いつだって、人生の負け組だった。
それでも、
今日、食べた朝ご飯。
今日、歩いた道。
今日、聞いた音楽。
今日、話した友達。
奇跡は少しずつ転がっている。
「病気を抱えながら生きてきた私の過去をいつか映画にしたい。小田、映画の原作になる本を書いてよ」。
この西山の言葉から全ては始まった。
新型コロナによる3ヶ月の休校期間を使って、私は西山の16年間の人生を書き上げた。
「今日も明日も負け犬。」というタイトルをつけて、ネットで100冊自費出版した。
高校生たちによる自主製作映画は西山により監督され、eiga worldcup 2021最優秀作品賞を受賞した。
「小田、本書いてよ」の一言で始まったこの物語は、商業出版という形で新たなスタートを切ろうとしている。
――小田実里
起立性調節障害という病を抱え、学校に行けなくなった中学生の実話に基づく感動の物語。
16歳で書いた鮮烈なデビュー作。