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『ライトノベル(ラノベ)、「東方Project」シリーズ 二次創作、五十嵐月夜』の電子書籍一覧

1 ~9件目/全9件

  • その少女は夜空の星を通じて世界を暴いていたはずだった

    入手した情報を元に、メリーと共にオカルトの調査をすべく奈良県は三輪山にやってきた蓮子。
     道中で結界の境も見つけ、秘された何かへの期待は高まっていた。
     夜半に山に侵入することに成功した蓮子だったが、出くわした怪しげな猫を追いかけているうちにメリーとはぐれてしまう。
     星と月から位置と時刻を割り出す力を頼りに、合流するべく夜空を見上げるが、猛烈な不快感
     ――そして、まともに位置も時間も分からないという現実が彼女を襲う。
     自分がどこにいるのか分からない。
     今がいつなのかさえ分からない。
     星空の下ではあり得なかった感覚に混乱する蓮子は、延々と変わらない風景の続く三輪山を彷徨い、疲弊していく。
     やがて朝を待ちわびるようになるも、彼女を待っていたのは太陽ではなく、さらに理解を超えた、祈りをも砕く現実だった。

     少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第11弾。
  • その少女は死なず腐らぬ肉体を是とされていたはずだった

    暗い場所に閉じ込められている――
     宮古芳香という名を持つということ以外に自分に関する記憶のほとんどを失った少女は己が見知らぬ所にいることを悟る。
     己を求めて、そして己を救える者を求めて彷徨う芳香であったが救われるべき己の肉体は死体そのものであった。
     「こんなの化け物以外にありえない」
     「私はいつから化生となったのか」
     自分が人間であると信じていた宮古芳香の常識が一歩を踏み出すたびに腐り落ちていく。
     やがて己の存在そのものを腐らせていくようになった芳香は人と人ならざる者の境界で醜く抗う。
     その抵抗自体も腐敗への道のりを進めるものであるというのに。

    少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第七弾。
  • その少女は人々の嘘を糧としていたはずだった

    かの伝説の大妖怪・鵺の正体たる封獣ぬえは、久々の地上に恐怖の不足を感じつつも、暇を持て余していた。
     夏の祭の日のこと。正面から祭の意図を挫こうとする魔女にあてられたぬえは、山の神たちを出汁に人々へ鵺の恐怖をしらしめることに成功した。
     人間が正体不明を恐れている。恐怖が私を強くする。だが問題はないはずなのに、ぬえは増大する妖力に不安を覚えていた。
     ――その不安は、的中することとなる。
     身を置いている寺の連中が、自分のことを正しく認識できなくなった。
     正体不明の妖力が悪さをしているとしか思えない前代未聞の事態に、解決を模索するぬえだが、正体不明を襲う正体不明の現象はそれだけでは終わらない。
     ぬえが辿り着いたのは、正体不明を歪める明々白々で絶望的な事実だった。

     少女たちが抱く『もっともおそろしいもの』をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第十弾。
  • その少女は視ることが己の全てのはずだった

    月の兎である鈴仙は、人里へ薬を売りに行ったり、永遠亭で主人の世話をしたり、程々に忙しくも穏やかに暮らしていた。
     ある日、仕事の帰りに妖獣と妖精の喧嘩の仲裁に入った鈴仙は、意図せず彼女らを自分の狂気に冒してしまったことに目の不調を感じ、コンタクトレンズで狂気の視線を抑制することにした。
     しかし狂気の瞳は鈴仙の意思や対策をあざ笑うかのように、部下の兎を、主人の敵を、妖怪たちを狂気に染めていく。
     自分の狂気が彼女らに自分を襲わせる。
     自分の存在理由が自分の手を離れる。
     自分で自分の首を締めている状況に心が耐えられなくなった鈴仙には、頼みの綱にすがりつく他、道は残されていなかった。
     しかしその道は、己の能力に一番詳しいはずの自分ですら分からないという現実を前にして容易く崩れ落ちる。

     少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第九弾。
  • その少女は世の転換を求めていたはずだった

    命を狙われていた天邪鬼・鬼人正邪は追い詰められた末、マジックアイテムの魔力を全て使い敵対者の『自分への害意』を逆転させることに成功した。
    好意を持って接してくる元敵対者たち。彼女たちは正邪の過去の行いが正義だったと誤認しきっていた。
    優しくしてくる皆に天邪鬼な部分は唾を吐くが、どこか安心した自分がいるのもまた事実だった。
    だが、元々裏も表もない者たちに変化などない。里の人間に害意を浴びた正邪は、望むべきそれに怯える自分に気づく。逆転した好意に浸かった心には罅が入っていた。
    けれど正邪は知ることになる。正道を外れた逆転によって生じた罅は、己を飲み込むものだと。その恐怖は正道であり、逆転という偽りの正道こそ真の邪道なのだと。

    少女たちが抱く「最も恐ろしいもの」をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第六弾。
  • その少女は真なる己を見て驚いた顔を愉快に眺める者のはずだった

    人里で暮らす妖怪・飛頭蛮の赤蛮奇は、変わらない日々に飽いた末に陶芸という趣味を見出し、人間に紛れて 作った器を売りながら、そこそこ充実した暮らしを送っていた。
     そんな中、自分を遠巻きに見つめる男の存在を悟る。正体に気付かれたか、と彼を捕まえて吐かせたその動機 は、赤蛮奇の作る器に魅入られたというものであった。
     器を介して不器用に繋がっていく二人。
     傍から見れば恋仲でしかない生活。
     だが、その関係が歪なものにならないわけがなかった。
     赤蛮奇にとって、自分が妖怪であるという認識は確固たるものであり、他人と触れ合わぬ彼女には顔色を伺う ことすら満足にできなかったのだから。
     そして歪な関係は、歪に組み合わされた不可避の未来を形作る。

     少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第八弾。
  • その少女は夢の世界を統べる管理者であるはずだった

    夢の支配者であるドレミー・スイート。
     普段根城にしている遊園地のある夢の世界で目を覚ました彼女は、眠る前のことを思い出せないことに気づく。
     不可解な事態を疑問に思いながら夢の中で過ごすドレミーだが、そこに夢ならではの怪現象の数々が襲いかかる。
     異物を吐き出す、人殺しに失敗する――現実での問題を強く示唆するそれらの凶夢は、いつの間にかたどり着いていた夢の世界から脱出する決意を固めさせるには、十分不吉なものであった。
     一つ、また一つと、妨害を掻い潜りながら、時には敗北しながら彼女は夢から覚めていく。
     しかし、現実へと、覚醒を求める彼女は夢の中で気づきもしなかった。
     己を眠りへと誘う存在の、その真の狙いを。この事態の根底に眠る、抗いがたい破滅を。
     少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第14弾。
  • その少女は人々の聲を聞き届ける天命を担っていたはずだった

    仙人である豊聡耳神子は、増えた弟子たちに自分の時間を削られながらも高みへ至るための修行の傍ら、復活した幻想郷で穏やかに暮らしていた。
     ある朝、そんな神子の目を覚ましたのは自らの声もろくに聞こえぬ爆音だった。
     すわ襲撃かと構えるも、廟の様子は普段と変わらない平穏そのもので、神子以外の住人は爆音などないように話しかけてくる。
     変わっていたのは、自分だった……?
     この耳が、狂ってしまった……?
     人々の声を聞くために与えられた聴覚の才。それが失われたという疑惑に至った神子はそれを隠してしまった見栄に屈して一人頑なに解決を目指す。
     しかし、不器用に取り繕う神子にはまだ知る由もなかった。
     頭を揺らす爆音は始まりに過ぎないことを。
     己の変容と配下の不変の狭間には、人の埒外に蔓延る化物の呼び声が満ちているのだと。

     少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第13弾。
  • その少女は自らを包む闇に安寧を見出していたはずだった

    外来人を襲って欲しい――そんな依頼を受けた友人らに連れ出された闇の妖怪・ルーミアは、追い詰めた人間の消失と共に、闇の中で不気味なうめき声を耳にする。
     聞き間違いか、気のせいか。不安を酒で忘れたその翌日、確かにそのうめき声はまた聞こえてくるのだった。
     いずこから発されるかも分からない声。
     何者かに憑かれているのか。
     這い上がってくる苛立ちと不安に耐えかねたルーミアは、敵であるはずの博麗の巫女に助けを求める。
     だが、神社に着いた彼女に待っていたのは、巫女ですら分からないという事実と、声の主が言葉を操り始めたという現実。
     闇に安寧を求める身でありながら、誰かの気配に満ちた闇に怯えるルーミアがその正体を知ったとき、理解不能な深淵からの来訪者が彼女を包み込む。

     少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第12弾。

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