魔獣が人間を襲う世界。ダンデ王国は、対魔獣の兵器や機械の生産で経済を成り立たせていた。そんなダンデ王国で「魔獣物質工学」を学べる全寮制のトルティス学園に通うグレンとヒューは、生まれた時から片時も離れたことがない幼馴染み。発明や機械いじりとなると夢中になり、他人からはみ出してしまうグレンを、何もかも完璧にこなすヒューは、いつも優しくフォローし守ってきた。周囲に決して媚びることがない天才肌のグレンと、彼を守る王子様然としたヒューは、いつしか学園で有名な二人になっていくが……。この物語は、そんな二人の無邪気な子供時代から、嫉妬や恋を覚えるまでを描いた物語―――。(「がらくたの恋　第１話」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.58に収録されています。重複購入にご注意ください)

トルティス学園に通うグレンとヒューは、六年生になった。グレンは変人に磨きがかかり、学園の問題児として名を轟かせ、一方のヒューは、成績も容姿も何もかも完璧な『皇帝』として、学園中の注目を集める存在となっていた。対極にある二人だったが、天才肌のグレンをヒューがフォローし守る関係は子供のころから変わらない。けれど入学した最初の年以来、寮で同室になれず、グレンの側に常にいられないことがヒューを苛立たせていた。グレンと同室になりたいその一心で、ヒューは寮の監督生になるべく日々忙しく学園の任務を果たしていたが、お子様なグレンは、そんなヒューの心に無頓着で!?　(「がらくたの恋　第２話」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.59に収録されています。重複購入にご注意ください)

なんとか想いを伝えあったグレンとヒュー。いつも完璧なヒューの色々な顔が見れるようになって、グレンはくすぐったい気持ちでいた。そんな時、二人は学園で対魔獣の銃を作る手伝いをすることに。魔獣などいないはずの国からの依頼。不穏な空気を感じていたヒューの勘が的中し、突然学園が魔獣によって襲撃され、グレンは怪我をしてしまう。魔獣に母を殺された過去を持つヒューは、グレンを失うことを恐れ、飛竜に乗り単身で敵竜に立ち向かっていくが――!?　平和な学園時代の終焉、そして二人の関係が大きく揺れる。緊迫の第３話。(「がらくたの恋　第３話」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.60に収録されています。重複購入にご注意ください)

ヒューが学園から去り、自分は価値のないがらくただと思いつめたグレンは、自身を痛めつけるかのように機械づくりに没頭したあげく、衰弱し高熱で倒れてしまう。そんな時、戦いで重傷を負ったヒューが病院に運ばれ深刻な状態だと知らされる。もう二度と会えなくなるかもしれないとボロボロの体を引きずって入院先に向かったグレンは、そこで右腕を失ったヒューを見てどこまでも彼を傷つけることしかできない自分に絶望するが……。すれ違う二人の思いは――。不器用で痛々しい愛が切ない最終回！(「がらくたの恋　第４話」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.61に収録されています。重複購入にご注意ください)