『小林信彦(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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私の人生で、もっとも死に近づいていた――。
自宅で脳梗塞で倒れた私は、入院、転院、リハビリ、帰宅、転倒からの骨折、そして再入院を繰り返す。
車椅子生活となりながらも、幸い利き手は動くため、
私はこの闘病記を書くことができるのだ――。
84歳で死の間際から驚異の生還を果たした、約1年にわたる老作家、執念の記録。
作家の冷徹な目で執拗に記す
脳梗塞という悪魔に捕らわれた日々
最初のリハビリ、二度の骨折と手術……私は本当に治癒してゆくのだろうか?
これは夢か現実か?
●倒れた直後に見た〈高原の療養所〉の夢
●〈閣下〉、〈バッチリ天使〉、贋(にせ)モリシゲ――病院で出会った奇妙な人々
●名画座のちらしを見て、急に涙があふれる
●おしっこについて
●リハビリ中の長嶋茂雄を見た!
●クリント・イーストウッドに大泉洋、入院中も欠かさず映画を
※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
「映画は子供のころから見ていた。東京は日本橋区の生れで、和菓子屋の九代目の長男で、親や番頭に可愛がられながら育ったから、そういうことになる。」
自らをそう振り返る小林信彦さんが、折にふれて観なおす名画の話。八十何年かの人生をいろどる幸福な出会い。名著に加筆を施した『決定版 日本の喜劇人』のこと……。
「週刊文春」で23年連載された名物コラム『本音を申せば』シリーズが、本書をもって完結します。
第一部「奔流の中での出会い」は、野坂昭如さん、山川方夫さん、渥美清さん、植木等さん、長部日出雄さん、大瀧詠一さん、江戸川乱歩さんなど、ひときわゆかり深い17名の思い出。
第二部「最後に、本音を申せば」は、2021年のクロニクル。NHKBSプレミアムで放映される映画のラインナップが上質なのに感心し、『日本の喜劇人』に加筆して「決定版」を刊行された年でした。
「数少い読者へ」と題した最終回が「週刊文春」に掲載されると、愛読してこられた読者の方々からのお便りが、編集部に続々と寄せられました。長年のご愛読に感謝しつつお届けする最終巻。平野甲賀さんのフォントを題字に使用し、本文挿絵は小林泰彦さんです。 -
暗いコロナ時代にも楽しみを
コロナはこわいが、家にも楽しみはある。BSプレミアムの映画特集、トランプ大統領の本、喜劇人志村けんの面白さ。名コラム最新刊。 -
「週刊文春」の連載エッセイが一冊に。記念すべき第21弾!
名作映画「この世界の片隅に」をみながら疎開体験を苦く思い起こし、終戦の日々を書き残す。大病から生還し、青春時代から愛読した太宰治や、坂口安吾の長編ミステリを読み返す。久しぶりに書店へ行って最新海外ミステリを選ぶ楽しみ――。
「週刊文春」で『人生は五十一から』連載が始まってから21年。途中でタイトルが『本音を申せば』に変わっても、面白い本も映画も、東京の思い出も尽きない。
2017年4月、脳梗塞で入院した顛末は、『生還』(2019年3月刊)に詳しい。本書は、2017年から2019年、足掛け3年にわたるクロニクルである。 -
誕生から死、遺骨の分配まで――。ゴータマ・ブッダの全生涯を、仏教詩人・アシュヴァゴーシャが美文で綴った名著『ブッダチャリタ』。1893年に出版された14章までのサンスクリットテキストに、チベット訳、漢訳を丹念に補足しながら全28章を完訳。膨大な経典も編み、仏伝資料としての価値も備えた、もっとも古く、もっとも美しい、仏教叙事詩の誕生!「原始仏典」第10巻『ブッダチャリタ』(1985年)小社刊の文庫化
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テレビ全盛期の1960年代。構成作家と新進コメディアンとして出会って以来40年以上に渡り交流してきた二人が、初めてじっくり語り合った。人気絶頂だった「コント55号」の秘話。クレイジーキャッツ、ドリフターズの芸の魅力。高視聴率ヴァラエティ番組の制作裏話。渥美清、由利徹、タモリなど名喜劇人たちの知られざるエピソード…。今だから語れる話が続々飛び出す、笑いと驚きのショータイム!
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眠れぬ夜、くりかえし耳に響くメロディー。あの時、ビートルズはぼくたちと共にあった。そして、ビートルズと共にあの時代は去った……。TVタレント、深夜放送のDJ、コメディアンなど、華やかなマスコミの世界の表層に漂いながら、本当の自分を探しあぐねている男たち――。その虚実を写しだして、ビートルズと共に生き、共に去った時代への挽歌を奏でるオムニバス長編小説。
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街も人も変わりつづける東京から、逃れるように渡ってきた南の島。そこは昔のままの〈楽園〉ではなかった。副大統領の暗殺、秘密警察とゲリラの暗闘、うさん臭い日本人の来島……。一触即発の危機的状況のなか、外部との連絡は断たれた。だが、皮肉にもこのとき、理想の女性とふたりだけの、濃密で純粋な愛の時間が訪れる。南海の小国を舞台に展開するサスペンスフル・ストーリー。
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〈ミスターJ〉は、放送作家の私が仲間と創りあげた架空のコラムニスト。この正体不明の男が評判を呼んだとき、私は実在の男にその役割を振りあてた。彼がこれほどの〈怪物〉に育つとは思いもよらずに。深夜放送で若者の苛立ちや鬱屈を代弁してカルト的人気をえた彼は、毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけ始める……。情報化社会にひそむ恐怖を描く現代の都市伝説。
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コント作家にして、マザー・コンプレックスの名探偵が現われた! その名も神野推理。テレビ・ディレクター星川夏彦をワトスン役に、神のごとき推理で、どんな難事件も解決してしまう。工事現場の半密室(?)殺人を扱った「さらば愛しきヒモよ」、オリエント急行ならぬ「〈降りられんと急行〉の殺人」をはじめ、知的笑いと本格推理で読者に挑戦する、12の連作推理パロディ。
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広島カープの強さの源は〈モミジマンジュウ〉で、〈ヤキュウ〉のルーツは柳生一族にあった!? 自称「日本通」アメリカ人W・C・フラナガンなる人物の誤解とコジツケの処女作「素晴らしい日本野球」。そして、ソ連に占領された戦後日本の姿を描く「サモワール・メモワール」など、作者の平衡感覚に微妙な違和感をあたえるものを、喜劇的想像力をもって、極限まで拡大して表現した作品10編を収録。
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いんちき臭くなければ生きていけない! 思わぬ運命の転変にめぐりあい、莫大な金を必要としたとき、四人はそう悟った。目標は二億円――素人の彼らは老詐欺師のコーチを受け、知恵を傾け、トリックを仕掛け、あの手この手で金をせしめる……。奇妙な男女四人組が、人間の欲望や心理の隙、意識の空白につけこむスマートで爽快、ユーモラスな本格的コン・ゲーム小説。
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あのコン・ゲーム集団〈紳士同盟〉が帰ってきた! 暴力や殺人で金を奪おうとするのは、もう古い。今の世の中、頭脳こそ、腕力や凶器以上の武器なのだ。被害者に被害にあっていると思わせない機智と品格を備えた犯罪、それがコン・ゲームだ。今度の目標は二億三千万円、東京・NYを股にかけ、大胆かつ緻密なトリックをしかけるが……。スマートでユーモラスなコン・ゲーム小説。
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伸びる女優と消える女優、何が両者を分けるのか。「九十パーセントは当たる自信がある」という著者ならではの“女優論”に、映画評論家・品田雄吉氏との対談「現代女優名鑑」も特別収録。さらに冷やし中華の起源に迫り、谷啓の死を悼み、気になる日本語を俎上にあげる。鮮やかに時代を切り取る「週刊文春」連載の名物コラム、第13集!
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『週刊文春』看板連載エッセイ「本音を申せば」。本書にまとめられているのは2009年掲載分です。政権交代がなされ、新型インフルエンザが世を騒がせ、そして森繁久彌が亡くなったあの年。『グラン・トリノ』『ディア・ドクター』といった話題の映画を語ったと思えば、ときにアイドル論を繰り広げ、大新聞にもビシッと物申す小林さん。決して明るくはない時代、それでも楽しいことを探そう――。その時代を観察し続ける目は、一層輝きを増しています。
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大震災でも奪えなかったもの人間には非常事態だからこそ、守るべき愉しみがある。3・11直後の日本で、小林信彦は何を想い、何を憂い、何を見ていたのか――。
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1980年、クールな小学2年生の〈オトナ〉観察記
あたしの名は水沢ミキ。小学校の2年生。一見、悪ガキ風だけど、実はIQハイアップ少女なのだ。パパは劇画のストーリー作家。もともとヘンな人なのだけど、最近は突如、野球に狂いだして大変。ああいうのを野球狂の野球オンチというのかしら。パパの職業柄、いろんな人が家に来る。劇画家、出版社の社長、編集者etc.これがまたパパに輪をかけた変人ぞろいだから、観察していると、面白くてベンキョウになることばかり――おませな少女の目を通して描く、奇人変人の大人たちがくりひろげる1年間の珍騒動。微笑・苦笑・哄笑…様々な笑いのうちに世相をあぶり出しにする、’80年代〈家庭諧謔小説〉。 -
ご存知〈オヨヨ〉の番外編。沖田総司がTV出演するぞ
オヨヨ大統領から突然舞い込んだ終身伝記作家の任命通知。タイム・トンネルを抜けて現代に現われた青年剣士沖田総司。変な編集者・真奇郎に仕掛けられる、奇妙な殺しのテクニック。そして、胃病の関西ヤクザが巻き起こす珍騒動。……私をめぐる4つの物語は、いずれも奇想天外、滑稽無類、哄笑をさそうギャグの連射のうちに、かずかずのタブーと暴力に支配される現代日本への痛烈な諷刺を放つ。〈オヨヨ大統領シリーズ〉第8作。 -
集団学童疎開の凄惨な日々。少年の戦争文学である
昭和19年の夏のおわり、秩父に近い山村の寺に、2名の教師に引率されて到着した、東京下町の小学校児童60余名。太平洋戦争の敗色濃く、空襲の危機にさらされる親許を離れて移住した、“集団疎開”の一団だ。やがて始められた、その生活は? 食糧欠乏による、絶えざる飢えと、孤絶した環境が生んでゆく異常な人間関係。その中で行われる暴力、盗み、背信、リンチ、……互いの、赤裸な生存本能の葛藤に明け暮れる毎日は、彼らにとって、いわば、武器を持たない、凄絶な戦いの日々であった。……戦争を今なお郷愁として把え得ぬ疎開派世代の、悪夢のような体験を純乎とした文学作品に結実させて、復活の待望久しかった、幻の名作! -
小説家、書斎を出る。追認と発見の世界旅行へ
ガイドブックと絵葉書を抱えて自室にこもること数日。するとあなたはたちまちその土地の通に。このド・セルビイ方式、“旅に出ずして旅をする法”を長年実践してきた著者が、ある日突然世界漫遊の旅に出た。出発前の大騒動、機内と旅先でもちあがる珍事の数々。そしてブロードウェイではミュージカルと映画三昧の日日を。ヨーロッパに飛んではマクリーンの『麻薬運河』と007の関係を論じる。ウィーンでは『第三の男』を回想し、リヒテンシュタインではギャビン・ライアルを…。一転して香港においてはパック・ツアーの実態を考察する。『オヨヨ大統領』『唐獅子株式会社』の著者が、該博な知識と旺盛な批評精神を縦横にふるった、ユーモア旅行記。 -
題材・手法ともに著者の文学的指向を表す4篇を収録
駅の人ごみの中に、少女の姿を見かけた時、英之の身うちに、激しい恍惚感が吹き上げた。(探し求めた相手が、遂に見つかった!)。日当りの悪いアパートの一室に監禁された少女は、彼の問いに、須藤美代子、高校3年と答えた。粗末なベッドの上に手錠をはめられて横たわる、浅黒い、若い肉体は、英之が感動せずにはいられない美しさに輝いていた。少女を自分だけの所有物にしたい。息苦しい、退屈な日常を離れて、少女と共に快楽と幻想の別世界へ飛翔したい、……英之は、その衝動につき動かされて、執拗な愛撫をくり返した。現実の少女誘拐事件に材をとり、異常行為の中の人間的真実を追究した表題作ほか、「ある晴れた午後に」「川からの声」「日々の漂泊」を収める、純文学珠玉作品集。
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