●連載
三者競詠――池田澄子・大木あまり・小澤實
私のプルースト4~7――高遠弘美
虚子研究レポート
38~41
――岸本尚毅
毎日精進
16~19
――小野あらた
俳書遠近1――千葉皓史
●付録 各号/編集後記・コラム・voix et bois 声の森 -
◆俳句界に問う一書
「俳句」とは偶発的な何かでしかないが、同時に一つのフォルムでもあるだろう。本書はこの偶発性とフォルムをめぐる種々の考察である。端的に言えば、本書はフォルムという可能性とその究極的な不可能性についての著作である。
(「フォルムとその語り─序にかえて」より)
◆目次
フォルムとその語り─ 序にかえて
I 俳句と俳句以後
不可知について─ 純粋俳句論と現代
高野素十と「俳句以後」の時代
預言者の沈黙─ 草田男におけるイソップ
月はなぜ笑ったか─ 永田耕衣論
歌謡と戯れ─ 阿部完市論
明晰さについて─ 能村登四郎の俳句と方法
身体(性)というアノマリー─ 葛原妙子、正木ゆう子、阿部完市
終わらない日常のための終わらない俳句─ 俳句甲子園の行方と俳句の終わり
II 多言語化する俳句
多様性について
世界俳句/国際俳句というパズル
俳句の多言語化とその無秩序の行方─ フルガー、バス、鈴木六林男
オーストラリア誌コルダイトポエトリーレビューにおける俳句特集について
後書き
刊行にあたり -
◆第一歌集
風に夜に都市に光に怯えてる僕の背中を登りゆく蟻
「風」「夜」「都市」「光」、つまり「僕」は自然と人工からなる世界の全てに「怯えてる」ことになる。だが、その「背中」の絶壁を登りゆく小さな「蟻」は、怖れという機能をもたない勇気の塊なのだ。
(帯より:穂村弘)
◆自選十首より
うろこ雲いろづくまでを見届けて私服の君を改札で待つ
麦揺れて風はからだをもたざれど鳥類であることをみとめる
掌のうへに熟れざる林檎投げ上げてまた掌にもどす木漏れ日のなか
放課後の窓の茜の中にゐてとろいめらいとまどろむきみは
りすんみい 齧りついたきりそのままの青林檎まだきらきらの歯型
さみしいときみは言はない誰のことも揺れるあざみとしか見てゐない
鉄道で自殺するにも改札を通る切符の代金は要る
たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく
放たれし鳥たちよわが手を離れ一点のあるがごとき静夜へ
送電線の向うの雲がちぎれたら適度な距離ではじめよう、また -
◆リトアニアを代表する詩人・ネリスの詩集
本書は、リトアニアの詩人サロメーヤ・ネリス(1904年11月17 日~1945年7月7日)の第四詩集『オキナヨモギに咲く』収録の全ての詩、および、『選集(Rinktinė)』収録の小詩集「M.K. チュルリョーニスの絵より」の全ての詩を収めた、日本語では3冊目のネリスの対訳詩集である。
詩集『オキナヨモギに咲く』は、1938 年に刊行された。国家文学賞を受賞していることもあり、ネリスの代表作とも言われる詩集である。
(訳者あとがきより)
◆目次
我が子
旅人
行こう!
君は出て行った
青ざめた唇
誰が知っていたのか?
父さんは眠っている
お母さんの涙
おばあちゃんのおはなし
大西洋の勝者よ
どこでも私はそれを見る
白樺林
永遠の旅人よ
秋の近くに
秋の大通り
放蕩息子
凍える砂漠
走り去った幸せ
太陽の血 -
◆第三句集
この句集に主題の明確な作が多いのは、私なりの挑戦だ。とはいえ、作者の意図は脇に置いて、読者の方には自由に鑑賞していただければ嬉しい。たとえば子供を詠んだ句が多いが、この句集に出てくる子供は、私の息子でもあり、戦場のみなしごでもあり、安寿厨子王でもあり、あるいは私自身でもあるだろう。
(あとがきより)
◆自選十五句
通帳と桜貝あり抽斗に
ぶらんこを押してぼんやり父である
忘るるなこの五月この肩車
星光は闇払へざる氷かな
スカイツリー見ずや冷たき缶集め
子にほほゑむ母にすべては涼しき無
駅前に人は濁流秋の暮
列聖を拒みて鳥に花ミモザ
抱きとめし子に寒木の硬さあり
疫病が来るよ猫の子雀の子
ぬぐふものなくて拳や米こぼす
パンのみに生くると決めて卒業す
ふるさとに舟虫走る仏間あり
あれはみなしごの水筒月の川
部屋にゐて世界見通す寒さかな -
◆リトアニア語対訳本
自らの正義に従った結果の不条理の物語
本書は、20世紀前半のリトアニア文学を代表する詩人サロメーヤ・ネリスが、リトアニアの民話を詩の形で語り直した作品です。原作の初版は1940年に出版されました。
「へびの王妃エグレ」は、リトアニアの民話のうち、最も人々になじみのある話のひとつといえるでしょう。様々な人がそれぞれの「エグレ」を語っていますが、本書であるサロメーヤ・ネリス版が最も有名かつ美しいと言われており、リトアニアの自然の美しさや夏至の風習の妖しさが描かれています。
(あとがきより) -
◆第一句集
白南風や聖書かもめのやうに開け
俳句の世界ではまだ若いよし枝さん。このように今までと同じように、のびのびと自由に俳句を作られることを望むばかり。
夏爐にとっては若手で、はやベテラン作家の一人である飯塚よし枝さんに期待すること大である。
(序より:古田紀一)
◆自選十句より
くちびるに鉄が匂へり空つ風
ボサノバの低く流れて熱帯魚
面決める声うら返り寒稽古
口中にくづすボンボン八重桜
歩き疲れてみつ豆の豆嫌ふ
大寒や厚きガラスのインク壺
街灯は等間隔にちゝろ虫
眩しさに涙ひとつぶ都鳥
訣別といふ明るさよ春疾風
引き金にわづかなあそび近松忌 -
◆必読入門書
俳句はこうして生まれる。
欲しかった一冊。
初句索引に加え、「私を育ててくれた人々」を書きおろしています。
入門書としては必須アイテムのシリーズです。
◆001
晩夏光もの言ふごとに言葉褪せ
昭和四十一年、大学入学と同時に「慶大俳句」に入会した。クラブ活動は短歌か俳句と心に決めていたが、当時短歌研究会はなかったので、おのずから俳句研究会へ導かれた。新入生歓迎会は明治神宮吟行。近くの喫茶店で生まれて初めて句会というものに参加した。現役よりOBの方が多い句会だったが、何句か先輩達の選に入った。それでやみつきになったが、やがて自分の言葉の貧しさにも気づかされた。
(『夏帽子』昭和四一年) -
私がHaiku Column を運営して4 年目になる。
毎日365 日休まずに運営してきた。その結果最近になって結論らしきものが見えてきた。
まず、最初に、Haiku Column は国際俳句交流の「一つ」のグループである。
初めは切れ、取り合わせに拘って、二行詩を提唱してきた。
そして、永田氏が七つのルールを提案した。
その結果、メンバーの間に、俳句は二つの部分からできている、と言うことが浸透し、そして七つのルールによって省略が効いてきた。
説明的な句がなくなってきた。具体的な物に語らせる、瞬間を切り取って詠むと言うことが浸透してきた。
次に大きな発見であるが、季語を紹介し始めてから、季語の欄が勢いづいてきた。
今現在、一つの季節に70 位季語を紹介しているが、季語の欄はどんどん秀句が貯まっていく。今回は歳時記、「春」 を出版したが、それぞれの季節に70 個季語を載せているので 今後、夏、秋、冬、新年を出す予定である。現在10000 以上の句が貯まっている。
一行目に季語、二行目に季語と良い距離感を持った季語とは別の言葉、また反対に、二行目に季語、一行目に季語と程よい距離を持った言葉というパターンを示してから、メンバーの俳句が日本の俳句に近くなってきた。シラブルも10 から15 の間で、そのまま日本の17 音俳句に訳すことが可能になってきた。
日本の俳人と交流するためにも、17 音に訳されたHAIKU は貴重なものだと思う。
今後できる限り、この方法でいきたいと思う。
私たちはここで有季定型グループとして進めていきたいと思う。
同じものを見て、同じように感動し、同じ気候の中で同じ感覚を持つことは、素晴らしいと思う。これこそ国際俳句交流の姿だと確信する。
(巻頭言より) -
◆第二句集
香水を一滴をんな取り戻す
美音さんの句はかなり大胆な試みのもとにあることがわかる。
いままでの美音さんの句全体を見渡してみると必ずしも試みが成功しているとは言えないものもあるのだが、そうした不成功を怖れないところが美音さんの特徴とも言える。
むしろ、ここからまた何か新しいものが生まれるのではないかという期待が生じてくるのである。
序より・大輪靖宏
◆自選十二句
連山を統べ大阿蘇の野火走る
この先は獣道かや山桜
荷風忌やソーヌゆつくり蛇行して
ときめきは晩年に来よ桃の花
国境は青き海なりつばくらめ
もう少しで星を摑めるハンモック
美しき刻を重ねて滴りぬ
あるがまま溺れてみたき芒かな
十六夜のしづかに潮の引きにけり
アサギマダラ色なき風に抗はず
家系図に一人加ふる春隣
初夢や手には届かぬ北極星 -
◆伝説の俳人・杉山赤冨士を繙く――
総数七千句に及ぶ赤冨士全句集『権兵衛と黒い眷族』所収の句と
娘であり、元「狩」同人・八染藍子の記憶を織り交ぜ、赤冨士の生涯に迫る。
◆収録作品紹介
亀鳴くや宮殿(くでん)のうちに五百歳(大正10年16歳)
日本は亀が鳴くという不思議な国であるが、句集『権兵衞と黒い眷族』の著者・杉山赤冨士は十六歳の第一作でこの季語を使っている。安芸の宮島を望む土地に生れ、宮島を我が庭として育った赤冨士に、茫洋としたこの季語も「宮殿」という語彙も既に掌中にあったものか。美術家と俳人との二刀流を以って戦後の広島に文芸の太い根を下ろした。
――「戦前篇(大正十年~昭和十六年)」より -
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第二句集
水鳥に会ふときいつも同じ靴
三十代までに十数回の転居をしましたが、
気が付くと、今の住居での暮らしが十九年ほどにもなります。
都会でもなく、本当の田舎でもない、
当地での生活にいつしか馴染んだようです。
(あとがきより)
◆作品紹介
一〇〇〇トンの水槽の前西行忌
自宅から土筆の範囲にて暮らす
雉の駆け込みし玉ねぎ小屋の裏
県庁と噴水おなじ古さかな
甘藍に囲まれ天使幼稚園
歌仙巻く女たちみな素足かな
集まらぬ日の椋鳥の楽しさう
初鴨の油の抜けしやうな顔
かいつぶり毎日無理をしてゐたり
水鳥に会ふときいつも同じ靴
水仙の先へ廊下を継ぎ足せる
法螺貝の素の音の出る春隣 -
◆既刊六句集全句収録
岸本尚毅の既刊句集『鶏頭』『舜』『健啖』『感謝』『小』『雲は友』の六句集の作品を収録した、全二三四三句の句集集成。
今どきの若い者にしては珍しい、という言葉をときおり耳にするが、そういう貴重な存在として今ここに岸本尚毅君がある。昔から俳壇に登場する若手といえば、大なり小なり青臭い文学臭を身にまとっている。この状況は昨今とても何ら変りはない。尚毅君には殆んどそれが無いと云ってよいし、彼の目はあくまで純粋に澄み切って、ひたすら俳句への情熱に溢れている。
なぜかわが若き日の分身であるかのようなこの好青年の将来を深く期待して止まない。
(第一句集『鶏頭』序より・波多野爽波) -
紙の本にはない附録付き。田中裕明が高校生のときに書いたエッセイ「青春俳句について」と作品27句を収録。
既刊五句集に「『夜の客人』以後」と「『夜の客人』拾遺」を加え2731句収録。
2004年12月30日、田中裕明は俳人としてのその短い生涯を終えた。享年四十五。雪の降りつづく日であった。田中が愛し、育てた弟子たちによって全句集が編まれた。思いを深くこころをとぎすまして一句一句にこころをかたむけながらの作業であった。「日本の伝統詩としての俳句をつくる」ということ、「詩情を大切にする」ということ、この二つの志の結晶としてこの全句集は在りつづける。
●収録内容
第一句集『山信』
第二句集『花間一壺』
第三句集『櫻姫譚』
第四句集『先生から手紙』
第五句集『夜の客人』
「『夜の客人』以後」
「『夜の客人』拾遺」
解題/岸本尚毅
年譜/対中いずみ
あとがき/山口昭男
季語別索引・初句索引
栞/前登志夫 夏石番矢 杉本秀太郎 小澤實 宇多喜代子 島田牙城 高橋睦郎 四ッ谷龍 大木あまり 小川軽舟 長谷川櫂 森賀まり
●著者略歴
大阪府大阪市生まれ。高校在学中の1977(昭52)年、「青」入会。波多野爽波に師事。京都大学在学中、79年、青新人賞、81年、青賞を受賞。卒業した82年、第28回角川俳句賞を受賞。俳壇を代表する青年作家として名を馳せた。爽波没後の92年、「水無瀬野」創刊。これを母体に2000年、主宰師「ゆう」を創刊。2004年の12月30日、田中裕明は俳人のとしてのその短い生涯を終えた。 享年45。 -
◆待望の一冊!
廃園から楽園へ。
(正岡豊)
のほほんと、くっきりと、あらわれ続ける言葉の彼方。
今ここをくすぐる、花の遊び。
読んでいる私を忘れてしまうのは、
シャボン玉のように繰り出される愉快のせいだ。
(鴇田智哉)
◆収録作品より
あたたかなたぶららさなり雨のふる
ミモザちる千年人間のなきがらへ
日々といふかーさびあんか風の羽化
うららかを捧げもつ手の手ぶらかな
さらばとは聞かで消えたるのどかさの
春てぶくろにおぼつかなくも棲む海か
きのふより少し古風な木に出会ふ
鳴る胸に触れたら雲雀なのでした
ひきはがす東風とペーパーヒコーキを
朧夜がなにもない巣を抱いてゐる -
◆現代俳句協会青年部・編
この輝かしい俳句の流れは、ここで途絶えてしまったのだろうか。そうではない。地下水脈となって浸透したのだ。
新興俳句とは何であったかを、広角的にアプローチし検証することが目的である。担い手は新興俳句がそうであったように、二、三十代の若者が中心となった。本書には俳句の未来をさぐる手がかりが無尽蔵であると信ずる。
(帯より・現代俳句協会副会長 高野ムツオ)
◆収録作家
安住あつし/阿部青鞋/石田波郷/石橋辰之助/井上白文地/片山桃史/桂信子/加藤楸邨/神生彩史/喜多青子/栗林一石路/高篤三/齋藤玄/西東三鬼/佐藤鬼房/篠原鳳作/芝不器男/嶋田青峰/杉村聖林子/鈴木六林男/高屋窓秋/竹下しづの女/富澤赤黄男/永田耕衣/中村三山/仁智栄坊/波止影夫/橋本多佳子/橋本夢道/東京三/東鷹女/日野草城/平畑静塔/藤木清子/古家榧夫/細谷源二/堀内薫/水原秋櫻子/三谷昭/三橋敏雄/山口誓子/横山白虹/吉岡禅寺洞/渡邊白泉 -
ふらんす堂ホームページ上で連載の「昼寝の国の人――田中裕明全句集を読む」が一冊に!俳誌「ゆう」連載の田中裕明のエッセイも掲載。
●執筆者
高柳克弘/神野紗希/杉本徹/中村夕衣/冨田拓也/相子智恵/鴇田智哉/黒瀬珂瀾/村上鞆彦/手塚敦史/小田涼子/マブソン青眼/中尾太一/小島なお/小笠原鳥類/斉藤斎藤/日下野由季/永田紅/庄田宏文/如月真菜/彌榮浩樹/佐藤成之/田中亜美/佐藤郁良/石川美南/佐原怜/鬼野海渡/藤原安紀子/橋本直/杉浦圭祐/永田淳/田中裕明
●田中裕明略歴
1959年(昭和34年)京都生まれ。1977年(昭和52年)に波多野爽波に師事し、早熟な才能を発揮。1982年(昭和57年)22歳で角川俳句賞を受賞。最年少の受賞者となり、俳壇のニューウェーブとして活躍。2000年(平成12年)に俳句結社誌「ゆう」を創刊、主宰した。2004年(平成16年)12月30日、骨髄性白血病による肺炎で永眠。享年45歳。句集に『山信』『花間一壺』『櫻姫譚』『先生から手紙』『夜の客人』。
2007年7月7日『田中裕明全句集』刊行。(『田中裕明全句集刊行委員会』編集) -
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第三句集
一瞬にしてみな遺品雲の峰
前の句集を出してから、思いのほか長い月日が過ぎた。途中、母の死をきっかけに句稿を何とかまとめたが、その二週間後に東日本大震災が起きてしまった。今思えば、あの震災は自分の作品を再び見つめ直すための厳しい機会だったのかも知れない。
◆収録作品より
南風吹くカレーライスに海と陸
さまよへる湖に似てビヤホール
簡単な体・簡単服の中
帰心とは水引草にかがむこと
いちじくの火口を覗く夜なりけり
風呂敷は布に還りて一葉忌
海流のぶつかる匂ひ帰り花
病棟は海鳴りのなか神の留守
しばれると皆言ひ交す夜空かな
大空に根を張るつららだと思へ
第57回俳人協会賞受賞!
第10回小野市詩歌文学賞受賞! -
◆ 精鋭俳句叢書serie de la fleur
序文・高橋悦男 栞・片山由美子
はくれんの祈りの天にとどきけり
ことばはあくまで易しく、しかし、発想は独自で鋭く繊細である。しかも、言葉に汚れがなく、透明で清純である。(序・高橋悦男)
飛び越せぬ川のありけり鳥雲に
菜の花や明日を明るき日と思ふ
ソーダ水楽しき刻を飲み干して
いちまいの水となりゆく薄氷
踏青や背に透明な羽根生えて
銀漢や一生分といふ逢瀬
引く波は見えず十一月の海
星涼し夜空に沖のあるやうな
いくたびも白きもの翔つ冬の海
白鳥に似てセーターの厚き胸 -
◆第一句集シリーズ/I
一本の虹できるまで踏むミシン
定型を守りつつ、口語を主体に、文語あり、切れ字あり、ですます調ありと、表現の実験をしているようでもある。
(序・福本弘明)
◆自選十句
肉桂玉ふふむふふふふ春の山
チューリップ合わない靴をはいている
鳥雲に波はおだやかなのだろう
六月を青いインクに浸すかな
夏木立足を曲げたりのばしたり
くちびるは潮騒の味立葵
ほうせんか出ていくことになりました
長き夜の気になる距離にある背中
成仏はさだかではないきのこ飯
風花やとべないはずはないのだが -
◆既刊句集7冊に未発表作品を加えた3307句を収録。
みな虚子のふところにあり花の雲
「ホトトギス」俳句との出会いは山田弘子にとって幸福な出発となった。現状に甘んずることなく常に清新な作品に挑戦しつづけた山田弘子、それはひとえに「花鳥諷詠」への心からの信頼に拠るものであったのである。
◆収録内容
第一句集 『螢川』
第二句集 『こぶし坂』
『こぶし坂』以後
第三句集 『懐』
第四句集 『春節』
第五句集 『草蝉』
第六句集 『残心』
第七句集 『月の雛』
未発表作品 補遺
解題 山田佳乃
年譜 辻 桂湖
季題別索引 -
◆全句集
火を焚くや枯野の沖を誰か過ぐ
「真の伝統作家というものは明日への創造をなし得る人であって、明日の方策のないものは真の伝統作家とは呼べない。」とみずからが語ったように、能村登四郎は伝統というものの意味を常に問い続けた作家であった。90歳の生涯を終えるその時まで詩の泉は枯渇することなく「俳句は叙情詩」の信念を貫いた。
解題・年譜 能村研三
既刊14句集に海外詠を加えた6516句を収録。
◆収録内容
第一句集 『定本・咀嚼音』
第二句集 『定本・合掌部落』
第三句集 『定本・枯野の沖』
第四句集 『民話』
第五句集 『幻山水』
第六句集 『有為の山』
第七句集 『冬の音楽』
第八句集 『天上華』
第九句集 『寒九』
第十句集 『菊塵』
第十一句集 『長嘯』
第十二句集 『易水』
第十三句集 『芒種』
第十四句集 『羽化』
海外詠 『欧州紀行』より
解題/年譜 能村研三
初句索引 -
◆句集『誕生』から『十七恩』に、番外句集を加えた作品1167句を収録。
明晰な把握と独自の表現技法によって、有季定型俳句の新たな地平を開いた鷹羽狩行。初期の清新な作風から円熟の境地に至るまで、俳句人生の成果がここに収められている。
栞:水原秋櫻子・山本健吉・井本農一・西東三鬼
解題・年譜・初句索引・季語索引
◆収録内容
誕生
誕生(定本)抄
遠岸
遠岸(定本)抄
平遠
平遠(普及版)抄
月歩抄
五行
六花
七草
八景
第九
十友
十一面
十二紅
十三星
十四事
十五峯
十五峯(補遺)
十六夜
十七恩
長城長江抄
翼灯集
翼灯集 以後
俳日記
啓上
啓上 以後
著書解題 片山由美子
年譜 片山由美子・鶴岡加苗
あとがき 片山由美子
初句索引
季語索引 -
◆季語別句集シリーズ「雨の歌」「水精」「天弓」の既刊句集、および「天弓」以後平成9年までの作品を季語によって分類して収録。作品理解の上で更に役立ち、実作者にとっては季語を通して俳句を学べる格好の一書。
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◆待望の第二句集!心は、以前にも以後にもうつる。それは感情に限らず、見える、聞こえる、匂うといった感覚に関しても。ときに心は、未来の出来事を先に見ることでさえ、ある。─今のこの出来事は、いつか遠い昔にも見えていたし、これからずっと先にも、また新たに聞こえ続けるだろう─この句集はいわば、心の編年体による。(あとがきより)風船になつてゐる間も目をつむり人参を並べておけば分かるなりまなうらが赤くて鳥の巣の見ゆるこほろぎの声と写真にをさまりぬ上着きてゐても木の葉のあふれ出す南から骨のひらいた傘が来るひあたりの枯れて車をあやつる手うすぐらいバスは鯨を食べにゆく
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第10回雪梁舎俳句大賞受賞!◆ 第一句集序・池田澄子俳句甲子園で最優秀賞を得た、いわば記念碑的な「夕立の一粒源氏物語」を、文香はこの第一句集を編む時点で捨てた。見事な根性である。そして確かに句集の作はその句を超えている。この健気を以て更に、俳句形式を悦ばせる俳人になっていくだろう。大変なライバルの出現である。言葉そのものへの興味、言葉をつかうことへの興味は、俳句という形式の中で増幅する。語の持つ音や文字の形のおもしろさ、言葉の負う背景、言葉同士のふれあいに気づき、感じる。私は俳句を選んだ。つかう言葉のひとつひとつを思い遣ることができる。(あとがき)
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。
