『三元社、その他(レーベルなし)(実用)』の電子書籍一覧
1 ~51件目/全51件
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翻訳とは、ある言語で言われたことを別の言語で言い換える、ただ、それだけのことなのか。近現代の翻訳を問い直し、その背後にナショナリズム、言語純粋主義、標準語中心主義などのイデオロギーを見出すことにより、方言、語用、相互行為などを含む、社会文化的なコミュニケーションの地平で翻訳――言語間翻訳、言語内翻訳、そして記号間翻訳――その全体を捉える枠組みを提示する。すなわち、本書は、翻訳を、社会文化空間の中で生起するコミュニケーションという出来事とその連鎖が織り出す記号過程として描くことをとおして、今日の翻訳および現代翻訳研究の全体像を解き明かすものである。
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ローマ字を日本の「国字」にする。この主張を、熱意をもって実現しようとした人びとがいた。そのための日本語の語彙・文体の整理は、1930年代の言語運動の一翼をになう。ローマ字を通じて「普遍」につながろうとしたこの運動は、時代に寄りそうことも、弾圧されることもあった。こうした運動の多面性を体現した、弁護士・森馥の軌跡をたどり、ついえてしまったかにみえる運動の歴史から、今をよみとく。
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フランコプロヴァンス語は、学術的文脈において19世紀後半に存在が指摘され、論争を経てひとつの「言語」として認知されるようになった。特定の民族・集団や歴史的一体性のある地域とは一対一で結びつかず、話者にはひとつの「言語」として認識されてこなかった言語に対する捉え方の変化が、20世紀後半以降、言語運動が展開するなかで、それに携わる人々の言語意識をどのように変容させているのか、さらにそれが言語の再活性化にいかなる影響を及ぼすのか。歴史・社会的背景の異なる地域や異なる成り立ちの運動を取り上げることで、そこで見られる言語の様々なあり方を提示する。
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人々の心をとらえた「絵」と「ことば」
娯楽や信仰の対象として人々に親しまれた「民衆画」。そこには、しばしば「ことば」が添えられ、絵を説明し、ときに絵と共鳴し合うことで、その趣意を民衆の心に、より深く刻んだ。――『源氏物語』起筆の地とされる石山寺の土産の刷り物、中国の親孝行を説く書籍や年画に描かれた「二十四孝図」、近代欧州に広がっていた「呼び売り」の風習など、時代や場所を超えて、その奥深さを紹介する。
【目次】
まえがき(原聖)
第1章 石山寺「源氏の間」の紫式部霊宝図と詞書の表象――「紫式部影」と「紫式部所持源氏物語書写硯」( 久野俊彦)
はじめに
1 『石山寺源氏間紫式部影讃』
2 『源氏物語』の石山寺起筆伝説
3 「源氏の間」と「源氏供養」
4 「源氏の間」の霊宝展観
5 詞書に見る「源氏の間」の霊宝の表象
おわりに
第2章 初山団扇絵を描いた日本画家 唄野蛾生――群馬県館林市富士原町の富士嶽神社における初山参りを中心に(鈴木英恵)
はじめに
1 群馬県地域における富士山信仰
2 群馬県館林地域における初山参りと初山団扇の民俗
3 初山団扇絵を描いた画家との出会い
4 日本画家 唄野蛾生について
おわりに
第3章 民衆絵巻の図像・詞書・画中詞と絵解き――「矢田地蔵縁起絵」「矢田地蔵毎月日記絵」を中心に( 渡浩一)
はじめに
1 矢田地蔵と矢田地蔵縁起説話
2 矢田地蔵縁起絵とその周辺
3 矢田地蔵縁起絵の詞書と図像・画中詞
4 矢田寺縁起における満米上人巡獄譚と武者所康成蘇生譚の変容・長大化
5 矢田地蔵毎月日記絵の絵解き唱導
6 異本矢田地蔵縁起と満米・篁造像伝承
おわりに
第4章 年画「二十四孝図」の詞書の源を考える( 三山陵)
はじめに
1 「二十四孝」について
2 元代の「二十四孝」
3 明代の「二十四孝」
4 清代の年画「二十四孝図」
おわりに
第5章 ベトナム(越南)中部南端―チャムの厄除け降霊儀礼の舞台幕「パニン布絵」について(新江利彦)
はじめに
1 先行研究:パニンの構図
2 追儺儀礼との関係
3 六丁六甲神将
4 王権との関係
5 アラブ・イスラーム天文学から見た四神将の星々
おわりに
第6章 ド・ロ版画におけるキリシタン用語( 郭南燕)
はじめに
1 ド・ロ版画の詞書
2 ド・ロ版画の図解した教理
3 イエス・キリストの言葉の登場
4 ド・ロ版画とキリシタンの祈り
おわりに
第7章 西欧諸国における民衆画と語り、唄( 原聖)
はじめに
1 西欧における唄の伝統と民衆版画
2 民衆画と詞書、唄―西欧の個別事例
おわりに
あとがき( 原聖) -
民主主義に根差した自律的な生き方をつくり出すために、美術教育は何ができるのか。――約百年前の教育理論から、その解が導かれる。
【目次】
訳者まえがき
凡例
第1部 芸術教育の原理と方法
想像と表現(一八九六年)
教育における美的要素(一八九七年)
教育における芸術(一九一一年)
個性と経験(一九二六年)
第2部 美学・芸術心理学
美的感覚(一八八七年)
情動的思考(一九二六年)
芸術哲学(一九三八年)
第3部 美術館教育
バーンズ財団除幕式での献辞(一九二五年)
『ルノワールの芸術』への序文(一九三五年)
装飾芸術博物館の教育的機能(一九三七年)
私達の遺産としての芸術(一九四〇年)
第4部 民主主義の文化形成論
教育における教養と産業(一九〇六年)
教育における社会的目的(一九二三年)
政治と文化(一九三二年)
創造的な民主主義―目の前にある課題(一九三九年)
第5部 バーンズ財団の芸術教育論
美術教育のための建設的プログラム(一九二五年)
方法(一九三五年)
視ることを学ぶ(一九三五年)
表現と形態(一九三五年)
経験と成長(一九三五年)
訳者解説
底本書誌情報 -
絵画の象徴主義を定まった様式ではなく、様々な暗示の方法であると仮定する。
モロー、ゴーガン、ルドン、クノップフ、ミュシャらの絵画が発する複雑で謎めいた効果を「暗示を創り出す画面のレトリック」の視点から考察。
【目次】
序論 7
一 絵画の象徴主義 7
二 象徴主義美術の理論 11
三 象徴主義の研究史 27
四 本書の方法論と研究対象 36
第一章 暗示する文様/ギュスターヴ・モロー作品における線と色彩の乖離 41
一 問題提起 41
二 線と色彩の乖離 45
三 モローのコスチューム観 52
四 空間への拡大 55
五 文様の象徴性 61
六 結論 68
第二章 壁のない幻視/ゴーガンの《説教の幻視》とオーリエ 70
一 問題提起 70
二 ゴーガンの《説教の幻視》 71
三 《説教の幻視》の成立過程 75
四 オーリエの「絵画における象徴主義 ポール・ゴーガン」 88
五 オーリエの見る《説教の幻視》 90
六 結論 98
第三章 コレスポンダンスの核/ルドンの《目を閉じて》の位置 99
一 問題提起 99
二 《目を閉じて》のヴァリアント 102
三 暗示の手法 113
四 イメージの想起 117
五 コレスポンダンス 121
六 結論 124
第四章 物語らぬ挿絵/オディロン・ルドンの版画集『幽霊屋敷』の方法 125
一 問題提起 125
二 制作の経緯 126
三 ブルワー=リットンの原作小説 128
四 各葉のイメージとテキスト 131
五 挿絵という問題 145
六 結論 153
第五章 呼び交わす人物と背景/オディロン・ルドンの《ド・ドムシー男爵夫人の肖像》に見る隠喩的構造 154
一 問題提起 154
二 パネルの装飾性 159
三 光の空間 164
四 人物と背景 171
五 視覚的隠喩 182
六 結論 189
第六章 喚起する類似/フェルナン・クノップフの《青い翼》から《白、黒、金》 190
一 問題提起 190
二 ディスクリプション 192
三 《青い翼》の意味をめぐって 195
四 《私は私自身に扉の鍵を掛ける》との関係 200
五 鏡像と神秘 207
六 結論 218
第七章 暗示する広告/ミュシャのポスターと象徴主義のレトリック 219
一 問題提起 219
二 ミュシャのポスターと同時代評 221
三 ミュシャの商品ポスターと象徴主義絵画 228
四 叙述の変化 242
五 結論 244
結論 247
あとがき 253
註 1
文献一覧 33
人名索引 51 -
民主主義政治を実際に機能させている「代理」に演劇性が含まれるように、演劇と民主主義はその本質において複雑に交錯している。民主主義への無力感と絶望が高まる世界で、演劇の仮構性・虚構性を活かした政治的発想の転換を11人の演劇学者と政治学者が模索する。
【目次】
はじめに 平田 栄一朗 7
第一章 民主主義と演劇――表裏一体の関係 平田 栄一朗 15
第二章 政治思想から見た民主主義の演劇的特徴 平田 栄一朗 37
第三章 アートの政治化/政治のアート化――クリストフ・シュリンゲンジーフの『チャンス二〇〇〇』を例として 北川 千香子 61
第四章 演劇の声にあらわれる政治と民主主義的倫理の葛藤――ニードカンパニー『鹿の家』における連帯の演技を例に 針貝 真理子 84
第五章 鏡に映らない「私たち」――ハイナー・ミュラー戯曲『ヴォロコラムスク幹線路』における民主主義的主体 石見 舟 111
第六章 一〇〇%デモ( )ストレーション――共同体における討議とポスト移民の現実を試行する場としての演劇 ヴェロニカ・ダリアン 津崎 正行 訳 130
第七章 パフォーマンスのシアトロクラシー的効果とそれを「観る」行為について――映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』における民主主義の自省的瞬間 三宅 舞 153
第八章 舞踊と政治――ウィリアム・フォーサイスとケンダル・トーマスの『ヒューマン・ライツ』 ゲラルト・ジークムント 津崎 正行 訳 178
第九章 熟議民主主義における演劇的モメント 田村 哲樹 200
第一〇章 シアトロクラシーの三つの可能性――〈政治家=俳優〉と〈大衆=観客〉のあり方を再検討する 玉手 慎太郎 218
第一一章 代表と演劇――構築主義的代表論における聴衆=観客の位置付け 田畑 真一 235
第一二章 プレビシット民主主義とは何か――ジェフリー・グリーンの「視覚の民主主義」を中心に 山本 圭 250
参考文献案内 264
あとがき――謝辞に代えて 編著者一同 270 -
中国大陸出身で、国民党幹部であった雷震。しかし、リベラルな政論雑誌『自由中国』誌の責任者としての言動がショウ介石の忌諱に触れ、1960年から10年間を獄中で過ごす。雷震とその同志たちが生涯をかけて自由と民主憲政を追求した姿は、70年代以後の台湾民主化運動の重要な思想的資源となり、後続世代の政治運動家たちに継承されていく。20世紀、中国・台湾の激動の時代を生きぬいた雷震の生涯を膨大な史資料から克明に描き出した労作。
[目次]
自序 iii
まえがき
一、雷震の歴史的役割
二、雷震研究の回顧と資料について
三、本書の章立て
第一章 成長と家庭生活
第一節 成長と、年少の頃の学習の経歴
一、家柄の背景と学識の形成
二、父親の病死と強盗事件
三、近代知識の学習と愛国運動への参加
第二節 日本留学
一、中華革命党への加入
二、「授業ボイコット帰国」運動と新聞発行による救国活動
三、名古屋八高での勉強
四、京都帝国大学への入学
五、森口繁治と佐々木惣一の影響
六、東山銀閣寺での学究生活
七、中日間を行き来して、認識を深める
八、帰国して校長に任命される
第三節 結婚と家庭生活
一、結婚と恋愛について
二、対日戦争による移転
三、雷震一家の台湾移転
第二章 中国大陸時期における政治生活
第一節 第二次世界大戦終結以前の政治経験
一、国民政府への参加
二、国民参政会の準備
三、各政党との意思疎通と協議
第二節 政治協商会議
一、政治協商会議の背景
二、政治協商会議の開催
三、政治協商会議憲法草案の波瀾
第三節 制憲国民大会
一、制憲国民大会の手続きをめぐる論争
二、民、青両党を説得し、行き詰まりを打開する
第四節 国民政府の改組と憲政の施行
一、国民政府の改組
二、憲法施行と中央民意代表の選挙、および人事の協議
第五節 一九四九年の変局下における選択
一、一九四九年の大変局と「擁ショウ反共」
二、「自由中国運動」と『自由中国』の創立
三、一九四九年の政治・軍事の実務への参与
第三章 『自由中国』時期
第一節 「擁ショウ反共」の時期
一、「自由中国運動」と「擁ショウ反共」路線の継続
二、香港への慰問(第一回)と、帰台後の活動
三、第二回目の香港慰問の旅
第二節 衝突の増加
一、社説「政府不可誘民入罪」の意義とその影響
二、軍部による閲読禁止から、雷震の国民党離脱まで
第三節 国民党当局による抑圧
一、訪米の招待に応じられなくなる
二、教育部門での抑圧と、孫元錦事件
第四節 「祝寿専号」事件
一、「祝寿専号」の発表
二、国民党当局の反応と攻撃
三、友人たちの配慮と取りなし
第五節 「今日的問題」シリーズ
一、「今日的問題」の登場
二、反攻絶望論
三、「小地盤、大機構」と、「我們的地方政制」
四、「今日的問題」シリーズ後の言論問題
第六節 出版法の改正と「軍人と狗」事件
一、「出版法」の改正と田雨専案の萌芽
二、陳懐キ事件と「容認與自由」
第七節 総統三選への反対
一、憲法違反の三選
二、臨時条項の修正
第八節 政党結成運動による受難
一、反対党必要論の発展と実行
二、新党運動に積極的に参画する
第四章 『自由中国』時期以降
第一節 雷震事件の勃発と当局による処理
一、ショウ介石の態度
二、雷震の逮捕と留置場での生活
第二節 判決前後における救援活動
一、拘留期間中の家族による救援
二、起訴、審理と処罰の過程における協力
三、判決理由の点検
四、非常裁判の申請却下
五、連署による総統への特赦請求
六、各界からの雷震への声援
七、監察院雷震事件調査小組
第三節 『自由中国』の命運と獄中での歳月
一、『自由中国』の停刊
二、十年の牢獄での生活
第四節 国家アイデンティティの進展と憲政構想
一、国家アイデンティティの転換
二、「二つの中国」の主張と「救亡図存献議」の提出
第五節 民主化運動の継承と発展
一、国民党当局の雷震と党外選挙に対する「関心」
二、一九七〇年代における雷震の交流人脈
三、雷震による改革の主張の意義とその影響
結論に代えて 雷震と民主憲政の追求
一、政党協商、憲法の制定から施行へ
二、中国から台湾への連結―「自由中国運動」
三、一九五〇年代台湾の民主化運動に於ける雷震
四、自由の回復と、後に続く民主憲政の追求
五、自由民主を優位とする価値のために歩み続けた人生
訳者あとがき
参考文献 -
中国における社会言語学の研究そして実践的教育はどのように行われているのか。研究事例の紹介から、社会言語学の理論的背景や研究手法を解説し、学習者が「社会言語学的実験を行う」ことで、社会言語学を身をもって体験し、日々の「言語的事実」をどのように捉えていくかを学ぶための実践例。30年以上紹介されてこなかった中国社会言語学の現状を明らかにする。
[目次]
日本語版への序 viii
第1章序 論 1
第1節社会言語学の誕生と発展 2
第2節社会科学的特性 8
第3節社会言語学実験室 15
第4節研究領域 21
第5節実践的教育 26
第2章言語変異と言語変化 37
第1節概 論 38
第2節リ水「町ことば(街上話)」[u]バリエーション 47
第3節応答詞「行/成」のバリエーション 55
第4節「有+VP」構文の使用状況 62
第5節まとめ 69
第3章相互行為の社会言語学 75
第1節概 論 76
第2節会話ストラテジー 85
第3節創発的文法 94
第4節社会語用論 106
第5節まとめ 115
第4章言語接触
第1節概 論 124
第2節オークランドの中国人の日常会話中のコードスイッチ 133
第3節マレーシア・ジョホール州の客家人の言語シフト 144
第4節黒龍江省ドルブットモンゴル族コミュニティ言語 154
第5節まとめ 162
第5章言語コミュニティ理論 171
第1節概 論 172
第2節シンガポールの中国人社会の言語状況 180
第3節南京市「小姐[お嬢さん]」という呼称語の使用状況 190
第4節農民工言語コミュニティの調査研究 198
第5節まとめ 206
第6章都市言語調査 217
第1節概 論 218
第2節新興工業団地の言語研究 226
第3節南京「道聞き」調査 233
第4節広州市の言語と文字使用調査 239
第5節まとめ 245
第7章言語アイデンティティ 253
第1節概 論 254
第2節上海方言と地域アイデンティティ 263
第3節父親呼称と社会的アイデンティティ 273
第4節中国語の名称研究(漢語、普通話、華語) 281
第5節まとめ 289
第8章言語計画 293
第1節概 論 294
第2節シンガポールのバイリンガル家庭 305
第3節頭字語の研究 314
第4節「作/做」の変異研究 321
第5節まとめ 330
第9章総 論 335
第1節「実践」の原則 337
第2節社会の現実に向き合う 341
第3節応用の学問 347
参考文献 353
後 記 368
訳者あとがき 370
主な日中英用語対照表 371 -
部族の政治的・社会的役割が近代国家の発達や時代の経過や生活様式の変化を経ても厳然と存続していることを、シリアで行った世論調査などを踏まえ明らかにしていく。
[目次]
はじめに(問題の所在) 9
基礎情報 14
シリアはどのような国か 14
シリアの民族、宗派 15
バアス党(アラブ社会主義バアス党) 17
注 19
I シリア政治の研究史 21
1. シリアの政治研究 21
(1)シリア政治史についての研究 22
(2)政策研究 25
(3)シリアの政治構造についての研究 30
2. アラブ諸国における部族の政治的・社会的役割を扱った研究 35
3. ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族に関する研究 40
4. 先行研究の解題・整理のまとめ 46
注 50
II 研究対象の定義と研究方法論 51
1. 部族とはどのような集団か 52
2. ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域とその重要性 62
3. 資料と方法論 68
(1)資料・データの解説 68
(2)資料・データ分析の方法論 76
注 83
III ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族の起源と現状 89
1. ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の主要部族 89
2. 諸部族を取り巻く環境の変化とその影響 105
注 119
IV ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族とシリア政治 123
1. フランスによる委任統治期からバアス党による政権奪取まで 124
(1)植民地勢力に対する武装抵抗 125
(2)ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族と国会 133
(3)ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族と政治組織・院内会派 143
2. バアス党による政権奪取後 151
(1)ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族とバアス党政権 152
(2)ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族とアサド政権 156
注 166
V 現在のシリアの諸問題と部族 171
1. ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族とクルド問題 172
2. ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族と潜入問題 180
(1)潜入を取り巻く環境:ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域についての諸説 182
(2)世論調査の結果に基づく検証 193
3. ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の諸部族とB.アサド政権 211
注 227
VI 結論 235
展望と課題 241
あとがき 257
参考文献 261
シリア略年表 280
図表
図1:アラビア語上のアラブの集団分類の概念図 55
図2:シリアの行政区分地図 65
図3:ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の主な部族の分布 105
表1:ラッカ、ダイル・ザウル、ハサカにおけるラクダの飼育頭数の推移 106
表2:ラッカ、ダイル・ザウル、ハサカにおける馬の飼育頭数の推移 107
表3:歴代議会と部族出身議員 135
表4:「シリア・アラブ共和国での世論調査」質問2、3(日本語訳) 195
表5:「シリア・アラブ共和国での世論調査」質問4、5(日本語訳) 196
表6:サウジアラビア、UAEでの生活・就労を希望する理由のクロス集計 198
表7:「シリア・アラブ共和国での世論調査」質問12(日本語訳)201
表8:「シリア・アラブ共和国での世論調査」質問16(日本語訳) 204
表9:普段共感する政治・思想潮流について、シリア全体の結果とハサカ県の?結果との比較 205 -
西暦1500年前後は、農民的文化と市民的文化が相克する時代であり、重大かつ決定的な変化が起きた時代である。伝説に登場する表象、動物のデーモン、巨人、森に棲む怪人、家精、元素の精などは、興隆する市民の文化の影響を受けて大きく変化する。本書は、伝説を史料として民衆の俗信の変化、表象の変容を、歴史民俗学、精神史や民衆史の観点から描き出した画期的試みである。
[目次]
はじめに 7
動物のデーモン 17
狼 17
竜 24
バシリスク 45
滅びゆくものたち 51
巨人 52
テュルスト 63
ローカルデーモン 68
リューベツァール 83
野人たち 93
森の野人たちとその罪深い欲望 104
古い森のゾッとする美女 108
荒猟師と憤激する軍勢 119
木に棲む女 133
ホレとホレおばさん 133
糸紡ぎ部屋の女たち 140
ペルヒト 144
ビルヴィス女 151
異教の乙女とジビレ 157
鬼神説 165
トリテミウス 167
ピクトリウス 172
アグリッパ・フォン・ネッテスハイム 175
山の精 179
ファンガ 179
チーズ小屋の小人 189
元素の精 193
家精コーボルト 194
ドラク 208
水の精 213
メルジーネ 221
取り替え子 225
海の怪物とセイレン 235
燃える男またはツュスラー 239
揺さぶり小女 250
地中の小人 257
ヴァーレ人たち 273
結び 277
訳者あとがき 281
出典および参考文献 XXVIII
妖精名索引 XVIII
地名索引 VIII
人名索引 I -
日本において「国語」はあって当然のようにみなされてきた。しかし、多言語社会日本を考える際には、こうした考え方を相対化し、より柔軟な多言語へのまなざしを見出していく必要がある。つまりは、「国語」からはみえないものへの視線をとりだすことが必要とされる。
なにかを「とらえる」ということは、意志的なものであり、みたくないものはみない、みたいものだけをみる、ということだ。本書は、歴史的に「みえない」ものとされた、そして現在も日本社会で「みえない」ものとされていることばたちを念頭におき、「みる」側の構図をえがきだす。
[目次]
はしがき xv
序章 「国語」からみえるもの / みえないもの 1
1 はじめに 1
2 国語ということば 2
3 国語と国家と政策と―国語調査委員会 6
4 国語政策と方言、そして多言語性 8
5 日本語政策 12
6 おわりに―多言語へのまなざし 16
注 17
第一章 ことばをどのようにみようとしてきたのか―近代日本における「言語学」の誕生 19
1 はじめに 19
2 「博言学」ということば 23
3 帝国大学言語学 38
4 比較言語学への懐疑 48
5 まとめにかえて―日本言語学のもうひとつの形 56
第二章 「言文一致」がみえなくすること─作文・日記・自伝 67
1 はじめに 67
2 日記をつけることは伝統か 71
3 作文教育のあり方 74
4 作文教育の延長としての日記 85
5 日記教育の事例―南弘の娘の日記 89
6 おわりに 95
第三章 虐殺とことば―関東大震災時朝鮮人虐殺と「一五円五〇銭」をめぐって 103
1 はじめに 103
2 証言のなかの「一五円五〇銭」 113
3 壺井繁治「十五円五十銭」をめぐって 121
4 おわりに―あらたな流言に対処するために 129
第四章 となりの朝鮮文字 141
1 はじめに 141
2 関東大震災と朝鮮文字 146
3 男子普通選挙と朝鮮語・朝鮮文字 152
4 おわりに 158
第五章 朝鮮人の言語使用はどうみえたか―村上広之の議論を中心に 163
1 はじめに 163
2 村上広之という人物 167
3 村上広之の論理 179
4 おわりに 188
第六章 「ひとつのことば」への道からみえるもの―斎藤秀一編『文字と言語』をめぐって 201
1 はじめに―復刻にあたって 201
2 方言の問題について 215
3 斎藤秀一の言語観―唯物論言語理論の影響 228
4 中国のローマ字運動への関心 246
5 斎藤秀一の情報網 284
6 おわりに 286
第七章 「ことのはのくすし」は何をみていたのか―陸軍軍医監・下瀬謙太郎をめぐって 307
1 はじめに 307
2 下瀬謙太郎略歴 311
3 中国と医学 318
4 言語問題の前線へ 326
5 中国の文字改革への興味 331
6 医学用語統一への道 351
7 おわりに 371
第八章 漢字廃止論の背景にみえるもの―敗戦直後の労働争議とからめて 391
1 はじめに―敗戦直後の漢字問題 391
2 「漢字を廃止せよ」と『読売報知』 396
3 「漢字を廃止せよ」の内容 400
4 「漢字を廃止せよ」のゆくえ 409
第九章 スターリン言語学からみえるもの―民主主義科学者協議会編『言語問題と民族問題』をめぐって 419
1 はじめに 419
2 スターリン「言語学におけるマルクス主義について」 421
3 模倣されるスターリン 440
4 おわりに 452
終章 「やさしい日本語」がみおとしているもの 465
1 はじめに―社会変動と言語 465
2 語られない多言語社会 470
3 「やさしい日本語」は使われるのか 479
4 おわりにかえて 484
あとがき―初出一覧 489 -
「いとも晴朗なる共和国」、「アドリア海の女王」、どの土地とも異なる、神の意志で作られた特別な場所――そうしたイメージ戦略を成功させ、ヨーロッパに君臨した水都ヴェネツィア。みずからのために生み出したさまざまな題材により自己神話化をはかったヴェネツィアの歴史を国家形成期から18世紀の没落までたどる。
【目次】
はじめに 7
序説 9
第1章 奇跡の誕生 17
第2章 聖マルコの平和 63
第3章 ソロモンの知恵 119
第4章 オリンポスの援用 145
訳者解説 181
注 1
参考文献 16
索引 26
図版出典 35 -
国名をテーマにしたフェスティバル「国フェス」。
国際交流・理解を謳い、期間限定でそこに持ち込まれる多種多様なモノ・コト・価値の数々。それらの談話――言語・非言語を含む、有意味な記号活動のすべて――を、マルチモーダル談話分析、言語景観研究、地理記号論の三つの視点を基盤に複数の手法で精査し、複雑に展開される相互作用を紐解いていく。
国フェス研究が、在日外国人コミュニティとホスト社会を架橋する可能性に向けて―――。
【目次】
序
第1章 国フェスの社会言語学的研究――意義と方法
1. はじめに
2. 国フェス研究の意義
3. 国フェスの社会言語学的研究の意義
4. 研究の方法
5.本書の事例研究の位置づけ
第2章 調査の手順と国フェス事例の概要――開催の趣旨と経緯
1. はじめに
2. 調査の手順
3. 国フェスの概要
4. 国フェスの傾向と特徴
5. 本章のまとめ
第3章 国フェスのチラシのマルチモーダル談話分析――A4紙一枚に凝集される国フェス
1. はじめに
2. チラシの社会的機能と談話
3. チラシの横断的なMDA
4. チラシの多言語使用についてのMDA
5. チラシに凝集される国フェスの談話
6. 本章のまとめ
第4章 国フェス会場に展開される国名・地名――想像の国家空間
1. はじめに
2. 国名
3. 都市名
4. 当該国の地名と日本の地名:ベトナムフェスティバルを事例に
5. 本章のまとめ
第5章 トークショーでの二言語使用――通訳が介在する相互作用
1. はじめに
2. 事例概要
3. トークショーの相互作用分析
4. 通訳が欠落する契機と共起すること
5. 本章のまとめ
第6章 参加型の言語関連活動――文化資本としての当該国言語
1. はじめに
2. 出店エリアの言語関連活動
3. 参加型の言語関連活動の事例
4. 文化資本としての当該国言語の可能性
5. 本章のまとめ
第7章 音楽ライブでの多言語使用――多言語シンガーと観客の相互作用
1. はじめに
2. 事例概要
3. 楽曲間トークの談話分析
4. 多言語シンガーの談話戦略と台湾原住民言語の位置づけ
5. 本章のまとめ
第8章 感染症対策を講じた国フェスから見えること――「新しい日常」における国際交流イベントの課題と展望
1. はじめに
2. コロナ禍のイベント開催方針と代々木公園の国フェス
3. 「新しい日常」のベトナムフェスティバル 2020
4. 実地調査から見える人々の相互作用
5. 本章のまとめ
第9章 結論――多様性が価値づけられる多言語公共空間形成過程への示唆
1. はじめに
2. 各章の結果と考察
3. 国フェスの談話:移住者コミュニティと多様性の価値づけの観点から
4. 国フェス研究の課題と展望:方法論の観点から
コラム
「私が国フェスに惹きつけられる瞬間:インド人フォークアーティストの所作」
「公式ホームページの多言語設定:複数言語による情報伝達と各言語の存在感」
「少数民族語の存在:ミャンマー祭りに見るシャン語・シャン民族の顕在性」
「総合司会者の役割:演目紹介、時間調整、会場案内、通訳、そして危機管理」
「実行委員会における当該国出身者の活躍:異文化間コミュニケーターの視点」
「ボランティアに期待される言語能力:当該国言語の使用域を広げる可能性」
「ある老舗エスニックレストラン店主にとっての国フェス:距離感と解放感」
「コロナ禍に思う、越境する音楽の力:韓国打楽器奏者、李昌燮さんの祈り」
「コロナ禍のベトナムフェスティバル:つながりを絶やさない留学生達の輪」
あとがき
引用文献 -
演劇の遊戯性が原理主義の幻想を解体する。グローバル化と原理主義が絡み合う世界で、多文化主義をさらに超えた、異他なる者との共生を導く実践と思考。
【目次】
謝辞 6
日本語版の読者に向けて ──日本に感謝する三つのこと 7
序章 11
第一部 越境文化演劇の理念 19
第一章 生成のさなかにある演劇 20
第二章 越境文化演劇のアクチュアリティ 34
第三章 演劇的妄想 39
第四章 越境文化演劇の場所としての異郷 51
第五章 通過者としての存在 87
第二部 越境文化演劇の世界-空間 115
第一章 世界化の演劇 116
第二章 プトレマイオス的世界劇場 124
第三章 世界-経験の演劇 130
第三部 越境文化演劇の実践 157
第一章 歴史に向き合うということ 158
第二章 国民文化という幻想の興亡 163
第三章 越境文化演劇の実践形態としての反復 187
第四章 カリブの革命 ──越境文化的な屈折の実践 204
第五章 越境文化演劇の演者としての身振り 218
第六章 感情の発電所としての越境文化演劇 244
原註 263
訳者あとがき ──解説を交えて 294 -
広東モデルなくして中国の台頭はなく、こんにちの中国モデルもなかった。本書は、台商の果たした役割を射程に、珠江デルタ地域での長期の現地調査で得た実証的データをグローバル価値連鎖理論に依拠して解読する。台商と在地体制・官僚の同盟関係とその終焉、資本家と国家による農民工への二重搾取、自前の価値連鎖の構築を図る中国の目論見とその制約要因などを論じ、「レントシーキング開発国家中国」の概念を打ち出す。世界が中国の政治・経済の先行きに強い関心を持つ今、本書は全く新しい視座を提供する。
本書英語版Rival Partnersは、米国社会学会より2023年「国際研究者によるグローバルおよびトランスナショナル社会学最優秀書籍賞」を受賞。
【目次】
刊行によせて(2019年初版) xiii
増訂版の刊行によせて xvii
英語版序文 意外性と、説得力と エリザベス・J・ペリー xxi
日本語版刊行によせて xxvi
序章 台商、中国、世界 1
第1章 世界の工場を造り出せ 31
第2章 広東モデルの起源・パフォーマンス・変遷 89
第3章 台陽公司 1979-1994年 159
第4章 台陽公司 1995-2010年 211
第5章 民工階級:身分における差序・二重の搾取・労働体制 265
第6章 広東モデル転換期の台湾企業と中国企業 363
第7章 グローバル価値連鎖とレントシーキング開発国家 443
第8章 結論――罠と挑戦 499
聞き取り調査対象者コード対照表 524
引用文献 527
訳者あとがき 550
索 引 558
著者/訳者紹介 -
第二次大戦後、台湾戒厳令下の恐怖政治の時代、白色テロに襲われた一家族の証言。
10年もの間、無実の政治犯として囚われた父親、そして家族を襲う悲劇。しかし周りの人々に支えられ、ついには家族の解放と穏やかな生活をとりもどす。アメリカ在住の女性学者がつづる国境を越えたファミリーヒストリー。
[目次]
序言 恨みから感謝へ―白色テロを証言する 王徳威 7
著者の自序 23
日本語版への序文 28
第一章 張我軍・張光直と私たちの一家 35
第二章 「二・二八事件」から思い起こすこと 48
第三章 六歳 54
第四章 雪中に炭を送る―恩師からの救いの手 65
第五章 監獄への面会途上で 76
第六章 父の物語 83
第七章 かたくなに家族を守った母 89
第八章 父の出獄 95
第九章 骨と灰の償い 101
第一〇章 言語のはざまで 116
第一一章 伯父、陳本江と「台湾一の秀才」呂赫若 130
第一二章 虎口を脱する――両親のアメリカ移住 158
第一三章 紅豆の啓示 171
第一四章 中国と台湾、両岸の受難者 190
第一五章 実直に道を切り開いた伯父、張緑水 212
第一六章 最後のカード 222
第一七章 台湾女性の鑑、陳玉鑾 228
第一八章 恩師、モーゼズ・シューとその妻シャルロット 236
第一九章 娘が一六歳になって 246
第二〇章 弟の緑島訪問 250
第二一章 父の手 263
註 271
【付録年表】著者の生い立ちと時代の関連事項 297
訳者あとがき 306 -
バルザック『知られざる傑作』の、究極の美を求めた果てに破滅する主人公フレノフェールこそ「私だ」とセザンヌは自分を指さした。
画家をめざす友を信じて励まし続けてきたゾラ。だが彼の小説『制作』はセザンヌの探求する〈美〉を理解しえないことを晒し、二人は決別する。
二つの小説を手がかりに、近代美術誕生期の芸術観と、その渦中で生きた者たちの友情の機微に深く分け入る。
[目次]
第一章 画家たちにとっての『知られざる傑作』 9
バルザックの『知られざる傑作』 9
『知られざる傑作』の永遠性 10
ピカソとヴォラールと『知られざる傑作』 12
ヴォラールとセザンヌ 18
『知られざる傑作』とセザンヌ 32
第二章 『知られざる傑作』という小説 42
『知られざる傑作』という小説 42
セザンヌの絵画芸術観と『知られざる傑作』の絵画芸術観 51
ドラクロワのロマン主義絵画芸術論 61
第三章 様々な自然主義 68
不可解なセザンヌ 68
セザンヌの出発 71
セザンヌの上京と絵画修業 73
ゾラと印象派 83
仕上げの問題 88
マネの絵画技法 90
第四章 セザンヌとゾラの人生の門出 108
セザンヌとゾラの絵画観 108
セザンヌとゾラの友情 120
第五章 ゾラの誕生とアカデミー絵画 142
ジャーナリスト・ゾラの誕生 142
アカデミー絵画と反アカデミー絵画 153
フランス絵画アカデミー 156
セザンヌとゾラとサロン 159
第六章 近代絵画と二つの自然主義 174
ゾラの自然主義と印象派の自然主義 174
自然主義絵画 182
セザンヌとゾラとの決別 191
第七章 ゾラ=セザンヌの反印象主義とセザンヌの絵画哲学 213
『制作』のセザンヌ 213
セザンヌとゾラの印象主義批判 220
セザンヌの反印象主義 221
セザンヌの制作 229
セザンヌにおける「自然」 244
第八章 真実の絵画 254
同時代画家への評価 254
セザンヌの「進歩」 260
セザンヌと『知られざる傑作』 266
バルザックの文学哲学思想と『知られざる傑作』 270
ゴーティエの芸術論 271
あとがき 289
主要人名索引 295 -
「世界の言語」の大海原へ――
グローバル化は、「多言語社会」を誰にとっても日常のものにした。本書は、身のまわりに見出される「世界の言語」を深掘りしてみることで、ことばが異なる人、一人ひとりが、互いの違いを尊重し、安全で活力のあるコミュニティを共に築いていくための、あり方を探究する。
行政や企業の多言語対応から、街歩きでの多言語探しの愉しみまで、グローバル・コミュニケーションの羅針盤となるエッセイ集。
[目次]
はじめに
1 多言語社会を深掘りする
01 鉄道会社の多言語対応から、「言語の問題」を考える
02 「先住民言語の国際の十年」から考える、多言語社会・日本
03 身のまわりの多言語環境を統計資料から捉えてみる
04 高級ファッションブランドの多言語対応から見えるグローバル・ビジネス
05 コミュニティのありようを映し出す言語景観
06 一つの表現の深み、七千の言語の重み
07 対をなすことば、価値観のかたよりを示す語彙群
08 グローバルな思想を凝集する「世界“諸”英語」論
2 違いを投影、抑制、創出することば
09 デジタル・コミュニケーションと対面コミュニケーションの行き来
10 エントリーシートの性別欄から多様性を考える
11 縦書きと横書きの思考と文化
12 察しと言明のあいだ
13 ことばとアイデンティティ
14 社会実践としてのことば、「ディスコース」
15 ことばを運ぶ「メディア」のはたらき
16 「メタファー」に見る表現、文化、他者理解
3 言語政策という発想
17 言語政策“不在”論
18 コーポレートガバナンス・コードから「企業の言語政策」を考える
19 言語政策“遍在”論
20 情報ネットワークをつくりだす、「全社的な言語政策」へ
21 すでにある語学力を生かし、育てる
22 商品まわりの言語を見渡し、見直す
23 多言語マーケティングと言語文化の活性化
24 「国フェス」で繰り広げられる同調と差別化から生まれるもの
4 異なる言語話者達でつくるコミュニティ
25 異言語話者が出会うとき
26 「ありえない」言語表現から考えてみる共生社会の関係づくり
27 多言語ホームページに投影される作り手の言語観
28 母語話者と非母語話者の対話と信頼関係の構築
29 少数民族どうしが出会う国際都市、東京
30 都市のユニバーサル・デザイン考
31 多文化が祝祭される街へ
32 異なる言語話者達が共に暮らすコミュニティづくり
おわりに -
日本植民地期に生まれ、国民党独裁時代を生き抜き、自由化・民主化運動のなかに身をおき、知的営為と実践を通して、台湾の自由・民主・独立を目指した歴史学者の半生記。それは、台湾人の苦悩と闘い、そして希望へと繋がる民衆史でもある。
[目次]
日本語版への序 静寂の中の躍動 iii
序文
自ら大地をしっかりと掴んで放さない―李永熾の「志業」( Calling ) 金 恒イ 2
私の知っている先生 薛 化元(政治大学文学院院長) 10
私の敬愛する大兄さん 三妹 美玉 15
自序 辺縁の自由人として 李 永熾 21
第一章 父母の青春 28
第二章 無知な子供時代 45
第三章 貧しい生活と勉学の開始 70
第四章 辺縁かつ貧乏な大学時代 93
第五章 大学院と家計の負担の開始 108
第六章 苦難に満ちた日本留学期 139
第七章 近代日本の歴史と思想の発展 172
第八章 丸山眞男から日本近代史を再考する 192
第九章 帰国と結婚 218
第十章 講義:日本の近代化と国家の形成 242
第十一章 学部仕事と学生指導 268
第十二章 翻訳と出版 286
第十三章 雑誌と新聞のために文章を執筆する 305
第十四章 学術と思想の転換 331
第十五章 台湾の発展への関心 354
第十六章 美麗島事件前の台湾 367
第十七章 人心が変わろうとする一九八〇年代 383
第十八章 台湾独立思想の確立 400
第十九章 政治活動への参加 418
第二十章 一九九〇年代台湾の民主化運動 433
第二十一章 父親との死別 444
第二十二章 台湾独立運動への関わり 456
第二十三章 悲しみの一九九九年 475
第二十四章 二〇〇〇年代の政治参加 486
第二十五章 定年退職後の生活 496
あとがき 李衣雲 514
参考文献 520
李永熾年表 522
口述者/筆記者/訳者紹介 530 -
ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。
ベトナムの54「国定民族」は、いかにして確定されたのか。ドイモイ以降の「自由化」により、これまでの民族の枠組みを見直し「新たな民族」を要求する声があがりはじめた。ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。多民族国家における上からの民族政策のはらむ危うさを明らかにしていく。
[目次]
序論 13
第1節 本書の目的 14
第2節 本書の構成 17
第3節 研究手法 20
第4節 先行研究 25
第5節 ベトナム少数民族概観 30
第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業 35
第1節 ベトナム民族学の誕生 36
第2節 中国の民族識別作業 40
第3節 ベトナム民主共和国における民族確定作業 51
第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策 77
第1節 1989年の共産党政治局22号決議とその背景 78
第2節 「135プログラム」の目的と対象 80
第3節 「135プログラム」の結果 84
第4節 「135プログラム」の課題 91
第5節 「135プログラム」第2フェーズ 95
第3章 21世紀の民族確定見直し作業 97
第1節 1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出 98
第2節 声をあげたサブグループ(1)カオランとサンチー 99
第3節 声をあげたサブグループ(2)グオン 124
第4節 総括セミナーと国定民族成分リストの行方 150
第5節 声が届かないサブグループ 153
第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族 199
第1節 オドゥ族の居住状況 200
第2節 来歴をめぐる伝説 202
第3節 創られた「自称」 205
第4節 民族混淆状況と言語 207
第5節 オドゥ族の分類の歴史-“絶滅”の危機?- 211
第6節 激増する「オドゥ族」 214
第7節 降ってわいたダム建設 216
第8節 民族別「優先」移住と家族の離散-本当の危機- 218
第9節 オドゥ族への特別のプログラムとトゥオンズオン県の思惑 231
第10節 移住先でのオドゥ族と新たな民族間対立 236
結論 権益としての民族――国家・地方政府・当人たち 247
資料 263
[地図9]ベトナム全国の主な省名・省中心地名
[地図10]ベトナムの地方区分
[表21]国勢調査によるベトナムの国定民族別人口変動(1979, 1989, 1999)
[表22]1960年3月1日北部民族別人口
[表23]1974年4月1日北部民族別人口
「135プログラム」原文 政府首相の決定(135号/1998/QD-TTG 1998年7月31日)
参考文献・インタビュー一覧 279
あとがき 294
人名・事項索引 299 -
日本医学と「言語的事大主義」。
いまは忘れられた、ドイツ語を日本語の語順でならべて助詞などでつなげた「てにはドイツ語」とは、ドイツ語で医学教育がおこなわれるという、きわめて特殊で限定的な場で発生し、流通した言語変種といえる。「てにはドイツ語」による教科書も出されている。この言語変種をめぐって、日本医学界ではいかなる議論がなされたのか。「医学のナショナライズ」「ナショナリズムの医学」「日本医学」「大東亜医学」、敗戦後の「アメリカ医学」=アメリカ英語への転換、それは、近代日本語のあり方のみならず、学知のあり方までをもうかびあがらせるものである。
[目次]
序章 近代日本と「てにはドイツ語」 1
1 「てにはドイツ語」とはなにか 2
2 専門的・特権的な「てにはドイツ語」 5
3 医学とドイツ語 ― 「上品ナ隠語」とその問題 11
4 現在の医療従事者がつかうドイツ語起源の隠語 13
5 近代日本語と「てには」 ― 和辻哲郎の議論から 17
6 本書の内容 19
注 24
第一章 「てにはドイツ語」の発生 27
1 はじめに 28
2 ドイツ医学の導入 32
3 お雇い外国人からの脱却のあとに 48
4 日本語で医学教育はできたのか 55
5 おわりに 66
注 68
第二章 問題化する「てにはドイツ語」とエスペラント――一九一〇年代後半における医学界の言語問題 79
1 はじめに 80
2 大沢岳太郎・村田正太論争の概略 82
3 『刀圭新報』の立場 ― 医学界批判としての暉峻義等の援護 110
4 村田正太におけるエスペラントの「発見」 122
5 おわりに 136
注 139
第三章 浸透する「てにはドイツ語」 151
1 はじめに 152
2 印刷されない「てにはドイツ語」 155
3 印刷される「てにはドイツ語」 ― 熱い需要のもとで 168
4 おわりに 183
注 184
第四章 再問題化する「てにはドイツ語」――一九三〇年代から一九四〇年まで 187
1 はじめに 188
2 下瀬謙太郎「医学用語に関する世上の声」などから 190
3 国語愛護同盟医学部と『日本医事新報』 201
4 一九四〇年の「てにはドイツ語」問題 219
5 おわりに 246
注 248
第五章 医学用語統一への道と医師試験用語問題 257
1 はじめに 258
2 医学用語の統一へ 259
3 日中医学用語統一論 278
4 医師試験用語問題 288
5 おわりに 308
注 309
第六章 「大東亜共栄圏」のなかの「てにはドイツ語」 319
1 はじめに 320
2 「国語国字統一問題とテニヲハ独逸語問題」 ― 一九四一年三月 321
3 第一一回日本医学会総会と「てにはドイツ語」問題 ― 一九四二年 325
4 第一一回日本医学会総会の総括 334
5 大東亜医学へ 338
6 おわりに 365
注 366
終 章 「てにはドイツ語」の終焉――ドイツ語から英語へ 373
1 はじめに 374
2 敗戦をまたぐ『日本医事新報』 377
3 敗戦後の『茂木外科総論』 ― 「日独混合文」から「日英混合文」へ 398
4 「言語的事大主義」という批判 406
5 おわりに 411
注 416
あとがき 423
人名索引 I
事項索引 VIII -
「台湾料理」とはなにか? 本書は国宴、高級レストラン、夜市、庶民の食卓にのぼるさまざまな料理を紹介しつつ、「台湾菜(台湾の料理)」という概念が100年の間にいかに定義され、表現され、実践されてきたかを検証するものである。日本の台湾統治と第2次大戦後の権威主義的政権もまた、多くの新たな飲食の要素を台湾に持ちこみ、民主化後の、現在の「台湾」を形づくってきた。つまり「台湾料理」とは何かを問うことは、まさにこの100年余にわたって台湾社会がいかに大きな変化を経てきたかを理解することなのである。
[目次]
日本語版への序 iv
序 私の台湾菜の旅 1
第1章 序論 「台湾菜」の文化史 5
第1節 「台湾菜」とは何か? 6
第2節 飲食という新たな研究領域 9
第3節 国民、国民性、国民料理 16
第4節 マクロからミクロへ 物と具現化の研究アプローチ 22
注 29
第2章 植民地の高級料理―日本統治期の「台湾料理」の誕生 35
はじめに 台湾料理―命名された他者 36
第1節 台湾料理の登場 37
第2節 日本統治期のレストランにおける食の消費 50
第3節 台菜の文化パフォーマンス―「支那料理」から「台湾料理」へ 61
おわりに 植民地料理のパフォーマンスと変形 78
注 80
第3章 古来の台湾の味―庶民の食卓 87
はじめに 台菜の文化パフォーマンスと生活の実践 88
第1節 台湾人の家庭料理 89
第2節 一般大衆の宴席―節句や慶事の食物とバンゾウ 118
第3節 日常の点心と街角の軽食 138
おわりに―民間の「台湾菜」 152
注 154
第4章 移植と混交―戦後書き換えられた飲食地図 163
はじめに 国家、移民と食物 164
第1節 戦後の激変―経済の困窮と節約運動 168
第2節 反共復国思想のもとでの消費管理―酒家と公共食堂 184
第3節 移植された中国の味―レストラン、市場と眷村の飲食 198
第4節 新しい地図と新しい階層―「中国菜」の混交と現地化 216
おわりに 戦後中華料理の周縁的一系統となった「台菜」 234
注 238
第5章 エスニシティ、階級と飲食「伝統」の創造 253
はじめに 現代の「台湾菜」が意味するものの変化 254
第1節 「四大族群」論と「客家料理」、「先住民料理」の興り 260
第2節 国宴における族群の象徴 284
おわりに 台湾化路線に育まれた「台湾小吃」 304
注 308
第6章 台湾菜と「故郷の味」―家および文化的記憶の変遷 315
はじめに―飲食エクリチュールにおける個の記憶と集団の記憶 316
第1節 「故郷の味」のコミュニケーション的記憶から文化的記憶へ 318
第2節 唐魯孫と?耀東―家庭の味に対する追求 334
第3節 家の身体実践―林海音の飲食エクリチュールにおける調理と食 361
おわりに 「故郷の味」の再定義―文化的記憶が定着する場所 387
注 392
第7章 結論 ガラスの容器のなかの台湾菜 403
1 「国民料理」の三つの特徴―関係性、パフォーマンス性、商品性 405
2 食物消費における「国民料理」の誕生 408
3 「国民」という境界線の流動と個体の感受性(sensibility) 409
4 ガラスの容器のなかの台湾菜 412
注 416
解説 岩間一弘 417
訳者あとがき 434
引用文献 436
事項索引 465
人名索引 468 -
国家と教育。教育政策に大きな足跡を残した、田中不二麿、元田永孚、森有礼、井上毅。明治国家形成期、ゆれ動く時代のなかで、近代教育制度の確立に向けて、彼らは、国家と教育の関係をどのようにとらえ、教育に何を求めたのか。そして、なぜ教育勅語へと至ったのか。
[目次]
増補版まえがき なぜ、また、教育勅語なのか 7
まえがき 教育勅語一〇〇年と大嘗祭の年に 18
プロローグ 24
第1章 田中不二麿と教育の自律主義 31
第1章 補論(1) 田中不二麿の統制主義と自由主義について―新島草稿とドイツ編を中心に 95
第1章 補論(2) 田中不二麿の地方巡察使報告書について 141
第2章 元田永孚と徳治的教化論 171
第2章 補論 元田永孚と教学論 209
第3章 森有礼と啓蒙的国家主義教育論 265
第4章 井上毅と相譲の徳義の形成 299
エピローグ 333
あとがき 343 -
韓国という鬼門をくぐり、仰ぎみれば、 漢拏山が!
1948年、3万余人といわれる血塗られた犠牲をうんだ済州島「四・三事件」。民族解放・民衆抗争としての「四・三」復権と解放に生涯をささげ、大作『火山島』を書きあげた金石範。 42年ぶりの故国訪問から13回にわたる韓国紀行を読む。
[目次]
眩暈のなかの故国(『故国行』)
故国再訪、成らず / 再訪を拒まれて
故国への問い 親日について
再びの韓国、再びの済州島 『火山島』への道
かくも難しき韓国行
苦難の終りの韓国行
鬼門としての韓国行
敵のいない韓国行
自由な韓国行
私は見た、四・三虐殺の遺骸たちを
悲しみの自由の喜び
地の底から
終わりの韓国行
続・韓国行
続・続韓国行
夢の沈んだ底の『火山島』
初出一覧 -
石母田史学とは何であったのか。
マルクスによって記述された「アジア的生産様式」をめぐる論争は、古代から近現代にいたる日本「特有」の性質の究明を目的としておこなわれてきた。この論争を緒として歴史家石母田正と京大日本史学のかかわりを中心に戦後歴史学の軌跡をたどり、時代区分なき政治史、形骸化した実証史学といった現在の歴史学への反省のうえに、マルクス主義歴史学の可能性を問いなおす。
[目次]
自序 原秀三郎
第1部 石母田正と戦後マルクス主義史学――アジア的生産様式論争を中心に [原秀三郎+磯前順一]
はじめに
第1章 生い立ちから静岡大学史学専攻課程設立まで
伊豆下田時代
生まれ故郷、稲梓村
静岡大学入学と民科での活動
内藤晃先生との出会い
石母田正『歴史と民族の発見』
静岡大学文理学部史学専攻課程の設立
第2章 京都大学大学院時代
安良城理論と芝原拓自の登場
安丸良夫との交流
河音能平と早川二郎、そして渡部義通
西田直二郎の文化史学
清水三男の流れ
第3章 『資本制生産に先行する諸形態』と京大国史学
『諸形態』の日本語訳
時代区分論の必要性
経済史による影響
大山喬平の構成的支配論
第4章 『諸形態』と石母田正の『日本の古代国家』
芝原拓自の『諸形態』理解
原秀三郎のアジア的生産様式論批判報告
『諸形態』解釈の分岐点
石母田『日本の古代国家』との決別
国家史と国制史の違い
寺奴の論理
石母田理論の陥穽
第5章 石母田史学とは何か
石母田「英雄時代論」
ヒューマニスト石母田正
「歴史評論家」としての石母田正
第2部 内在化する「アジア」という眼差し――アジア的生産様式論争と石母田正 [磯前順一]
1. 方法論的アプローチ――他者の眼差しと主体化過程
2. 知識人と大衆という問題設定――福本イズムから転向問題へ
3. 停滞論から特殊性論へ――『日本歴史教程』から『中世的世界の形成』へ
4. 石母田正と第三次歴史教程グループ――三木清の遺産
5. 石母田正のアジア的古代論――世界史の基本法則と歴史の余白
6. 挫折と経験 ―― 安良城盛昭と石母田正
7. 東アジア論への展開 ―― 石母田正『日本の古代国家』
跋にかえて 学問の死の後で ――1981 年の原先生と私 [磯前順一] -
これまで言語研究で取り上げられることのなかった従軍記、回顧録、部隊史などから片々たる記述を拾い、当時の言語接触のあり様や日中語ピジン(「協和語」「兵隊支那御」など)を再構築することを試みる 。
[目次]
序章 ピジン研究における英語とアカデミズムの桎梏 001
第1章 日中語ピジン――「協和語」「兵隊支那語」の源 007
第2章 「満洲国」のピジン中国語 039
第3章 「満州」ピジン中国語と「協和語」 081
補章1 「満語カナ」という名称 131
補章2 絵葉書資料 139
第4章 「在満日本語」 152
補章3 中国語への影響 184
補章4 多言語社会「満州」のさまざまな言語接触 194
第5章 「兵隊支那語」 202
第6章 「兵隊支那語」の広がり 235
第7章 『分隊長の手記』(正・続)に見る
第8章 各地居留民のピジン――大陸ピジン中国語 287
補章5 ピジン使用の背景――日本人・中国人の言語意識 306
補章6 性的卑語 317
補章7 筆談 330
第9章 ピジン中国語の残存語彙 338
第10章 虚妄のアルヨ言葉と直訳的アルヨ言葉 365
補章8 候文――変体漢文 387
第11章 戦時ピジン中国語の言語的特徴 403
終章 日本植民地ピジン研究の今後 446
資料編
引用文献 551
あとがき 578 -
ヘーゲルは、『法の哲学』の主題を「自由」であると語っている。国家、社会を哲学の立場から論ずるということは、国家、社会、そして文化一般を、人間とはいかなるものか、とりわけ人間の考える能力というものはどのようなものかという所にまで引きつけて検討することである。 本書は、 四角四面に構えて、国家、社会を論ずるということを逸脱した、読者の微苦笑を誘うような「人間通」ヘーゲルという側面を表面に取り出しつつ、 難解きわめるヘーゲル『法の哲学』をときほぐし、その全体像を 分かり易く解説し、本棚の奥で埃のなかに埋もれさせておくには余りにも惜しいと言うべき、豊穣かつ新鮮な知を提示する。
[目次]
第1部 近代国家の現実と哲学――ヘーゲル『法の哲学』を手引きとして 1
I. なぜ、今、ヘーゲル『法の哲学』か 2
A. 国家哲学 2
B. 生哲学としての『法の哲学』 7
C. 法と自由 10
II. 『法の哲学』の基本 14
III. 自然法と実定法 19
A. 自然法思想 19
B. 実定法思想 22
C. 法の歴史的性格 25
第2部 ヘーゲル『法の哲学』 31
I. 抽象法 32
A. 所有 32
II. 道徳 45
A. 道徳と自由 45
B. 道徳の三段階 49
III. 人倫 54
A. 家族 55
B. 市民社会 70
C. 国家 96
A. 国内法 101
B. 国際法 124
C. 世界史 128
その後のヘーゲル『法の哲学』 135
あとがき 139 -
コミュニケーション観の探究が社会全体を見る鍵となるのは、なぜか?──
「コミュニケーション論のまなざし」は、個人や社会をどのように捉えようとしているのか。社会で言われていること、コミュニケーションを通して為されていることを、この「まなざし」はどのように捉えるのか。どのようにして、コミュニケーションは、単なる情報伝達ではなく、歴史、文化、社会の中で起こる出来事だということを、この「まなざし」は示していくのだろうか。
[目次]
1. コミュニケーション論のまなざし 1
まなざし(1) 大学で学ぶということ 1
まなざし(2) コミュニケーション論の地平 11
2. コミュニケーション論のための言語学の「知の枠組み」
「言語学」を具体例として見る学問の構成のされ方 31
枠組み(1) コミュニケーション論と心理学、メタ語用論、そして言語学へ 31
枠組み(2) 言語学とは何か:導入 37
枠組み(3) 語用論とは何か 44
枠組み(4) 文化的意味範疇とは何か 53
枠組み(5) 文化的意味範疇とコミュニケーション 59
枠組み(6) 語用論の世界:直示(ダイクシス)と視点 67
枠組み(7) 言語と方言 79
枠組み(8) 言語の全体:コミュニケーション、方言、言語構造、普遍文法 88
枠組み(9) 言語構造の構成と言語変化 104
枠組み(10) 言語の全体への〈まなざし〉としての言語学:総括 119
3. コミュニケーション論の「知の回路」
コミュニケーション・モデルと言語学とをつなぐ 129
回路(1) コミュニケーションの3つのモデル:視点とメタ語用 129
回路(2) 情報伝達モデル 131
回路(3) 6機能モデル 141
回路(4) 出来事モデル 162
回路(5) 出来事の視点から見た文法、意味論、語用論:コミュニケーション出来事と普遍文法、再訪 174
回路(6) コミュニケーションと視点:参加者の視点、観察者の視点、相互行為の基点 182
回路(7) コミュニケーションの変容とオリゴ 188
回路(8) コミュニケーション空間の編成、オリゴの転移、主観と客観 192
回路(9) コミュニケーション論の視点/まなざし:結語 195
4. 知の枠組みと回路のための15冊 201
知の枠組みのための10冊 201
知の回路のための5冊 205 -
フィールドワークにもとづいた「接客言語ストラテジー」の実証研究。カウンター越しの接客が原則となるスナックにおいて、人びとがどのような言語コミュニケーションの方法で「接客者」と「客」としての良好かつ適切な関係を構築しているのか、また、それぞれの意図がどのような言語行動に反映されているのかを明らかにする。なかでも特に接客者にみられるものを「接客言語ストラテジー」として、そのありようを、ポライトネス理論にもとづいて分析していく。
第1章 序論
第2章 会話の場としてのスナック
第3章 スナックAの接客場面における会話分析
第4章 スナックにおける接客言語ストラテジー
第5章 実験観察による検証
第6章 結論
第7章 参考文献
第8章 補遺データ -
日本語への問い
なぜ、「ことば」へ過度の期待が持ちこまれるのか。なぜ、言語・民族・文化を不可分なものと、とらえてしまうのか。「日本言語学」のために。
1章 日本語学の「まなざし」(ことばへの過度の期待;「日本語」としてくくらないこと;「正しさ」は存在しない;時代状況との距離)
2章 日本語学の「知のわくぐみ」(「ことばとは何か」を問うこと;「日本の言語学」を考えること;日本語学の系譜を追うこと;現在から過去を直視すること)
3章 日本語学の「知の回路」(日本言語学のために;国民国家論・帝国論;多言語社会論;表記論)
4章 ガイドなのか判然としないブックガイド -
さまざまな「話すという事実」において、何がおきているのか。──
「社会言語学のまなざし」には、実際にことばを使っている「話者」のありかたと、その「ことば」が実際に使われているそれぞれの「社会」のありかたが、つねに含まれている。ことばが使われる現場とそこにいる「話者」を徹底してまなざし、そこにあらわれる「ことば」の多様な姿を、多様な形で記述することで見えてくるものとは。
[目次]
はじめに iii
1. 社会言語学のまなざし 1
まなざし(1) ことばの「多様さ」に目を向ける 2
ある論文のタイトル 2
ことばの指標性 5
まなざし(2) ことばの「変化」に目を向ける 7
さまざまな言語研究における、ことばの「変化」への態度 7
ことばが変わるのではなく、ことばを変える 11
まなざし(3) 「みずからことばを選択する人びと」という話者モデル 14
ことばの「不自由さ」 14
「母語話者」というモデル 16
「選択する話者」モデル 20
選択のルールと話者 21
社会言語学者という「選択する話者」 23
まなざし(4) 「多言語社会」という社会モデル 24
身近な「多言語社会」 24
「言語」記述の多層性 27
言語によって分割されない社会、社会によって分割されない言語 29
「破片」としての言語 31
「まなざし」だけはもっている社会言語学 33
2. 社会言語学という「枠組み」 37
枠組み(1) 言語と方言 37
「方言」へのまなざし 40
「標準語」と「方言」――「言語」の政治性 45
「言語」「方言」という枠組みによるまなざしの違い 48
「言語」であることの威信と主張 51
枠組み(2) さまざまなことばの「変異」――変異社会言語学 54
「ところ」だけではないことばの多様性 54
変異社会言語学の誕生56
変異社会言語学の調査法 58
言語変化と変異社会言語学 66
変異社会言語学の限界 68
「言語」と「社会」を切りはなすまなざし? 71
枠組み(3) 談話・発話――相手や場面ごとに異なる話しかた 76
スタイル・レジスター・ドメイン 76
「誰と」話すのか、そしてその周囲 79
話すための配慮と戦略――ポライトネス 82
「発話事象」「談話」「会話」研究の枠組み 85
3. 社会言語学の「知の回路」 93
回路(1) 「ひとつの言語」を作りだす 94
「言語は計画できるのか?」という問い――ナショナリズムと言語 94
国家事業としての「言語計画」 97
「言語計画」から「こと活」へ?――「言語政策」の射程 103
「言語政策」の多言語性 111
回路(2) ダイグロシアとバイリンガリズム――「多言語社会」における言語使用 113
ダイグロシアの「発見」 113
ダイグロシアを打ちやぶる 117
バイリンガルとは誰か、バイリンガリズムとは何か 122
社会のバイリンガリズム 124
「バイリンガル」の種類とその測定 126
足し算のバイリンガル、引き算のバイリンガル 130
バイリンガルの言語行動――混淆する「言語」 134
バイリンガルをおそれるのは誰か 138
言語の混淆の「文法」 139
回路(3) グローバル化と多言語社会――多様なことばのありかたへ 142
ことばを数えはじめること 142
言語のエコロジー 144
多言語のエコノミー――言語の市場化、階層化、言語帝国主義 145
英語帝国主義とそのまなざし 149
「消滅の危機に瀕する言語」の問題とは何か 151
「ことばを使う権利」を問う 155
回路(4) おわりに――社会言語学の「知の回路」とは 160
4. 知の枠組みと回路のための11冊 163
知の枠組みのための6冊 163
知の回路のための5冊 165
あとがき 169 -
台湾では、なぜ旧植民地支配者である日本の大衆文化が好感を持たれ、爆発的ブーム(「哈日現象」)を引き起こすことになったのか。台湾-日本-中国間の関係における「日本」イメージ、「中国」イメージの変化を、「脱日本化」と「中国化」、台湾人の集合的記憶やハビトゥスなど、歴史的文脈の複雑なもつれを解きほぐし、その実態を明らかにする。
[目次]
第1章 序論――反日、親日、あるいは哈日 001
第1節 哈日現象に関する先行研究の考察 002
第2節 問題提起:台湾における哈日現象の特殊性 012
第3節 章節の構成 021
第2章 台湾における日本大衆文化の発展史についての一考察 033
第1節 日本植民地時代 036
第2節 台湾における日本大衆文化のアンダーグラウンド時代 041
第3節 日本文化の解禁と哈日ブーム 100
第4節 結びに代えて 167
第3章 「祖国」、中国化と「日本」イメージの変化 175
第1節 日本植民地時代における「日本」イメージと「祖国イメージ」の弁証 179
第2節 終戦直後、「日本」イメージの再変化 194
第3節 二つの集合的記憶の闘争、および日本に関する記憶の変容 220
第4節 結びに代えて 263
第4章 消費と大衆文化によって構築された「日本」イメージ 269
第1節 日本文化禁止令の時代における日本大衆文化の発展 274
第2節 日本大衆文化が表現した日本イメージ 296
第3節 「日本」が一種のブラントになる意義とその維持 359
第4節 結びに代えて 397
第5章 結論――虚像と実像の間 405
参考文献 425
あとがき 439 -
「社会」を読みとくための社会学入門
「社会学のまなざし」は、何をみようとし、何をてらしだそうとするのか。そこから、「社会」は、どのようにみえてくるのだろうか。本書は、「社会学のまなざし」の基本構造を紹介するとともに、「まなざし」が映し出すあらたな社会像を具体的に示していく。
1 社会学のまなざし(「近現代の特殊な時空としてみる」;「自由は不自由」;かわらない社会がなぜかわる ほか)
2 社会学という「知のわくぐみ」(社会変動論:「現代社会」という、流動しつづける時空;役割論/ライフコース論:「現代社会」のなかで激動する人生;社会学的身体論:「現代社会」のなかで激変する心身)
3 知の回路(自由と平等をめぐる社会現象:自由主義/資本主義/福祉社会;産業社会の動態:産業革命/グローバリゼーション/マクドナルド化;優生思想とその周辺:血統意識/民族意識/国民意識 ほか)
4 社会学という「知の回路」のための10冊
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。