歴史が好きになる王道漫画作品&人気作
史実に忠実な作品から、大胆なフィクションを取り込んだ作品まで、さまざまなタイプがある歴史漫画。歴史書ではわずかな記載しかない人物やできごとを大きく膨らませ、歴史バトル的な作品に仕上げた『キングダム』、今では見ることのできない過去の日本を資料なども踏まえて見せてくれる『ふしぎの国のバード』など、歴史のいろんな側面を教えてくれるヒット作をピックアップしました。
キングダム
バラエティ番組「アメトーーク!」で取り上げられたことで一気に大ブレイクした歴史漫画。「天下の大将軍」を夢見る少年・信が、後の秦の始皇帝・嬴政(えいせい)と出会い、互いの夢に向かって進んでいく物語です。原典となる歴史書・史記ではわずかな記載しかないキャラクターや合戦を、記載が少ないからこそ想像を膨らませ、ドラマチックに仕上げ、歴史漫画ならではの魅力を味わせてくれます。歴史が動いていくダイナミズムはもちろんですが、軍勢対軍勢という指揮官としての戦いだけでなく、“バトル漫画的”な武将同士の戦いも熱く展開されるのが面白いところです。主人公の信だけでなく、王騎将軍をはじめ、個性の強いサブキャラクターたちにも注目。
ヒストリエ
マンガ史に残る傑作SF『寄生獣』などで知られる岩明均が手がける歴史物語。アレクサンドロス大王に仕えた書記官・エウメネスを主人公に、紀元前4世紀の古代ギリシャを描いています。
幼少期から数奇な運命に翻弄されたエウメネスの人生や、アレクサンドロスをはじめとする権力者たちの決断など、歴史マンガらしい大河のうねりももちろんありますが、本作で印象的なのはそのドライな語り口。眉ひとつ動かさず残忍な仕打ちをする王や将軍、それを淡々と分析するエウメネスなど、一種生身の人間を超えたかのような乾いた視線で歴史や人の業(ごう)が描かれています。大軍勢に囲まれた街に思わぬ奇策で入ろうとする場面など、エウメネスの観察眼による知略戦的な展開も見どころです。
ふしぎの国のバード
19世紀から20世紀にかけて世界各地を旅した実在の冒険家、イザベラ・バードの日本紀行を描いた物語。明るく前向きで好奇心の塊のような女性・バードが、開国したばかりの明治日本を旅していきます。大きな桶(おけ)に入れられて魚が売られる市場の様子、その桶を覗き込む猫、できたばかりの汽車にある座敷でくつろぐ人々、臼を転がして歩く搗き(つき)米屋など、ページいっぱいに今の私たちが知らないニッポンが鮮明に描かれており、バード同様異国を旅しているような気分を味わわせてくれます。
都会の横浜や江戸からはじまり、奥羽(おうう)、蝦夷(えぞ)へ向かうにつれ、秘境・奥地としての日本の生活や文化が鮮明に。また、バードを通して当時の日本を発見するだけでなく、バードの母国・イギリスや当時のイギリス人女性を取り囲む常識など、ヨーロッパ文化も見えてくるのも面白いところです。
雪花の虎(ゆきばなのとら)
歴史漫画のなかでも戦国時代は不動の人気ジャンル。それゆえにすでに数多くの作品があり、定説・通説を前提に新しい切り口を提示するような作品も多いです。だからこそ、歴史に苦手意識がある人のなかには取っつきにくいと感じている人もいるのではないでしょうか?
『雪花の虎(ゆきばなのとら)』はそんな人にもオススメしたい作品。『海月姫』や『東京タラレバ娘』といった作品で知られるヒット作家・東村アキコが歴史漫画に初挑戦した作品で、軍神と呼ばれる戦国大名・上杉謙信を主人公にしています。
根強く語られる“上杉謙信女性説”をモチーフにしているのですが、面白いのは「難しい歴史講釈はすっ飛ばしていいよ」というテイストで描かれているところ。第1話の「日本史が好きな人用」と「苦手な人用」に分割して描いた構成なども話題になりました。戦国大名という以上に、ひとりの女性としての謙信が描かれている作品です。
大奥
フィクションならではの楽しみがあるifものやファンタジーも歴史漫画の花形のひとつ。
男女が逆転した江戸幕府を描いた『大奥』は、その代表のひとつです。男性ばかりがかかる疫病の流行によって男がほとんどいなくなってしまい、女性が将軍や大名を務めるようになったという奇抜な設定の作品ですが、それでいて史実としっかりリンクしているのが面白いところ。
江戸初期から始まり、武家がどのようにして女性社会に変わっていったか、それを隠しながら諸外国とも交渉し、どのように現在の歴史につながっていったかといった部分が丁寧に描かれており、歴史好きもうなる内容になっています。そんな設定をベースに描かれる、人間の業や権力者の孤独といった人間模様は圧巻。作者・よしながふみファンはもちろん、歴史好きにも読んでもらいたい傑作です。
巨匠、人気作家が挑んだ傑作歴史漫画
古くから定番ジャンルのひとつである歴史漫画。現在では巨匠と呼ばれる作家さんにも、歴史をモチーフにした作品を描いた人は多いです。普遍的な題材ゆえに、時代を経ても古びない魅力がある歴史漫画の傑作を紹介します。
オルフェウスの窓
『ベルサイユのばら』で知られる池田理代子が描く、20世紀初頭のヨーロッパを舞台にした物語。歴史あるドイツの音楽学校にある「オルフェウスの窓」と呼ばれる古い窓にまつわる言い伝えを軸に、20年以上にわたる少年少女たちの運命や恋を描く大河ロマンスです。
“その窓に立ち階下を見た男は、そのとき目にした女性と宿命的な恋におちるが、その恋は必ず悲劇に終わる”という言い伝えがあるオルフェウスの窓で出会ったユリウス、クラウス、イザークの3人の恋と運命を中心に、壮大な物語が描かれています。歴史の事件や人物を直接的に描いた作品ではありませんが、日露戦争やロシア革命、第一次世界大戦など、
ヨーロッパ・ロシアの争乱が登場人物たちの背景や運命に関わっており、20世紀初頭の不穏な情勢と雰囲気も味わわせてくれます。
「文化・風俗」に興味がわく歴史ファンタジー漫画作品
事件や戦争だけが歴史ではありません。それぞれの時代の文化や思想、人々の暮らしといったものを知ることができるのも歴史漫画の楽しいところ。今とは違う文化はもちろん、時代を経ても変わらない苦悩なども感じさせてくれる、人々の暮らしや思想、風俗に触れられる作品をピックアップしました。
片喰と黄金(かたばみとおうごん)
19世紀半ば、ゴールドラッシュの起こったアメリカ・カリフォルニアをめざして、アイルランドを旅立った少女とその従者の冒険物語。ささやかな幸せを願いながら、飢饉で家族も農場も失った幼い当主・アメリアが、飢えも病気も無縁の大富豪になるため、歯を食いしばって笑い、黄金をつかむためにアメリカへと渡ります。
貧しい人でひしめくアメリカ行きの船、移民との摩擦や危険なギャングと隣り合わせのニューヨークなど、当時の移民の苦難や貧困が描かれており、黄金をつかもうとする旅がいかに無謀な挑戦だったかをうかがわせます。と同時に、必ず大富豪になると心に決めたアメリアのひたすらまっすぐで前向きな姿に癒やされ、励まされるのが本作。貧困と逆境のなかでも黄金を夢見るアメリアと従者・コナーが愛おしくなる物語です。
阿・吽(あうん)
日本の仏教史にその名を残す最澄と空海。同時代を生きたこの天才ふたりを描いたのが本作『阿・吽』です。
人が飢え、狼藉を働く者によってたやすく人が殺される世界で、正しい世、美しさとは何か、人を救うとはいかなることかを追い求めるふたりが描かれます。仏教が政治とも強くつながっていた時代のため、物語は政争などにも翻弄されながら進んでいきますが、宗教・歴史物である以上に、本作は道を追い求める“芸術家”の物語といった印象が強い作品です。天才ふたりの激しい道のりやその境地はもちろん、天才を間近で見る「凡人」たちの苦悩など、ひとつの道を究めようとする人々の孤独や苦しみが描かれています。また、物語はもちろん、街並みや衣装、抽象化された精神世界など、精緻で華やかな絵も大きな魅力のひとつです。
あをによし、それもよし
過去の生活や文化を思い切り楽しむ作品といえばこちらも。本作は現代の会社員が不便な奈良時代にタイムスリップしてしまうお話なのですが、ちょっと変わっているのは主人公・山上がミニマリストであること。
家具はおろか、食べるものも着るものも最小限しかない奈良時代に来てその生活を満喫する現代人・山上と、出世して豪華な暮らしをしたいと願う俗っぽい奈良時代の同居人・小野老(おののおゆ)の噛み合わない掛け合いが楽しいコメディです。現代の綿のシャツに感動する老(おゆ)と、天然麻の方が高価だと喜ぶ山上や、和歌で出世が決まる世界を「ラップの世界のよう」と感じる姿など、現代とはまったく違う奈良時代が身近で楽しく感じられます。また、山上の現代知識からの発想が貴族にウケて、小野老が出世していくのも面白いところです。
歴史漫画の定番「中国史」古代中国、中国大陸の歴史
すぐ近くにあり、日本の歴史や文化にも大きな影響を与えてきた中国。その歴史も人気ジャンルのひとつです。戦国時代と並ぶほどの人気を誇る三国志の時代を筆頭に、圧倒的な広さを誇る中国大陸の歴史を描いた作品は、日本やヨーロッパとはまた違うスケールの大きさを感じさせるものが多いです。
蒼天航路
三国志は日本でも人気の題材ですが、日本の三国志観を大きく変えた作品ともいえるのが本作。
歴史をもとにした小説である「三国志演義」ではなく、歴史書の「三国志」をベースにし、演義では悪役的な描かれ方をしている魏の曹操を主人公に描いた作品です。曹操を革新的な英雄としてとらえたほか、俗人的で田舎の親分然とした劉備、非道でありつつも不気味な魅力と胆力を持った董卓など、演義のイメージとはまったく異なる英雄像を植え付けました。超越的な曹操の世界観を中心に、「佞言(ねいげん)絶つべし」といった印象的なセリフと表情、豪快な武将同士の戦闘や掛け合いなど、演劇を見ているようなテンポと迫力に引き込まれる作品です。
孔明のヨメ。
三国志の天才軍師・諸葛孔明の妻・月英を主人公にした4コマ作品。学問や工作が好きで好奇心旺盛な月英と、思慮深く優しい孔明の初々しい出会いと結婚生活が楽しいカップルラブコメですが、漫画界きっての三国志好きのひとりである杜康潤(とこうじゅん)が描いているだけあって、歴史部分もしっかりしているのが本作の面白いところ。
当時の食器やゲームなどを描いた単行本収録の「創作ノート」などでもわかるように、歴史的なできごとだけでなく生活や文化といった部分が綿密に調べられ、描かれており、三国志の時代がより鮮明にイメージできます。巻が進むにつれて描かれる歴史の表舞台での孔明や、劉備をはじめとしたスターたちの活躍ももちろん面白いですが、雌伏時代の暮らしの鮮やかさにも引き込まれる作品です。
ハーン
中国大陸はもちろん、のちに中央アジアからヨーロッパに至る人類史上最大の帝国となったモンゴル帝国の礎を築いたチンギス・ハーンを描いた作品。俗説として語られてきた「チンギス・ハーン=源義経説」をもとにして、テムジン(後のチンギス・ハーン)となった九郎義経がモンゴル高原統一へ向かう道のりを描いています。
自身の激情に突き動かされるような九郎をはじめ、清廉な理想家というより野心家や食えない悪党といったキャラクターたちがうごめき、ぶつかり合うのが本作の魅力。義経の「八艘飛び(はっそうとび)」伝説を思わせるようなテムジンの跳躍など、合戦シーンの迫力や快感度の高さも作品を盛り上げています。
歴史ものの花形"武士の時代・戦国時代"漫画
武士、サムライは日本のイメージの中心ともいえる存在。歴史漫画でも武士の時代を描いたものはまさに花形といえます。織田信長ら戦国の三英傑はもちろん、これまでなかなかスポットの当たってこなかった武将や合戦などにフォーカスした作品も多くなっています。
アンゴルモア 元寇合戦記
モンゴル帝国の日本遠征、いわゆる「元寇」を題材にした活劇。元寇の緒戦の舞台となった対馬での戦いを、元鎌倉御家人・朽井迅三郎(くちいじんざぶろう)を主人公にして描いています。戦慣れしていない対馬の武士や住民に対して、圧倒的な軍勢で襲いかかる蒙古軍という絶望的な戦場を描いた本作は、歴史物であると同時にサスペンスアクションのような読み味。無慈悲に人が殺されていくなか、武芸と戦略で抵抗する迅三郎ら武士たちのサバイバル物語になっています。
『キングダム』にも通じるようなバトルアクション的な要素もあり、歴史漫画であり、戦記物としてハラハラドキドキできる作品です。なお、続編シリーズ『アンゴルモア 元寇合戦記 博多編』では、対馬での戦い後、博多に上陸した蒙古軍との戦いが描かれています。
新九郎、奔る!
『究極超人あ〜る』や『機動警察パトレイバー』など、数々のヒット作を生み出してきたゆうきまさみが描く本格歴史漫画。戦国大名の先駆けと呼ばれる伊勢新九郎、後の北条早雲を主人公にした作品です。
かつては「素浪人」とされてきた早雲が、室町幕府重鎮の家の出自であるとわかってきたことなど、新しい歴史の定説を取り入れながら、少年時代からその生涯を追っています。日本史のなかでもひときわややこしい応仁の乱が丁寧にひもとかれているのも印象的。なぜ途中で敵味方が入れ替わり、なぜ最終的に全国に波及して「戦国時代」に突入していったのかが、物語のなかでしっかり描かれています。また、新九郎をはじめとしたキャラクターの魅力もたっぷり。歴史の大きな波を描きつつ、そのなかで普通の少年・新九郎の等身大の暮らしや人生も見えてくる作品です。
信長の忍び
映画、小説、ドラマにもさかんに取り上げられ、歴史物のなかでも花形というべき戦国時代は、歴史漫画でも人気の時代。シリアスなものからタイムスリップ、ファンタジー、ifものなどさまざまな作品が描かれています。コメディ、ギャグで描く作品も多く、その代表作のひとつがこの『信長の忍び』です。若き日の信長に仕えることになったくのいちを主人公にした4コマ作品で、ツッコミと称して火縄銃を撃ったり、(後の羽柴)秀吉がやたらと頑丈だったりとベースはギャグ。
ですが、信長の甘いもの好きや下戸、当時の馬の大きさや速さなど、史実に残る話がベースになっており、歴史好きほど笑える作品になっています。秀吉が丈夫なのも、木綿のように丈夫な「木綿藤吉」と評された話が元になっているんです。4コマながら大河ものになっており、信長の統一事業を追う本作以外にも『軍師 黒田官兵衛伝』『真田魂』といった他家の武将を描いたシリーズも出ている人気シリーズです。
動乱の時代"幕末”が舞台の歴史漫画
日本史で戦国時代と人気を二分する時代といえるのが幕末。暗殺といった血なまぐさい事件の多い時期ですが、若い世代が中心になって新時代へと疾走した、みずみずしい革新の時代でもあります。若き志士たちを突き動かした思想や因縁、苛烈な運命など、物語のモチーフもたくさんあり、さまざまな作品が生まれています。
風雲児たち
1979年から連載が続くみなもと太郎の大歴史コメディ。幕末の風雲児たちを描くために、その因縁の始まりである関ヶ原の戦いからスタートしており、江戸時代を経て、2001年からついに「幕末編」がスタートしています。
ギャグ漫画としてはじまっている作品で、随所にさまざまなギャグ・パロディが散りばめられていますが、歴史観は骨太。薩摩・長州といった諸藩がなぜ倒幕へ向かうことになったのか、なぜ会津藩が最後まで幕府に殉じたのかといった大きな背景が、200年にわたる因縁から実感としてわかるようになります。また、杉田玄白や前野良沢ら「解体新書」の翻訳に関わった人々や、シーボルトなど、教科書ではあっさり記述されている人々の生涯やその影響をつぶさに描いているのも面白いところ。ややこしい幕末の諸藩の動きはもちろん、この時代の人々の執念を感じられる作品です。
梅鴬撩乱(ばいおうりょうらん)
幕末、騎兵隊を組織した長州藩の高杉晋作。その愛妾であった芸者・おうのを中心に、長州藩の志士たちや幕末の狂騒を描いたのが本作です。
高杉と対立した赤根武人や、伊藤俊輔(後の博文)、山県狂介(後の有朋)ら、幕末を彩った志士たちの物語はもちろんですが、危険な匂いがする男・高杉に惹かれる天真爛漫なおうのの心や生い立ち、さらにおうのの姐さんである琴乃の恋や過去など、時代の奔流に流されながら生き、笑い、恋する女たちの物語でもあります。高杉との関係はもちろん、おうのと琴乃の女性同士の絆なども胸打たれるポイント。色っぽい線で描かれるキャラクターたちの、青春劇ともいえる激しく儚い疾走を読むことができる一作です。
教科書にはない面白さ!西洋史・ヨーロッパ史がテーマの歴史漫画
さまざまな国が隣接し、ぶつかり合いながら形成された西洋は、日本や中国以上に複雑で多様な歴史ドラマが詰まっています。日本でもおなじみの人物や事件を、新たな解釈や表現で描く作品も次々登場しています。
ヴラド・ドラクラ
吸血鬼ドラキュラのモデルとなった実在の人物・ヴラド3世。敵国の人間のみならず、自国の貴族なども数多く串刺し刑にしたことから「串刺し公」の名前で呼ばれる彼を主人公にした作品が本作です。残虐な暴君というイメージの強いヴラド3世を、腐敗した貴族と戦う革新者としてとらえ直しており、寡黙で表情を変えないまま抵抗する貴族や政敵を駆逐していく姿を描いています。
家格や血統にとらわれない軍づくりを取り入れたり、商人を厚く遇して取り込んだりといったところから、異名にもなった串刺しも、戦を有利に働かせる一手として利用したという解釈で、神算鬼謀(しんさんきぼう)の苛烈な君主・ヴラド3世を印象づけています。敵だらけの状況を突破する君主に思わずグッとくる作品です。
イノサン
ギロチンの発明やルイ16世の処刑を行ったことでも知られる、パリの処刑人・シャルル=アンリ・サンソンを主人公に、フランス革命を描いた作品。
忌み嫌われる処刑人の一家に生まれ、人々に疎まれながら死刑廃止を願うシャルルを中心に、兄とは違う形で新時代を見据えた妹・マリーや、華やかな宮廷の生活を生きるマリー・アントワネット、シャルルと心通わせたルイ16世ら、さまざまなキャラクターの運命が絡み合っていきます。理不尽に踏みにじられる庶民や、その後の暴走する革命、処刑といった無残な世界と、貴族や宮廷の華やかな世界がともに精緻な筆致で描かれており、その落差の激しさが際立ちます。
続編『イノサン Rouge』では革命へと突き進むフランスが描かれ、狂騒のなか、それぞれの理想や未来を突きつけています。
漫画で読む近現代史おすすめ3選
現在の日本や世界がどのようにして今に至ったのかに直結する近現代の歴史。まだその時代の生き証人も数多くいる戦前・戦後をモチーフにした作品もあります。表舞台の歴史を動かした人々や、その時代に翻弄された人々など、さまざまな視点から近現代を見つめ直す骨太な作品が多いジャンルです。
昭和天皇物語
『日本のいちばん長い日』『ノモンハンの夏』などの作品で知られる半藤一利の『昭和史』を原作として、能條純一が描く昭和天皇とその時代の物語。
明治の終焉から大正、昭和と移り変わる日本を、昭和天皇を中心にした視点から描いています。当時の重鎮たちが未来の天皇に説いた信念や教えをかみしめながら、少年が天皇になっていく姿が描かれています。また、子ども時代の養育係・足立タカに甘える様子や、結婚した妻・良子妃をどう呼べばいいか相談する姿など、ひとりの人としての昭和天皇の姿を垣間見られるのも面白いところ。ひとりの人間が天皇になること、時代の流れのなかで古老たちが伝えたことなどを通して、日本の明治から昭和史が見えてくる作品です。
【番外編】学習漫画で学ぶ「世界の歴史」「日本の歴史」
歴史の勉強法の一つとしても評判の
学習漫画。話題を呼んだ映画「ビリギャル」でも、主人公の女子高生が受験用の参考書として活用していました。手軽に手に取ることができる学習漫画は大人の学び直しやお子さんの教育にもうってつけ。各社から発行されています。どのシリーズを読んでみるか…まずは「試し読み」してみてはいかがでしょうか?
小学館版学習まんが 世界の歴史 1 メソポタミアとエジプト
学習まんが 少年少女日本の歴史1 日本の誕生 ―旧石器・縄文・弥生時代―
日本の歴史(1) 日本のはじまり 旧石器~縄文・弥生~古墳時代
講談社 学習まんが 日本の歴史(1) 列島のあけぼの
【最新】歴史作品ランキングTOP20(文芸・小説、ノベル、実用書)
- 原作:
-
常陸之介寛浩
- 作画:
-
村橋リョウ
- キャラクターデザイン:
-
茨乃
電撃コミックスNEXT
KADOKAWA
2024/4/26 (金)
配信開始
- 著:
-
春輝
ハレム
白泉社
2024/4/26 (金)
配信開始
- 著:
-
泰三子
モーニング
講談社
2024/4/23 (火)
配信開始
「だんドーン(3)」感想・レビュー
※ BOOK☆WALKERで配信中の電子書籍とは内容の異なるレビューが含まれている場合があります。
配信中の作品内容、特典については、必ず作品詳細ページをご確認ください。
- 著:
-
真鍋譲治
バンブーコミックス
竹書房
2020/12/11 (金)
配信開始
- 著者:
-
たかぎ 七彦
角川コミックス・エース
KADOKAWA
2023/8/25 (金)
配信開始
2024/5/2(木)23:59まで
374円(税込)
「アンゴルモア 元寇合戦記 博多編 (8)」感想・レビュー
※ BOOK☆WALKERで配信中の電子書籍とは内容の異なるレビューが含まれている場合があります。
配信中の作品内容、特典については、必ず作品詳細ページをご確認ください。
同一シリーズがランキングに入っている場合、上位の作品が表示されます。
【今だけ!オトク】期間限定セール中の歴史作品(漫画・ノベルなど)
お得な限定セール中の歴史作品(漫画・ノベルなど)を集めました。三国志、戦国など歴史作品をチェック。まるごと1冊無料作品も!?
今なら会員登録後、初めての購入で50%分のコイン還元中!