『田中英光(文芸・小説)』の電子書籍一覧
1 ~7件目/全7件
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[作品について]最初から最後まで、船の中で一緒だった女性に対する恋情を告白するという手法で書かれたスタイルは主人公の感受性の豊かさを感じさせる。第10回ロサンゼルス・オリンピックのボート競技の選手であった作者の私小説的作品。思春期の感受性の豊かさを思い出させるとともに、当時のオリンピック遠征の様子が垣間見られて面白い。(シドニーオリンピックの年に 大野晋)[初出]「文学界」1940(昭和15)年9月号[文字遣い種別]新字新仮名
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太宰治をして「この荒れ果てた竹藪の中にはかぐや姫がいる」と言わしめた「空吹く風」、戦後の混乱の中で春をひさぐ女たちに真実の愛を夢想する「暗黒天使と小悪魔」、運命の女との愛欲の果てに傷害事件に至る顛末を描いた「愛と憎しみの傷に」。共産党の活動など生きる意味への絶望ゆえか女に溺れ、薬と酒で破滅へと突き進んでいく自らの姿を見据え、人間の本性を浮き彫りにする小説集。
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西村賢太が傾倒する、無頼派私小説家の名作6篇を厳選収録
オリンピックに参加した自身の体験を描いた「オリンポスの果実」、晩年作の「さようなら」ほか、珠玉の6篇を厳選。太宰治の墓前で散った無頼派私小説家・田中英光。その文学に傾倒する西村賢太が編集、解題。 -
[作品について]初出は1949(昭和24)年5月「知識人」。田中英光は、早稲田大学在学中に漕艇選手として活躍し、1932(昭和7)年のロサンゼルスオリンピックに出場する、この体験は後に「オリンポスの果実」1940(昭和15)年として結実する。敗戦後、共産党に入党し地区活動等をするが、後に離党し革命運動を批判した小説を発表。その後、この「野狐」に描かれた「たいへんな女」と同棲し、太宰治の自殺にショックを受け、酒と女と薬(アドルム、カルモチン)に溺れた放蕩生活を送る。「野狐」はこんな生活を描いた私小説作品である。作中「百丈野狐」の公案から題名が採られている、作者は書く「ただ懸命に人生を生きぬき、修行しさえすれば、よい作家になれると単純に信じている私に、この公案が、(あきらめよ、わが心、けだもの、眠りを眠れ)と話しかけるのである」、そして「私は永遠に野狐であるらしい。」で小説は終わる。悟りに至れぬ(野狐禅の)破滅的な生活の記録である。(kompass)[初出]「知識人」1949(昭和24)年5月[文字遣い種別]新字新仮名
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六尺二十貫、ロス五輪、ボートの日本代表選手・田中英光。太宰治を敬愛すること深く、太宰の逝った翌年、文化の日、三鷹禅林寺の太宰の墓前にて自裁。巨大な体躯をもてあますような傷つきやすい魂を持ち、純粋に、戦中・戦後を生きようとして果てた著者の初期秀作「桜」、また、結婚までの青春の錯綜を描く「愛と青春と生活」。
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