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実用

物語としての旧約聖書 人類史に何をもたらしたのか

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あらすじ・内容

2018年度のNHK「宗教の時間」ガイドブックとして大好評を博した『物語としての旧約聖書』が、満を持して待望の単行本化!

【「はじめに」より】
 聖書には、旧約聖書と新約聖書があり(略)旧約聖書のほうは、大小39の書から構成されています。そのほぼ半分は古代イスラエルの先祖たちの物語や王国の歴史記述ですが、預言者たちの言葉、イスラエルの民が詠った詩歌、さらに短編小説を思わせる物語や人生を省察した作品などがそこに加わります。聖書と呼ばれるので、堅苦しい宗教的な教えを思い浮かべる方もおられるかもしれませんが、そこには人間味あふれる物語が少なくありません。(略)
 ユダヤ教の聖書がキリスト教に受容されることにより、旧約聖書に伝わる思想の多くもキリスト教へと引き継がれました。唯一神観、自然観、歴史観、人間観など、キリスト教思想の多くは旧約聖書に由来します。それだけではありません。ユダヤ教やキリスト教を介して、旧約聖書の物語や思想はイスラム教にも受け継がれました。初期のイスラム教徒が自分たちを創世記に物語られるアブラハム(イブラヒム)の子孫と理解したことなどは、その一例です。
 旧約聖書を残した古代イスラエルの民は、紀元前1200年前後にパレスチナに定住した弱小の一民族でした。紀元前1000年ころに王政に移行したあとも、彼らは弱小の民であるがゆえに、南のエジプトと東のメソポタミアに興ったアッシリアやバビロニアといった大国のはざまで翻弄され続けました。王国は南北に分かれ、北王国は紀元前七二二年にアッシリアに滅ぼされ、南のユダ王国は紀元前586年にバビロニアによって滅ぼされ、主だった人々は失ってバビロニア捕囚民となりました。捕囚から帰還した紀元前6世紀後半以降、エルサレムを中心とする彼らの地はペルシア帝国の一属州になり、ペルシア帝国が滅亡してからは、エジプトのプトレマイオス朝の、またシリアのセレウコス朝の支配下に組み込まれました。旧約聖書に記されたもっとも新しい時代は、マカベア戦争と呼ぶ、ユダヤの民が蜂起し、セレウコス朝に独立戦争を挑んだ紀元前二世紀前半です。その後、独自の王政が敷かれた時期もありますが(略)反ローマ独立戦争に敗れたユダヤの民は故地を失い、世界に散在する民(ディアスポラ)となるのです。
 古代イスラエルのこのような歴史のなかで、旧約聖書は書き記されました。そしてそれが、ユダヤ教成立の基礎となり、キリスト教誕生の土壌となり、イスラム教にまで浸透しました。当時の古代オリエントの強大国に翻弄され続けた弱小の民が残した旧約聖書は、こうして、その後の宗教の歴史にはかりしれない影響をおよぼすことになりました。それは人類宗教史に生起した一大逆説と呼びうるような現象です。(略)
 本書では、ヘブライ語で伝わる旧約聖書にもとづき、古代西アジア文明地の一隅に歴史を刻んだイスラエルの民が伝える物語をたどりながら、そこにたたみ込んだ思想と信仰の特色を探ってゆきます。それによって、人類の宗教史にはかりしれない影響をおよぼしえた旧約聖書の秘密の一端を、また旧約聖書のもつ今日的意義の一端を明らかにできれば、と願っています。

【内容】
第1章 天地創造 人間と自然の調和を願って
第2章 エデンの園 人は塵から造られ塵に帰る
第3章 カインの末裔 都市文明への批判的視座
第4章 大洪水 物語の現代的意味
第5章 アブラハム おそれとおののきのなかで
第6章 ヤコブとその子ら 目に見えない神の摂理
第7章 出エジプト 苦境からの解放
第8章 カナン定住 嗣業の地の配分
第9章 ダビデとその後 翻弄される王国
第10章 預言者の言葉 時代批判と将来への希望
第11章 預言者群像 その素顔と個性
第12章 小さき者たちの神 多様性と逆説性

電子書籍
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作品情報

シリーズ
NHKブックス(NHK出版)
著者
レーベル
――
出版社
NHK出版
カテゴリ
実用
ページ概数
387
配信開始日
2024/2/16
底本発行日
2024/1/25
対応端末
  • PCブラウザ
    ビューア
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ページ概数

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    〈目次〉
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    第2章 論文には「問いと主張と論証」が必要だ
    第3章 論文にはダンドリも必要だ
    第4章 論文とは「型にはまった」文章である
    第5章 論文の種としてのアウトライン
    第6章 そもそも論証ってどういうこと?
    第7章 「パラグラフ・ライティング」という考え方
    第8章 わかりやすい文章を書くために
    第9章 最後の仕上げ
    巻末豪華五大付録
      A 論文提出直前のチェックリスト
      B 論文完成までのフローチャート
      C ここだけのインサイダー情報:論文の評価基準
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      E おすすめの図書など

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  • 実用 「修養」の日本近代 自分磨きの150年をたどる

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    序章 「自分磨き」の志向 
    第一章 語られた修養 伝統宗教と〈宗教っぽい〉もの
    第二章 Self-Helpの波紋 立身出世と成功の夢
    第三章 働く青年と処世術 新渡戸稲造と『実業之日本』
    第四章  「経営の神様」と宗教 松下幸之助の実践
    第五章 修養する企業集団 ダスキンの向上心
    終章 修養の系譜と近代日本 集団の中で自分を磨く

    *電子書籍版には収録していない資料写真が1点ございます。ご了承ください。

    価格

    1,760(税込)

    1,600円 (+消費税160円)

  • 実用 語られざる占領下日本 公職追放から「保守本流」へ

    権力の正統性はいかに歪められたか?

    日本が占領から独立を回復して70年が経った。時の政権は“保守本流”宏池会出身者である。宏池会の領袖だった宮澤喜一は「占領というのは非常に屈辱だ」と述懐した。公職追放という最高権力が振るわれる傍で、数多の日本人が理不尽な目に遭っていた。私たちはこうした事実を忘れたままでよいのだろうか? 本書は、著者が収集した史料や証言をもとに、広島カープ創設者悲話、フリーメイソンと宮内庁の攻防、三木武夫とGHQの蜜月、田中角栄伝説誕生の舞台裏を描くことで、GHQによる公職追放の恣意性を浮かび上がらせる。また、当時の混乱がこんにちの「保守本流」のあり方までをも規定したことを示す、実力派による刺激的な現代史である。

    【目次(仮)】
    序 「あのお話はなかったことにして下さい」
    第一章 広島カープの「生みの親」谷川昇の軌跡
    第二章 「バルカン政治家」三木武夫の誕生
    第三章 フリーメイソンと日本の有力者たち
    第四章 「田中角栄伝説」と戸川猪佐武『小説吉田学校』
    おわりに 「道義のない民主々義はありません」

    価格

    1,760(税込)

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