おれには、はなから母親がいない、そう考えるのだ――
売り出し中の料理屋<元喜世>に突然現れた「平蔵の母」きえ。その真偽は、平蔵の真意は。
池波正太郎没後なお多くの支持を集める『鬼平犯科帳』。父で挿絵家・中一弥氏が「オール読物」で挿絵を描いていた縁と、長年の愛読者だった著者が、「鬼平」へのオマージュをこめて、切れ味鋭く長谷川平蔵を蘇らせたシリーズ最新の第4作。収録作品は表題作の他、「せせりの辨介」「旧恩」「陰徳」「深川油堀」「かわほりお仙」の全6作。
※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
612円〜880円(税込)
第49回吉川英治文学賞受賞作! シリーズ第二弾!
父である「本所のへいぞう」を探すために、京から下ってきた女絵師。
果たして、この女は平蔵の娘なのか。まったく新しい鬼平の貌。
人前には自らの顔を決して見せない火付盗賊改の頭領、長谷川平蔵。
オランダ渡りの秘薬の謎を探り、盗賊を率いる父娘を追う。
ある日、自分の父であるという「本所のへいぞう」を訪ね、京から若い女絵師が下ってきた……。
ハードボイルドの調べに乗せて描く、逢坂版平蔵シリーズ第二弾!
特別対談・諸田玲子
挿画・中一弥
【目次】
「寄場の女」
「刀の錆」
「仏の玄庵」
「平蔵狩り」
「鬼殺し」
「黒法師」
悪い奴は誰も、その男の顔を知らない――
逢坂剛が描く〈火付盗賊改・長谷川平蔵〉シリーズ、第三弾。
不届きにも、「闇の平蔵」と名乗る者が現われた。
闇の平蔵は、「火盗改が、悪党どもを成敗処罰するのと引き換えに、
捕り方の役人を同じように成敗処罰する」と公言し、
火盗改や役人に強い遺恨を抱いている悪党を集めているという。
その噂を聞きつけた長谷川平蔵組の斧八は、「闇の平蔵」の人集めへ潜り込んだ。
「闇の平蔵」は、かつて、遊蕩していた頃の長谷川平蔵に何度も煮え湯を飲まされ、
恨みを抱いているという。そこに来ていた紅一点・可久は「闇の平蔵」に、
その話を信用してほしければ頭巾を脱いで顔を見せろ、
お前は実は長谷川平蔵なのではないか、と迫る。
闇の平蔵は頭巾を脱いだが、
手下の斧八でさえ長谷川平蔵の顔をまともに見たことはなく、
彼が長谷川平蔵なのかそうでないのか判断がつかない。
だが、可久は、「この男は本物の長谷川平蔵だ」と言い、闇の平蔵もそれを認める。
慌てた斧八だったが――(「闇の平蔵」)
表題作ほか、全六篇を収録。
長谷川平蔵に対抗心を抱く火盗改・松平左金吾が登場、
新たな手下・可久も加わり、物語はますます深みを増す。
まさに江戸を舞台にした潜入捜査。
悪党どころか、手下たちも顔を知らない男・長谷川平蔵のハードボイルドな活躍を描く。
※この電子書籍は2016年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
おれには、はなから母親がいない、そう考えるのだ――
売り出し中の料理屋<元喜世>に突然現れた「平蔵の母」きえ。その真偽は、平蔵の真意は。
池波正太郎没後なお多くの支持を集める『鬼平犯科帳』。父で挿絵家・中一弥氏が「オール読物」で挿絵を描いていた縁と、長年の愛読者だった著者が、「鬼平」へのオマージュをこめて、切れ味鋭く長谷川平蔵を蘇らせたシリーズ最新の第4作。収録作品は表題作の他、「せせりの辨介」「旧恩」「陰徳」「深川油堀」「かわほりお仙」の全6作。
※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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