『ミステリー・推理・サスペンス、シティブックス、0~10冊(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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江戸時代の妖怪は、信じられないくらいに生々しい。そして、凶暴凶悪で、人をゾッとさせる妖気を漂わせる。
左右衛門は、天守閣で変幻自在な妖怪や大蛇などと死闘を繰り返す。はたして、妖怪を退治できたのか。
化け物たちとの息詰まる闘いを描く、時代怪異6篇。江戸のあやかしの世界に漂うべし――。 -
セックスカウンセリングの看板を新宿の古ぼけたビルに掲げて開業したのが、ドクター槍田伊兵衛。ふたりの美人看護師の助けを借りながら、地道に臨床実験を熱心に繰り広げていくなか。性生活の不満を抱える男女が相談にやってくる。さて、どうやって治療するというのか。しかし、戸惑いは一瞬。女体研究と性行研究をつづけてきたドクター槍田ならではの奇想天外な治療が行われ……。感度バツグンのエロス傑作――。
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病院の廊下で、きりっとした顔立ちの聡明そうな女性とすれ違った時、彼女は本郷敏明に軽く会釈をしてきた。見知らぬはずなのに。
家人に訊いてみると、伯父の会社に勤めているOLだという。会釈のことが気になって、心がかき乱されてしまう。
本郷は会釈ひとつで、恋心を抱いたのだ。男の淡い恋心は、はたして、どこに行き着くのか。
男ならば誰しもが抱く、少しわがままで、少しメルヘンチックな恋情。五つの作品が、男の五つの男のせつない心を描く――。 -
元風俗嬢という異色の経歴をもつ四宮沙奈江が、公家の家に生まれた優男・警視庁捜査一課の桜小路資朝(さくらこうじすけとも)刑事を相棒にて、難事件に挑む!
浅草の旅館で若い女性が焼死するという「能登三十六歌仙殺人事件」では、沙奈江は現場から消えた中年男性のこと以上に、被害者の女が燃えさかる炎から守り通した貝殻と西行の歌に着目し、担当刑事となった桜小路の尻をひっぱたくようにして、手掛かりを追って能登に飛んだ。おっとりてしている恋人の刑事を尻目に、沙奈江は鋭い推理によって犯人に迫る! 男を手玉にとる術を知る手練れの女でありながらも、恋人にはウブな少女になってしまう美女だった! -
老いてなお盛んでいられるのは、心身ともに健やかなとき。しかし、年老いた主人公は今、病室のベッドに横たわっている。
余命いくばくもない老人は、達観しているようでいて、脳内は妄想と欲望と性欲が渦巻いていた。老人だから、命が尽きる寸前なのだから、欲はない、というのは嘘なのだ。
老人は若くて優しい看護師の情に訴えかけ、乳房に見せてもらう。それだけでは飽き足らず、顔になすりつけたりもするうちに、抑えていた欲望が燃えさかってしまった。ベッドで寝ているだけの男は、妄想と実際の性欲の両方にまみれながら、究極の快楽に浸っていく――。 -
高速道路を我が物顔で暴走するトラックを狙った狙撃事件が連続して起きた。大惨事となった。
犯人の目的は、無茶を運転をするトラックを懲罰的意味合いなのか。
警視庁の斗樫は、最初の事件の被害者となった山梨の運輸会社に赴き、捜査をはじめた。
そこには、鬼女となって社会を恨む、ひとりの女の憎悪があった――! -
おふくろに届けてくれ――。
坂倉博光は、謎の言葉を遺して突然亡くなった。
託されたのは位牌。同僚の鈴木克宏は、途方に暮れながらも、坂倉の故郷・高山に向かった。
鈴木は自分の行動を、お人好しの男の善行と考えていたが、思いもよらず襲われてしまった。
これは坂倉がもたらした災厄なのか、位牌に秘密があるからなのか。鈴木は危険を承知で、謎を追う――。 -
温かみのある眼差しをもって、人との出会いの機微や一瞬のドラマを切り取り、18のドラマとして表す。テレビカメラに向かって深々と頭を下げた母の姿を描き、手袋の片方を残して行方をくらました少年がいて、映画館の片隅でたたずむどうしようもない父のドラマがあった――。心に豊かさと実りをもたらすエッセイ集。
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将来への希望と不安を胸に抱く若者は、丘の上の白いアパート「カサブランカ」に住み、夢を実現するために自分の信ずる道を進んでいく。
若さが織りなす失敗はほろ苦い。若さ故の世間を知らない傲慢さはせつない。ただ、若いからこそ見られる夢は貴重だ。
アパートの部屋ひとつひとつに育つ夢は、胸が苦しくなるほど美しい。
志水辰夫の真骨頂――。 -
東大在学中に司法試験に合格した超秀才の稲山威澄は、ハーヴァード大卒という見事な学歴をひっさげ、弁護士事務所を開いた。彼の父は日本最大の広域暴力団のドン。調査員として働いているのは組員の政。事務員の女性はなんと、対立している極北連合の会長の孫・清水さやか。奇妙な人間関係ばかりと承知しているので、稲山弁護士は仕事とプライベートを区別しているつもりだが、依頼されるのは裏のお仕事ばかり。少々不満ながらも、仕事はきっちり華麗に解決していく――。肩肘張らずに気楽に読める痛快極上ミステリー!
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元刑事が殺された。傍にいるはずの愛犬クロベエがなぜか、消えてしまった――。
その後、獰猛な黒犬が次々と暴力団員を咬み殺す事件が発生。クロベエが復讐しているのか? 切羽詰まった暴力団は黒犬に懸賞金を賭け、クロベエ抹殺に突き進む(表題作)。ほか、「冬に棲む魔性」「炎の河」「石の花」「海の角」「庭師」の5篇を収録。 -
千葉県の外房に位置するリゾートホテルを経営する浦辺智弘は、20歳も下の美穂と再婚を果たした。心身ともに、美貌の若き妻との結婚生活に満足していたが、ある日、妻の内股にキスマークのような痕を見つけた。打ち身などによる青アザなのか、本当にキスマークなのか。妻への信頼がぐらつきながらも、信じたいと思い、ついに真実を見極めるべく、探偵まがいのことをはじめるのだった。男は何歳になっても無垢な想いに突き動かされる!
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「シミタツ」こと志水辰夫が、ある重大な決意をもって発表した作品集である。
これを最後の仕事にすると決めて犯罪に手を染める男が背負ってきた過去について明かす、という「トマト」。7篇から成る短篇集の最初にこの作品を選んだというのは、シミタツの思い、覚悟の表れと受け取っていいだろう。短篇の名手は、作品を通して読者に思いを伝えられると信じている。著者の尊い思いに触れてみたい――。 -
故郷に帰って後妻になると決めたホステスの仲子は、東京で既婚者の浦上とデートしたのだが……(「日曜日」)、 やくざと交際をはじめたらしい店のホステスを見守る萩江は、20年前の自分を重ね合わせていた(「裏町」)…。 代表作『恋文』の直後に書かれ、さまざまな男女の機微をあざやかに描いた10篇を収めた短篇集。男と女が交錯する人生とは、なんと滋味深く、愛しいものか――。
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校庭の橡の木が伐られるとわかったとき、広久少年はショックで倒れてしまった。
伐採当日、現場監督がチェーンソーで足に大怪我を負ったが、広久少年は「自分が引き起こした」と言って行方不明になった。
植物と意志が通じるのか? 樹木に心があるのか? 人間の愚行を植物は防げるのか?
植物の不思議と自然の念力と現実の歪みとが混じり合う壮大な物語――。 -
3年前、榊原俊孝の弟は本牧埠頭からダイブした車中から発見された。当初は、弟の運転ミスと思っていたが、弟の部屋の整理をしているときに気づいた些細な疑問から、榊原は弟の死に疑問を抱くようになった。そして、思いも寄らぬ事実を、母から伝えられた。弟から中国古美術の唐三彩の水差しを預かった、と。
骨董や古美術に興味などもったことのない弟が、なぜ、高額な唐三彩を手に入れたのか。資金はどうやって工面したのか。榊原は、真実を突きとめるため、危険を承知で中国へ向かう――。 -
これは大人の清廉な恋なのだろうか。打算ずくめの関係なのか。
密かに自慢だった髪の艶とやわからさに気づいているかのように、津加子の髪に触れてきた辻沢。ふたりは同窓会での再会がきっかけとなり、月に数回会うようになった。互いに強く自制していたことで、体の関係には至っていなかった。だが、それで十分であるはずもなく、ふたりは旅に出ることで、関係を深めようとしていた。既婚者同士が小出しにする欲望と理性が絡み合うと、どうなるのか……。14篇を収めた珠玉の短篇集。 -
東成化工の梶井征一郎専務は、ホステスの美枝とともに赤坂のホテルでヘンタイの限りを尽くしていた。享楽の後に、地獄が待っていた。
その時の淫らな姿を隠し撮りされていたのだ。そして、写真のネガ返還の条件は、金ではなく、社の機密文書を持ち出すようにというものだった。
自分を守るべきか、社を守るべきか。困り果てた梶井は、裏社会に通じている代議士秘書に相談した。事はそれで収束することはなく、さらなる泥沼に向かい、思いがけない展開を見せていく。解決などあり得るのか――。 -
経営していた会社を乗っ取られ、老母の介護のために故郷に帰ったものの、男は惑いと悔恨と憎悪に翻弄される「岬」。刑務所帰りの旧友にしつこくつきまとわれた男は、家族を守るために、旧友のいうなりに金を払ったのだが……「再会」。人生の黄昏時にさしかかった男たちの日常と非日常を緻密に描いた7篇からなる作品集――。
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ネズミの異常繁殖によって、北海道大岳町の住人は恐怖の中で生活していた。そんな事態を解決するために、金融業の青江が鼬(イタチ)が町に放った。思惑どおりにネズミの被害は減ったが、錦鯉が喰われたり、鶏舎が襲われたり、乳児が噛まれるという、新たな緊急事態が起こった。鼬の増えすぎたせいだろうと思われたが、警視庁から警察庁に配転された徳田左近は、別の見方を持って、北海道に向かった(「憑神」)。ほかに「幻獣」「禁呪」。
人間の深淵を描く著者の力作全3篇! -
ネズミの異常繁殖によって、北海道大岳町の住人は恐怖の中で生活していた。そんな事態を解決するために、金融業の青江が鼬(イタチ)が町に放った。思惑どおりにネズミの被害は減ったが、錦鯉が喰われたり、鶏舎が襲われたり、乳児が噛まれるという、新たな緊急事態が起こった。鼬の増えすぎたせいだろうと思われたが、警視庁から警察庁に配転された徳田左近は、別の見方を持って、北海道に向かった(「憑神」)。ほかに「幻獣」「禁呪」。
人間の深淵を描く著者の力作全3篇! -
小学生時代の感覚、中学生の頃の大人ぶりたい想い、高校時代に芽生えた女性への熱くたぎる衝動、そしてバイクでの一人旅……。
子どもの時から大学生に至る、男子の年代ごとに湧き上がる感性を、見事に描いた作品集は、「きみ去りしのち」「TOO YOUNG」「センチメンタル・ジャーニー」「煙が眼にしみる」の4篇から成る。
かつての自分も経験したと錯覚に陥りそうな既視感が、あなたの心を抉る。「シミタツ節」の真骨頂がここにある! -
女は、新婚旅行の途中なのに夫に逃げられてしまったの、といった――。
北陸本線の列車のなかで、藤家芳行は偶然隣り合わせになった女から、思いもよらぬ告白を受けた。東京への帰宅途中だったが、その告白を女の誘いと受け取った藤家は、行き先を金沢に変えた。
その時のことを、藤家は一夜の過ち、一夜の出来心と片付け忘れていたが、女は忘れていなかった。
既婚男の浅はかさと女の妄執が、男の平和な家庭に少しずつヒビを入れていく。繊細ながらも芯の強い妻は、うろたえつつも手を打つことを必死に考えた! 舞台、TVドラマにもなった愛と憎しみの壮大なストーリー! -
老いを意識しはじめた時、滋味溢れる本書を薦めたい。
友人を亡くしたり、定年を迎えたり、薄毛がさらに細くなったことに気づいたりした時、自分がいきいきと生きていた時のことを懐かしく想うだろう。それは自分が築いた活躍の場所であり、居ていいと認められた場所だった。老い衰える中、活躍の場を失った者は、どう生きるか――。人生の抒情を豊かにを描く比類無き作家「シミタツ」渾身の短篇集! -
関越自動車道の高坂SAであった。根室のみる男の相場は三十代後半で流浪者。ただし、根からの流浪者ではない。心の荒廃で窶(やつ)れはてている――。
「世にも不幸な男の物語」はこうしてはじまる。トラック運転手の根室は、バンパーに凭(よ)りかかっていたヒッチハイクの男を、鋭く観察し、乗せてもいいと判断したところから不幸な男の話ははじまる。男の不幸がどうしてもたらされたのか、驚きの理由が! ほかに「始祖鶏物語」「幽犬」。読み応え十分の中篇が全3篇! -
地方の文学賞の応募作「2人の家康」の見事な出来映えに、選者のひとりが驚き感激し、受賞作に推した直後、梗概の砂丘で死体となって発見された。事件は文学賞選考に絡んでの怨みが動機かと思われたが、意外な展開を見せていく。捜査は遅遅として進まないなか、警察は稲山法律事務所に係官を派遣した。
本作は、著者が生み出した宮之原警部が大活躍するシリーズとは異なる、「軽み」に富んだ推理長編! -
石木響介と見合い結婚し、姑と三人で暮らして一年になる律子は、初めての子を身籠もりながらも平凡な生活に不満を抱いていた。
ある日、四年前に半年ほど付き合っていた宗田拓也から都心のホテルに呼び出された律子は、一度だけという思いで身を任せてしまう。ところが部屋を出ようとした律子に、夫の響介が交通事故死したという報せを受けた――。
なぜ夫は死んだのか、自分のせいなのか。次々に分かってくる不可解な事実に疑問を持った律子は、亡き夫の影を追い求め、やがて生まれくる子にある計画を企てる。
これは、究極の愛の形なのか? 連城三紀彦が問い、そして答えた愛の形とは? -
魅惑の女性・鷲見玲子を信奉する警察官、現役判事、弁護士によって開かれる私的な法廷がある。被告人は、現在の法律では正当な罰を与えられない悪事を行った者たちである。
法とは何か、社会正義、必要悪、市民感情とは何か――。日本社会に横たわるいくつもの矛盾を真正面から問いかけ、惑乱の解を突きつける、著者渾身の力作! -
上高地観光の大型バス3台が銃撃を受け、深い渓谷に墜ちていった。死者105名、負傷者54名という大惨事となった。
犯人は沼田光義。裁判ではしかし、無罪が言い渡された。
法にも社会にも正義はないのか。法は、アルコールに酔っていたという犯人を守るのか。
母と妻娘を喪った真琴悠平は、私的制裁ではなく、思いもよらぬ方法で正義を貫くことを決意した――。
圧倒的な説得力で迫る、西村寿行渾身の長編問題作! -
不倫の成就のひとつの形がここにある――。
建材メーカーの塩沢工業にとどまらず、タクシー会社の社長を兼務することになった企業戦士の塩沢敏郎。
社員に畏怖の念をもたれながらも、バランスのとれた経営手腕を振っていたワンマン社長・塩沢の心に、美貌の白川枝里子が忍び込んだ。
枝里子にのめり込み、愛を注ぐ塩沢。それに応える枝里子。
ふたりの大人が行く着く先では、何が待っているのか。山岳推理の第一人者が渾身の力で描いた大人の物語――。 -
中学生の娘・水絵から思わせぶりな物言いで、電機メーカーに勤めている父・小橋行広が浮気していると、母・知子に伝えたのだった。
はたして本当に浮気しているのか、中学生の娘に何か思惑があって嘘をついているのか。
懊悩する母をさらに混乱させるかのように、娘は思わせぶりな言動をつづける。それを裏打ちするかのように、夫が不審な行動をする。
母・知子は真実を突きとめようとするが、事態は、思わぬところに向かっていく――。 -
夫婦にとって長年念願だったマンションを手に入れた。しかし、幸せは長くは続かなかった。隣室の男の目に見えない嫌がらせは日を追うごとに狡猾で大胆になっていく。
可愛がっていたカナリアがベランダで死んだのは、隣家が猫にそう仕向けたせいに違いなかった。さらに、愛する妻に向ける変質的な視線は許しがたいものとなった……。
人の心に潜む悪鬼を炙り出す、西村寿行渾身の短篇の数々――。 -
中央アルプスにそびえる餓鬼岳の乳川谷の上流に独立峠がある。明治期、その峠の向こうに鬼助邑(おにたすけむら)が存在した。廃村になったはずのその邑に、十人ほどの男女が暮らしているという。ある事件をきっかけに、その邑の存在に注目したふたりの刑事が向かった――。だが、そこには、イギリス外務省秘密情報部SIS(前身がMI6)、アメリカCIA、FBI、国防情報部、海兵隊情報部、フランス国家安全保障局、ソ連KGBを巻き込んだ、想像を絶する巨大な組織、計画が横たわっていた。
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都内でも一等地といわれる渋谷区松濤。
商社に勤める夫の和智高広と二人暮らしの絢子は、行きつけのブティックを出て拾った現金入りの封筒を持ち帰ったことから、見知らぬ男に拉致され複数の男から陵辱される。その最中、なぜか男は高広についての情報を事細かく訊いてきた。不感症だった絢子が急に淫乱になったことに不審を抱いた高広だったが、これは大きな陰謀の発端にすぎなかった。
新興宗教から北海道をめぐる国際問題へと、波乱の渦が大きくなっていく――。 -
著者はあとがきで、この十の物語を書くことになった動機について書いている。
「愛という言葉を解説するのに、僕にはこの十の物語と本一冊分の字数が必要だったのです。四十近い年齢で漠然と考える恋愛には、恋の甘美さはなく、愛のほうも純粋にそれだけというわけにはいかず、生活の雑事の埃と煤にまみれています。(中略)その埃と煤のほうを書きたかったのだとも思います」(後略)」
愛という言葉に、誠実に向き合った著者が出した誠実な答えが、この短篇集にある――。 -
ふたりの男が延髄を刺され、トリカブトを注入されて死亡した。つづけて、女性も亡くなった。一見すると、何のつながりもないと思われたが、3人とも茸狩りでペンションに泊まった折、土石流に巻き込まれていた。生き延びた男は、そのことに気づき、思いもよらぬ手段を講じ、殺人鬼に抗していく――。〈表題作「幻獣の森」〉。ほかに「蟹と狼」「変化(へんげ)」「巨猪の山岳」。全4篇とも、脳の奥底を揺さぶる刺激に充ちた作品集。
西村寿行って、こんにもヤバい小説を書いていたのか――。 -
旧軽井沢で広大な敷地をもつ元華族の大邸宅で、本物のセレブが参集し、酒と料理と会話を愉しむパーティが催された。深夜になって、参加していた日本のホテル王の姿が見えなくなった。皆で探していると、二階の部屋で短剣を胸に一突きされて殺害されていた。数日後、軽井沢でのパーティに参加していた現職の国会議員が東京湾の倉庫街で殺害されているのが発見された。
これは連続殺人なのか、はたまた、偶然なのか。元華族の美女が、殺人に関わっているのか――。パーティに参加していた可愛くてしっかり者の女子大生・神谷慶子が事件の裏に潜む動機を探っていく! -
あり得ないほど見事なまでに、特異な短篇集だ――。北アルプス山麓の村で、若者の失踪が相次いだ。究明のために訪れた法師の伊良加は、そこに強烈な霊気を感じ取り、挑んだがはかなくも敗れてしまう。そこで頼ったのが、高僧の紹運だったが、はたして、どうなるのか……。(「情鬼の邑にどらわれし女の物語」より)。九つの短篇すべてが「~~の物語」と題され、全編に描かれる異界と現実の交錯には嘆息――。
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絵本作家夫婦の間に、すっと入り込んだ若者。彼が夫婦に心の隙間をついていく「もうひとつの恋文」、知らず知らずのうちに、不美人ながら尽くす女に心を奪われていく男の心模様を描いた「手枕さげて」など5作品を収録。創作のきっかけになったのが、友人や編集者が何気なく洩らした言葉・フレーズというから、一流作家の創造力に唸ってしまう。このあたりのことは「あとがき」に詳しく書かれている。一読推奨――
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ふと垣間見せる、日常の中での男の思惑や女の想いが、ふたりの関係を終わらせたり、はじめさせたりする――。
男は浅はかで女の真の考えをすくい取れないのか? 女はどこまでいっても思慮に富んでいるというのか?
男と女、夫と妻の関係の剛さや脆さを描く21の短篇集。
ここまで見事に鋭く日常を切り取れるものか? -
夏が終わりを告げる頃、北アルプス・赤岳ヒュッテの管理人が遺体となって発見された。山を熟知している管理人が遭難するはずがなかった。人が良い彼がなぜ、殺されなければならなかったのか。そこには、山小屋で起きていたあることが、源流だった――『遭難遺体の告発』。全7篇。アルプスの山々を舞台にした殺意と刑事の活躍を、熱量高く、切れ味鋭く描ききった短篇集。
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警視庁の刑事・妙玄真之は別名「悪霊刑事」と呼ばれるが、そんな刑事は在籍していない。
ところが、彼にしか解決できない事件が勃発すると、どこからともなく「悪霊刑事」は現れ、実在の者となる。
今回は、ヒトや家畜の体内に入り込んで卵を産み付け、狂気へと導く殺人蠅なるものが大量発生したことで、「悪霊刑事」は現れた。生物学者はもとより、自衛隊の火器を使っても食い止められない殺人蠅を、妙玄はいかに立ち向かうのか――。寿行ワールド全開の異界ハードロマン! -
竹内は担任教師の小林から、同じクラスの野川靖子との交際は控えるべきとの指導を受けた。そんな事実はないたので戸惑っているところへ、今度は当の野川靖子からは、教師にちょっかいをだされて辟易しているから、交際しているフリをしてくれないか、と頼まれた。仲睦まじいところを小林に見せつけるうちに、なにかがおかしくなっていく……(「落ち葉遊び」)。ほかに「たそがれ色の微笑」「白蘭」「水色の鳥」「風の矢」。全5篇、連城三紀彦の企みに感嘆――。
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どの夫婦にもありそうな秘密、浮気、不倫を描きつつ、そこに横たわるミステリアスな側面を見事にあぶり出した短篇集。
夫と妻って、きちんと向き合ってもややこしくなるのに、そこに姑や小姑が加わったらどうなることか。男と女、夫と妻の心の襞にひそむ愛と憎しみが、予想外のとんでもない結末を運んでしまう……。せつなさとため息と感動の八つの作品。 -
愛することが出来なくなってしまうと、真実だった愛は憎悪へと変わる。それが妻だった時、夫は離婚という方法ではなく、憎悪を妻に打ち込むことを選んだらどうなるのか。妻を最悪の状況に向かわせるために実行した夫の驚愕の方法とその結果とは……。表題作となっている「夜のない窓」。ほかに、親友と結婚することになったかつての恋人が、一晩だけつきあってといってきた「今夜だけ」、「午後だけの島」「山雀」など。男と女、それぞれが秘めた憎しみは、こんなにも見事にケリをつけられるのか。嘆息――。
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つい今しがたまで一緒にいた恋人の珠樹が「好きです、死にたいほど」という書き置きを残して消えてしまった。手塚は珠樹がいなくなったことで、彼女への愛の深さを知ることとなった。
珠樹はどこへ行ったのか。東京にいても手掛かりは得られず、彼女の故郷を訪ねようと決めた。手塚はそこで、壮絶な彼女の生い立ちととに、失踪の理由にも触れた。愛を知った男は、恋人を捜すことができるのか――。
後に大活躍する宮之原警部が、脇役で登場するのも興味深い。 -
表題作の「離婚しない女」では、読み始めてすぐ、
「夜明け頃に吹雪き始める。それまでに死体を岬の先端まて運ばなければならない」
という一文。いったい何が起こったのか、「私」という人物は誰なのか。
幾重にも謎を重ねた上質のこの事件、ミステリーの根幹に何があったのか。ほかに、「写し絵の女」「植民地の女」の2篇を収録。
いずれも、驚きの展開が待っている――。 -
ひどい宿酔で午後3時過ぎに目覚めたとき、探偵の秋津慎平は自分がラブホテルの一室にいることに気づいた。隣には全裸の見知らぬ女が。女と淫蕩な時間を過ごした後、依頼人が待つ日比谷のシティホテルに赴いた。今回の依頼人は女優の伊吹杏子。盗まれた前衛美術家の作品を元の美術館に戻してほしいという仕事だった。たいして難しいことではないと思ったが、美術品を戻した後すぐに男たちに襲われてしまう。しかも伊吹杏子の家出した娘の捜索まで依頼されたことで、大きな謎に立ち向かうことになる。息詰まるサスペンスとエロス。上質のハードボイルド、ハードサスペンス長編!
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渡世の世界で、自分を信じて生きる真っ正直な男「昭次」と、「姐さん」と呼ばれる親分の女房「絹」とのせつない交情を描いた「螢草」、バーの女に夢中になって家庭を捨てた夫を本当の心に想いを馳せる「微笑みの秋」、「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」など五編を収めた、著者独特の味わいに満ちた短篇集。読了時には、読書の満足と喜びが得られるはず――。
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待望の連城三紀彦作品!
「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる」。
7度殺され、8度めの殺人が間近にある、という手記。そして、高校教師の元に、「僕は殺されようとしています」というメッセージが届く。これは現実の犯罪なのか、悪戯なのか。僕とは犯人なのか、被害者なのか?
周到に埋め込まれたいくつもの伏線と展開が待ち受ける驚愕の本格推理エンターテインメント! -
飛騨高山の老舗料亭の息子は、東京でプロカメラマンとして成功を掴もうとしていた。そんな折り、実家の依頼という弁護士が訪ねてきて、今後一切、実家の料亭に関する権利を放棄してほしいと言って、五千万円の小切手を提示した。その後で、父親が事故に遭って亡くなったと告げた。
伝える順序が違うのではないか? 高山に住む妹夫婦は何をてしいるのか? 父の死をなぜ伝えてこなかった? 実家で何が起きているのかを確かめるため、息子は急遽、高山に向かった――。そこでは、思いもかけない重大事が連続して起きていた! -
京都四条河原町の裏手で、すぐ近くの乗雲寺の住職・神野全乗が刺殺されていた。そこには棄てらていた1万円札が数百枚、風に舞うという異様な殺人現場となっていた。そこで犯人として目をつけられたのが、アクション俳優の鈴鹿進一郎だった。
鈴鹿は、京都を舞台にした映画撮影のためにやってきたが、正義感と目立ちたがりの精神から、事件の真相解明に突き進んでいく。日本中に知られている有名人とはいえ、捜査権などない芸能人が、どうやって犯人を見つけるのか――。 -
親友と思っていた出世が早い同期入社の男に蔑まれ、侮辱の言葉を投げつけられたら、サラリーマンはどうしたらいいのか?
上司の策略で左遷させられても、黙って従うのがサラリーマンなのか?
地方に飛ばされている間に、妻に浮気されたサラリーマンは、子どもや家庭のために見て見ぬフリをすべきなのか?
本書の中編4本に、それらの答が描かれている。
悔しさと悲しみを堪えるばかりが正しいことではない。不誠実な者たちに、冷徹に鉄槌を下す。怯まずやり抜くその胆力と正義感が、正しいサラリーマン人生に導く――。 -
別れた女房に未練はないが、ひとり息子には少しばかり気を遣っている私立探偵・設楽公次の仕事場を訪ねてきたのは、心中で亡くなった女の母親だった。
事故とは思えないので調べてほしいという依頼だったが、設楽は気乗りしなかった。警察では心中に不審な点はないと公式に発表したというのだ。渋々ながら引き受け調べはじめると、次第に心中とは到底思えない事実がでてきた。探偵は細い糸をたぐるよう慎重に、頭脳と男の肉体を使い、心中の核心に迫っていく――。 -
シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。
大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作! -
シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。
大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作! -
12話からなる短篇集。短編二話ごとに間奏としてさらに短い短編を挟みという凝ったり構成である。本書は著者が苦労してデビューして6年ほど経ったころに書かれたもので、いわば、自信を得て脂がのってきた頃の著作といっていい。意欲的な短編ばかりで、読み応え十分だ。
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南アルプスの仙丈岳に登っていた2つのパーティの計5人が、激しい吹雪のなか、仙丈小屋にたどり着いた。
両パーティの食料は底をつきかけていたが、天候の回復は見込めず、足止めをくっていた。そんな状況のなか、新たに雪男と見紛うような大男が、小屋に避難してきた。
大男は、リュックを失い、なにも持っていなかった。5人はその大男のために、食料を供出するばかりか、寝袋まで貸すことになったが、大男は当然の顔で、感謝の言葉すら口にしなかった。
大男さえいなくなれば、生きながらえるのではないか。追い詰められていた両パーティの5人は、思いもかけない決断をする――。 -
私立探偵・伊賀光二。ハードな事件によって左右の手の小指を落とされるという報復にあう。
ある日、趣味の裏ビデオの鑑賞をしていた。画面には、切れ長の目で長い睫毛の女が本番を繰り広げていた。
その時チャイムが鳴り、仕事の依頼が飛び込む。依頼人は今まさに“鑑賞”していた本番女優だった。
坂部順子と名乗る女は「父親を捜してほしい」という。元刑事で伊賀と同業の私立探偵の父親は、調査中に別の事件に巻き込まれたらしい。
話を聞いた直後、すぐに手を引けという脅迫電話があり、行方不明になっている坂部の探偵事務所を訪れた帰り、三人組に襲われる。
またハードな事件に巻き込まれる予感を感じながらも、伊賀は若くて美しい女の頼みは断れない……。官能色豊かなハードボイルド探偵小説。 -
「奇妙な小説ですね」と、初掲載した小説誌の担当編集者が思わず唸ったという稀な作品。
主人公は湯佐稔、そして三年前に離婚して湯佐の元を去った佳奈子。彼女は娘とともに別の男と暮らしはじめていたが、どういう理由か、娘を置いて家を出てしまった。それを知った元夫の湯佐は、心の呻きに従い、元妻の行方を追い始める。
元妻は何から逃げ、何を怖れ、何を求めたのか。女の思考の神秘を追う大胆なエロス&サスペンス!
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