『角川ソフィア文庫(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧
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生誕130年記念/折口信夫の代表作、全論文を収録する完全版、刊行開始!
「本論を読み解く上で、これ以上に優れたシリーズは他に存在しない」(安藤礼二)
折口にとって「古代」とは単に歴史の時代区分を示すものではなかった。熊野への旅で光輝く大王崎を眼前にし、その波路の果てに「わが魂のふるさと」を感じたことを「かつては祖々の胸を煽り立てた懐郷心(のすたるじい)の、間歇遺伝(あたいずむ)として、現れたものではなかろうか」と記す。「古代研究」はまさに彼が実感を通して捉えた、古代的要素の探求なのである。全論文を完全収録する決定版!
解説・池田弥三郎/安藤礼二 -
誰もが「決して起きない」と予想した戦争は、なぜ勃発したのか?
日本人はこの戦争の重要性を知らなさすぎる――。欧米では”The Great War” と称される第一次世界大戦。その実態を紐解くと、覇権国と新興国の鍔迫り合い、急速な技術革新とグローバリゼーションの進展など
、WW1開戦前夜と現代との共通点が驚くほどに見えてくる。旧来の研究の枠を超え、政治・経済・軍事・金融・メディア・テクノロジーなど幅広い観点から、戦争の背景・内実・影響を読み解く、日本人のための入門書。 -
人間、我慢、馬鹿、出世、利益──。身近な言葉の意外な由来とは?
上品・下品、卍字、供養、卒都婆、舎利、荼毘などの仏教語から、
我慢、人間、馬鹿、利益、出世など、仏の教えと縁をもつ意外な日常語まで――。
語源という視点からわたしたちの生活や思考、感情の深層に分け入るとき、
日本文化を裏打ちする仏教的世界観が浮かび上がる。
名著『佛教語大辞典』を編纂した第一線の仏教学者らが集い、
インド・中国・日本の多様な仏典を参照しつつも「肩のこらぬよう」執筆された仏教への道案内。 -
読者の性欲を刺激し、淫心をかき立ててきた官能小説。単純な行為をいかに濃密に淫靡に、いやらしく描くか――。先人たちは苦労して、読者の妄想を逞しくさせる官能用語を編み出した。「花弁」「小鳥の嘴」「マグロの赤身」「熱帯」……女性器の斬新な描写からは、表現へのフロンティア精神が感じられる。官能小説の文体確立までの歴史を追いつつ、独自の表現を磨き、鎬を削ってきた作家たちの豊潤で奥深い日本語の世界に迫る。
官能小説の醍醐味を味わう。
◆序章 官能小説の文体の歴史
猥褻裁判/チャタレイ夫人の恋人/四畳半襖の下張/団鬼六の『花と蛇』/川上宗薫の構造表現/豊田行二の登場/館淳一のデビュー/女性征服系から癒し系へ/女流作家の系譜
◆第一章 性器描写の工夫
女性器表現の種類 複雑な形状/花にたとえる/果実にたとえる/伝統的な表現/海産物/昆虫や鳥の嘴/母なる大地の裂け目/部分的な効果/前後に付ける言葉
男性器表現の種類 「棒」派と「茎」派/なぜ太くて硬くなければいけないか
◆第二章 性交描写の方法
前戯編 舌戯の多様化/フェラチオ表現/クンニリングス表現/シックスナイン表現 性交編 五つの分類/恋愛系/癒し系/嬲り系/凌辱系/絶倫系
エクスタシー編 絶頂語表現/悲鳴表現 オノマトペ表現 舐め音/粘液音/挿入音/射精音
◆第三章 フェティシズムの分類
乳房フェチ 巨乳表現/美乳表現 腋窩フェチ 敏感な性感帯 尻フェチ お尻派の種類/後背位へ アナルフェチ 膣とは異なる快感
大腿フェチ 性交より素股プレイ 脚フェチ パンストの肌触り 足指フェチ 舐めフェチの極致 下着フェチ 付着した粘液の匂い
◆第四章 ストーリー展開の技術
男女の組み合わせをどうするか ストーリーの重要性/近親相姦/女教師/女性遍歴/SM
◆第五章 官能小説の書き方十か条
官能小説は性欲をかきたてるだけのものではない/好きな作家を見つけよ/まず短編を書いてみる/官能シーンを早く出せ/自分がしたくても出来ないことを書く/三人以上の人物を登場させよ/恥ずかしいと思うな/オノマトペをうまく使う/性の優しさ、哀しさ、切なさを知っておく/書いている途中でオナニーをするな -
食べるカビやスマホのカビなど、実は個性豊かな面々を楽しく紹介!
暗い、汚い、かび臭い――陰気なイメージのカビが、美食界では大ブーム!
レストランで著者が見たものとは…。
ほかスマホや文化財に生えるカビなど、意外な一面に驚きつつ、かしこい付き合い方がわかる!
本書は2020年に弊社より刊行された書籍の文庫化です。
文庫化にあたり、カビをどう防ぐのかについての章を設け、実用的にも充実した内容となりました。
(章立て)第一章 食べるカビが大ブーム
第二章 カビの正体
第三章 思わぬところに生えるカビ
第四章 冷蔵庫・エアコン・洗濯機──家電のカビの今昔
第五章 カビ対策 一に乾燥、二に乾燥
第六章 石灰岩帯と山火事の後
第七章 カビは体にどのくらい悪いのか
第八章 ヒトとカビの闘い -
日本で親しまれる漢詩350首を厳選。読み味わうための本格辞典
中国詩は古来、日本文化に深い影響を与えてきた。「国破れて山河在り」の成句で知られる「春望」。源氏物語に底流する哀切の長編叙事詩「長恨歌」――。上代の「詩経」から唐代の李白や杜甫、そして明清代まで名詩350首を厳選。読む・書く・味わうために必要な訓読、現代語訳、語釈、押韻などの項目を網羅した必携の本格辞典。押韻と平仄のルール、詩形分類、表現の変遷を概観できる「中国詩を読むための序章」と成句索引を収録する。 -
「とたん」「せつな」「つかのま」の違い、説明できますか?
日本語の微妙なニュアンスを、図を交えながら解説する『基礎日本語辞典』から、「さっそく」「ひとまず」など、時に関する語を集める。外国語を学ぶとき、誰もが迷う時制の問題をわかりやすく解説!
【とりあげた言葉】
とき、あくる、あたらしい、あらかじめ、いきなり、いずれ、いぜん、いそぐ、いちおう、いつか、いま、いまさら、いまだに、いよいよ、おそい、おもむろに、かれこれ、~ごろ、さしあたり、さっき、さっそく、しばらく、~すぎ、すぐる、すごす、すむ、そろそろ、~た、~だす、たまたま、~ちゅう、ついに、とたん、とりあえず、なかなか、にわか、のばす、はじまる、はやく、ひ、ひごろ、ぴったり、ひとまず、ふるい、まい~、まもなく、もう、やがて、わかい -
優雅なイメージに隠された王朝貴族の素顔に迫る――。素行の悪い光源氏!
宮中での取っ組み合いの喧嘩、従者の殴殺、果ては邸宅建設のために平安京を破壊――。優雅な王朝時代のはずが、貴族たちはやりたい放題。当時の日記をもとに、貴族たちの意外な素顔を探り出した意欲作。 -
NHK「100分de名著」でも話題!アラジンと魔神、アリ・ババの饗宴。
世紀を超えて語りつがれ、人々の胸を躍らせてきた、夢とロマンスと冒険の絢爛豪華なファンタジー。最も親しまれてきた「アラジン」「アリ・ババ」の物語を含む拾遺集。長大な本篇への入門書としても最適! -
仏典は、仏の死を乗り越えるために生まれた。第一人者が捉えた仏教の本質
大きな災害やコロナ・パンデミックを経て、あらためて仏典の智慧が注目されている。仏教学・思想史の第一人者による案内と、親しみやすい訳で読み解く。
ブッダの死後残された人々が、その死を乗り越えようとしたことに、仏教の誕生を見出す。死者すなわち他者と向き合うことを仏教の本質と捉え、親しみやすい訳で、インド・中国の仏典を読み解く。そして日本に伝わった仏教では、土着化と原点回帰の2つの動きがせめぎ合う中、独特のダイナミズムが生まれた。世界の中でも異色とされる、日本仏教について考える。
増補「仏典をよむ視座」を収録し、直近10年間の新たな研究成果を加えた。
解説・中島隆博
■目次■
はじめに
第一部 死からはじまる仏教
第一章 大いなる死――『遊行経』
第二章 死と生の協奏――『無量寿経』
第三章 他者と関わり続ける――『法華経』
第四章 否定のパワー――『般若心経』
第五章 心の中の地獄と仏――智ギ『摩訶止観』
第六章 禅の中の他者と死者――圜悟『碧巌録』
第二部 日本化する仏教
第七章 現世を超えた秩序――景戒『日本霊異記』
第八章 仏教は俗世に何をなしうるか――最澄『山家学生式』
第九章 この身のままに仏となる――空海『即身成仏義』
第十章 贈与する他者――親鸞『教行信証』
第十一章 脱構築から再構築へ――道元『正法眼蔵』
第十二章 宗教国家は可能か――日蓮『立正安国論』
第十三章 異教から見た仏教――ハビアン『妙貞問答』
むすび
増補 仏典をよむ視座
一 仏典とは何か
二 菩薩と他者・死者
三 日本仏教の展開と菩薩の精神
文献ガイド
あとがき
解説 中島隆博 -
「紅」「朱」「茜」どう違う? 日本語の微妙なニュアンスに分け入る!
豊かな日本語の語彙を自由に使いこなすために。辞書の中でしか見ない言葉、頭の片隅にはあるが使いこなせない言葉を棚卸しし、いつでも取り出せるように簡単整理! 言葉の上手な利用法のいろはを学ぶ辞典。 -
新訳と挿画140点でよみがえる、フランス人実業家の明治9年の日本紀行
明治9年、宗教と文化への関心から来日したフランスの実業家ギメ。憧れの地を人力車で駆け巡り、近代日本の目覚めを体感するとともに、消えゆく江戸の面影に愛惜を募らせてゆく。茶屋娘との心の交流、浅草や不忍池に伝わる奇譚、料亭の宴、博学な僧侶との出会い、そして謎の絵師・河鍋暁斎との対面――。のちに東洋学の拠点となる美術館の創始者が軽妙な筆致で綴った紀行を新訳。詳細な解説、同行画家レガメの挿画を収録する。 -
埋もれた名品に光を当てる! 後世に伝えたい“庶民の哲学”。
斯界の第一人者が、35年近くの〈ことわざ拾いの旅〉から「埋もれた名品」200本超を厳選。
「花の下より鼻の下」「心太の幽霊をこんにゃくの馬に乗せる」――
表現や語感の良さ、言い回しの妙はもとより、成り立ち、使われた文芸作品、時代背景などの蘊蓄を駆使しつつ、絶妙な譬えを有する面白おかしい“庶民哲学”の世界を紹介する。
ことわざを視覚化した絵画やカルタも多数掲示。声に出して読め、見て楽しめる珠玉の読本。 -
文章の読解力を伸ばすにはどうすればよいか? 答えは「予測」にあった! 幅広いジャンルの秀逸な文章で「予測」の技術を学べば、誰でも「読み上手」になれる。作文にも役立つ画期的な「文章術」入門書。
文章の読解力を伸ばすにはどうすればよいか? 答えは「予測」にあった!「予測」とは文章を書いた筆者との「対話」。書き手との「対話」を楽しみながら、読解力を飛躍的に伸ばそう。小説・新聞・論文・エッセイ等、幅広いジャンルの秀逸な文章で「予測」の技術を学べば、誰でもきっと「読み上手」になれる! 人の心を動かす名文の力、分かりやすい文章の秘密を「予測」を通して解明する、作文にも役立つ画期的な「文章術」入門書。
第1章 文章理解とは?
第2章 予測とは?
第3章 問いの予測とは?
第4章 答えの予測とは?
第5章 予測の表現効果とは? -
桃太郎の家来はなぜイヌ、サル、キジなのか? 十三の物語を読み解く神話学
桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。
浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。
人間を喰らおうとする山姥の正体とは──。
誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。
しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰に
その足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、
異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。
現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学。
※本書は、山川出版社より二〇一三年に刊行された『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に大幅に加筆修正し、改題して文庫化したものが底本です。
【目次】
はじめに
第一話 桃太郎――桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか
第二話 かちかち山――トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち
第三話 花咲爺さん――お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか
第四話 浦島太郎――分断された乙姫の玉手箱
昔ばなしの論理を読み解く(1)
第五話 鬼の子小綱――笑いと性の力が春を呼ぶ
第六話 三枚の護符――便所はあの世の出入り口
第七話 蛇婿入り――苧環はなぜ蛇を退治するのか
第八話 蛇女房――無欲と貪欲の報酬
昔ばなしの論理を読み解く(2)
第九話 産神問答――魂を掃き出す箒の力
第十話 ミソサザイは鳥の王――仁徳はいかにして聖帝になったか
第十一話 ホトトギスと兄弟――夜鳴く鳥の悲しい前世
第十二話 鉢かづき姫――顔を覆い隠す花嫁
第十三話 一寸法師――脱皮する少年たち
おわりに -
六十年来の定説を覆す! 本文・注釈・現代語訳のすべてを刷新した決定版。
無常観のなかに中世の現実を見据えた視点をもつ兼好の名随筆集。歴史、文学の双方の領域にわたる該博な知識をそなえた著者が、本文、注釈、現代語訳のすべてを再検証。これからの新たな規準となる決定版。
※本文中に「(数字)」が付されている箇所は、各章段末に該当する注釈があります。「注」ご参照ください。 -
読み下し文・現代語訳・原文と索引(歌謡・主要語句)完備の古事記の決定版
天地創成から推古天皇につながる天皇家の系譜と王権の由来書。厳密な史料研究成果に拠る読み下し文、平易な現代語訳、漢字本文(原文)、便利な全歌謡各句索引と主要語句索引を完備した決定版! -
伝説や昔話などの「語り」の文化を探る
朝の蜘蛛は殺さず、夜の蜘蛛は殺せ。箒はまたぐな…。地域社会の繋がりが薄れていく現在、昔話のような「語り」の文化が衰退している。失われゆく伝説・俗信の世界を丹念に掘り起こして、民俗学的視点で考察。 -
史実と伝承から、謎に包まれた実像に迫る!
平安時代、怨霊・妖怪・疫病神を封じ、日本最大級の陰陽師として活躍した安倍晴明。式神をあやつり、闇の世界を支配するだけでなく、表の世界をも支えていたその実像を描く、晴明伝の決定版。 -
トマトは、なんと媚薬だった! 料理と食材からわかる「おもしろ世界史」
私たちの食卓は、世界各国からもたらされたさまざまな食材と料理にあふれている。日常的に食べているものの意外な来歴、世界各地の食文化とのかかわりなど、身近な「食」にまつわる歴史と文化をさまざまな切り口で展開。大航海時代に地球規模で劇的に変化した食材の世界交流、コールドチェーンがもたらした食文化の単一化など、食卓の上を世界各地からの食材や料理文化が踊る「小さな大劇場」にみなした、おもしろ世界史。 -
読みやすくて面白い、最高にスリリングな古典案内!
異界、エロ、グロ、ナンセンス、スキャンダル……古事記研究の第一人者が、古代の思想を読み解き伝える面白すぎる古典文学入門! 文庫版に「第5章 揺らぐ列島、疲弊する人々」を完全書き下ろし! -
「関東王国」を築き上げた、北条氏最盛期の真実とは。
両上杉家の打倒、北関東への進出、武田信玄との抗争と越相同盟……小田原北条氏三代・氏康の時代は、戦争が広域にわたって展開され、それを支える領国支配の仕組みが確立された戦国大名の形成期であった。当主のもと、領国の統轄に当たったのが一門衆・家老衆らの執行部である。「関東王国」を支えた、最強といわれた家臣団の知られざる戦争と統治の人事の実態を明らかにし、北条氏の最盛期を築いた氏康時代の真実に迫る。 -
仏教・インド思想の叡智、60の至言
「自己を灯火とし、自己をよりどころとせよ」(大ニッバーナ経)、「もろひとの病はわが病である」(維摩経)。仏教・東洋思想の碩学が、自身が感銘をうけた東洋における宗教の至言を解説。厳選された60の簡潔なフレーズが、宗派や既成宗教の制約をこえ、私たちの心を揺さぶる。宗教への真実の道は、生活のことばをもって理解し表現することにあるという確信から著された、現代人が生きるための指針の書。「附 カナガキ仏教書」を収録。 -
『源氏物語』の第一人者が「紫式部の一人語り」で描く、源氏物語の時代!
侍女になりたくなかった紫式部が中宮の侍女となった理由、宮中の人付き合いの難しさ、主人中宮彰子への賛嘆、ライバル清少納言への批判……。『源氏物語』の時代の宮廷生活、執筆動機がわかる! -
法華経入門の決定版。
法華経研究の第一人者が、「経王」(諸経の王)と尊ばれてきた「法華経」全27章を縮約しつつ、各章ごとにその要諦を徹底解説。長大なだけでなく難解かつ理解しにくい言い回しの多いこの経典の核心部はどこにあるのか。その思想の真意はどのようなものなのか。サンスクリット原典からの精緻な訳、最新研究をふまえた徹底解説により、法華経の「本当のすがた」を浮き彫りにする。 -
全十巻三十二品を収録。初心者でも読み通せる秀逸無比の現代語訳版。
長大かつ不可思議な記述や繰り返しが多い法華経が、初心者から読めてよくわかる! 口語訳や原典訳だけではつかみきれない、日本の仏教文化が依拠してきた漢訳経典のもつ霊的なイメージ、祭儀で唱えられる言葉の響きや意味を重視しつつ圧縮して現代語訳。読解を助ける見出しとともに、解説コラムや事典も充実。和歌や物語等にも数多く現れ、日本の歴史文化に深く浸透する法華三部経全十巻を理解し、体感し、読み通すための決定版。
はじめに 法華経をどう読むか
法華経のプロローグ[開経]無量義経
第一部 山上の集会
第二部 天空の集会
第三部 地上の集会
法華経のエピローグ[結経]観普賢菩薩行法経
法華経の小事典
※本書は、二〇〇一年三月に株式会社学習研究社から発行された『[図説]法華経大全』を大幅に加筆修正し、改題のうえ文庫化したものが底本です。 -
長崎に今も、カクレキリシタンがいるのを知っていますか?
第一章 カクレキリシタンとは何か
1 カクレキリシタン研究の足跡
2 「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」
3 「隠れキリシタン」か「カクレキリシタン」か
4 カクレキリシタンに対するイメージの転換
5 潜伏時代とキリシタン崩れ
6 キリシタンの復活とカクレキリシタンの出現
第二章 カクレキリシタンの分布
1 潜伏キリシタンの分布
2 現在のカクレキリシタンの分布
第三章 生月島のカクレキリシタン
1 生月キリシタンの歴史
2 生月のカクレキリシタン組織
3 生月のオラショオラショの意義
4 生月のカクレキリシタン行事
5 生月カクレキリシタンの神観念
第四章 平戸島のカクレキリシタン
1 平戸キリシタンの歴史
2 平戸カクレキリシタンの分布
3 根獅子のカクレキリシタン
4 飯良のカクレキリシタン
5 草積のカクレキリシタン
6 下中野のカクレキリシタン
7 春日のカクレキリシタン
8 獅子のカクレキリシタン
9 油水・中の原・大久保・中の崎のカクレキリシタン
10 霊山安満岳
第五章 五島のカクレキリシタン
1 外海潜伏キリシタンの五島移住
2 若松町築地・横瀬のカクレキリシタン
3 若松島有福のカクレキリシタン
4 奈留島のカクレキリシタン
5 福江島宮原のカクレキリシタン
6 福江島のその他のカクレキリシタン
第六章 長崎のカクレキリシタン
1 家野町のカクレキリシタン
2 岳路のカクレキリシタン
第七章 外海のカクレキリシタン
1 外海キリシタンの歴史
2 出津のカクレキリシタン
3 黒崎のカクレキリシタン
第八章 カクレキリシタンの解散とその未来
解散後の神様の取り扱い ほか -
政治家も、文豪も、みんな芸者に支えられて大物になった!
江戸の志士や明治の文豪たちを魅了した芸者。そもそも彼女たちは何者なのか。いつどのように誕生し、日本文化にどんな影響を与えてきたのか。芸と色といなせな会話。男と女の「粋」と「意気」――そこには、日本固有のサロン文化と、今や失われつつある日本の美の本質があった。花柳界の栄枯盛衰、名妓や遊び等の具体的なエピソードを辿りつつ、芸者の文化と歴史から、日本独特の「人間関係の洗練」を浮き彫りにする傑作。
はしがき 「芸者の時代」
序 芸者とはそもそも何者か
第一部 江戸の芸者とその歴史
踊り子から芸者へ
深川芸者の発生と実像
色を売ること売らないこと
幕末の芸者たち
第二部 明治の芸者 その栄華と終焉
祗園と柳橋
雑魚寝のこと
名妓たち
水揚げのこと
芸者遊びとは何か
日本的サロン文化
エピローグ「のんびり」の世界
あとがきに代えて 芸者のかたち
文庫版あとがき -
日本の美しい四季、豊かな伝統文化を、学び味わう!
「虹始めて見る」「寒蝉鳴く」「菜虫蝶と化る」など、七十二に分かれた歳時記によせて、伝統行事や季節の食べ物、植物、俳句に使える季語や祭りなどを紹介。オールカラーのイラストでわかりやすい手引き。
※本書籍は見開きのデザインが含まれています。見開き表示での閲覧を推奨いたします。 -
ナルホドと思いあたる、文化としての日本のしきたり。民俗学からの新提言。
喪中とはいつまでをいうのか。時代や社会の変化につれて、もとの意味や意義が薄れたり、変容してきた日本のしきたり。「私」「家」「共」「生」「死」という観点から、しきたりを日本文化として民俗学的に読み解く。 -
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。
知の巨人、松岡正剛の本の読み方がわかる。読書は交際であり、格闘技である!
第一章 世界読書の快楽
道元『正法眼蔵』
ブレーズ・パスカル『パンセ』
滝沢馬琴『南総里見八犬伝』
オノレ・ド・バルザック『セラフィタ』
エドガア・アラン・ポオ 『ポオ全集』
第二章 書架の森
リュシアン・フェーヴル&アンリ『書物の出現』
デレク・フラワー『知識の灯台』
フランセス・イエイツ『世界劇場』
メアリー・カラザース『記憶術と書物』
ジョナサン・グリーン『辞書の世界史』
ヴィンフリート・レーシュブルク『ヨーロッパの歴史的図書館』
アルベルト・マングェル『読書の歴史』
小川道明『棚の思想』
第三章 読みかた指南
ウォルター・オング『声の文化と文字の文化』
川島隆太・安達忠夫『脳と音読』
前田勉『江戸の読書会』
上田利男『夜学』
周興嗣『千字文』
前田愛『近代読者の成立』
ゴットフリート・ロスト『司書』
第四章 ビブリオゲーム
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』
アンドルー・ラング『書斎』 -
四季の行事から、日常の風景まで。江戸の風情を283点の絵と文で愉しむ。
幕末の江戸で生まれ育ち、歌川広重を襲名する作者が、明治になって絵と文で回顧した、町や通りの折々の風景。文章でしか知り得なかった光景が、私たちの眼前にありありと現れる。図版283点のすべてを収録。
■目次(一部)
【上編 外の部 正月~十二月】
将軍家松飾り/辻店の凧売り/魚河岸の初売り/江戸町火消出初め/加賀鳶の初出/獅子舞/厄払い/暦売り/餅網売り/大凧遊び/梅見/日比谷稲荷初午祭/彼岸/豊島屋の白酒/桜草売り/奉公人出替り/参府交代/伊勢参宮の犬/隅田堤の花見/五月端午/両国川開き/富士講中登山出立/金魚売り/風鈴売り/富士詣で/じゃん拳/店頭の納涼/大通りの深夜/花山車/天王祭/朝顔売り/山王祭/花火/からくり/七夕の竹売り/井戸さらい/佃踊り/盆踊り/菊見/神田明神祭礼/紅葉狩り/池上本門寺参籠/七五三の祝い/火事/大名火消/雪見/焼き芋を売る/餅搗き/大晦日……など
【中編 内の部 正月~十二月】
屠蘇を汲み雑煮を祝う/乗馬初め/湯屋の二階/歌牌遊び/十四日年越し/雛祭御道具/初午/書画会/御殿女中宿下がり/灌仏/蛍/梅雨/笹団子/梅干・雷干/精霊棚/藪入りの丁稚/十五夜観月/玄猪の御篝火/恵比須講/勧進相撲/講武/商家の冬夜/酉の市/子犬の小屋を作る/町火消/防大名/新吉原遊里の狐舞/王子の狐火……など
【下編 雑の部】
売卜者/小僧金子の使い/お記録本屋/見附の交代/千両箱の運送/諸侯の水運び/普化僧/七色とうがらし売り/居合抜き/塩屋/子供の喧嘩/豊島屋の樽の曲ざし/粟餅の曲搗き/紅かん/仮似声使い/住吉踊り/歯力/一人相撲/鎌倉節の飴売り/辻謡曲/大道講釈/読売/ところてん曲突き/降巫/唐人飴ホニホロ/墓所の幽霊/淡島大明神/屋敷窓下の買物……など -
殺戮、奴隷化、疫病による大量死――先住民の悲劇とグローバル化のはじまり
コロンブスが15世紀に持ち帰った中南米原産のトウモロコシや、その後に伝わったジャガイモは、ヨーロッパの人口増加に大きく貢献した。他方、アメリカ大陸へ持ち込まれた疫病は、先住民の急激な人口減少を引き起こす。世界の食卓を豊かにした作物の伝播は、のちに「コロンブスの交換」と呼ばれるが、先住民にとっては略奪や侵略に他ならなかった。南米アンデスをフィールドに農学と人類学を研究する著者が描く、もう一つの世界史。
(本書は、『コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史』(角川選書、2017年刊)を、再構成・加筆・改題のうえ、文庫化したものです。) -
人類に残された最後の超難問、ABC予想に挑む!
(章立て)
文庫版によせて
望月新一教授からの寄稿
第1章 IUTショック
第2章 数学者の仕事
第3章 宇宙際幾何学者
第4章 たし算とかけ算
第5章 パズルのピース
第6章 対称性通信
第7章 「行為」の計算
第8章 伝達・復元・ひずみ -
マルクスを手がかりに、マルクスを超えてゆく
温暖化、新型コロナウイルスの流行、異常気象……世界が危機に瀕する今、私たちは誰も取り残すことなく、この問題を解決するための道筋を探さなくてはならない。資本主義の暴力性や破壊性を正確に認識し、その上で、資本主義とは異なる社会システムを構築すること――。『資本論』を記したカール・マルクスの、主に未刊行のノートから、エコロジーの思想を汲み取り分析する。ドイッチャー記念賞受賞作。
【目次】
第一部 経済学批判とエコロジー
第一章 労働の疎外から自然の疎外へ
第二章 物質代謝論の系譜学
第二部 『資本論』と物質代謝の亀裂
第三章 物質代謝論としての『資本論』
第四章 近代農業批判と抜粋ノート
第三部 晩期マルクスの物質代謝論へ
第五章 エコロジーノートと物質代謝論の新地平
第六章 利潤、弾力性、自然
第七章 マルクスとエンゲルスの知的関係とエコロジー -
佐藤優氏が繰り返し推薦し続ける名著。哲学を歴史として体系的に把握できる
哲学を歴史として体系的に把握できる名著として紹介され続けてきた作品。
ギリシャ、中世、近世、現代哲学も、現代哲学も現象学からプラグマティズムに新実在論まで、、
なぜこのような思想は現れ、流行後になぜ消えたか?という問いを軸に学ぶことができる。
生の哲学の樹立者にして、ノーベル文学賞も受賞したベルクソン。
氏の研究でも知られる著者が遺した、通読できる哲学史の決定版!
「哲学を歴史として、体系的に見ていくには1960年代の教科書が一番いい」
佐藤優氏が復刊を熱望し続けてきた入門書、ついに甦る。
※本書は1949年に勁草書房より刊行され、62年に同社より新版が出された『哲学思想史』を文庫化したものです。
底本には71年の新版第8刷を使用しました。
【目次】
緒言 全面的に書き改めるに際して
序章 哲学と哲学史
第一章 古代哲学
第一節 ギリシャにおける学問の誕生とその発展
第二節 二元論と一元論
第三節 古代の唯物論
第四節 自由の問題
第二章 中世哲学
第五節 キリスト教思想
第六節 中世思想の根本問題
第七節 普遍者論争
第三章 近世哲学
第八節 近代文化の誕生
第九節 唯理論
第十節 経験論
第十一節 批判主義の根本精神
第十二節 弁証法的思惟
第十三節 唯物論とその超克
補章 現代哲学の動向
解説 佐藤優
参考文献
哲学者一覧表(年代順)
人名ならびに事項索引
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