[作品について]戦前の大阪のおばちゃんが主人公。たよりない二人の息子の他、娘4人を抱えた床屋の未亡人は、娘達に来る縁談を、見栄から次々に断って、結局娘達は行き遅れてしまう。意固地な未亡人の言動で近所関係も悪くなる一方。これとにらんだ近所の若者に眼をかけてみるが、夜逃げされたり・・・夫を失って十年が過ぎ、末娘のお腹に子どもができてしまう。末娘は父なし子を生むことになるが、それをきっかけに家族のまとまりを得て、小説は最後を迎える。(いとうたかし)[初出]「会館芸術」1940(昭和15)年11月号[文字遣い種別]新字新仮名