『立原正秋(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う長編。立原初の新聞小説で代表作の一つ。
「冬の旅」美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、母を助けようと誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う長編。無常としかいえない世界で健全な目を持ちながら、どんどん死に惹かれてゆく行助の宿命的な生き方に注目。「冬の旅」は立原初の新聞小説で、1968年5月から1969年4月にかけ「読売新聞」夕刊に連載され評判を呼び、立原正秋の名を一般に広めることとなった作者の代表作のひとつ。他に作者が愛した花・水仙を表題とした自伝的な作品「水仙」と、その続編もいえる「空蝉」。また作者が眠る瑞泉寺(鎌倉十刹の筆頭格。また「花の寺」として知られ、特に水仙の花の名所である)が作中に登場する「ちぎれ雲」を収容。
付録として長女・立原幹氏が父の思い出を綴る「東ケ谷山房 残像」など関連エッセイ5作収録。特別寄稿として立原ファンを自認する吉本ばなな氏の「立原正秋と私」を掲載。
※この作品にはカラー写真が含まれます。 -
小学館電子全集ビッグバンキャンペーン特別限定版。
1967年5月から翌年4月まで「読売新聞」に連載され、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問い大ベストセラーとなった『冬の旅』、1973年3月から翌年1月まで「日本経済新聞」に連載され、古都鎌倉に美しく燃え上がった男女の宿命的な愛を描いた『残りの雪』。立原の代表作2篇をお試し増量ページで、また食通として知られた立原のエッセイ「魚と酒」「湘南日記」を全文収録。
また、長女・立原幹氏が収録された代表作品に即して父の思い出を綴る連載回想録「東ケ谷山房 残像」の第10回めを全文、立原が文筆に勤しんだ鎌倉の自宅「東ケ谷山房」の在りし日の立原と現在の山房の写真、立原が眠る瑞泉寺の墓の写真、自筆生原稿等まで収録。 -
待望の上・下巻合本版!!
古都鎌倉に美しく燃え上がる宿命的な愛。
夫は、なぜ失踪したのか? 理由なき別れに苦しみ、無為不安の日をおくる里子は、40代の会社社長で、骨董の目利きでもある男、坂西と出会う。妻子を捨てた夫と、年上の女との情事が日々うつろなものに変っていくのとは対照的に、二人の愛は古都鎌倉の四季の移ろいの中で、激しく美しく燃え上がった……。
日経新聞に連載され話題を呼んだ長編小説。男女の宿命的な愛を鮮烈に映すとともに鎌倉や京都を舞台に、和服や自然を通して日本の四季が美しく描写されており、作品の魅力に彩りを添えている。 -
女は、つねに美しくあって欲しい。そして、優雅で、妖艶であって欲しい。女の愛のすがた、肉体の表情を古今の例証にもとめ、また生きた現実のなかにとらえる。――女が官能にめざめるとき、情事のなかの色と匂い、嫉妬と自尊心、恋愛の結晶作用、淫蕩と情事の表裏、性における意識と肉体の乖離……。当代きってのモラリスト=恋愛小説の名手が親しく語りかける鋭く新鮮な愛の読本。
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直木賞受賞作含む、立原正秋の代表的短編集。
日本と朝鮮の血を引く家系に生まれた兄弟が、戦争という得体の知れないものに翻弄されながらも、自分たちの存在を確かめようと、“血”とは何かを追求した「剣ケ崎」。
金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた「白い罌粟」。
没落寸前の旧家・壬生家。その終焉を闇夜に輝く篝火に象徴させ、従弟との愛を“死”で締め括った人妻を描いた「薪能」。
義弟との束の間の愛に燃えた若妻を描く「流鏑馬」、麻薬窟に出入りし、女と薬に溺れる男を描く「薔薇屋敷」。
直木賞受賞作、芥川賞候補作など立原正秋の代表短編5編を納めている。 -
古都鎌倉に美しく燃え上がる宿命的な愛。
夫は、なぜ失踪したのか? 理由なき別れに苦しみ、無為不安の日をおくる里子は、40代の会社社長で、骨董の目利きでもある男、坂西と出会う。妻子を捨てた夫と、年上の女との情事が日々うつろなものに変っていくのとは対照的に、二人の愛は古都鎌倉の四季の移ろいの中で、激しく美しく燃え上がった……。
日経新聞に連載され話題を呼んだ長編小説。男女の宿命的な愛を鮮烈に映すとともに鎌倉や京都を舞台に、和服や自然を通して日本の四季が美しく描写されており、作品の魅力に彩りを添えている。 -
仮面舞踏会の夜、下弦の月が照らす庭で出逢った能面の男。放恣で無軌道な青春を虚無とペシミズムで描く
9月初めの仮面舞踏会の夜、下弦の月が照らす広い庭を里子は眺めていた。その時、枯山水の白砂を踏んで、痩男の能面をつけた若い男が近づいた。夢幻能のようなその場面が、北ノ庄浩作との奇妙な出会いであった……。鎌倉の剣道場を破門された浩作は、繁栄と享楽の時代に身を置きながら、そうした自分を冷めた意識で見ていた。陽光溢れる湘南の海辺と街を背景に、70年代初頭の放恣で無軌道な青春の光と影を、虚無とペシミズムの色濃い視線で捉え、鮮かに定着した長編小説。 -
発表時から評判を呼び、今なお新鮮な、警世の1冊
昭和46年から47年にかけて「諸君」「潮」に連載されたエッセイ。勁(つよ)さは厳しさに裏打ちされ 厳しさはやさしさに裏打ちされ やさしさはただしさに 裏打ちされていなければならない社員教育。「どうせ社員に情操教育するのなら、会社のためにはまったく直接には役立たない教育を施すべき…。江戸時代の春画などを見せて説明し、…美なるかたちを鑑賞してもらう。現代人は遊びの精神を身につけることを…すっかり忘れている。」や、学校での道徳を授業化することにつき「道徳教育の根源的方法は、自律的な行為主体の形成に待つよりほかはない…道徳の時間を設け…たところで、…自制心を取り戻せるはずがない。」等。 身辺雑記という形 をとりながら、失われつつある男性の気概への慨嘆をつづり、にせ物のまかり通る現代 の風潮の中で真の男らしさを語ったエッセイ集。画一化される大衆への警世の書。
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初長編『恋人たち』その後。物語る才能に圧倒される
中町家の三兄弟は一卵性三つ子である。主人公の道太郎は、夜警員をクビになり定収がないまま小説を書き、従妹の信子と暮らしている。次弟の倫太郎は劇作家として成功し、末弟の六太郎は鎌倉で曖昧家を経営しながら、独自の掟の中で誇りをもって生きている。湘南を舞台に、酒と喧嘩と食と女の魅力ある出来事が起こり、鮮烈な青春像が描かれる。この小説には立原文学の原形ともいえる自由気ままな精神とエロスの情念が横溢している。力強い筆致と巧妙なストーリー・テリングで展開される、傑作「恋人たち」の続編。 -
自身を苦しめ育んだ「日本」を訪ね歩く、紀行文集
哀惜されつつ54歳で逝った作家・立原正秋の心に沁みる名エッセイ。金沢、篠山、鎌倉、結城、益子、津和野、松江、倉敷、佐渡、高山、若狭路、大和、飛鳥、吉野、角館、津山、嵯峨野、西山。この国の風土と伝統への愛を秘め、心のふるさとを求めて旅した月々の感懐と批評、流麗、時に力強い筆致でつづった珠玉の日本紀行。 -
旅はついに自身の心の淵源に至る。秀抜な紀行文集
たとえば、スペインの闘牛を見物して、マタドールの芸に修羅物を演じる能役者を想い浮かべる冒頭の「闘牛とゴヤ」。さらに、この闘牛から宗教的な省察まで誘い出し、「日本は神なき社会だといわれているが、考えてみると、この水と緑の豊かな風土でどんな神が必要なのだろう」と、日本の古代人の心の原点を著者は振り返る。他に、イタリア、ギリシアなどの南欧の紀行と、生れ故郷の朝鮮を旅した珠玉の二篇。そして最後に、日本の伊勢路と信州塩田を訪れた折の文章など。このエッセイ集は、13篇からなるすぐれた紀行文学でありながら、同時に、日本の外側から眺めた、秀抜な日本文化論と文明批評の書である。 -
一女性の内奥に息づく愛の諸相を練達の筆で描く長編
以前、末乃はよく闇の中で火花を見た。月に一度の逢瀬に38歳の女のからだが炸裂する火花であった。今、末乃は土をそぎ落された崖道の上に立たされている自分を視ている。料亭の女将・末乃は、大学の国文科を卒業してから今日まで、結婚と出産と離婚を経験していた。5年越しの男がいる末乃に、見合いの話があり、その再婚は首尾よく運んだかに見えたが…。人生の流れのさなかに、自らに忠実に生きることしかできない女主人公の転変の愛の歳月を、流麗な筆致で巧みに描いて作者の円熟を示した秀作長編。
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