千の魔剣と盾の乙女 第3章 ―魔石に導かれし者たち―

ガーリャの奪還によって現実的なものとなった、魔王への挑戦。エリシアとフィルはロックとともに戦うために、それぞれ鍛えながら、新たな力を求めた。海中にあると謳われる伝説の都市アルモリカで、エリシアは聖盾リアファルを、極寒の地カリアッハヴェーラにあるという幻の神殿で、フィルは魔石タスラムを手に入れる。一方、魔王の眷族たちも、人間たちの活発な動きに気づいており、それぞれの思惑を胸に動きだす。そして、金色の首環付きケンコスによって、ロックはかつてない危機に陥った。失われた相棒を取り戻すために、相棒とはじめて会った地を訪れたロックたち。探索の果てに古の叡智に触れた彼らの前に現れたのは、魔王バロールだった。

かつて魔物たちに滅ぼされた都市ガーリャを奪還するため、ロックの剣の師であるバルトゥータスは魔剣使いたちを集結させた。ガーリャを守る魔王軍幹部級、金色の首環つきの魔物フィンヴァラとの激闘の中で、ロックとエリシアたちは傷つきながらも新たな力に目覚めてゆく。そして、苛烈な戦いの中で愛用の槍を失ったナギのために、ロックたちは伝説に謳われる槍の手がかりを求めて大図書館を擁する文化都市ベアルフェル、そして砂漠の中にあり、危険な怪物たちが蔓延る古代遺跡へと旅立つ。ナギは光の槍ブリューナクを手に入れることが出来るのか。若きバルトゥータスとニーウの出会い、またロックとエリシア、フィルの出会いを描いた物語も収録。

魔王バロールの人間界侵攻から150年――戦いに敗れた人類は大陸を追われ大海を回遊する移動島に逃れ、魔剣錬成技術を生み出し大陸奪還のための戦いを続けていた。魔王討伐を夢見る青年ロックは、剛剣の使い手にして師匠のバルトゥータスのもとで修行を積む魔剣使いのひとり。ロックは魔法盾を操る勝ち気な剣士エリシア、幼い外見ながら冷静沈着な錬成師のフィルと大陸の古代遺跡を探索中、自我を持つ黒い魔剣ホルプと出会い、長き眠りから呼び覚ました。魔剣ホルプを手にしたロックと仲間たちの冒険は、魔王討伐そしてより巨大な存在との戦いへと続いていく。恋と友情、師弟の絆が織りなす魔王討伐、そして星を揺さぶる存在との戦いの伝説がここに幕を開ける！『魔弾の王』シリーズの川口士の名作冒険ファンタジー叙事詩、『千の魔剣と盾の乙女』がキャラクターデザインを一新し、合冊版として復活！