交通事故に遭い、生死を分ける手術に臨む建築家の男性が、朦朧とした意識の中で自分の一生を振り返り、全ての虚飾の向こう側に「生」の本質的な意味を垣間見る。旅先の温泉宿で偶然出会った女性と別れた日の「雨上がりの朝の光景」を思い出した彼は、「もう一度そういう光景を見るのだろうか」と心の中で問い、「どちらでも良い」と自ら答える。
著者について
「AIが神になる日」(SB クリエイティブ)、「2022年地軸大変動」(早川書房)の著者でもある松本徹三氏は、伊藤忠商事(通信事業部長など)、米クアルコム(日本法人社長・会長、米国本社上級副社長)、ソフトバンクモバイル(取締役副社長)での勤務を含め、60年近くを実業の世界で過ごしてきた。
この人は、その間中、常に変わらず「人間は何をしていても、いつも自分が生きている意味を考え続けており、その考えを共有してくれる他の人間を探し求めている」と考えてきたが、その「共有のための手段」として、一人黙々と数多くの純文学系の小説を書き続け、低コストで電子出版ができる機が熟するのを待っていた。
既に老境に達したこの人は、今般それらの小説を順次無料で公開することを決め、それを機にネット上で出来るだけ多くの読者と交流したいと希望している。この人の小説はそのビジネスキャリアーからは想像のできないようなものばかりで、読者はその多面性に驚かされるだろう。