『角川文庫、KADOKAWA、雑誌を除く、分冊版を除く(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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思いがけず〈本格〉に発展する事件簿。連作ミステリー
その男は事務所に入ってくると、秘密は守ってくれるでしょうねと、聞かずもがなのことをいい、今晩、H劇場に現われるはずのこの女を尾行してくれと、1枚のボケた写真を手渡して帰っていった。H劇場は九分どおりの入りだった。映画が始まってから女はようやく現われ、隣席の男に脱いだコートを渡しながら、何ごとか話しかけていた。銀座裏の喫茶店の2階で、伊東・那須・沢の3人がお互いの名前の頭文字(イニシャル)をつけて探偵事務所を開設。縁談やら素行調査が中心だったが、今回の尾行調査が殺人事件に発展! 連作ミステリーの傑作。 -
〈同窓会屋〉の男を通して“現代の不信”描く長編推理
一流企業のサラリーマンを辞め、同窓会の雑務を代行する新商売で収入を得ている二本柳優介は、五か月前に結婚したばかり。しかし、妻がなぜかセックスを拒むことから、今は三田マンションの一室に別居していた。優介は日曜日ごとに通う高級レストランの常連。そのレストランで一人の女性と知りあう。翌日、マンションを突然訪れた彼女と関係を持つが、城戸由香子という名前以外、一切が謎だった。由香子の行動をさぐるうちに、優介は由香子が名門私立「東京文明学院」の理事長・浜中桜子に養われている事実をつかむとともに、この有名私学が内紛で大揺れになっていることを知る。そして次の日曜日、優介はマンションの自室で何者かに襲われた――。
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初期作品から著者自選の8篇を収録する傑作推理集
暴力団の毒牙にかけられた妻の痴態をエロ映画に盗み撮りされた検事の激しい苦悩と執念を追う表題作。優雅な鳳仙花を小道具に中年の歯科医の心を不意に襲った犯罪への誘惑と殺人事件を描く「私に触らないで」。市井の哀歓や憤りや風刺を通して人生の真実にふれる直木賞作家の“推理小説を超えた”滋味深い自選推理小説集。作品はほかに「みにくいアヒル」「女の檻」「蝮の家」「老後」「孤独なカラス」「惨事」。 -
こんな世の中、偶然から始めた恐喝稼業は大繁盛…
強者が弱者を食う、これが同情の入り込む余地すらない現代の掟なのだ。ある夜、政財界の黒幕・水野信三は殺し屋に銃撃され、命をおとしかけた。その時、偶然にも現場に居合わせたナイトクラブのボーイ村木駿は、身を挺してその危機を救った。この事件以来、水野の庇護を受けるようになった駿は、そこで新しい生き方を学び、ある新商売を考えついた。〈どんな大物でも、世間に知られたくない弱味はあるものだ。それをネタにして合法的な取引を申し出る〉――恐喝を事業化しようという計画なのだ。利権を求めて奔走する代議士、売春組織を操る旅館経営者等、駿の事業にうってつけの話はいくらもあり、「恐喝屋稼業」は順調に伸びていったが――。
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新選組を支えた大侠客の生涯を描く、史実小説の傑作
幕末から明治維新にかけての動乱の時代。関東の大前田英五郎、東海の清水次郎長と並び称された大侠客・会津の小鉄――血なまぐさい事件が頻発する京都で、会津藩部屋総取締役となった小鉄は、徳川の“葵の紋”と近藤勇に己の生命を賭けていった。多くの手下をつかい池田屋襲撃の手引きなどで暗躍し、その名を轟かせた。だが、ついに訪れた“葵の紋”の落日、幕府の崩壊は、激しく生きた小鉄自身の落日でもあったのだ……。丹念に資料を掘り起こし取材して侠客の生涯を描いた著者会心の傑作史実小説。
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堤康次郎と五島慶太から始まる、ライバル物語
西武鉄道の堤康次郎と東急電鉄の五島慶太。首都東京の郊外交通を二分する私鉄王国を築いた二人は、あらゆる点で対照的だった。関東大震災以後、東京西部への急激な住民移動で、交通網の整備が急がれた。この好機を得て、強盗慶太、ピストル堤と異名をとる二人は、池袋と渋谷を拠点に、不動産、流通、観光へと業容を拡大した。二人の強烈なライバル意識は、類似の業容を生みだすとともに、清二、義明vs昇へと世代をこえた企業戦争へと発展する。異色のライバルを通して描く、経済戦国史。 -
雄大なスケールと構成で、ベスト1大本命の長編推理
これは関係者の間で「鈴木文書」または「S文書」と呼ばれている、元海軍少将・鈴木高徳の満6年間の悲劇の手記である。時々刻々、第二次大戦の危機が発火点に近づいていた昭和14年。鈴木高徳は、密命を帯びてドイツへ赴任した。スイス銀行の“天皇の秘密預金”をもとに、白金・タングステンなど兵器製造に重要な軍需資材の買付けのためであった。任地先のドイツで、彼の密命遂行を陰に陽に援(たす)けるロシア亡命貴族の血をひく混血日系人・山戸小太郎、密命工作中に知り合った美しいエッゲルト夫人との逢瀬、軍需資材の横取りを企るナチス将校のクライストなど、手記は、当時の緊迫した国際情勢を克明に伝えている。だが、日本の敗戦は、彼に拳銃自決を強いる結果となった。まさに、彼は一命を賭して使命を果たしたのだった……。著者の規模雄大な異色ロマン・ミステリー。
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暗黒社会を知る教科書。山口組と現代日本史を辿る
日本のドン、三代目山口組組長・田岡一雄――山口組は、淡路島出身の山口春吉により大正4年、わずか50人の作業員を率いて神戸に看板をかかげた。その組織が田岡の時代、昭和39年には、424団体、9450人を配下に持つ、日本最大最強を誇る巨大軍団に成長していた。日本のアウトローの歴史をたどりながら、暗黒社会の頂点に達した男・田岡一雄の生き様と、彼がどのようにして強大な地下帝国を育てあげたかを描いた、迫真のノンフィクション・ノベル。 -
警察がマスコミを、組織が個人を、そして権力が正義をいかに踏みにじっていくのか
北海道警察の裏金疑惑を大胆に報じた北海道新聞。しかし警察からの執拗な圧力の前に、やがて新聞社は屈していく。組織が個人を、権力が正義をいかに踏みにじっていくか。恐るべき過程を記した衝撃の証言! -
小さな疑問から知る社会の矛盾。森村桂、怒ってます
戦後、日本は見違えるほど豊かになり便利になった。スーパーマーケットやデパートには、これでもか、これでもかと、ありとあらゆる品物がならんでいる。休日には家族そろってドライブし、台所には電子レンジから皿洗い機まで置かれている。しかし、だからといって、人々の心までが幸せになったわけではない。必要なのは物質ではない心なのだ。だからこそ、いま、わたしは言おう――救うべきは心である! -
男、女、犯人、目撃者…〈目〉にまつわる事件簿、10篇
健康診断を受けに来た病院で、山岡は睦子に再会した。7年前、睦子は12歳だった。少女が完全に女性に変身している。二人には、にがく照れくさい思い出があった。当時、山岡は睦子の家庭教師をしていた。早く父を亡くし、母親がバーを経営していたので睦子は一人で夜を過ごしていた。あの年、睦子が、初潮があったことを告げ、山岡は求めに応じて、唇にキスをした。しかし、二人は覗かれていた。しかも覗いていたことが殺人事件のアリバイ証明だった(「許す目」)。ほか、「隠れた目」「場違いな目」「芝の目」など、目にまつわる様々な事件簿10篇。
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探偵役、冴えたトリック、人気の高い6篇。傑作集(2)
私立探偵をしている三影潤の元へ、緊急電話がかかった。潤が以前、家庭教師をしていた篠村家からだ。かつての教え子・賢一郎が伯父・神野を殺してしまったらしい。神野家へ急行した潤は窓を破り、屋内に侵入し、呆然としている賢一郎を発見した。だがその部屋は、神野と賢一郎を閉じ込めた密室。何か暗示を受けたのか賢一郎は室内から閉めた掛け金に、手を触れられなくなっていたのだ。しかも、そこには神野の遺書さえあった。自殺か? それとも数億にのぼる財産を狙う者の仕業か?表題作をはじめ、名作の評価高い「おたね」「赤い痕」「虹の立つ村」「小さい矢」「ねむい季節」収録の傑作短編集。
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処女出版にして代表作に数えられる、本格推理長編
“デラ”のホステスあかねが、アパートの一室で殺された。嫌疑は、あかねを慕っていた大学生の大田垣昭二にかけられた。が、アパートの住人のアリバイを調べていくうちに、意外な事実が次次と浮かび上ってくる。事件の鍵を握っていたのは、1枚の宝くじと新聞の誤植であった! 佐野洋の処女長編推理小説。 -
失敗してもくじけない勇気。桂さんはそういう人でした
青春時代――この時ほど、なにかにつけて血がさわぎ感受性の鋭い時期はない。若者よ、冒険をさがそう。勇気と開拓精神を持とう。たとえ失敗し続けても、それによって新しい成功への道が発見できるではないか。でっかく悩めば、また、でっかい夢の実現の可能性を秘めている。大きな夢や理想を実現させたければ、Lサイズの心がまえと決断を持つことだ。Lサイズの決意と宣言で青春に賭けてみようではないか!方法過多で、結局は何もできない現代の若者たちに〈勇気と希望〉を与える著者会心のエッセイ集。 -
警察の腐敗を追う捜査官。傑作の世評高い、長編推理
ある日、捜査係の森永順治は、まったく異例の辞令を受けとった。それは、制服を着用せず、拳銃や警察手帳はもちろん、警察官とわかるような用品はいっさい持ち歩かずに、特殊任務につく命令だった。県内警察官の非行を摘発する極秘命令――署に寄せられた〈投書〉によると、県内第2の都会・志川市に、悪徳業者と組み、警察がうしろ立てになっている≪売春組織≫があるというのだ。森永は偽名を使い、生命保険会社の調査員というふれこみで、投書にあった“赤いネックレスの女”を追いはじめた。流麗な筆致で、微妙な心理のあやを鋭く描いた長編ミステリーの傑作! -
猫好きのではの表題作など、本格推理5篇。傑作集(8)
ぼくのあだ名はオバQ、大の仲よしの康志ことコーヒーと、子ねこを拾ったばかりに殺人事件に巻きこまれてしまった。それもぼくたちのあこがれの女先生に深いかかわりがあるらしい。どうしよう! 著者が生前こよなく愛した猫をテーマに描いた表題作、ほかに「坂道の子」「サンタクロースと握手しよう」「蒼ざめた時間」「縞模様のある手紙」を収録した本格推理小説集。 -
巨大空母搭載の“核”を狙え…入魂のスパイ小説
アメリカが自由世界の旗手として誇る原子力空母エンタープライズ=ビッグ・E。その航行距離の長さは、無寄港で世界を数周できる。搭載したミサイル、重爆撃機などの最新兵器は、いくつかの地上基地を集めたより強大で想像を絶する破壊力を持つ。これがもし爆発すれば、東京・大阪を結ぶ太平洋ベルト地帯を軽く吹き飛ばすほどの莫大な量の“核”をも積んでいるという。いま、恐るべき計画が着々と進行していた。この浮かぶ巨大要塞ビッグ・E爆破を狙う男たちが、深く静かに行動を開始したのだ。著者入魂のスパイ小説の最高傑作。 -
事故か陰謀か…道原伝吉刑事、大苦戦。本格推理
10月下旬、北アルプス上高地――。映画『黒い断崖』のロケ中、ヒロイン北川由希のおもちゃのはずの拳銃から実弾が発射された。相手役の有島竜二は即死、殺人容疑は由希をはじめとして、撮影現場にいた全員に向けられた。長野県豊科署の刑事・道原伝吉は早速、事件の背景を探ったのだが……。復讐か? 陰謀か? 事件演出の犯人は深い謎に包まれていった――。巧妙な山岳トリックを駆使して描く、本格ミステリー。 -
時代と社会と家庭…普遍のテーマに迫る長編
平和で明るい家庭が、ひとつの事件をきっかけにもろくも崩れ去る……。消えかけた夫婦・親子のきずなを取戻そうと必死にあえぐ父親、妻の座をかけて過去の秘密を守ろうとする母親、大人の世界のみにくい現実に極限の抵抗をこころみる息子。物語のミステリアスな展開のなかで、父と子、母と子、夫と妻の愛と信頼を鋭くえぐる。 -
行方不明者あり。著者の小説作法が明快な本格推理
一度起きると大量の死者を出す悲惨な飛行機事故。しかし、函館沖で遭難した東北航空機は、幸いなことに3人の死者を出しただけであった。しかし、この遭難事故の際、一人の男が蒸発していたことが判明した。男は、東京での金策に成功し、同機で帰ると、妻あての電報を打っていたという。金を持っての逃走か、それとも誘拐されたのか? だが、この男の蒸発の裏には、飛行機事故の恐るべき真相が隠されていた。見事などんでん返しと結末! 佐野洋会心の本格長編推理。 -
敗残の幕臣たちが開陽丸に託した夢の行方を描く
慶應3年3月半ば、三本マストの最新鋭蒸気軍艦が満帆に風をはらんで、富士を背に駿河湾を突っ走っていた。幕府がオランダに発注して建造した開陽丸を操っての15人の幕府留学生の帰国であった。特に榎本釜次郎にとって、開陽丸は設計から完成まで逐一立ち会って来た、オランダ留学4年間の夢の結晶であった。「開陽丸を擁する無敵海軍があれば、幕府は磐石です」と誇らしげな榎本を迎えた勝安房は眉間を曇らせて「お前さんの仕事は幕府の幕引きだ」と宣言した。5年足らずの間に事態は切迫していた。外国にあって、ひとたび祖国に目を転ずれば、危ういかな日本、迷える東洋の小羊の感を深くして帰国した留学生達はたちまち時代の流れに飲み込まれ、ついには蝦夷共和国建設へ、そのすべての夢をたくしたのであった。
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映画界という閉鎖空間を舞台にした処女作品集、4篇
日宝映画が誇るエース女優・水科沙季子が撮影中、突如失踪。撮影スタッフ必死の捜索にもかかわらず、彼女は追突事故による無残な死体で発見された!現場には主演女優の座を沙季子と争って敗れた新人オリエが放心したように立ちすくんでいた。撮影はオリエを主役として再開され、マスコミはこぞって劇的な新人女優の登場に湧いた。しかし、事件の根は深く、映画に賭ける男たちの栄光への陰謀はさらに大きくうごめいていたのだ。表題作ほか「腐蝕色彩」「零号試写室」「獣たちの葬列」を収録。現役の映画プロデュサーだった著者の映画への情熱をたたきつけた初期作品集。
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雄大な自然と人間の犯罪。山岳ミステリー、7篇を収録
木曾駒ヶ岳はこの冬二度目の雪をかぶって朝陽に輝いていた。栗本三奈子は銀行強盗の人質として、山で一夜を明かした。翌朝、解放された三奈子を待っていたのは夫の冷たい態度だった。この事件をきっかけに、三奈子と逃亡した犯人の人生の歯車が狂い始めていたのに気が付いた者は誰もいなかった。表題作ほか「無名沢」「赤い崩壊地」「下山近道」「地獄への縦走」「奥又白谷」「魔性の尾根」を収録。山岳サスペンス・ミステリー傑作短編集! -
滅びゆく民族の苦悩と解放を主題に描く一大ロマン
北海道に、神秘の水をたたえる阿寒の湖。湖を囲む原始の森林、……その大自然の内奥に衰亡の民族アイヌと、和人との熾烈な、陰微な人種抗争がある。アイヌの永生を願う一学者、その風俗を愛する女流画家、行動的闘争に、民族の運命をかけるアイヌ青年。壮大なスケールと劇的展開のうちに人種問題を描く野心的力作。 -
義経=ジンギスカン伝説の謎に迫る、歴史ミステリー
モンゴル研究に関する日本での第一人者・砂原教授が、自宅近くの井の頭公園で殺害された。教授が団長を務めるはずだったモンゴル訪問団の5人のメンバーのひとりに推理作家・中小路信が加わった。果てしないモンゴルの大草原をひた走る大陸横断国際列車のなかで、第2の事件が起こった。事件の鍵は、奥州平泉から逃れたといわれる義経北行伝説の真相と、義経ジンギスカン説にあると、中小路は推理したが……。モンゴルを取材旅行した著者が義経伝説の謎に迫る歴史ミステリーの傑作。 -
三組の恋人たちの姿を社会背景と共に生き生きと描く
勝気な母親を抱えて、恋人との新生活に踏み切ることのできない次枝と、その恋人・伸。古風な次枝とは対称的な咲子と加治千太。お人好しのみどりとエゴイスト鉄夫。三組三様の生活を、著者は深い人間愛に裏打ちされた筆でリアルに掘り下げる。若者に、社会を生き抜く知恵と勇気を与えてくれる。 -
猿と人間の関係を通して自然の摂理を問う動物小説
ボス猿・雷電は頭をかかえていた。群れから追放され離れ猿となった助五郎が、めっきり力をつけ、ボスの座を狙いに舞い戻ってきたのだ。しかも飼主に捨てられた野良犬達が、隙をみせると襲ってくる。少しの油断もできない状態なのだ。一方、雷電達を餌付けして、それを観光名物に、ひと儲けを企む人間があらわれた。金のためなら、猿などいくらでも犠牲にする金の亡者達だ。平和な山は、危機に見舞われた――。自然と人間がくりひろげる壮大なドラマを、動物小説の名手が描く傑作。 -
〈おとぎ話〉を現実にする。笑えて役に立つ恋愛ガイド
「眠れる森の美女」「シンデレラ」「白雪姫」…世にある数々のおとぎ話で、お姫様は王子様と末永く仲良く暮らすけど、そんなステキな現実はどこを探してもありゃしない! 失恋、裏切りに傷ついて、その辺の男で手を打ちゃ、ついてくるのはローン地獄に姑との戦い。「そんな人生はイヤ」というあなたに、古今東西の物語を元に理想の王子様を手に入れる方法をお教えします。シビアな現実にへこたれず、最高の王子様を探し出せ! 前向きなお姫様たちの爆笑恋愛エッセイ。 -
『エーゲ海に捧ぐ』に続く第2小説集。才能輝く、5篇
少年たちが竜宮と呼ぶ極彩色の三階建の娼家、城壁のなかのその楼閣は、少年の好奇と禁断の象徴であった。灰色に塗りこめられた戦時下の中国大陸東北地方を舞台に、植民地的風景のなかに少年の日常と心象の世界を、鮮烈なイメージと精妙な描写で展開する。池田満寿夫の“ヰタ・セクスアリス”ともいうべき表題の中篇。ほかに、「震える男」「反ポルノ」「ガリヴァーの遺物」「スウィフトの恩寵」の実験的色彩の強い短篇ばかり。自由な感性と斬新な方法がうみだす『エーゲ海に捧ぐ』に続く第2小説集。 -
当代の戯作者の挑戦。西鶴の色模様が現代に甦る
……西鶴先生は、女のずるさを書こうとなさったのではないか。たしかに女の哀れさ、悲しさがあるけれども、相手をする男が、どれも阿呆に描かれている。……そこで女をすべて悪女に仕立てあげ書き直してみようと思ったわけである。哀れな被害者は、これすべて男であるという設定もまた面白いではないか。〈西鶴くずしの言訳――藤本義一〉。浪花の戯作者・藤本義一が絶妙の語り口で、女のなかにある嫉妬、増悪、虚栄等、可愛くも好色で残酷な性のすべてを描き“西鶴はんの文学”に挑んだ異色官能小説。 -
英雄・異端児を描いて画期的な日本史観を示す名著
我々は、歴史上の人物について、何らかの固有の像を抱く。安吾はこれらの虚像を次次と破壊してゆく。〈天草四郎は頭の悪いテロ少年〉、〈マセてヒネコビた少年頼朝〉、〈日本一の、大ゲサな歌よみ柿本人麿〉、――日本史を彩った個性的人物を、大胆な史観と鋭い人間洞察で縦横に論じ、その“裸の人間像”に肉迫した、秀抜な歴史エッセイ。 -
青春のつたない愛のうつろいを描く、6篇。初期作品集
北国の5月の風のような娘は、皮ジャンパーで自分を武装した青年の肉体と心を解放させようとする。東京を故郷とするデラシネの青年にはそれが快いが、その風に少女たちの生命のすべてが賭けられているのに気がつかない(「皮ジャンパー」)。男に愛されていると思いこんでいる女と、女の惹き起こすなまめいた幻影に揺れながら、女を心から愛せなかった男が、一緒にいる風景を鮮やかに切りとった短編「宿り雨」。ほかに、初期の記念すべき佳作「柚子と貝がら」。北大在学中の二つのエチュード「美奈」と「雀斑」「微悪」の全6篇。愛と青春のアンソロジー。 -
世紀の一戦、運命のキック・オフ。熱血サッカー小説
まだ少し昔の面影と人情を残す武蔵野のある商店街。杉浦恒平はサッカーだけが取り柄の無職の22歳。先輩の秋山の家に2年前から居候している。友人たちが一生懸命になって探してきてくれる仕事も、長続きしたためしがない。そんな恒平だが、悪質な地上げ屋の嫌がらせに、愛すべき街と友情を守るため、そして想いをよせる朋音のために、ついに立ち上がる!「勝ったほうが街を出て行く」。かくして地上げ屋サッカー・チーム対武蔵野蹴球団の世紀の一戦、キック・オフの笛が鳴る――。 -
父を家族を語り自らの才能を開花させた、瞠目の1冊
抒情詩を開拓して、近代象徴詩を極めた不世出の詩人、萩原朔太郎の詩作のかげにどんな生活があったのだろうか。家庭ではいつもいざこざの中にあった朔太郎。若い異質の体温の夫人。そんな中に、むっつりだまり込んで生きてきた著者が、自分の目に写ったさまざまの事をいつわらざる筆で見事に描破する。 -
『黒の試走車』から5年。熾烈な企業競争を描き切る
自動車レースの中で、ラリーほど苛酷な競技はない。スピードを競うだけでなく、人間の限界を越える耐久力と高度な運転テクニックがなければ勝ち抜けない。しかも勝負は、自動車会社の売上げにそのまま影響するのだ。それだけに舞台裏では、さまざまな策謀がめぐらされる。その日、タイガー自動車第四実験課長であり、〈ラリー男〉の渾名を持つ古葉鋭二が感じていた不安は、最悪の形で現実となった。モンテ・カルロ・ラリーに参加した自社チームが、コース途中の山道で行方不明になったのだ。しかも二人の出場選手の凍死体が、コースから遠く離れた雪原で発見された。だが彼等の乗っていた車は、遂に見つからなかった。事故か、それとも……。国際市場を舞台に展開する激烈な企業競争の暗部に迫る傑作情報小説。
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勝利するのはヒトかカラスか。著者の思い溢れる長編
ゴルフ場建設中の飯場にカラスが異常発生した。彼らは飯場から出される残飯を目あてに、ぞくぞくと近くの森から集まってきたのだ。その数、現在数千羽!開業後、プレイ中のお客に事故があってはと従業員たちは、カラス撲滅の手段を次々とうっていった。猟銃、毒薬、そしてダイナマイトでの大量爆殺……。だが非凡な統率力を持つボスガラスに率いられ、いまや空を漆黒に塗りつぶすほどの大群になったカラスたちは、人間の仕掛ける巧妙な罠を見破り、意外な反撃に出はじめた。大自然を背景に人間とカラスがくりひろげる壮絶な闘い。著者が渾身の筆致で描く動物ロマンの傑作長篇。
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温かい眼差しと端正なたたずまいの6篇。傑作集(1)
私の善意を踏みにじり、この卑劣な罠をかけたのは誰だ!私は隣に住む知恵遅れの娘・房代に週1、2度こっそりと手紙を出し続けていた。これは私だけの秘密だった。ところがその後、房ちゃんが、何者かによって、川むこうの雑木林の中で絞め殺されたのだ。しかも犯人は、私の名をかたった偽手紙で、房ちゃんをおびき出していた。誰が、何のためにこんなむごいことを――。憎むべき犯人を、私は夫とともに追っていった。表題作ほか「花は夜散る」「初秋の死」「遠い絵図」「金ぴかの鹿」「一日先の男」。女流推理の第一人者が放つ名短編集。 -
文化勲章受章の偉大な大衆作家の美味礼賛の1冊
あらゆる食べものに興味をもつこと、雰囲気を楽しむこと、その土地のものを賞味すること――食通としての三原則を徹底的に追求した著者の体験的美味求真の名エッセイ。外国からの香りが新鮮な驚喜をもたらした少年時代。パリや日本各地を舞台に、快飲快食を謳歌した青年時代。そして終に、ひとり静かに酒を飲み、“ヒジキと油揚げの煮たの”を一番食べたい心境に到達する。西洋文化の造詣の深さと鋭い文明批判精神にあふれた人生哲学は、どんな美酒美味の宴よりも、我々を酔わせる。 -
古代から太平洋戦争まで。歴史の〈if〉の世界、6編
突然の濃霧のあと、演習航海中の海上自衛隊の護衛艦“くらま”は時間ワープされ、昭和17年6月のミッドウェー海域にほうり出された。そこでは、太平洋戦争の天王山というべき日米の大決戦が始まろうとしていた。全艦エレクトロニクスの塊のような護衛艦は、襲いかかる米軍機をゲームのように撃墜し、ついに歴史に介入してしまった。もし、日本がこの海戦に勝ってしまったら……。古代から近代までの歴史の重要な節目に、歴史改変を企てる時間犯罪者を追うタイムパトロール員。会心の連作歴史SF。 -
青春の一瞬と永遠。こころに響く、ラヴ・ストーリー
住みこみの運転手を父にもつ手塚と大財閥の息子・阿木。小さい頃から同じ屋根の下で暮らし、身分の違いを越えてふたりは奇妙な友情で結ばれていた。ふたりが力を合わせれば不可能なことなど何もなかった。だが、大学生活もあと半年。大学を出れば、ふたりには別々の人生が待っている。手塚も、そして阿木も、ひとりっきりで、自分が選んだ戦場へ出ていくのだ。大学生活最後のラグビーの試合。今日ほど、いや、いまこの瞬間ほど、勝ちたい、と思ったことはない。ノーサイドの笛(ホイッスル)が鳴れば、そこで僕らの青春は終わりを告げる。スポーツと友情、そして恋……。青春の輝きと哀しみを、しなやかな感性で描く、僕らの時代の僕らのラブ・ストーリー。
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太陽系第5惑星〈アイララ〉の覚醒なのか。傑作SF
開発中の火星都市・東キャナル市に接するアマゾン砂漠の地下250メートルの作業区で、突然、円い孔から水が湧きだした。調査の結果、その孔は天然のものでなく、なかから高さ5メートルほどの奇妙な円筒形の物体が発見された。しかも、それは明らかに人類の創りだしたものではなかった。――遠い昔、広大な宇宙空間に、アイララと呼ばれる、太陽系第5惑星があった。星が砕けるとき、アイララの民はいつの日か星を復元しようと、岩塊の中のカプセルに入り、宇宙空間へ散っていった。そして、人類もまたアイララの民だったのだ……。SF界の巨星・光瀬龍が、全てをのみこんでしまう膨大な時の流れのなかで、なお生き抜いていかなければならない人類のドラマを謳う長編SF。 -
平将門と藤原純友の生涯を雄渾に描く傑作歴史小説
身のたけ六尺二、三寸、諸仏守護の天界の神将を想わせる体躯に、やや憂鬱の色を湛えた、りりしい顔を持つ人物、名は、平将門。坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊、夜盗跋こする都の退廃を目にしたが、その武勇と剛直な人柄に刮目した藤原純友は朝廷転覆の驚くべき野心を、彼にもらした。純友は、伊予大津の豪族。知略にたけて色を好むが、つとに官途への望みを断ち、力による天下改革を夢見ていた。伊予掾に任じられて都を去る純友、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門。純友は、海賊の首領に通じて、ひそかに、将門の無事を画策した……。1976年、NHKテレビ・大河ドラマ「風と雲と虹と」原作。 -
ヘロイン取引を巡る密売組織と麻薬取締官の攻防
オトリ捜査――わが国において、それは厚生省麻薬取締官に限り許されている犯罪捜査法である。この物語は、昭和30年代、日本が未曾有のヘロイン禍に悩んだ時代に、麻薬をめぐって実際におこった出来事を描いたものである。麻薬の密売では大手の暴力団組織、神戸の五島組幹部・鈴木兼雄は、オトリ捜査の罠にはまり、ヘロイン売買取引中に逮捕される。密告(タレコミ)が生んだオトリの罠だったことを知った鈴木は、自らインフォーマー(通報者)になることを条件に、釈放されるのだが……。ヤクザ対麻薬取締官の虚虚実々の駆け引きはつづく――。 -
裕福で美しい姉妹を通して語られる現代の愛の物語
今は亡き虚栄的な母の下で育った芦屋の美しい姉妹――妹の梨江は、父の会社と家を継ぐことを前提に結婚を考える堅実な娘。逆に、姉・須磨子は、青年実業家の長い求愛を受けながらもフリー・カメラマンとの交際に深く惹かれていた。そんなある日、突然知らされた継母・京子の妊娠。それは、家と会社に新しい後継者が加わることを意味していた。突然押し寄せてきた運命の波の中で梨江は、自分の青春を賭けてある計画を練り、須磨子は、外国から帰国したかつての恋人に遭遇する。黒岩重吾が、芦屋姉妹の哀愁を華麗に描く長編ロマン。 -
オイル・ショックを分岐点とする戦慄の現代(幻代)史
1971年、夏。中近東を旅行中の久藤は“ひかりのみち教団”信者の女性から、彼女の息子・淳一を捜すよう頼まれる。砂塵舞うアフガニスタンの荒野で少年を発見するが、少年は現地で“魔王(イフリート)”と呼ばれ忌み嫌われていた。それからふたりの奇妙な旅が始まった。――公害企業主呪殺祈祷を行い逮捕された“教団”統理・千装(ちぎら)槐二郎は、獄中で国会議員・海藤と会い、海藤の巨大な謀みを聞く。一方、18歳の教団二代目教祖・爽子は槐二郎の息子であった淳一と出会う。オイル・ショック後の混乱した時代に宗教界を統合し日本支配を狙う海藤の野望が燃える……。壮大なスケールで展開するSF幻代史。
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