『村上春樹の猿 獣と嫉妬と謎の死の系譜』
浦澄彬 著
村上春樹の初期3部作は叙述トリックだった?
デビュー当時から村上春樹の小説の最大の特徴とされ、読者や批評家たちを夢中にさせたクールな語りこそ、語り手の本性が「獣=猿」であることを隠す叙述トリックとなっていた、という仮説。
それを考えるきっかけは、デビュー作『風の歌を聴け』から『ノルウェイの森』を経て近作まで共通して現れるモチーフ、「猿」・「猿のコンビ」・「獣」である。
『ノルウェイの森』もまた、「リアリズムの皮をかぶったポストモダン」であり、語り手であるワタナベの1人称の語りは、実はアガサ・クリスティの『アクロイド殺し』のような、叙述トリックか?
考察の全ては、芦屋の公園の「猿の檻」から始まる。
デビュー作『風の歌を聴け』のあの猿たちは、「僕」の二重性、隠された獣性の暗喩なのか?
近作の短編集『一人称単数』所収の「品川猿の告白」の猿から、前作「品川猿」へとつながる女性の謎の死の系譜は、村上春樹の描く暴力性・獣性を描き出す。
そう、この品川猿こそ、『風の歌を聴け』のあの猿たちの同族ではないのか?
「品川猿」の系譜とは、また嫉妬の系譜、謎の死の系譜でもある。
2005年の「品川猿」における松中優子の嫉妬。
2013年の『多崎つくる』における「シロ」殺人事件と、「クロ」の嫉妬、「つくる」の嫉妬。
2020年の「品川猿の告白」の女性編集者もまた、同じことに?そして、今後の作品に引き継がれる?
村上作品の女性の謎の死(自死)と嫉妬の系譜は、『ノルウェイの森』の直子にさかのぼる。さらに『1973年のピンボール』の同名の直子、さらに『風の歌を聴け』の「指のない」彼女にまでさかのぼる。
©︎urazumihin2023
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