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『ちくま学芸文庫、0~10冊(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全597件

  • 〈なんとかやっていく〉技芸

    読むこと、歩行、言い回し、職場での隠れ作業……。それらは押しつけられた秩序を相手取って狡智をめぐらし、従いながらも「なんとかやっていく」無名の者の技芸である。好機を捉え、ブリコラージュする、弱者の戦術なのだ――。科学的・合理的な近代の知の領域から追放され、見落とされた日常的実践とはどんなものか。フーコー、ブルデューをはじめ人文社会諸科学を横断しつつ、狂人、潜在意識、迷信といった「他なるもの」として一瞬姿を現すその痕跡を、科学的に解釈するのとは別のやり方で示そうとする。近代以降の知のあり方を見直す、それ自体実践的なテクスト。
  • 初期楔形文字で記されたシュメールの断片的な神話に登場する実在の王ギルガメシュの波乱万丈の物語。分身エンキドゥとの友情、杉の森の怪物フンババ退治、永遠の生命をめぐる冒険、大洪水などのエピソードを含み持ち、他の神話との関係も論じられている最後の世界文学。本叙事詩はシュメールの断片的な物語をアッカド語で編集しアッシリア語で記されたニネベ語版のうち現存する2000行により知られている。文庫化に伴い「イシュタルの冥界下り」等を併録。
  • 遠くヨーロッパ中世、市井の人びとは何を思い、どのように暮らしていたのだろうか。本書から聞こえてくるのは、たとえば石、星、橋、暦、鐘、あるいは驢馬、狼など、人びとの日常生活をとりまく具体的な“もの”との間にかわされた交感の遠いこだまである。兄弟団、賎民、ユダヤ人、煙突掃除人など被差別者へ向けられた著者の温かい眼差しを通して見えてくるのは、彼らの間の強い絆である。「民衆史を中心に据えた社会史」探究の軌跡は、私たちの社会を照らし出す鏡ともなっている。ヨーロッパ中世史研究の泰斗が遺した、珠玉の論集。
  • 不浄なるものの力

    被差別部落の白山信仰、血穢の性差別、非常民の世界、民俗概念としてのケガレ。これまで日本民俗学が避けてきた問題、ケガレと差別の底に潜むものは何か。ハレ・ケ・ケガレの民間信仰の意識構造のなかで、ケガレが不浄なるものへと変化する過程を究明し、経血にまつわる女性差別の要因である血穢の虚構をあばく。また、死穢というもっとも大きな不浄観はどのような時空間で発生するのかなど、その基底にある民俗儀礼の奥底を明らかにする。ケガレとはたんなる汚穢ではなく、ハレを喚起する力なのだ。日本民俗の深層に根付いている不浄なる観念と差別の問題を考察した先駆的名著。
  • 1,496(税込)
    著者:
    中村元
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    仏教経典を片端から読破するのはあまりに大変だが、重要な教えだけでも知りたい―本書は、そうした切実な希望にこたえるものである。なかでも、釈尊の教えをもっとも忠実に伝えるとされる、「スッタニパータ」「サンユッタニカーャ」「大パリニッバーナ経」など、原始仏教の経典の数々。それらを、多くの原典訳でも知られる仏教思想学の大家が、これ以上なく平明な注釈で解く。テレビ・ラジオ連続講義を中心に歴史的・体系的にまとめたシリーズから、『原始仏典1釈尊の生涯』『原始仏典2人生の指針』をあわせた一冊。
  • 1,012(税込)
    著者:
    養老孟司
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    文化や伝統、社会制度はもちろん、言語、意識、そして心…あらゆるヒトの営みは脳に由来する。「情報」を縁とし、おびただしい「人工物」に囲まれた現代人は、いわば脳の中に住む。脳の法則性という観点からヒトの活動を捉え直し、現代社会を「脳化社会」と喝破。一連の脳ブームの端緒を拓いたスリリングな論考。
  • 遥かなる海の神話
    創造神タンガロア、英雄マウイ、蛇とウナギ……
    日本の古層文化にも連なる壮大な南島世界へ

    穀物を生む死体、英雄マウイの島釣り、ハワイの創世詩クムリポ……。日本の基層文化にも通底する、壮大な南島(オーストロネシア)神話への入門書。

    ===
    東南アジア島嶼部からメラネシア、ミクロネシア、ポリネシアに及ぶ南島(オーストロネシア)語圏。本書は英雄マウイの伝説からハワイの創世詩クムリポまで、この海洋世界に生まれた多彩な神話の数々を紹介する。それらの神話の魅力は単に内容の面白さだけにとどまらない。死体から誕生する穀物、女だけの島、釣針の喪失など、われわれにも馴染み深い神話や民話と通底するモチーフからは、日本列島をも包含した壮大なスケールの古層文化が浮かび上がってくる。再刊に当たり、南島語圏から人類全体へと射程を広げて神話と文化の関係を考察した補章を収録。豊かな南島神話世界への格好の入門書。

    【目次】
    第一章 南島の創世神話
    フィリピン・インドネシア方面の神話/オーストラリア・アボリジナルの神話/メラネシアの神話/ミクロネシアの神話/ポリネシアの神話/南島世界の文化の系譜

    第二章 愛と豊穣の神話
    死体化生型神話/インドネシアの死体化生型神話/オセアニアの死体化生型神話/ポリネシアの作物起源/死体化生型の生命観/〔コラム〕生命のシンボル・ココ椰子/ココ椰子の起源と首狩り/〔コラム〕首狩りとココ椰子/ウナギの情夫とココ椰子の起源/女護ケ島の話/〔コラム〕危険な航海

    第三章 死の起源と死後の世界
    脱皮型の死の起源神話/過ちによる死の起源神話/正常な出産と死の起源/冥界への旅/〔コラム〕メラネシアやミクロネシアの冥界観/ポリネシア人の死と冥界/〔コラム〕ポリネシア人の冥界/冥界からの生還/〔コラム〕オルペウス神話の意味/死者との結婚/〔コラム〕異類婚と冥界訪問譚

    第四章 日本神話と南島世界
    海幸・山幸神話の広がり/天地のはじめと双神神話/日本神話の広がり/日本の民話の広がり/〔コラム〕日本と南島の神話や民話の類縁性は何を意味するか?

    第五章 火山の女神と英雄マウイ
    〔コラム〕島の形成とハワイの自然/ハワイ神話を代表する神々/火山の女神ペレにまつわる神話群/フラの起源にまつわる神話/英雄マウイ/王の登場/〔コラム〕ポリネシアの首長制社会/歴史の黎明―ウミ神話とカメハメハの台頭/〔コラム〕カメハメハの台頭

    第六章 ハワイの創世神話・クムリポ
    クムリポの発見/クムリポ・第一部―夜の時代/クムリポ・第二部―昼の時代/国生み神話/クムリポの謎/神話を読むとは

    補章 人類と日本列島の古層神話――世界神話学からの挑戦
    人類史からみた南島神話/〔コラム〕オセアニアの人類居住年代/釣針喪失譚、再び/〔コラム〕モンゴロイドという呼称を巡って/南島の海と宇宙

    あとがき/ちくま学芸文庫版あとがき/引用・参考文献
  • 百姓にとって自然は敵か味方か?

    戦はなくなったが、百姓は鉄砲を手放さなかった。その謎を解き明かすべく、動物への対応や農耕の営みといった自然と人々との関わりを明らかにする。

    ===
    豊臣秀吉の「刀狩り」により、すべての武器が没収され、民衆は武装解除されたといわれている。その後、江戸時代は平和となり、武器は必要とされなくなった。しかし、百姓は取り締まりからのがれて、鉄砲を所持し、使っていた形跡があったのである。生き物への慈愛を謳った綱吉、鷹狩りを復活させた吉宗。度重なる不作の危機のなか、なぜ、百姓は鉄砲を必要としたのか。鳥、猪、鹿などの獣との関わり、農耕の営みなど、百姓が自然といかに向き合ってきたのかを描いた『鉄砲を手放さなかった百姓たち』を、改題増補を加えた一冊。

    【目次】
    はじめに――鉄砲を手にした百姓

    第1章 鉄砲改めの始まり――家綱政権(一六五一~一六八〇)
    1 刀狩りの真実
    2 将軍と鷹
    3 鉄砲改めとは
    4 使い続けるために
    5 銃規制の原点

    第2章 生類憐みのかげに――綱吉政権(一六八〇~一七〇九)
    1 見直される生類憐み
    2 紙玉の威力
    3 殺生厳禁の風潮に染まって
    4 憎悪を強める百姓

    第3章 復活した鷹場とともに――享保の改革(一七一六~一七四五)
    1 鷹将軍・吉宗
    2 激減していた鳥
    3 大岡忠相の登場
    4 関東を鳥の禁猟区にして
    5 形式だけの鉄砲管理

    第4章 暗躍するアウトロー――大御所時代(一八三七~一八四一)
    1 アウトローの出現
    2 出まわっていく鉄砲
    3 改革組合村が主体となって
    4 追認された隠し鉄砲

    第5章 上知令とあわせて――天保の改革(一八四一~一八四三)
    1 庶民の敵・忠邦
    2 事務処理に追われる大目付
    3 改革を成功させるために
    4 忠邦の改革プラン

    終章 鉄砲を選んだ百姓
    1 荒廃していた山間部
    2 移動していく獣
    3 雑木林を拠点に荒らす獣
    4 百姓にとって鉄砲とは

    おわりに――“武器”から“農具”へ

    補論1新たな刀狩り論へ
    補論2日本人は銃とどのように向き合ってきたのか――銃社会日本の歴史

    文庫版あとがき
  • 「言語」とは何か──すべてはそこに収斂する
    ヨーロッパの特異性を浮かび上がらせる傑作思想史

    ヨーロッパ固有の問い、「言語の起源」。把握不能な生成の瞬間を探求した人々は何を見ようとしていたのか――。ヨーロッパの核心を穿つ傑作思想史。

    ===
    言語の起源とは何か。それは自然と人為、いずれによるものか。古代から近代へと2500年、この問題はヨーロッパにのみ見られる足跡を遺した。ヘブライ語の失墜、新たな「自然」の創出、「起源の言語」から「言語の起源」への転換と国民国家の成立、そして「近代」に固有の逆説……。言語の生成はいかにして可能かという問いがそれらを貫いていく。傍らに一人「生まれ出ざる者」を伴いながら――。長きにわたる追求は、ついにソシュールによる起源の否定へと逢着したが、本当に問題は消えたのだろうか? 膨大な文献の渉猟とともにヨーロッパの核心を剔抉した傑作思想史。第36回サントリー学芸賞受賞。

    【目次】
    はじめに

    序章 人類最初の言語を聞く

    第I章 「神」が言語を与える――聖書の時代:中世から一五世紀まで

    第II章 複数のアダムたち――国民言語勃興の時代:一六世紀から一七世紀

    第III章 人間が言語を作る――「自然」創出の時代:一七世紀

    第IV章 起源を証明する――「社会契約」の時代:一七世紀から一八世紀へ

    第V章 起源をめぐる闘争――乱立する言語起源論の時代:一八世紀

    第VI章 起源を復元する――言語学の時代:一八世紀から一九世紀へ

    終章 「起源の言語」を語る天使たち

    書誌
    あとがき
    ちくま学芸文庫版あとがき
    人名・作品名索引
  • 文明を築いた古帝王、跋扈する鬼神、天人女房
    超自然にして荒唐無稽な物語
    一挙総覧!

    文明を築いた古帝王、跋扈する鬼神――。中国古典に残された伝承の数々をテーマごとに集大成し、第一人者による解説とともに読む。

    ===
    古代より連綿と、強大な帝国を築いてきた中国。その現実主義とはうらはらに、社会には超自然的で荒唐無稽な物語への関心は根深く浸透しており、『史記』『漢書』のような正史から『書経』『韓非子』など思想書にも古い神話や伝承の断片がちりばめられている。本書はそれらを、「天体」「神界からの贈り物」「怪物退治」「洪水/旱魃」「異界訪問」「英雄出生」「異類女房」などに分類して集成。お馴染みの日本の神話や伝承との照らしあわせも、随所に差しはさむ。斯界の大家による明快な解説とともに、豊醸なる中国神話の全体像を掴むことができる。図版多数。 解説 森和

    【目次】
    はじめに―中国の神話・伝説の特色
    1 創世神話
    2 天体の神話・伝説
    3 諸文化の起源神話
    4 習俗の由来伝説
    5 鬼・神(神と怪物)の神話・伝説
    6 怪物退治
    7 旱魃と長雨
    8 治水伝承
    9 湖底に沈んだ県城
    10 動物の築城
    11 異界訪問
    12 神の贈り物
    13 動物報恩
    14 異類女房
    15 人の運命
    16 英雄異常出生
    17 名剣・名画の由来
    18 飢餓と疾病
    19 異族・異形民の起源
    20 地名などの由来
    21 歴史伝説
    22 事物の由来伝説
    23 奇妙な伝説
    文庫版解説 森和
  • 思想はここに極まる
    ヘーゲルの没年に行われた最後の講義。その筆記録を忠実に訳し、歴史哲学の実像を伝える。

    ヘーゲル終焉の年に行われた「世界史の哲学」講義筆記録の新訳。歴史を通し精神の本質をなす自由はどう実現されたか。思想の最終到達点が示される。

    ===
    「世界史は自由の概念の発展である」と主張し、その過程を縦横に語った講義「世界史の哲学」。長らくヘーゲルの入門書として読まれてきた『歴史哲学講義』は、恣意的な編集によって歪められたものであったため、多くの誤解を生んできた。アカデミー版全集に基づいた新訳は、真のヘーゲル像を明らかにする。10年間になされた講義のなかでも1830/31年冬学期の講義は特に重要だ。中国、インドなどの東方世界の歴史から、ギリシア、ローマ、ゲルマンへと辿り、フランス革命後の激動期を考察する。それはヘーゲル最後の国家論・政治哲学の卓抜な洞察であり、現代の自由主義論争にも大きな示唆を与える。

    【目次】
    訳者による序
    凡例
    訳注の凡例

    世界史の哲学への序論
    はじめに
    一 世界史の哲学の普遍的な目的は客観的な目的
    二 究極の目的設定の内容
    三 世界史の歩み

    世界史の哲学
    一 地理学的三区分
    二 世界史の時代区分

    第一章 東方世界
    一 中国
    二 インド
    三 ペルシア帝国
    四 エジプト

    第二章 ギリシア人
    第一期 ギリシア世界の起源と形
    第二期 ペルシア戦争からアレクサンドロス大王の東方遠征まで
    第三期 ギリシアの没落

    第三章 ローマ人
    第一期 ローマの起源と強国への発展
    第二期 第二次ポエニ戦争から帝政成立まで
    第三期 帝政時代

    第四章 ゲルマンの国

    第一期 ゲルマン諸民族の登場
    第二期 中世
    第三期 近世

    訳者あとがき
    事項索引
    人名索引
  • 理論への誘惑を退け、思考の悪癖を断ち切る──
    現代哲学を方向づけた天才の思考をたどる最良の入門書!

    哲学とは、言語の限界に突き当たってできた思考の瘤を取り除くことである。ウィトゲンシュタイン哲学の核心にふれる、定評ある入門書の増補完全版!

    ===
    哲学とは、言語の限界に突き当たってできた思考の瘤を取り除くことだ。哲学者のつとめは、自らがこうした瘤や病気をもっていることを自覚しながら、それを治療することにある。ウィトゲンシュタインの哲学は、著述の特異なスタイル、そして彼の人柄と切り離すことができない。本書は、理論への誘惑を退け、思考の陥る悪癖を断ち切ろうとするウィトゲンシュタインの粘りづよい思考を、主著『論理哲学論考』や『哲学探究』のみならず、膨大な遺稿や講義録にも分け入り、その数奇な生涯をたどりながら一望する試みである。その後の解釈論争や最新研究を踏まえ、増補を施した入門書の決定版!

    【目次】
    まえがき

    第1章 一九二九年
    第2章 『論理哲学論考』とはどんな書物か(一)
    第3章 『論理哲学論考』とはどんな書物か(二)
    第4章 ウィーンからケンブリッジへ
    第5章 否定の謎
    第6章 像としての命題
    第7章 語りえぬ事柄
    第8章 再出発と破局
    第9章 復帰までの道のり
    第10章 ふたたびケンブリッジにて
    第11章 現象言語
    第12章 意味と検証
    第13章 哲学とは何か
    第14章 『哲学探究』まで(一)
    第15章 『哲学探究』まで(二)
    第16章 意味と理解
    第17章 私的言語
    第18章 数学の哲学
    第19章 心理学の哲学
    第20章 最期の日々
    第21章 科学主義に抗して
    補章 二一世紀のウィトゲンシュタイン

    ウィトゲンシュタイン略年譜
    主要著作ダイジェスト
    キーワード解説
    読書案内
    あとがき
    ちくま学芸文庫版あとがき
    参考文献一覧
    索引
  • 哲学者はなぜ政治でつまずくのか
    20世紀哲学の暗部からそのもつれを解きほぐす

    ハイデガーやシュミットら20世紀の哲学者はなぜ専制政治を擁護したのか。思想と政治の複雑なもつれを解きほぐす。増補版あとがきを新たに訳出。

    ===
    20世紀の哲学を語るうえで決して無視してはならないのが、ハイデガーやシュミットらのナチズムへの加担である。なぜ哲学者たちは現実政治を見誤り、ときに専制的な政治体制さえも擁護してしまうのか。哲学は、その政治との関わり合いにおいて、いかなる役割を果たしたのか。本書では、アメリカの政治哲学者マーク・リラが、20世紀の名だたる哲学者たち──ハイデガー、アーレント、ヤスパース、シュミット、ベンヤミン、コジェーヴ、フーコー、デリダ──を取り上げ、政治と哲学との複雑なもつれを丹念に解きほぐしていく。文庫化にあたり、原著改訂版より新たに「あとがき 信仰のみ」を訳出した決定版。

    【目次】
    日本の読者のために
    まえがき
    第1章 マルティン・ハイデガー、ハンナ・アーレント、カール・ヤスパース
    第2章 カール・シュミット
    第3章 ヴァルター・ベンヤミン
    第4章 アレクサンドル・コジェーヴ
    第5章 ミシェル・フーコー
    第6章 ジャック・デリダ
    終章 シュラクサイの誘惑
    あとがき 信仰のみ(SOLA FIDE)
    謝辞/旧版訳者あとがき/文庫版訳者あとがき
  • まやかしの議論を見破る
    練習問題満載!
    切れ味抜群のトレーニングブック

    詭弁にも「型」がある。様々な虚偽のパターンを豊富な練習問題を交えて紹介した、まやかしの言説を見破る格好のトレーニング書! 解説 植原亮

    ===
    説得力があるようでいて何かがおかしい──。そうした虚偽的な言説は誰にでも聞き覚えがあるはずだ。本書は論理学の基礎知識を押さえた上で、不当な内容で聞き手を幻惑するさまざまな虚偽を紹介する。支持者の数だけを根拠に正しさを主張する「多数派の強弁」、歪曲した論点を攻めたてる「藁人形攻撃」、確率事象への誤解に基づく「賭博師の錯誤」など、本書で挙げたパターンを理解し(覚えなくても大丈夫!)、具体性に富んだ練習問題の数々に当たれば、詭弁を見破る論理的思考力を着実に養えるだろう。政治的議論から日常会話まで、幅広い場面に応用可能な実践的トレーニングブック。

    【目次】
    緒言/凡例

    1 論証とは?
    演繹と帰納/妥当性/重要な論証型:三段論法/その他の重要な論証型

    2 不当予断 ――論点の先取り――
    自明の教唆/予断冠飾句/循環論法/循環定義/不当予断の問/全称的予断/特称的予断/詐術等値表現

    3 権威詐称 ――論点の虚飾――
    詐術阿世/詐術威風/虚偽儀式/専門僭称法/格言詐術/権威転写法/称号詐術/長老主義/多数派の強弁/利益誘導法/筋違いの権威/先験主義/偶像詐術/妄信の強要/権威の僭称/権威の捏造

    4 すり替え詐術 ――論点の転嫁――
    威力強弁術/憐憫導引法/歪曲論証法/人身攻撃/素姓攻撃/劣類攻撃/不純動機/変節攻撃/しがらみ錯誤/畏怖導引術/不当理由/当為の現実への転移/現実の当為への転移/瑣末事例の攻撃/藁人形攻撃/誇りのくすぐり/純真主義の虚偽/証文詐術/弁解詐術/可能世界錯誤/術詐はぐらかし

    5 幻法攪乱 ――論点の混濁――
    意味論詐術/構文論詐術/強調詐術/詐術洒落のめし/予断矛盾/偽計怒りの演出/詐術トボケ/末梢攻撃/妖術情動語法/論証もどき/語源詐術/例外の誤用/不当反問/意昧の私物化

    6 弁別錯誤 ――論点の歪曲――
    観念的連続性/凡庸主義/虚偽択一法/合成錯誤/分解錯誤/虚偽快刀乱麻/本質的に曖昧な語句/不当対比

    7 権謀術 ――論点の捏造――
    目的は手段の免罪符か?/後塵拝戴主義/新奇マニア/旧式嫌い/詐称語句/御都合主義/詭計反復主張/黙認の曲解/詐術劣等比較/僭越性の誇称/奸計引き延ばし戦術/杞憂の逆用/幻法水煙/理想主義的誤謬/詐術諸行無常/根性主義者の錯誤/凶法愚民政策

    8 帰納錯誤 ――論点の飛躍――
    短絡帰納/偶有性/不当原因/賭博師の錯誤/類推錯誤/統計詐術/百分率詐術/総数詐術

    参考文献
    訳者あとがき
    解説と読書案内(植原亮)

    索引/練習問題解答
  • 消費を制度化させる社会に抗して
    〈日常〉を疑え!

    資本主義のもと、我々の〈日常〉はどのように方向づけられているか。大量消費と官僚主義の問題を、日常生活批判が暴きだす。 解説:山本千寛

    ===
    われわれの〈日常〉は、資本主義のもと、知らぬまに支配関係の再生産のために構築され、方向づけられてしまっている。1960年代のフランスでルフェーヴルはそう告発し、「日常生活批判」を展開した。エリート層によって欲望が〈指導〉された大量消費社会は、語りの権利と日常を自らの手に取り戻すことができるのか? 五月革命へ向かう熱気のなかで書かれた本書は、その後の展開を含めた著者の理論的支柱を、あますところなく提示する。資本主義や消費社会への非難が拡大する現代の日本社会において、再注目に値する一冊。 解説 山本千寛

    【目次】
    第一章 探求と若干の発見物の提示
    1 半世紀のうちに……
    2 哲学と日常的なるものの認識
    3 第一の行程、第一の契機
    4 第二の階程、第二の時期
    5 現在の社会をどのように名づけるべきか
    6 いったい何が起ったのか(フランスにおいて、一九五〇年と一九六〇年のあいだに)
    7 第三の時期。一九六〇年以後

    第二章 指導される消費の官僚主義的社会
    1 統一と矛盾
    2 不安の基盤
    3 想像的なるもののなかへの四歩
    4 いくつかの下次=体系について

    第三章 言語的現象
    1 座標軸の脱落
    2 超言語
    3 滑稽さ

    第四章 テロリズムと日常性
    1 テロリズムの概念
    2 文章とテロリズム
    3 形式の理論(再論)
    4 抜け道
    5 短い対話

    第五章 永続文化革命に向かって
    1 最初の諸結論
    2 拘束の哲学と哲学の拘束
    3 われわれの文化革命
  • なぜ、弱さは強さよりも深いのか?
    なぜ、われわれは脆くはかないものにこそ惹かれるのか?

    薄弱・断片・あやうさ・境界・異端……といった感覚に光をあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。
    解説:高橋睦郎

    ===
    “「弱さ」は「強さ」の欠如ではない。「弱さ」というそれ自体の特徴をもった劇的でピアニッシモな現象なのである。部分でしかなく、引きちぎられた断片でしかないようなのに、ときに全体をおびやかし、総体に抵抗する透明な微細力をもっているのである”という著者が、薄弱・断片・あやうさ・曖昧・境界・異端など、従来かえりみられてこなかったfragileな感覚に様々な側面から光をあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。解説:高橋睦郎

    【目次】
    I ウィーク・ソートで?
    1 弱さの多様性
    2 壊れもの注意!

    II 忘れられた感覚
    1 全体から断片へ
    2 フラジリティの記憶
    3 はかない消息

    III 身体から場所へ
    1 あいまいな「私」
    2 振舞の場所
    3 トワイライト・シーン

    IV 感性の背景
    1 葛藤の事情
    2 複雑なシステム
    3 いつかネオテニー
    4 ハイパージェンダー

    V 異例の伝説
    1 欠けた王
    2 境界をまたぐ
    3 隠れた統率者
    4 遊侠の季節

    VI フラジャイルな反撃
    1 感じやすい問題
    2 ネットワーカーの役割
    3 ラディカル・ウィル

    あとがき
    文庫版あとがき
    解説◆弱々しさの勧め 高橋睦郎
  • これが社会学だ
    理論とは、調査を前進させるための技法である。
    ラベリング理論の提唱者がそのすべてを語りつくす

    社会学がめざすべきものとは何か。そのために社会学者は何をすべきなのか。ラベリング理論の提唱者がその方法論のすべてを開陳した不朽の名著。

    ===
    社会学を学ぶ者は、どんな問題関心をもって、何をどのように論じるべきか。社会学ならではのものの見方や考え方とはいかなるものか。本書は、シカゴ学派の中心的人物の一人であり、ラベリング理論で本邦でも広く知られるアメリカの社会学者ハワード・S・ベッカーが、長年の研究蓄積や指導実践に基づき、みずからの方法論を開陳した一冊である。分厚い経験的調査をもとに概念や理論を練り上げることでより緻密な記述をめざすアプローチは、まさに社会学的研究の王道ともいうべきものであり、いまなお多くの示唆を含んでいる。社会学のあるべき姿を指し示す不朽の名著。

    【目次】
    序文
    第1章 技法
    第2章 イメージ
    1 実質的イメージ
    2 科学的イメージ
    第3章 サンプリング
    1 何を含むべきか
    2 カテゴリーを超えて――合致しないものを見出す
    第4章 概念
    1 概念は定義される
    2 概念を定義する――いくつかの技法
    3 概念は一般化である
    4 概念は関係的である
    5 ヴィトゲンシュタインの技法
    6 概念の内包を拡大する
    第5章 論理
    1 大前提を発見する
    2 真理表、組み合わせ、類型
    むすび
    旧版訳者あとがき/文庫版訳者あとがき/引用文献/索引
  • 圧倒的な芸術論
    空間認識の変遷から西洋文化を捉え直す
    西洋美術史の泰斗による名著

    ラスコー壁画から20世紀における抽象芸術にいたるまで、人間の空間認識や対象把握の特徴を西洋美術・彫刻・建築を横断し読み解く隠れた名著。解説 三浦篤

    ===
    芸術とは「眼に見えたもの」の再現ではなく「知っていること」から創られる。絵画や彫刻にせよ建築や都市にせよ、優れた独自の表現が確立された時、そこには、かつてなかった精神的価値に裏打ちされた空間認識が根ざしているに違いない。原始時代の洞窟壁画、ギリシアの神殿と彫刻、ゴシック建築、ルネサンスの理想都市、鉄とコンクリートと工業化から現れた世紀末芸術、20世紀に花開く抽象芸術……。自己と対象との関係において際立った表現様式が持つ文化史的・精神的背景を解き明かす、圧倒的な芸術論。西洋美術の碩学の隠れた名著。

    【目次】
    原始空間の特質
    ギリシャ人の空間意識
    イタリア美術の空間意識
    ゴシック空間の象徴性
    ルネッサンスの理想都市
    新しい技術と空間的可能性
    世紀末芸術の空間意識
    キュビスムの空間意識
    抽象的空間の成立――抒情と幾何学

    あとがき
    解説 三浦篤
  • 1,397(税込)
    著者:
    唐澤一友
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    三単現の-sは「最後の名残り」、be動詞は「保守的」?!
    ルーツをたどればルールがわかる!

    印欧祖語からゲルマン祖語、古英語を経て現代英語へ──。波乱万丈の歴史を知れば、複雑な規則も腑に落ちる! 読めば英語の見え方が変わる快著。

    ===
    いわゆる「三単現」の場合にだけ、なぜ一般動詞は末尾に-sが付くのだろう。be動詞はam, are, isなど色々な形をなぜ使い分けなければならないのだろう。英語には一見不可解なルールがあふれている。本書は古英語、ゲルマン祖語、果てはインド・ヨーロッパ祖語にまでルーツをさかのぼり、それらと比較しながら現代英語の特徴を解明する。完成されたインド・ヨーロッパ祖語が時代と共に崩れ、新たな形の言語に再構成されてゆく──。その波乱万丈の歴史を知れば、動詞の変化や厳格な語順、仮定法の感覚、綴りと発音のずれなど、難しいルールも腑に落ちるはずだ。読めば英語の見方が一変する快著。

    【目次】
    はじめに─英語の3つのルーツ
    序章 英語発達史概観
    第1章 インド・ヨーロッパ祖語民族の言語・文化・神話
    第2章 英語の語源と印欧語比較言語学
    第3章 印欧諸語の中の英語
    第4章 古英語から現代英語まで
    第5章 文字と綴りのルーツ
    あとがき/文庫版あとがき/参考文献/索引
  • シリーズ4冊
    1,8151,925(税込)
    著者:
    小池正胤
    著者:
    宇田 敏彦
    著者:
    中山右尚
    著者:
    棚橋正博
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    徹底的にいじり倒す
    一流浮世絵師たちが描いた荒唐無稽なストーリー
    杉浦日向子さんも愛読した名アンソロジーを文庫化
    過激な政治諷刺からテレビだったら放送できない下ネタまで。自由奔放な江戸黄表紙の世界をご堪能下さい!

    ===
    江戸時代の大人の漫画「黄表紙」。その発想力、表現力は、とても250年前とは思えぬ斬新さ。本巻には、黄表紙というジャンルの創始者、恋川春町、朋誠堂喜三二、黄表紙の全盛期をもたらした山東京伝、芝全交らの作品を収録。個々の作品に共通するのは荒唐無稽なストーリーと圧倒的な馬鹿馬鹿しさ。神や仏が遊郭に入り浸り、うどんと蕎麦が薬味を従え、江戸名物の座を争う……。黄表紙は大ベストセラーとなり、もてない男が金に物を言わせて色男の真似事をする『江戸生艶気蒲焼』の主人公・艶二郎の顔は、手ぬぐいの柄にまでなった。傑作として名高いアンソロジーを、図版を撮り直し、全4冊で刊行。
    ===
  • 英雄たちの闘い
    アーサー王が活躍する物語など計11編を収録。
    詳細な注を付したウェールズ語原典からの完訳

    アーサー王(アルスル)が活躍する物語など、古来カムリ人たちが語り紡いできた数々の伝承を収録。詳細な訳注を付したウェールズ語原典からの完訳。

    ===
    カムリ人と呼ばれるケルト系の人々がウェールズの地で古来語り紡いできたさまざまな伝承や神話。それらを11世紀以降に修道士たちが収集しまとめあげたとされるのが、散文物語集『マビノギオン』である。その内容は、神話の影響を色濃く受けた不思議話から宮廷文学風のロマンスまで多岐にわたり、『マビノギオン』という書名の由来となった「マビノーギの四つの物語」のほか、アーサー王(アルスル)が活躍する話や、聖杯探索で知られるパーシヴァル卿の原型となった人物であるペレドゥルの冒険譚などが収録されている。詳細な訳注と解説を付した、ウェールズ語原典からの完訳。

    【目次】
    日本語版の刊行によせて/『マビノギオン』への長い旅
    マビノーギの四つの物語
    ダヴェドの大公プイス
    スィールの娘ブランウェン
    スィールの息子マナウィダン
    マソヌウイの息子マース
    カムリに伝わる四つの物語
    マクセン・ウレディクの夢
    スィッズとスェヴェリスの物語
    キルッフとオルウェン
    ロナブイの夢
    アルスルの宮廷の三つのロマンス
    ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人
    エヴラウクの息子ペレドゥルの物語
    エルビンの息子ゲライントの物語
    訳注/解説/『マビノギオン』の物語を追って/参考文献/地名一覧/人名一覧
  • 時代背景と精神に迫った画期的入門書
    「理性の時代」
    その真の相貌を描く

    理性による人類の進歩を確信した18世紀ヨーロッパ。啓蒙主義はいかなる変革を社会にもたらしたのか。時代の精神とその背景を追う格好の入門書。

    ===
    ヴォルテール、モンテスキュー、ルソーら、18世紀ヨーロッパの思想家たちは、伝統的な宗教教義を離れて人間と自然を理解することにより世界は進歩しうると信じ、知的活動を繰り広げていく。自由な理念が人類を明るい未来へと導くと確信していたその時代、啓蒙主義は本当に社会を変革できたのか、それとも批判した当の社会に吸収されてしまったのか。啓蒙主義に対する近年の批判も含め、「理性の時代」の背景とその精神に多角的な光をあてた画期的入門書。文庫版では、最新の研究動向まで総括する訳者解説と、日本語文献案内を完備する。

    【目次】
    第1章 啓蒙主義とはなにか
    第2章 目標は人間科学
    第3章 啓蒙主義の政治学
    第4章 理性による宗教改革
    第5章 誰が啓蒙主義者か
    第6章 統一性か多様性か
    第7章 運動か、それとも心性か
    第8章 結論――啓蒙主義は重要であったのか
    訳者解説
    文庫版訳者解説
    参考文献/日本語文献案内/文庫版・日本語文献案内
  • 危機は本当に消えたか
    運動の始まりから、権力の掌握と行使、そして破局へ
    その過程を精緻に分析し、現象の本質に迫った名著

    20世紀を代表する政治的産物、ファシズム。それは、民族共同体の没落への恐怖を強迫的なまでに抱くとともに、民族の活力や純潔への熱狂に駆られた政治行動の一形態である。本書は従来の思想的定義に留まらず、ファシストの「行動」や保守派・社会との「相互作用」に焦点をあて、その機能的側面を解剖する。イタリアとドイツの事例を軸に、第一次世界大戦の経験から誕生し、権力の掌握と行使を経て、自壊へと到る運動の過程を精緻に分析。現象の本質を余すところなく論述する。ファシズム研究の第一人者による集大成であり、現代の危機を捉えなおすための視座を与えてくれる名著。

    【目次】
    序文
    ドイツ語版および日本語版への序文

    第1章 序論
    第2章 ファシズム運動の始まり
    第3章 根をおろすファシズム
    第4章 権力の掌握
    第5章 権力の行使
    第6章 ファシズム破局への行程――過激化か、それとも拡散か?
    第7章 戦後のファシズム、ヨーロッパ以外のファシズム
    第8章 ファシズムとはなにか?

    注記
    訳者あとがき
    文庫版訳者あとがき
    人名索引
    事項索引
  • 本能を呼び覚ませ
    旅のなかで遭遇した事物がもたらす情動と思考
    読む者の心を深い地点から揺さぶる20篇

    旅のなかで遭遇した信頼のかたち。湧きあがり、おのずから増大する点で信頼は勇気に似ている。洞察と情動に満ちた哲学的旅行記。

    ===
    跳躍とともにおのずから増大していく点で、他者への信頼は勇気に似ている──。トンブクトゥからリマ、シドニー、ラサ、カイロへ。旅先での邂逅がもたらす衝撃と驚きと発見、そして溢れ出る情動。ある地では、現代における聖性への問いが、また別の地では、正義を求めた情熱の残響があった。未知なるもののなかへ身を投じることで、人ははじめて生の力が何であるかを知る。その瞬間に際しては、精神を空にし、自我を消し、言葉を黙らせるのだ。理性を超えた感情のほとばしりやうごめきを研ぎ澄まされたまなざしでとらえた20篇の記録。

    【目次】
    はじめに


    アラワーヌ
    ノーリアの歌
    ファサード
    知りえぬ知性
    リング

    II
    古い病院

    III
    タイフーン
    サンパウロ

    手紙
    無心の歌
    アディス・アベバ
    ラブ・ジャンキーズ

    IV
    理解
    恐ろしい神秘の晩餐
    絶滅した宗教の復活
    ラリベラ
    ヴードゥ
    湧きあがる

    V
    寡黙

    注記

    訳者あとがき
    解説(管啓次郎)
  • 超絶進化の鍵となる基本概念を解き明かす
    爆発的かつ非体系的に発展したAI。その基盤となる基礎理論、研究・開発の歴史、可能性と限界を平易に語る人工知能入門。

    ===
    人工知能(AI)に関する初めての論文が発表されたのは1950年のことである。しかし近年のAI研究は、それまでの歩みを圧倒的に凌駕し、AIに加速度的な進化をもたらしている。ただ、急激な発展のあまり、情報は溢れかえってはいても、概念の根本が正確に理解されているとはとても言い難い。本書は、AI研究で突出しているディープラーニング、アルファ碁、トランスフォーマー(生成AIの心臓部)を選び、各々の核心にあるアイデアを説明した後、人工知能について広く考察する。文庫オリジナル。
    ===

    【目次】
    第1講 AIが人間を超えた?!
    第2講 人工知能研究の歴史
    第3講 脳が働き、人が振る舞う
    第4講 ディープラーニングのエッセンス
    第5講 学習のポテンシャル
    第6講 畳み込みニューラルネットとバックプロバケーション
    第7講 アルファ碁
    第8講 トランスフォーマー、生成AIの心臓部
    第9講 大規模言語モデル
    第10講 生成AI
    巻末注
    あとがき
    索引
  • 出色の講義・全15講
    世界のすべては〈記号〉である

    自然(自然科学)も文化(人文科学)も、記号論をつかえば、あらゆる事象を横断的に捉えることができるようになる。いちから深く学べる入門書。

    ===
    記号論とは、私たちの身の回りの事象を横断的に捉えようとする分析手法である。対立する概念のように扱われがちな〈自然科学=自然〉も〈人文科学=文化〉も、この手法によって統一的に読み解くことができる。本書は、その分析の基本を網羅した明快な入門書である。記号の根幹にある「ことば/意味」から発して、ことば以外で「ことばらしいもの」としてのイメージ・絵画、衣食住・広告宣伝、動植物の「ことば」、生命体の遺伝情報に至るまで、記号論を用いた読解を豊富な事例をつかって見ていく。全15講でわかりやすく手ほどきする一冊。
    ===
  • 困難な時代を生きた仏教者の真摯な肉声

    静的なイメージで語られることの多い大拙。しかし彼の仏教は、この世をよりよく生きていく力を与えるアクティブなものだった。その全貌に迫る著作選。

    ===
    日本が生んだ世界で一番有名な仏教者・鈴木大拙。禅に関する書物を数多く英語で出版し、たびたび海外に招かれ講演を行った大拙の仏教は、日本の仏教徒のみならず、ユングやハイデガーといった西洋の思想家をはじめ、ビート・ジェネレーションと呼ばれる人々をも魅了した。本書では、今では読むことが難しい、雑誌への投稿論文や、西田幾多郎ら近しい人たちへ宛てた書簡を、編年体で収録。すべてを知ることのできる仏の智慧=「般若」と、すべての生きとし生けるものを救う仏の慈悲心=「大悲」が融合する大拙特有の「禅」がどのように作り上げられていったのか、その思想の道すじが分かる、学芸文庫オリジナル編集。
    ===
  • 源流インドから中国をへて日本へ――
    厳正な眼差しで追う 独自の精神形成史

    源流たる仏陀の教えから、時代とともに遠ざかってきた日本仏教。〈日本的霊性〉称揚に警鐘を鳴らし、原典研究の厳正な立場から、その精神形成史として追う。

    ===
    共通の聖典をもつこともなく、数多くの宗派に分離した日本の仏教。キリスト教など、ほかの多くの宗教では、開祖の教えに立ち戻る宗教改革が起こったのに対して、日本仏教は実際問題として仏陀をそのように重要視してはこなかった。著者は「大陸からの伝来以来、順々と磨かれ、鎌倉期の仏教成立をもって〈日本的霊性〉を発揮する真正な宗教となったという自画自賛は間違いである」と述べる。原典研究者としての厳しい視点から、日本仏教独自の道筋に迫る不朽の名著、待望の文庫化。
  • 日本人はいかに「よく」生きようとしてきたのか
    倫理思想史の大家による遺著にして最終到達点

    日本人はいかなる思想を持って生きてきたのか。この問いを生涯をかけて追究した日本倫理思想史家による、遺著にして最終到達点。

    ===
    日本人とはいかなる思想を持って生きてきた人々なのだろうか――。その探究は「今・此処」を生きる「現存」としての日本人が、どのようにして「無窮・無辺な「時・空」」を志向し、いかなる「形而上の存在」を「夢想」して生の「究極の拠りどころ」を求めてきたのかを、過去にさかのぼって解明することに他ならない。本書は、倫理学者・哲学者として「よい「生」」とは何かを問い続けてきた佐藤正英の研究の最終到達点とも言える傑作。全面改訂版をほぼ書き終えたところで亡くなった著者の遺志を継いだ研究者による校訂を経た完全版。解説 上原雅文
  • 千年の帝国を人々はどう生きたか
    貴重な史料の数々で案内するビザンツ世界

    千年におよぶビザンツ帝国の歴史の中で、人々はどのような生を送ったのか。皇帝、宦官から異民族まで、貴重な史料の数々を通してその実像に迫る。

    ===
    ローマ帝国の東西分裂後、千年余りにわたって存続したビザンツ帝国。ローマに比してその実態が語られることの少なかったビザンツ世界を、歴史書や各種の勅令、聖人伝など豊富な史料から読みといたのが本書である。専制君主として君臨しつつもたびたび暗殺や処刑の対象となった皇帝、時に政治を左右するほどの実権を握った宦官、理想的キリスト教徒として民衆の精神的支柱となった修道士、尊敬や敵対の念を抱きながらビザンツと交流したイスラーム世界・カトリック世界の隣人たち──。史料に刻まれた人々の営みから、ビザンツ世界の多様な相貌が浮かび上がってくる。巻末に詳細な史料解題を付す。
  • 日本と米国の間にある文化的政治的関係をくぐり抜け、極めて先進的な表現を行った草間彌生。消費と創造への人々の関心を作品の中で両立させた田中敦子。「捺す」という技法によって特殊な作者性を主張した福島秀子。アンフォルメルとアクション・ペインティングが席捲する1950-60年代の日本において、彼女たちはそれらにどう抵抗し、自らの作品を創り上げたか――。戦後の批評言説を再検証しながら、フェミニズム的概念「アンチ・アクション」を通して、もうひとつの美術史を記述する。サントリー学芸賞受賞作を改訂し、多田美波の実践から「ポスト・アクション」に迫った補論を付して文庫化!
  • 絵画を見るとき、私たちはどれだけその作品のことをきちんと見ているだろうか。あらゆる美術作品にそれらしい説明を加えてみせる図像学(イコノグラフィー)は、一見作品を丁寧に読み解いているようで、実は紋切り型の解釈に押し込め、通り一遍の主題に還元しているだけではないか。本書では、「細部」に着目したアプローチでフランス美術史学の新たな地平を開いた著者が、ベラスケス《ラス・メニーナス》、フランチェスコ・デル・コッサ《受胎告知》、ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》などの名画を意外な着眼点から読み解いていく。絵画を見ることの真の魅力をユーモアたっぷりに伝える好著。
  • 1,606(税込)
    著者:
    川喜田愛郎
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    病気は単なる身体的異変ではなく、苦しみや悩み、死への不安などと不可分であり、医者と患者のあいだには心理的・倫理的な関係が不可欠である。現代の医療現場でしばしば見過ごされがちな“病人の存在”を見据えつつ、医学の歴史、ヒトの体や病気のしくみを学び、病気とは何か、医学とは何かを考える。 解説:酒井忠昭
  • あらゆる物質はなぜこのようにあり、それらはどう移ろっていくのか。そうした私たちが住まうこの世界のありようを規定する基本原理の一つが、熱力学第二法則である。熱力学というと一般に数学的な説明を避けて通れないこともあり、どうしても難解な印象を与えがちだ。それに対して本書は、その基本となる考え方を、できるだけ数式を用いずに、かつ学問的な厳密性をいささかも損なうことなく、懇切丁寧に説明していく。『アトキンス一般化学』などの定評ある教科書でも知られるイギリスの物理化学者が、蒸気機関から生命現象まで多様なトピックを扱いつつ、熱力学の奥深さを説き明かした不朽の名著。
  • ルネサンス前夜のイタリア。教皇庁の書記官ポッジョ・ブラッチョリーニは、古代の文献を探し求める人文主義者でもあった。1417年、ドイツに旅に出た彼は、修道院で一冊の写本を発見する。それは、古代ローマの詩人ルクレティウスの『事物の本性について』。千年以上の眠りから偶然にも目覚めたこの作品は、キリスト教的世界観と真っ向から対立する宇宙論を高らかに歌い上げていた。ポッジョはこの詩を世に送り出し、それを読んだモンテーニュら様々な思想家・芸術家によって新しい時代が花開いていく──。一冊が引き越こした歴史を生き生きと描く、ピュリッツァー賞受賞の傑作。 解説:池上俊一
  • 一般相対性理論の概念的基礎であることが判明して再び脚光をあびたリーマン幾何学は、1854年の本書収録講演に始まる。この講演にガウスは珍しく高い評価を与えたという。すでに平行線公準の否定に始まるロバチェフスキーやボヤイの非ユークリッド幾何学はあったが、リーマンは、幾何学といいながら図形からでなく、位置を表すn個の変数の組や曲線の長さから新しい幾何学を組み立てた。数式をほとんど用いない哲学的な講義内容を、ワイルがていねいに数式展開しながら注釈。また序文でも本講演の意義を、理論物理学における遠隔作用から接近作用への潮流になぞらえ熱く語っている。ミンコフスキーの論文「空間と時間」併収。解説 H.ワイル
  • 1,496(税込)
    著者:
    大林太良
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    全世界の人類文化において、宇宙観は「三つの大きな段階」を経てきたと著者は説く。それはどのようなものなのか。本書では、言葉で伝えられる〈口承文芸〉の起源と未来、世界の神話にみられる太陽と月の重要性、地域による天父・地母型/天母・地父型の違いに、順を追って迫る。ついで、太平洋における若者組や、東アジアの成年式、日本の稲作文化と正月行事へと、徐々に焦点が絞られていく。多数の図版や具体例、地理的分布図とともに、平明に語られる、壮大な大林神話学への道案内というべき書。解説:松村一男
  • 明治維新を語るうえで外せない「草莽」。吉田松陰の「草莽崛起(そうもうくっき)」という言葉で知られる通り、それは、野にありながら天下危急のときにおのれを顧みず、大道に立つ壮士たちをさす。孟子に由来するこの言葉は、江戸時代後期に特異な思想的背景を孕むようになり、維新前夜、つかの間の煌めきを放った。その精神を鮮烈な筆致で描き出したのが、二・二六事件の先駆的再評価などで名高い評論家・小説家・歌人、村上一郎である。蒲生君平、高山彦九郎といった「草莽の処士」のさきがけから、頼山陽ら文化・文政の文人、水戸学、そして松陰と系譜的に論じ、その終焉を見届ける比類なき名著。解説 桶谷秀昭
  • 1963年、南米パラグアイ。フランスの若き人類学者クラストルは、深い森で遊動生活を送ってきた先住民族グアヤキ(自称アチェ)の調査に赴いた。彼らは白人に圧迫され衰退の道をたどっていたが、出産、通過儀礼、復讐の殺人、食人習慣など、様々な文化を保持していた。クラストルは不合理な事象の数々に時に戸惑いつつも、それらを精緻に観察し、背後にあるグアヤキの論理を鋭い視点で解明していく。暴力ではなく言葉によって自らの権威を証明しなければならない首長など、この調査で得た着想の一部は、後に『国家に抗する社会』として結実する。文学性にも優れた民族誌の傑作。解説 松村圭一郎
  • 自由はちゃんと存在する。でもそれは、生物としての進化の過程で生まれてきたものだ──。人間の本質は〈魂〉にあるとする伝統的な発想が、説得力の弱いものになった現代。世界は決定論的に定まっているものではないのか、生物の行為は遺伝子やミームに操られているだけなのではないか等々、新たな反対意見を丁寧に検証しつつ、徹底した自然主義の立場から、自由意志の存在を導き出す。心の哲学の隆盛のなかにあってマイルストーンともなった一冊を、明快な訳者解説とともに文庫化。
  • 1,067(税込)
    著者:
    最所フミ
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    『英語類義語活用辞典』『日英語表現辞典』などの編著者であり、「英語力に練達の人」としてつとに名高い最所フミ。彼女は、言語の機能とは与えられたものをcomprehend(了解)し、absorb(吸収)して、express(外面化)するプロセスの繰り返しにあるとする。そのうえで英語を学ぶ人々に、よりいっそう力を養うにはどうすればよいかを、日本人の実状を踏まえて実践的に述べる。英語と日本語の違い、効果的な「読み」、「書く」ための心構え、英会話と音読といったテーマを通し、著者一流の秘訣を一挙公開。その方法論は今も輝きを失ってはいない。
  • 自律性、個体性、境界の自己決定、入出力の不在。これらを特徴とし、自己を産出するネットワークを不断に再生産し続けるシステム、それがオートポイエーシス・システムである。神経生理学の研究から導き出されたこの構想は、観察者の視点からではなく、システム自身からシステムを定式化しようと試みたもので、生命のみならず認知の領域をも射程に入れる。その可能性は社会学、経済学、法学、精神医学など多分野において汲み取られ、豊かな展開を遂げた。閉鎖系のダイナミクスがもたらす開放性の新たな意味とはなにか──。第三世代のシステム論のモデルを高度な記述とともに提示した独創的著作。
  • 我が国古来の民俗信仰の上にやってきた外来の仏教は、どのようにして土着化したのか。この問いに、宗教学ではなく民俗学と歴史学の手法によってアプローチした本書は、今も日本人の信仰を考えるうえで多くの示唆を与えてくれる。日本仏教の異端である薩摩のカヤカベ教が伝える親鸞のミイラ言説や、湯殿山の即身仏ミイラ信仰などに注目。そこから逆に照射される日本仏教の「正統」と、その正統に同化されなかった日本仏教の「影」の信仰とを対比させることで、仏教土着の一方で日本人が持ち続けた民俗信仰の問題を掘り下げて考察する。解説 阿満利麿
  • 犯行現場や犯人らしき人物を見たという証言や当事者の記憶。それは犯人を特定し、事件の全容を解明するうえで最も確実なものと思われがちだ。だが、実際には間違いなくその瞬間を見たはずでも、あるいは自身が当事者であったとしても、その記憶は驚くほど不確かで当てにならない。ロフタスは、偽りの記憶が生成される過程を明らかにした心理学者であり、多くの法廷で長年、専門家として証言してきた。実際の裁判例に基づき、人々の記憶がときに無意識的に、ときに捜査手法に誘導されることで、いかに書き換えられていくかを克明に描き出した傑作ノンフィクション。 解説 笹倉香奈
  • ヨーロッパ文明の礎であるラテン語とギリシア語。印欧語族の古層に属する両言語は、近代語が失った複雑な規則を持つことから、現代人が習得するのは容易ではない。本書は文字、発音から形態に至るまで、二つの言語を対比させながらその全体像を描き出す。名詞や形容詞の格変化、動詞の細かな時制と態(ギリシア語特有の「アオリスト」や「中動態」)、その動詞がさらに変化した分詞──。様々な特徴を古典の例文とともに見ることで、複雑さに支えられた豊かな表現を持つ、ラテン語とギリシア語の輪郭が浮き彫りになる。古典語のエッセンスを凝縮したコンパクトにして本格的な案内書。 解説 吉川斉
  • 第二次世界大戦が終結し、ナチの強制収容所から解放されたユダヤ人たち。吹き荒れたホロコーストですべてを失い、普通の人間の生活を取り戻すことを望む彼らの多くは、元の居住地に帰らず、戦後の混乱期にヨーロッパを去ることになる。彼らが実際に行きたかったのはどこだったのか。それに対してイギリスやアメリカをはじめとする国際社会やシオニストたちはどのような行動をとったのか。東ヨーロッパから連合国占領地域のキャンプへ、さらにパレスティナへと移動をつづけたユダヤ人難民(DP:Displaced Persons)たちを通して、もうひとつの現代史を抉り出した野心作。
  • 労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌……。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。バタイユ新世代の明快な新訳で送る、待望の文庫版バタイユの核心。
  • 1,067(税込)
    著者:
    赤松啓介
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    「柳田民俗学の最大の欠陥は、差別や階層の存在をみとめないことだ。いつの時代であろうと差別や階層があるかぎり、差別される側と差別する側、貧しい者と富める者とが、同じ風俗習慣をもっているはずがない。」すべての底辺、すべての下層からその民俗を掘り起こし、人間存在の根源的病巣「差別」の起源と深層構造に迫った、民俗学の巨人・赤松啓介のひとつの到達点。人間解放の原理、平等原理に貫かれた著者のまなざしは、限りなくあたたかい。【解説:赤坂憲雄】
  • 前近代的な土着性をはらんだ「日本の前衛」、〈つくらないこと〉の呪縛としての「もの派」、岡本太郎の「爆発」、赤瀬川原平の紙幣「模造」、読売アンデパンダン、森村泰昌、村上隆、会田誠……。世界史から切り離され、忘却と堂々めぐりを繰り返す「閉じられた円環」である「悪い場所」日本において、美術の歴史は成立しているのか? 1945年=敗戦以降の美術の動向と批評の堆積を遡行し、歴史的・政治的なコンテクストに位置づける。戦後日本の精神を浮き彫りにし高く評価された、卓越した日本文化論にして著者の主著! 解説 安藤礼二
  • 浄土宗の開祖・法然は様々な人から教えを乞われていた。本書では、法然が熊谷直実のような武士から式子内親王、北条政子に至る人々に宛てた手紙を平易な訳文とともに紹介する。仏教を専門としない相手に書かれた手紙には、称名念仏による極楽往生こそ救いの道であることが、わかりやすくかつ論理的に説かれている。また文面からは、身分や年齢にかかわらず相手を尊重し、権力とは正面から対峙しない、優しくも強かな法然の人柄が窺える。本書はそうした手紙の読解を通じて、現実から逃げるのではなく往生を見据えて現実を強く生きるという、本願念仏の持つ実践的な力を提示する。文庫オリジナル。
  • 1990年代に入り、解体へと向かうユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの独立をめぐって、国内のセルビア人、クロアチア人、ボシュニャク人の間で対立が激化し、ほどなくして泥沼の争いに進展する。1992年から3年半に及んだこの戦争は、剥き出しの残虐性に貫かれていた。本書は、近代初期からの歴史を辿りながら、複雑な背景をもつ戦争の実態を解明する。〈民族浄化〉はいかなるメカニズムによって生じるのか。なぜ現代世界からは大量虐殺がなくならないのか。本書が描き出す〈特定の集団の選択的抹殺〉の実像は、ジェノサイド再発の抑止へ向けて重い問いを投げかける。
  • 代数方程式に関するガロワ理論はもっとも美しい数学のひとつと言われる。しかし、その理論が解読され、教育制度に根づくには数学者たちの多大な努力が必要であった。ガロワはまた急進的共和主義革命家としても知られた。天才数学者にして革命家―本書はその実相を描き、さらに、これまで最大の謎とされてきた死闘死の真相に迫る。決闘前夜の友人宛書信をはじめ自筆草稿を丁寧に読み、真実一路の夭折の生をまっとうした青年の稀有の生涯を再構成する。厳密な歴史学的手法を駆使し、既成の創作的伝記をトータルに超え出ようとする正伝。
  • 中世ヨーロッパを代表する騎士道物語として愛され、今日でも様々な文化芸術に大きな影響を与えつづけるアーサー王物語。その起点をなすのが本書『ブリタニア列王史』であり、『アエネーイス』の主人公であるアエネアースの子孫ブルートゥスが紀元前12世紀にブリタニア王国を建設してから、ブリトン人が追放されサクソン人による支配がはじまるまでの二千年近くに及ぶ歴史がダイナミックに物語られる。本書を通じてその生涯や事績がはじめて体系化されることとなったアーサー(アルトゥールス)王や魔術師マーリン(メルリヌス)らの活躍が鮮烈な印象を残す、ロマンス文学の先駆的古典。
  • 1,496(税込)
    著者:
    渡辺一夫
    著者:
    串田孫一
    著者:
    二宮敬
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    「この小さなノートを残さねばならない。あらゆる日本人に読んでもらわねばならない」。敗戦へと向かうなかで綴られた日記。分量は45頁ほど。1945年3月11日から始まり、大部分はフランス語で書かれている。そこには、国家への絶望と希望のはざまにあって、一人の文学者がいかに苦悩し、いかに正確な判断を下そうとしていたか、生々しい声が記されていた――。本書は、日記全文の翻訳に、串田孫一宛書簡と関連の文章15篇を加えたほか、戦後数カ月分の日記も収録。日記の原文は口絵に収めた。
  • 中国の伝統劇として真っ先にイメージされる京劇。しかしその始まりは、中国文明の歴史を考えると意外に新しい。本書は清朝期に京劇が成立し、日清・日中戦争や国共内戦、文化大革命を経て現代に至るまでの歩みを、主要な俳優たちの波乱の人生と共に活写する。演劇は文字が読めなくても楽しめるため、民衆支配の手段を求めた康熙帝から毛沢東に至るまでの政治権力と密接に結びつき、ナショナリズムのシンボルや外交の道具にもなった。漢詩・漢文とは異なる「小伝統」としての京劇から歴史を照射することで、民衆の感覚に根差した生き生きとした近代中国像が浮き彫りになる。サントリー学芸賞受賞作。
  • インド・チベット密教や日本密教の世界観が凝縮されたマンダラ。日本には主に掛図の形で伝えられたため、神秘的な美術品として鑑賞されがちだが、本来それは、宗教儀礼のなかで具体的に用いられてきたものである。さらに、ヨーガ・瞑想における「悟りのための手段」としてだけでなく、秘儀を授ける入門儀礼「灌頂(かんじょう)」や本尊を決める「投華得仏(とうけとくぶつ)」など、僧院の集団儀式のなかで使われるという特徴がある。どのように制作され、どのように用いられるのか。数々のマンダラ作品やサンスクリット文献を軸に、密教儀礼の核心に迫る。仏教図像学の第一人者による貴重な書。
  • 「有る」あるいは「無い」とは何か? 本当の「自己」とは何か? 何かが何かの原因になるとはどのようなことか? インド哲学の長大な歴史のなかで追究されてきた数々の疑問。本書は、西洋哲学における存在論・認識論・自我論・因果論などの議論展開も参照しながら、古典文献学・インド思想史の枠をこえてそれらの難問に接近する、野心的な試みである。ことば、存在、自己、名付け、因果、知識、無我──もっとも根源的な七つの問いを軸に、明快かつ刺激的な筆致に導かれつつ、インド哲学の深部に迫る一冊。
  • 世界から隔絶されているように感じられ、絶望的な孤独のなかで自分自身が分断されていく―統合失調症とはそうした病である。しかし、患者の世界に徹底的に寄り添い、彼らの声に真摯に耳を傾けていくなかでみえてくるのは、苛烈な現実に身を置かざるをえなかったひとりの人間が、それでもなんとか生きようと苦闘する、その姿である。従来の精神医療のあり方に疑問を抱き、反精神医学運動の旗手となった異才の精神科医R.D.レイン。その主著にして、ドゥルーズ=ガタリらの現代思想や、今日のサブカルチャーにも多大な影響を与えつづける古典的名著。
  • スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説 板倉史明
  • 今では忌み嫌われるハエやゴキブリ。しかしハエは小さくかわいらしい生き物と見られていた時代があり、ゴキブリは豊かさの象徴だったとする説もある。こうした虫たちは、いかにして人間の手で排除すべき〈害虫〉となったのだろうか。本書はその背景を丹念に読みとき、植民地の統治、「清潔」な近代都市の成立、戦争における伝染病の蔓延や毒ガスの開発などを契機に、近代国家が人々の自然観を組みかえてきた過去を明らかにする。文庫化にあたっては、テクノロジーの発達による害虫の「消滅」などを考察した補章を収録。小さな虫から、人と自然の関係に織り込まれたダイナミックな歴史が見えてくる。

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