[作品について]文久元(1861)年9月の雨のそぼ降る朝、半七は同心の岡崎から茅場町の女行者の探索を命じられた。年は十七か十八の美しい女で公家冷泉為清の娘と名乗り、祈祷を業として信者から多額の寄進を受けている。勤王派の跳梁の目立つ時節、浪士の運動費を調達しているのではという疑いがかかっていた。子分の聞き込みでは、葺屋町の紙屋の息子久次郎が女行者にたぶらかされて、わずか一月ばかりの間に二、三百両を運び込んだらしい。しかし確たる手がかりのないうちに、お会式(10月12日)の前日になって、久次郎が姿を消してしまった。意を決した半七は、信者を装って祈祷所を訪れる。(ぷんきゅのちち) ぷんきゅのちちさんによる、より詳細な解説はこちら。 「半七捕物帳」[文字遣い種別]新字新仮名
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[作品について]「半七捕物帳」[文字遣い種別]新字新仮名
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[作品について]安政3(1856)年11月16日の朝、八丁堀同心槇原の屋敷に呼ばれた半七は、裏四番町の旗本杉野家の用人中島から内密に相談を受けた。八日前、お茶の水の聖堂で行われる素読吟味(旗本御家人の子弟対象の儒学の試験)のため、早朝家を出た杉野家の嫡男大三郎が、付き添いの中小姓が草履の緒をすげ替えるわずかな間に、姿を消してしまったというのだ。とかく入り組んだ事情のある旗本屋敷のこと、直接杉野家の様子を探ろうとした半七は、失踪の際に付き添っていた中小姓山崎の素っ気無い態度に、疑問を感じる。『朝顔屋敷』という怪談の伝えられる杉野家には、いったい何が隠されているのか?(ぷんきゅのちち) ぷんきゅのちちさんによる、より詳細な解説はこちら。 「半七捕物帳」[文字遣い種別]新字新仮名
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