『偕成社、平澤朋子(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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王都の貧民街で暮らす少年ノアは、ある日、奇妙な依頼をうける。
<修道院から、ある本を持ちだしてほしい。>
依頼主の黒ずくめの男爵は、本と引きかえに、ノアが姉と慕う少女の行方を教える、という。
怪しみながらも、情報ほしさに依頼を受けたノアは、首尾よく修道院に忍びこむ。しかし、盗もうとしたその本は、選ばれし者だけが読むことのできる魔導書<サロモンの書>だった。
やがてノアは、囚われの王女や、人語を話すネズミと出会い、依頼主である謎の男爵の正体にせまっていく。
1冊の本をめぐり紡がれる長編ファンタジー。
「あなたも、いっしょにいらしてください。」
「おれも?」
トマスは、ノアの青い瞳を見つめた。
「あなたこそ、〈青の読み手〉にちがいない。
わたしたちは、ずっとあなたをお待ちしていたのです。」
(本文より) -
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小学生の正は、最近アゲハチョウを見るたび、みょうな気分になる。なにか大事なことを思い出そうとしているような気分だ。そんな正の身のまわりでは、おかしなできごとが起こりはじめる。学校からいろいろなものが消えたり、正自身もたびたび気が遠くなって、ふしぎなイメージを目にするようになったのだ。親友のチュウ太は正を心配するが、ある日、正はすべてを思い出す。正が大人になった頃、戦争が始まり、東京に核爆弾が落とされた。その爆発の凄まじい衝撃で、正の魂が過去へタイムスリップし、子どもだった自分に入りこんでいたのだ。未来を知った正は、悪い未来を変えるために、自分になにができるのか考えはじめていた。
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