『日本文学、辻邦生、801円~1000円(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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時には〈日常〉を脱して、魂の目くらむ昂揚を経験することも、人生を豊かにする大切な方法なのだ(本文より)。一九五七年の留学以降、第二の生活拠点となったパリ、創作への啓示を受けたアテネ、作品の舞台となったフィレンツェ、アルジェ……生涯を通じ旅を愛した作家の多幸感あふれるエッセイ集。
目次より
I 地中海幻想の旅から
中部イタリアの旅
フィレンツェ散策
私の古典美術館
アッシリアの眼
ポンペイ幻想
廃墟の教えるもの
地中海幻想
力ルタゴの白い石
友をもつこと
II フランスの旅から
ヨーロッパの汽車旅
恋のかたみ
モンマルトル住い
海辺の墓地から
早春のパリ
昔のパリいまのパリ
変ったパリ変らぬパリ
フランスの知恵
パリの雀のことなど
回想のシャルトル
近い旅遠い旅
パリ――夢と現実
風塵の街から
回想のなかのゴシック
III 北の旅 南の旅から
ロシアの旅から一
ロシアの旅から二
森の中の思索から
北の海辺の旅
南イングランドから
ハドリアヌスの城壁を訪ねて
大いなる聖樹の下
インド変容
旅立ちの前に
南の遙かな青い海
中国の旅から -
北欧で消息を絶った日本人女性の精神的彷徨。
織物工芸に打ち込んでいた支倉冬子は、一枚のタピスリに吸い寄せられ、魅惑されてしまう。ついにはヨーロッパに留学する決意までした冬子。だが、冬子は、ある夏の日、その地方の名家ギュルンデンクローネ男爵の末娘エルスと孤島にヨットで出かけたまま消息を絶ってしまう。
冬子が残した手記をベースに、生と死、または愛の不安を深く掘り下げた小説となっている。絶対的な孤独の中、日本と西欧、過去と現在を彷徨しながら、冬子はどのように再生していくのか……。
辻邦生が自著『生きて愛するために』で語った「死というくらい虚無のなかに、<地上の生>は、明るく舞台のように、ぽっかり浮かんでいる」という彼の死生観とともに、西欧的骨法によって本格小説を日本に結実させんとした、辻文学初期傑作の一つである。巻末に「創作ノート抄」を併録。
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