『歴史、角川文庫(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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"この藩を滅ぼしてやる" 復讐を誓った侍の、数奇で痛快な生き様を描ききる! 著者渾身の書き下ろし時代小説!
浅間山が大噴火した天明3年、ひとりの男児が生まれた。名は小早川彦蔵。幼いころ藩の謀略により両親を目前で殺されて以来、彦蔵は数奇な運命を辿ることとなる。藩への復讐を誓い、剣の腕を磨く彦蔵は、ある事件を契機に江戸へ赴くが、そこには数々の試練が待ち受けていた。宿命というべき自らの人生と真摯に向きあい苦しみ、だが懸命に生き抜く侍の姿を痛快に描く、著者新境地の書き下ろし時代小説、第1弾! -
姫さまに、モテ年到来!? 「妻は、くノ一」の姉妹シリーズ、新始動!
平戸藩の江戸屋敷に住む静湖姫は、微妙なお年頃のお姫さま。大晦日の夜、おかまの店で飲んだくれていると「来年はもの凄いモテ年になる」と占われる。年が明け、三十一歳になるのを機に習い始める三十一文字の和歌の会に参加すると、なんと屋根の上に死体が。謎を解こうと奮闘する姫の前に、素敵な男性が次々と現れて…。恋に事件に、花のお江戸を駆け巡る! 大人気著者が放つ「姫は、三十一」シリーズ第1弾。 -
吉原で代金を取り立てる町内きっての器量よし、おえん。金と色が渦巻く吉原で型破りのヒロインが大活躍
江戸で日に千両落ちるところといえば吉原。だが、快楽の夢に酔いしれたつけは、翌朝になれば待ったなしでまわってくる。懐中のものでまかなえぬ遊客には“付き馬”が遊女屋からついてゆくが、それでも無理な場合は、専門の取り立て屋の“馬屋”に依頼がゆく。その馬屋の跡目を町内きっての器量よし、おえんが継いだ。強談して埒があかないときには、一日も欠かさず付きまとい、目的のためにはどんな手段もいとわない。金と色が渦巻く吉原で型破りのヒロインが活躍する連作時代小説。 -
敗残の幕臣たちが開陽丸に託した夢の行方を描く
慶應3年3月半ば、三本マストの最新鋭蒸気軍艦が満帆に風をはらんで、富士を背に駿河湾を突っ走っていた。幕府がオランダに発注して建造した開陽丸を操っての15人の幕府留学生の帰国であった。特に榎本釜次郎にとって、開陽丸は設計から完成まで逐一立ち会って来た、オランダ留学4年間の夢の結晶であった。「開陽丸を擁する無敵海軍があれば、幕府は磐石です」と誇らしげな榎本を迎えた勝安房は眉間を曇らせて「お前さんの仕事は幕府の幕引きだ」と宣言した。5年足らずの間に事態は切迫していた。外国にあって、ひとたび祖国に目を転ずれば、危ういかな日本、迷える東洋の小羊の感を深くして帰国した留学生達はたちまち時代の流れに飲み込まれ、ついには蝦夷共和国建設へ、そのすべての夢をたくしたのであった。
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平将門と藤原純友の生涯を雄渾に描く傑作歴史小説
身のたけ六尺二、三寸、諸仏守護の天界の神将を想わせる体躯に、やや憂鬱の色を湛えた、りりしい顔を持つ人物、名は、平将門。坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊、夜盗跋こする都の退廃を目にしたが、その武勇と剛直な人柄に刮目した藤原純友は朝廷転覆の驚くべき野心を、彼にもらした。純友は、伊予大津の豪族。知略にたけて色を好むが、つとに官途への望みを断ち、力による天下改革を夢見ていた。伊予掾に任じられて都を去る純友、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門。純友は、海賊の首領に通じて、ひそかに、将門の無事を画策した……。1976年、NHKテレビ・大河ドラマ「風と雲と虹と」原作。 -
「宝暦治水」事件の全貌を描く時代長編。直木賞受賞
宝暦3年、屠蘇気分抜けやらぬ鹿児島城下に江戸藩邸より急飛脚が到着、濃尾川普請手伝いの幕命が下ったとの報がもたらされた。幕府と外様大名。征服者と被征服者との間にかわされる武器なき戦い――。幕命を拒否すれば天下を敵に回して戦わなければならない。涙を呑んで受諾し、総奉行・平田靱負以下数100人の薩摩藩士が濃尾の野に向かったが、そこに待っていたのは……。吉川英治門下の女流が「宝暦治水」をテーマに人間の極限を描いた本格的時代小説。第48回直木賞受賞作。 -
初作品集にして骨格・筆致ともに鮮かな時代小説5篇
乳母の娘・小兎君(ことぎ)と鞠投げ遊びに興じていた高岳(たかおか)親王は、父・安殿皇太子の私室の窓下に不審な男を見つけた。藤原薬子(くすこ)の夫・藤原縄主だった。娘・多岐が皇太子に輿入れするのについて来た薬子は、皇太子の寵を受け、そのまま宮中に留まっていた。多岐の入水、父・天皇の怒り――だが、やがて即位した平城天皇の傍らには、妖艶な薬子の姿があった。華やかな宮廷に展開する愛憎劇、政争を描く表題作ほか「みちのく戦記」「朝焼け」「罠」「船と将軍」を収録。 -
埋もれた男たちの〈志〉に光を当てる6篇。傑作小説集
明治5年初冬、浅草蔵前の裏長屋の一室に、男が居を定めた。箱館五陵郭で降伏し、新島に終身刑で送られていたものの、思わぬ赦免状で江戸に移った相馬主計(かずえ)。相馬は常陸笠間藩を脱藩して新選組隊士になり、鳥羽伏見戦争後、各地を転戦。土方歳三の戦死後は新選組隊長を名のっていた。先に逝った者たちを想いつつ日々を過ごそうとした主計には、数奇なめぐりあわせが待っていた――。第10回日本エンタテインメント小説大賞を受賞した表題作のほか「近江屋に来た男」「後鳥羽院の密使」「斬馬剣新六郎」「一つ岩柳陰の太刀」「尾張忍び駕籠」を収録。歴史の闇に埋もれた志ある男たちの姿を描き出す気鋭の傑作歴史小説集。
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日本にも海軍を。多士済々の青春群像を描き出す
幕末安政の頃、欧米列強の近代技術を背景にしたアジア植民地化の荒波は、ついに日本にも訪れた。250年余り続いた徳川幕府最大の危機を乗り切るため打ち出されたのが、幕府海軍を組織することであった。まず創設されたのが長崎海軍伝習所。伝習所ではオランダの力を頼みに航海術から数学、地理学に至るまで最先端の教育が行われ、多くのエリートが集まってきた。中には後に五稜郭にたてこもり、明治政府と対決する榎本武揚や勝海舟など見果てぬ夢を持った血気盛んな若者たちの姿があった。時代の急流にさらされながら、野心と知的好奇心を溢れさせる熱き青春群像を、多彩な長崎の風物を背景に刻んだ歴史長編。
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悪とは、正義とは何か? 世直しをめぐる若き忍者の闘い!
天井から垂れ下がった糸をつたって、乳色の液体がしたたり落ち、眠っている美女の唇に吸い込まれていった。すると信じられないような現象が起きた。女の美しい顔が、みるみるうちに皺だらけの老婆の顔に変貌したのだ! 乱れ切った世の中を糺そうとする気鋭の江戸町奉行鳥居耀蔵のもとで、市中を取締まる若き伊賀忍者箒天四郎は、ブラックリストの人物を得意の忍法で容赦なく懲らしめていった。だが一方には、彼の仕事を邪魔するヒューマニストの忍者塵ノ辻空也の存在が……。世直しで対立する二人の若い忍者の闘いを描いた力作忍法帖。 -
新選組が好きだ。その興亡の真実を通観する決定版
動乱の世に生まれ落ち、激しいまでの光芒を放った幕末最強の剣客集団・新選組。しかし、その実像はこれまで、真実と俗説が交錯しつつ語られてきた。人斬りが飯よりも好きだった乱暴者というイメージで語られがちな近藤勇は、実は文武両道を心がけた武人であった。土方歳三は、人一倍負けん気が強く、薬売りからその身を起こした。薄幸の美青年と語られる沖田総司は実は気性の荒い無骨な男だった。膨大な史料から掘り起こされたさまざまなエピソードをもとに通説の可否を詳しく検討し、著者独自の推理を加えて綴った新選組興亡史の決定版! -
北条早雲を助け共に天下を夢見た風魔一族の興亡
北条に風魔あり、と四隣に恐れられてから、かなり久しい。風間の地に在った小太郎義包(よしかね)が、役(えん)の行者の流れを汲む、身心陶冶の鍛錬から跋渉術を会得し、不眠、変身、飛翔、隠形等々、超人的な技を習得したのを風魔忍法のはじめとした。戦国乱離の時代、一介の武辺者・伊勢新九郎が天下の北条早雲となるまでに風間小太郎義包はその秘術を駆使して扶(たす)けた。四代目・小太郎吉包が縦横の活躍で天下の耳目を奪ったのは天正9年秋、甲斐武田との一戦であった。この時小太郎14歳、200余名をひきつれ敵陣攪乱の采配をとった。「魔性にたぶらかされた」と喧伝され、風間が風魔の字をあてられるようになったのはこれからである。折から北条家は早雲以来五代にして、はじめて興亡を懸けた土壇場に立たされていた。 -
史上最大の国難「元寇」に日本はいかに応じたか
鎌倉での領地争いに敗訴した天草の獅子島小一郎は、母とともに京都にたどりついた。この不案内の地で、京都を警護する篝屋武士の一団との争いをおこし、時代の渦のなかにまきこまれていく。蒙古使節の応対をめぐり、分裂する国論に若き執権・北条時宗は、非情の決断を迫られる。一方、皇位継承の争いから出世の道をとざされた公卿・西園寺実兼は、西国の貿易商人らと結び、蒙古に意を通じようとする。大国難を目前に幕府、朝廷の不安の動きを壮大な歴史のなかで描く圧巻の時代絵巻巨編。 -
自叙という手法を用い華山の真実に迫る、歴史小説
江戸時代後期、三河国田原藩の藩士であり、画家としても著名な渡辺崋山。家老として藩政改革に尽力し、時の蘭学者たちのリーダー的存在でもあった。天保10年(1839年)5月、蛮社の獄に巻き込まれ、「不忠不孝渡辺登」の絶筆の書を遺して、切腹して果てた崋山の生涯を、崋山研究の第一人者が描く歴史小説。上巻では、家老になった崋山が職を辞するため藩主に宛てた上申書の形をとって幼少から家老になるまでを自叙伝的に描き、儒学と蘭学の対立を沿岸測量を元に描き出す。 -
水軍の雄・九鬼嘉隆の生涯。海を愛した著者の代表作
永禄8(1565)年7月、波切(なぎり)大王の海城を逐われた23歳の九鬼嘉隆は、まだ明けきらぬ伊勢海に血走った目をぎらつかせていた。敵対する千余の志摩地頭軍に砦を囲まれ、暗夜の海を逃げてきたのだ。だが、ただ逃げ出したのではない。嘉隆は、海をへだてた尾張国の当主、まだ見ぬ織田信長のもとに走り、世に出る機縁をつかもうとしていた。一介の志摩の海賊の身から日本水軍の大将にまで上り詰める九鬼嘉隆の凄絶な海の闘いを描く、海洋時代ロマン。 -
戦国の名花・豪姫の数奇な生涯を描く、傑作歴史長編
信長の天下統一目前の頃、前田利家の四女・豪姫は秀吉の養女となり、やがて宇喜多秀家に嫁いだ。秀吉の養子にして中納言、備前・美作の太守となった秀家の愛情に恵まれ、豪姫は、戦陣の夫を気づかいながらも満ち足りた日々を送っていた。しかし、秀吉亡きあと、徳川家康に対する石田三成をはじめとする秀吉側近との対立は激化、ついに関ヶ原の戦いの幕が開く。そして、西軍が敗れた時、豪姫の運命は一転する――。戦国という荒波に翻弄された数奇な生涯を活写する歴史長編。 -
乱世に夢を託した北条早雲の生涯を描く時代小説
足利幕府の無能から天下麻の如く乱れた戦国時代の初め。兵火山野を焼き、熄むところを知らない乱世に夢を托したひとりの青年が、京の足利御所を辞し、一介の牢人者となって、東海地方にやって来た。目ざすは駿河の今川。足利将軍の一族として栄華を誇り、駿府は東の都として殷賑を極めている。青年は小堀備中守の曳馬(浜松)城を襲って、今川家から人質に来ていた寿々女姫を助けだし、これを手みやげに、大志を今川に懸けるつもりであった。いたいけな少女を抱き、東海道を馬を飛ばす青年の名は伊勢新九郎。信長、秀吉から家康の勢力が広がってゆく戦国末期に関東に覇を唱えた北条早雲の若き姿であった。
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伝説、怪異、心裡など超自然に材を採る異色短篇集
洋の東西を問わず、世にいわれのある奇岩は多い。だが、美しく哀しい伝説に魅せられて現地を訪ねてみると、多くはただの岩塊である。ところが飛騨の山中奥深くにある「屈み岩」は違うというのだ。失恋の悲しみから石化した美女の形姿を、そのままにとどめているという。主人公は、早速飛騨へ出かけた……。美しい姉妹の姫が恋人をとり合った悲恋の伝説、だが、これには微妙に異なる四つの説がある。いったいどの説が本当なのか? 表題作ほか、異色短編「月は沈みぬ―戦国妖怪譚」「おらんだ鏡」「緑の谷の孫康」「義親見参」「蓬莱島」「森の茂みを抜けて」を収録。 -
優れた着眼で著者の多才・多能を示す6編の傑作集
「あたし、呉服屋さんが好き!」。運命の女と心に決めたお喜和のこの一言に、安次郎は自分の将来を賭けた。抜群の計算能力から“鬼算盤”の異名を持つ安次郎は、愛する女のため江戸でも有数の呉服商・越後屋に入店した。だが、そこで彼は、一芸に秀でただけでは決して出世できないことを身にしみて感じた。巧みな話術を身につける一方、贈り物の効果的な使い方なども覚えた。やがて、彼の実力を発揮する絶好の機会がやってきた。江戸の豪商組合に、幕府から膨大な御用金が命ぜられたのである……。表題作ほか、著者の代表的短編「乞食会社と泥棒会社」「閨房禁令」「戦国外方滅方党」「天保瘋癲族」を収録。
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名脇役たちの人物譚で触れる江戸。滋味溢れる作品集
名将・加藤清正に始まる有力外様大名、肥後熊本54万石の加藤家は、清正の子・忠広の代に改易となった。名門の大藩を破滅に導いた三代目・光正の度し難い悪戯とは何だったのか?表題作のほか、関ケ原に敗れ、流罪となった宇喜多秀家を支えた人々を描く「母恋常珍坊」、赤穂浪士の討ち入りから70余年後、その思い出を語る尼僧の正体に迫る「堀部安兵衛の許婚」など、7篇を収録。ほかに「二度目の敵討」「おりん昭吉すかしの敵討」「おとよ善左衛門」「紺屋町の女房」。江戸初期から後期まで、江戸情緒を切り取った作品集。 -
夏の陣・豊臣家滅亡に至る経緯を辿る歴史小説
東西手切れと決まり、八方へ使者が走った。福島正則、黒田長政、浅野長晟、加藤嘉明、伊達政宗、前田利常、島津家久。豊太閤の恩顧縁故の情を訴え御味方を呼びかける秀頼直筆のお墨つきが届けられた。しかし豊家はもはや天下人ではなく、70万石の一大名にすぎなかった。豊家のこととなると目の色が変わる恩顧の大名たちも多数の士卒とその家族を抱えている。一片の義理で負けるとわかった戦さに出ることができない。が、淀君の驕慢と秀頼の暗愚はそれがわからない。それでも長曾我部盛親、後藤又兵衛、毛利勝永、仙石宗也、明石守重、御宿政友、新宮行朝、塙団右衛門、真田幸村らが続々と大坂城へ入った。その数5万。しかし、まともな武士は7000騎に過ぎなかった。
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不敗の剣を極め北辰一刀流を開いた男の苦難の生涯
陸前の生家で北辰夢想流を学んだ周作は、幼時より剣術の稀有な才能をみせていた。文化六(1809)年、周作は千葉家の期待を一身に集め、16歳で松戸宿にある一刀流浅利又七郎の道場に入門。天性の剣筋と不眠不休の荒稽古で頭角をあらわす周作に、師の姪の綾が秘かに想いを寄せる。ほどなく相思の間柄になるが、剣術の奥義をきわめるためには、諸国の道場を巡り、死に物狂いで他流試合の数をこなさなくてはならない。悲愴な想いで周作は、綾のいる江戸を後にするが…。津本剣豪小説の代表作。
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