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『哲学、学問、その他(レーベルなし)、0~10冊(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全131件

  • 1,760(税込)
    2024/5/28 (火) 配信予定
    著者:
    小沼理
    レーベル: ――
    出版社: 柏書房

    「わかるかも」が口癖のあなたへ。

    「わかるかも」が口癖のあなたへ。

    【内容】
    初めて物語の中に私に似た人を見つけた日のこと、東京とソウルで参加したプライドパレードのこと、日本の同性婚訴訟やパートナーシップ制度のこと、同じ時代を生きている/生きていたクィアのこと――

    誰かの痛みや怒りや悲しみが、まるで自分のことのように思えることがある。乳化した水と油のように混ざり合ってしまう。だけどあなたはあなたでしかなく、私は私でしかない。他者同士である私たちが、重なったりずれたりしながらともにあるための、「共感」と「距離感」。その可能性と難しさについて。

    「わかる」なんて簡単に言えない、「わからない」とも言いたくない。ゲイとして、シスジェンダーの男性として、著者が日常の中で直面したエピソードを描きます。

    “共感も距離感もうまく使いこなせない。だからこそこだわってしまうのだろう。なんとか組み合わせて、練習しながら上手になっていきたい。混ざり合った世界と分離した世界を同時に生きるように。言葉にならないものと言葉を重ねて一つにするように。”
    ――「はじめに」より

    自分と他者、規範と逸脱、個人的なことと社会的なこと……様々なものごとのあわいにとどまり、揺れながら考えるエッセイ集。
  • 1,980(税込)
    2024/5/28 (火) 配信予定
    著者:
    磯野真穂
    レーベル: ――
    出版社: 柏書房

    最後のお別れすら許さない病院、火葬すら立ち会わせない予防策、子どもたちへの黙食指導、至る所に設けられたアクリル板、炎天下でも外せないマスク、連呼された「気の緩み」――あの光景はなんだったのか?

    人類学者が「不要不急」のフィールドワークから考えた、「和をもって極端となす」日本社会の思考の癖、感じ方の癖!

    【本書の内容】
    コロナ禍で連呼された「大切な命」というフレーズ。それは恐らく、一面的には「正しい」フレーズであった。しかし、このフレーズのもとに積み重ねられた多様で大量の感染対策が、もとから脆弱であった人々の命を砕いたのも事実である。そしてその余波は、いまだに続いている。

    もちろん必要な対策もあっただろう。しかし、「批判を避けたい」「みんながそうしている」「補助金が欲しい」といった理由に基づく名ばかりの「感染対策」はなかったか。そのような対策が、別の命をないがしろにしていた可能性はなかったか。忘却する前に、思い出す必要があるはずだ。未来の命を大切にするために。

    “出会いとは、自分が予想し得なかった人や出来事との遭遇のことを指す。だからこそ、出会いの瞬間、私たちは驚き、戸惑い、右往左往する。2020年冬にやってきたコロナも私たちにとっては出会いであった。驚いた私たちは困惑し、社会は恐れと怒りに包まれた。あれからすでに4年が経過する。人でごった返す繁華街から人影が消えたあの時の風景に私たちはどのように出会い直せるだろう。”

    「出会い直し」とは、過去に出会った人や出来事の異なる側面を発見することを通じ、それらとの関係を新たに編み直すことを指す。本書では、コロナ禍のフィールドワークで集めた具体例とともに、「コロナ禍と出会い直す」ためのいくつかの視点を人類学の観点から提供する。現地に赴くフィールドワークを、研究者自らの手でエッセンシャルから「不要不急」に追いやっていいのだろうか。感染予防のためなら、暮らしのほとんどは「不要不急」になるのだろうか。

    人間の生とは何か。人類学者が問いかける。
  • シリーズ6冊
    2,9703,850(税込)
    著:
    湯浅孝康
    レーベル: ――
    出版社: 晃洋書房

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    バブル崩壊以降、国・自治体ともに財政赤字が慢性化している。これまで数多く実施されてきた効率化のための行政改革は、本当に効果があったのだろうか。評価と責任の視点から誤った効率化に警鐘を鳴らし、現代の日本における政策と行政の管理のあり方を問う。
  • ■誰もが考えつくアイデアでは面白くない!
    哲学者の視点で、今までにない新しいアイデアを生み出すための本。
    「面白いアイデアを出したいけど、ありきたりのものしか思い浮かばない・・・」

    と悩んでいるあなた。
    原因は、自分の思考の枠の中だけで考えようとしているからかもしれません。

    哲学者の視点を学べば、自分の枠を超えて
    もっと広い視野で発想できるようになります。
    なぜなら、そもそも哲学とは
    「常識を超えて思考することであり、そのための思考法」
    だからです。

    ■本書では、10人の哲学者の視点をご紹介し、
    今までにないアイデアを生み出す方法を伝授します。
    この本を読むことで、人とは違うものの見方「着眼点」を
    身につけることができます。

    単なるコンセプト紹介にとどまらず、哲学者の視点を「ツール」として
    実際に使えるように、イラスト付きの解説と演習をご提供します。

    さあ、あなたも手に入れましょう。
    アイデアが湧き出る「着眼点」を。

    ■目次
    ・第1章 アイデアを生み出す「哲学思考」とは?
    ・第2章 世界の見え方が変わる10人の哲学者の視点
    ・第3章 10人の哲学者の視点はこう使う
    ・第4章 アイデアを出し続ける思考習慣
    ・第5章 アイデアを形にする方法
    ・おわりに AI、哲学、人間
    ・参考文献
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    本書は、鶴見俊輔の思想を「記号の社会学」として再構成する新しい試みである。従来の鶴見俊輔論の整理と、プラグマティズムや大衆文化論の内在的検討を通じて、「記号の意味の『共通性』と『個別性』」の視点から大衆の知的生産の理論的・実践的把握を企図していたことを明らかにする。
  • ◎もくじ

    1 大量収容の弊害
    2 なぜ無実の人々が罪を認めるのか
    3 なぜ目撃者の証言はしばしば間違っているのか
    4 死刑制度はなくなるのか?
    5 科学捜査の誤りと未来
    6 脳科学と法律―相容れない仲間たち
    7 高い地位にある重役が訴追を免れる理由
    8 司法の延期は正義の否定
    9 法的監視の縮小
    10 「テロとの戦い、の法との戦い
    11 行政府に対する最高裁判所の不当な服従
    12 裁判所をあてにしてはならない
    13 法廷に立つ日は来ない
      コーダ
      謝辞
      訳者解説
      索引
  • 宗教によって示された生き方、宗教的な体験、経典や聖典の解説など、さまざまな角度から宗教に関する話題を取り上げます

    ■ご注意ください■
    ※電子版では権利処理の都合上、一部コンテンツやコーナーを掲載していない場合があります。ご了承ください。

    ■今月のテーマ
    柳宗悦の「ことば」を丁寧にひもときながら、その思想の真髄に迫る、通年講座の上巻。

    鈴木大拙の弟子という宗教哲学者としての背景を持ち、白樺運動に参加し、さらに当時は下手などと呼ばれた雑器などからさ「民藝」を見出し、拡げていった柳宗悦。その柳は若き日から、のちの日本的霊性にもつながり、あるいはイスラム神秘主義にもつながる、遠大で高邁な宗教哲学を有していた。その宗教哲学と「民藝」を、柳の「ことば」を熟読玩味しながら、若松英輔氏が丁寧にひもとくガイドブック。民衆における美――民藝をどう見つけ、そしていまは弱くとも尊き民衆にどのようなまなざしを、柳宗悦が生涯にわたって注ぎ続けたのかを、その宗教哲学と照らし合わせながら、読者とともに考える。

    ■講師:若松英輔
  • 徹底的に庭を見よ!
    作庭現場のフィールドワークから、庭の造形を考え、庭師の生態を観察し、庭のなりたちを記述していく、新感覚の庭園論がここに誕生!

    庭師であり美学者でもあるというユニークなバックグラウンドを持つ注目の研究者・山内朋樹の待望の初単著。
    「紀伊國屋じんぶん大賞2024」第6位!

    庭を見るとき、わたしたちはなにを見ているのか?
    庭をつくるとき、庭師たちはなにをしているのか?
    そもそも、庭のかたちはなぜこうなっているのか?

    本書は庭師であり美学研究者でもある山内朋樹が、京都福知山の観音寺を訪ね、その大聖院庭園作庭工事のフィールドワークをもとに、庭のつくられ方を記録した「令和・作庭記」である。

    庭について、石組について、植栽について、空間について、流れについて、部分と全体について……
    制作のプロセスを徹底的に観察するとともに、その造形(かたち・構造)の論理を分析し、「制作されるもの」と「制作するもの」の間に起きていることを思考する。ミクロの視点で時間軸を引き伸ばしながら、かたちが生まれるその瞬間を丹念に解読していく、他に類を見ない新しい「制作論」。本書を読んだ後、これまで見ていた庭や木々、石、そして景色そのものの見え方が変わって見えるだろう。

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    千葉雅也氏(哲学者・作家)推薦!
    庭の見方をガラリと変えてくれる画期的な庭園論であり、すごく応用の利く本だと思う。「ひとつ石を置き、もうひとつをどう置くか」というのは、絵画の話でもあるし、音楽でも料理でも、会話術でもビジネス術でもあるからだ。
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  • 「友だちのことは好きだけど、いっしょにいると『しんどい』と感じることがある」
    「会話についていくため、作業的に話題のコンテンツを見ている」
    「メッセージの返信が遅くならないようにチェックしてしまう」

    こんなふうに感じて、苦しくなっている人はいませんか。
    じつはその苦しみ、あなただけが抱えているものではなく、いまの世の中の多くの人がもつ悩みです。

    友だち関係について「しんどい」と感じるのは、じつはあなた個人の問題ではありません。
    じつは、いまの社会が、多くの人に「友だち関係を維持すること」を強いるような構造になっているのです。

    気鋭の社会学者が解き明かす、まったくあたらしい「人間関係の教科書」です。

    ●私がすべての人を「知り合い」とよぶ理由
    ●かつての社会と現代社会でまったく変わった「友だちの在り方」
    ●「ずっと友だち」でいなくてもいい
    ●インターネットとスマートホンが劇的に変えた、私たちのコミュニケーション
    ●古代の哲学者たちは「友だち」をどう研究したのか
    ●ゲーム理論から考える、正しい友たちとの付き合い方
    ●学校でも家庭でもない、ゆるやかな「場」をもつことの重要性
    ……ほか
  • 私たちの時代の感性がここに幕を開ける! 19世紀は自らの内部に新たな想像力の源泉を見つけた。美術史の碩学が自選した評論により“近代”から“現代”に至る芸術の道筋を示す決定版。
  • シリーズ8冊
    1,4301,870(税込)
    著:
    石黒浩
    レーベル: ――

    ロボットやAIで、私たちの生活はどう変わるか? 衣食住から恋愛・仕事・創造の方法まで、ロボット研究の第一人者・石黒浩が、自身の経験や日々の過ごし方を交えて、「新しい世界を拓く楽しさ」と人生、そして「ロボットと生きる未来」を率直に語る。
    〇全編語り下ろし。「未来の生き方」を考えるヒントが見つかる1冊です。
    〇カバーと本編のイラストは、マンガ『孤食ロボット』の岩岡ヒサエ先生
    〇世界思想社創業70周年記念新シリーズ「教養みらい選書」第1弾
  • シリーズ10冊
    3,0803,960(税込)
    監修:
    黒木俊秀
    訳:
    小野良平
    レーベル: ――
    出版社: 創元社

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    心の病を支援する臨床心理学をはじめ、身近な人間関係から学校、職場、地域社会、産業・文化など、心理学の関わる広大な領域を、カラフルなイラストと簡潔な解説でやさしく学べるビジュアル図鑑。心理学の概観から始め、さまざまな心の病とその治療法を解説し、さらには実生活の中での応用を見てゆく。これから心理学を学ぼうとする人たちだけでなく、不可思議な心のしくみに関心のある一般の人たちにも、ぜひお薦めしたい一冊。


    [本書の特徴]

    ●精神疾患を幅広く個別に解説
    疾患の分類・診断を概観し、個々の疾患については、症状や診断の仕方、治療法など、押さえておくべきポイントをわかりやすく簡潔に解説。

    ●さまざまな治療法の紹介
    現在、治療の現場で用いられているさまざまな考え方や方法、技法を紹介。治療の枠組みの違いがよくわかり、1人ひとりの疾患に合った治療法を探せる。

    ●心理学の広大な領域を網羅
    臨床心理学だけでなく、恋愛関係など身近な人間関係をはじめ、学校、職場、地域社会、産業・文化に至るまで、心理学が応用されている領域を幅広く取り上げている。

    ●理解を助けるカラフルなイラスト
    シンプルなイラストを用いて要点がうまく整理されているため、記憶に残りやすく、興味や関心が持続し、楽しみながら学習できる。

    ●必要な情報がコンパクトに
    1つのテーマが1ページか見開き(2ページ)にわかりやすくまとまっており、短時間で、必要な知識が網羅的に学べる。
  • ジェンダー、人種、階級、ジャンル、法、アニメ、シティ、アマチュアリズム……
    ポピュラー音楽研究の基礎から最前線まで、28の多面的なキーワードと現代的な事例で音楽文化を考え常識を問い直す!

    近年、学術的な研究領域としての地位を確立しつつある「ポピュラー音楽」研究に関する基礎的な知識を解説しつつ、最新の動向を初学者にも分かりやすく紹介した本邦初の入門書。

    本書は3部構成になっており、「第1部 基礎編」では、ポピュラー音楽研究の基底を支える概念として8つを取り上げ、それぞれのキーワードからポピュラー音楽を概観する。
    「第2部 事例編」では、ポピュラー音楽研究のなかでも比較的蓄積の多いトピックを照射する。各項目はそれぞれの学術的議論を概観した上で、ポピュラー音楽研究全体、そして、他分野と横断・接続し、新しい学術領域を開拓する、発展的な学術的問いも示唆する。
    「第3部 拡張編」では、近年の音楽文化を領域横断的に語る上で欠かせないキーワードを掲げて、ポピュラー音楽それ自体とそのコンテクストを扱ってきた従来の研究から一歩外に踏み出し、新鮮な空気を吸うための論考を集めた。

    これまで日本語で読むことのできなかった重要トピックや論点も多数収録し、研究者や学生だけでなく、音楽を「分析したい人」、「語りたい人」にとっての手引きとしても有用な一冊となっている。

    ◆シリーズ[クリティカル・ワード]
    現代社会や文化および芸術に関わるさまざまな領域を、[重要用語]から読み解き学ぶことを目指したコンパクトな入門シリーズ。

    基本的かつ重要な事項や人物、思想と理論を網羅的に取り上げ、歴史的な文脈と現在的な論点を整理します。もっと深く理解し、もっと面白く学ぶために必要な基礎知識を養い、自分の力で論じ言葉にしていくためのヒントを提供します。
  • かつて当たり前の存在だった「子のない女性」は、いつから「解決すべき問題」になったのか。産業革命や戦争、不景気、宗教、環境問題、医療などが、いかに女性の人生を翻弄し、その選択を変化させてきたかを描き出す。社会が突き付ける選択の裏にある女性たちの語られざる思いに迫り、現代の常識から女性を解き放つ一冊。
  • 3,080(税込)
    著:
    伊藤邦武
    レーベル: ――
    出版社: 岩波書店

    パースの知られざる宇宙生成の哲学.機械論的世界観を超え,現代の宇宙論に接近するその宇宙の描像を,論理学的・数学的探究と詩的・宗教的想像力の両面から立体的に再構成する.進化論的で多宇宙論的なヴィジョンに結晶した最も美しい算術のシステムへの憧れ──「早すぎた」知性の夢を追う.
  • AIと人類の未来は 「意識」が握っている。

    そんな「意識」は神秘的だが、決して神秘ではない。

    僕は意識を作ることで、そのことを示したいと思う。



    AIに意識は生まれるのか? AIに人間は征服されてしまうのか?

    そんな我々の不安や素朴な疑問は、ヒトの意識と大きく関係している。

    では、ヒトの意識とはいったい何なのか?



    3歳の時、

    「マリモ」が生きているのであれば、マリモにも感覚はあるのだろうか? あるとしたらそれはどういうものなんだろうか?

    と素朴な疑問を持った少年は、今日本最高峰の意識研究者となった。



    意識という巨大なテーマのもとで、

    哲学・神経科学・コンピューターサイエンス……と様々なジャンルの学問を

    越境しながら、神秘に満ちた意識の世界をじっくりと解明し、

    人工意識やAIのフロンティアについても語りつくす。



    最後には神経学者であり、クオリア研究者でもある

    土谷尚嗣氏との特別対談を所収。



    【「はじめに」より】



    僕がまだ三歳だったころ、家族旅行で北海道に行ったことがある。そのときのことだったと思うのだけれど、たぶん阿寒湖で、親が僕にマリモを見せてこう言った。



    「このマリモはね、生きているんだよ」



    その言葉から受けた衝撃を、僕は今も鮮明に覚えている。

    といっても、まだ三歳児だったから「生命」とか「主観的経験」なんていう言葉は、もちろん知らなかっただろう。ただ、その時の衝撃を、大人になった今の僕の言葉で言い換えると、こんな感じになる。



    「『マリモである』とは、どういうことなんだろう? このマリモにも感覚はあるんだろうか? あるとしたら、それはどういうものなんだろう?」



    それからしばらく経ち、小学生のときの話。風が強いある日に、僕は一本の木が揺られるのを見ながら、こう思った記憶がある。

    「この木は生きているんだろうか? 生きているなら、その場から動けずに風に吹かれ続けるって、どういう『感じ』なんだろう?」



    子どもだった僕は、何がわからないのかもよくわからなかったけれど、研究者になった今なら、かつての僕の疑問に言葉を与えられる。

    僕は、「意識」について知りたかったのだ。(中略)



    現在の僕は、研究者として、意識を「作ろう」としている。

    この本は、現在に至る僕の道のりをたどることで、みなさんにも備わっている「意識」の神秘と、それを神秘ではなくする方法があることに気づくまでの道のりを、追体験してもらうことを目的にしている。

    それだけではない。人工の意識は、僕たちの生活を大きく変えつつあるAI(人工知能)と密接な関係にある。

    もしAIが意識を持ったら、人類の将来は大きく変わる可能性があるからだ。

    【目次】
    Part1 世界はフィクションかもしれない

    Part2 意識とクオリアの謎

    Part3 意識を研究する

    Part4 意識のありかを探せ

    Part5 クオリアが作り出すフィクション

    Part6 内側から見た意識

    Part7 意識の統合情報理論

    Part8 意識を作る

    Part9 意識を持つAI

    Part10 人工知識とクオリアの意味
  • シリーズ3冊
    3,3006,600(税込)
    著:
    小森陽一
    レーベル: ――
    出版社: 青弓社

    文学作品の作者とは何者であり、読者とは、また何者なのか。
    〈作者〉と〈読者〉の相互作用としての〈書く〉ことと〈読む〉ことを捉え返すことを通じて、エクリチュール(文字表現)の文字の連なりのなかに埋もれた意味やイメージをたどる。近代文学研究の泰斗のデビュー作を増補して復刊。

    宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を呼び水にして、近代小説を築き上げた二葉亭四迷の『浮雲』や坪内逍遥『小説神髄』、森鴎外『舞姫』、夏目漱石『坊っちゃん』、さらには横光利一『蝿』、にいたるまでのさまざまな作品を、クリステヴァやボードリヤール、バルトらの文学論も援用しながら多元的で重層的に読み込み、近代日本文学の〈語りの構造〉を解明する記念碑的な論文集。
  • 著書累計250万部
    あの伝説のパーソナルモチベーター
    11年ぶりの書き下ろし!

    なぜ、こんなにも生きづらいのか?

    怒り・憎しみ・悔しさ・不安・恐れ……
    ネガティブな感情で自分を壊してしまわないために
    -------------------------------------------------
    信じられないほど
    不寛容でいじわるで攻撃的なこの世の中で
    いま、キミに伝えられるものがあります――

    なぜ、自分を好きになれないのか?
    なぜ、キミには居場所がないのか?
    なぜ、自信がもてないのか?

    悔しさや憎しみをどうしよう?
    嫌な記憶をどうしよう?
    死にたい気持をどうしよう?
  • ウクライナ危機、旧統一教会問題の噴出、そして円高とさまよえる欲望……。現代日本の諸問題を、近代史を掘り下ることで明晰に読み解き、日本の未来を考える。最もアクチュアルな時評集。

    【気鋭の政治学者が日本の「いま」をわかりやすく読み解く!】

    ■アメリカ、中国、朝鮮戦争と日本の力学とは?
    ■戦後日本を形づくってきた権力とは何か?
    ■限界を超えた戦後体制はどこに向かうのか?

    繰り返される不祥事、
    政治家の信じがたい愚かで浅薄な言動、
    庶民の暮らしと乖離した政策のズレ、
    権力者たちの驕(おご)り等々。
    いったいこの違和感や奇妙でどうしようもない情けなさは、
    どこからきているのか。何が原点なのか。
    どういうことが影響してこんな体質や思考に陥るのか。
    そんな疑問は、
    日々のニュースの中で膨らんでいくばかりではないだろうか。

    しかし、その疑問を解くには、
    いくら毎日のニュースを積み重ねても本質にはなかなか届かず、
    正体が見えにくい。
    もっと深いところに降りていく必要があるのではないか――。

    幻想、幻惑から覚醒し、その実態を冷徹に見ることからしか、
    閉塞した状況を変え、
    壁の向こう側へとブレークスルーすることはできない。
    (本書より)

    ▽聞き手
    高瀬毅(たかせ・つよし)
    1955年長崎県生まれ。被曝二世。ジャーナリスト、ノンフィクション作家、ラジオパーソナリティー。現在、YouTube番組の「デモクラシータイムス」で司会を務める。明治大学政治経済学部を卒業後、ニッポン放送に入社。情報センター出版局編集者を経てフリージャーナリストとなる。1982 年、ラジオドキュメンタリー「通り魔の恐怖」で日本民間放送連盟賞最優秀賞、放送文化基金賞奨励賞を受賞。2009年『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』(平凡社)で平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞。日本文藝家協会会員。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    〈 待望のビーガン実践入門書が登場!〉

    「しなやかに、自分に素直な暮らしを手に入れよう。」
    おいしく、クリーンでわくわくする毎日を。
    動物と環境にやさしいポジティブライフの送り方がここに──。

    ---------

    動物由来のものは「食べない」「着ない」「使わない」 。
    そんなビーガンライフを選んだ多くの人が直面する心の変化や立ちはだかる壁、菜食生活や人づきあいのコツまで、ビーガン歴10年の著者が、自身の体験をもとにリアルに教える一冊。

    ---------

    〈 健康的で美味なる食材がこんなにたくさん!〉
    野菜 / 穀物 / 豆類 / 海藻 / 果物 / きのこ / ナッツ / シード類 
    ピザ・ブリトー・トルティーヤ生地 / パスタ / 春雨 / べーグル 
    フランスパン / 豆腐 / 油揚げ / 厚揚げ / 高野豆腐 / 湯葉 
    麩 / 大豆ミート / テンペ / セイタン / 豆乳 / オーツミルク 
    アーモンドミルク / 味噌 / 醬油 / 酢 / ケチャップ / 昆布だし
    椎茸だし / 香辛料 / ベジタブル・インドカレーなど……

    「ビーガン=禁欲者」じゃない!──肩の力を抜いて、あなたも「ビーガン生活」をはじめてみては?
  • シリーズ2冊
    1,5001,760(税込)
    著者:
    佐治晴夫
    レーベル: 毎日新聞出版

    262文字の中に記述された現代宇宙論のエッセンス。「ゆらぎ」理論の研究などで知られる物理学者が「般若心経」を科学のまなざしで読み解く感動の宇宙講義。この宇宙に存在するすべてのものは、根源において同一であり、互いに浸透しあう相互依存の存在である。私たちの体もまた「自分以外」のもので構成されており、物質としての自分の体は、時々刻々と変化しているのに、なぜ、自分は自分であり続けられるのか――現代科学が明らかにする宇宙の様相を、「般若心経」を通じて考察する、著者のライフワークここに結実!
  • 【書籍説明】

    未確認生物とは。

    英語ではUnidentified Mysterious Animal、大文字を連ねてUMA(ユーマ)と呼ばれる。

    超常現象として扱われ、好事家にとって魅惑的存在である。

    古今東西、民間伝承も含めて、古来から広く語り継がれ見聞きされてきたとされる云わば「怪物」についてご紹介したいと存じます。

    偉大なる漫画家にして、妖怪研究科の、水木しげる先生のお話に登場する「妖怪」の類も一部そのカテゴリに含めて、私が幼少期~成人期に見聞きした数々の逸話もご紹介したいと思います。

    科学だけでは割り切れない、「あやかし」の世界を是非ご堪能ください。

    人知を超えた人間や動物以外の存在を認めぬことは、思い上がり、無駄に環境を破壊し、我が物顔に経済効果と効率を求め過ぎた現代人にとって、
    反省を促し、人知の及ばぬ存在に畏怖せしめ、人間のみがピラミッドの頂点に君臨する支配者ではないことを周知させるのに適しています。

    それでは、科学の力の非力さを体験する、不思議旅行にご案内いたしましょう。

    妖怪についての外見上の記述は、中世の記述に基づき、鳥山石燕著「画図百鬼夜行」に従いました。


    【著者紹介】

    AX-BEATS:Motor(アックスビーツモーター)

    音楽教室主宰。日々コーチングと作品作り、セッション活動に携わる。

    都内ジャズスクールで稼働の後、2004年に埼玉県で演奏家仲間と教室を立ち上げ、後進の指導や音楽制作を行っている。

    ボーカルレンジ4オクターブの能力を生かし、独自の方法論で指導にあたる。

    2019年、ローマ法王来日の折、「浦上四番崩れ」をテーマとして、被害者末裔の森内浩二郎様の原案、依頼により、鎮魂歌「祈り/Pray」を詩人下社裕基氏と共作。

    ローマ法王そして長崎の方々へ向けて献上致しました。大手音楽配信サイトより配信中。
  • 「倫理」という言葉の意味をご存じですか?
    分解してみるとわかりますが「倫」という文字は、にんべんと輪っかを組み合わせた「人の輪」、つまり「仲間」を意味します。
    そしてそこに「理(筋道・道理)」がくっつくことで、倫理は「仲間や共同体の中で守るべき道理」、言い換えれば「社会の中でのよい生き方」という意味になります。そう考えると、高校の授業で「倫理」を学ぶ目的は、人の考え方や人としてのあり方を学ぶことで、社会の中で他者と共に生きる能力を身につけること、でしょう。
    だからこの科目で学ぶ内容は、哲学だけでなく、宗教・心理学・現代社会の特質・生命倫理など、多岐にわたるのです。
    そのどれもが、大人ならキホンくらいは知っておきたいことばかりですが、とっつきにくいテーマなのも確かです。
    そこで本書は倫理の「美味しいところ」だけを100テーマに厳選し、なおかつ総図解つきで解説を加えました。
    本書を通じて、少しでも多くの皆さんに倫理という科目の面白さを知っていただけたら幸いです。
  • 考えるヒントを求める人へ――人間と社会を深い洞察で解き明かしてきた著者が、パリ第八大学でフランスの学生に説いてきた知のあり方、方法論。【創造を称揚する貧困な常識を捨て、もう一度考え直そう。なぜ学ぶのか、なぜ知りたいのか】矛盾の解き方を先達からどう学び、どう活用するか――文献収集や調査の方法、論文の書き方、斬新なテーマを見つけるコツなどの技術やノウハウの前に学ぶべき、もっと根本的なことがある。『社会心理学講義』も方法論だったが、
    本書は社会科学全般に視野を広げるとともに矛盾の一般的解法に焦点を絞った。多様な分野の知見を一緒にした時、隠れていた矛盾が露呈する。見過ごしてきた問いに気づく。その際に型が果たす役割の分析が本書の仕事である。――「はじめに」より
  • 2,970(税込)
    著:
    酒井隆史
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」

    「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」
    時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。
    資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。

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    ◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキストリーム・センター]
    ◆ 平等を求める動きへのシニシズム
    ◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」
    ◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム

    知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。

    〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉
    ──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。

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    【目次】
    ◆はじめに……賢人とドレイとバカ 二〇二三年、春

    第I部 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について
     01.現代日本の「反・反知性主義」?
     02.「反知性主義」批判の波動──ホフスタッターとラッシュ
     03.ピープルなきところ、ポピュリズムあり──デモクラシーと階級闘争
     04.「この民主主義を守ろうという方法によっては この民主主義を守ることはできない」──丸山眞男とデモスの力能
     05.一九六八年と「事後の生(afterlives)」──津村喬『横議横行論』によせて
     06.「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ」──「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじゃない人の「対話」

    第II部 だれがなにに隷従するのか
     07.「放射脳」を擁護する
     08.「しがみつく者たち」に──水俣・足尾銅山・福島から
     09.自発的隷従論を再考する
     10.「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」──二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか
     11.「中立的で抑制的」──維新の会と研究者たち
     12.「この町がなくなれば居場所はない」──映画『月夜釡合戦』と釡ヶ崎

    第III部 この世界の外に──抵抗と逃走
     13.「ブラジルで のブレザーなんて着たがるヤツはいない。 殴り倒されるからだ」──二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観
     14. 戦術しかない/戦略しかない──二〇一〇年代の路上における二つの趨勢
     15.「わたしは逃げながら、武器を探すのです」──ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について
     16.ポリシング、人種資本主義、#BlackLivesMatter
     17.パンデミックと〈資本〉とその宿主
     18.「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」──文明に生の欲動をもたらすもの
     19.すべてのオメラスから歩み去る人びとへ──反平等の時代と外部への想像力

    ◆あとがき

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  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    「でない」、「かつ」、「または」それに、これらから派生する「ならば」などは、特別な知識ではなく、ごく普通の人がごく普通に思考するうえで、極めて大事な言葉です。日常会話レベルでは、その意味の解釈が個人によって多少曖昧でもトラブルは発生しないかもしれません。また、曖昧性のために日常会話がかえって円滑に進むこともあります。しかし、様々な人が混在している複雑な社会では、「でない」「かつ」「または」「ならば」などの基本用語について最低限の共通認識は必要です。基本をしっかり押さえていればこそ、安心して曖昧さを受け入れることができます。本書では、表とベン図を使って、読者が論理学と集合の基礎知識を身につけられるように解説していきます。
  • よく耳にするけれど、わかるようでわからない波動。
    波動が高いと良いみたいだけど、波動が高いってどういうこと?
    波動はどうしたら高くできるの?
    そのような基本的なことから波動の使いこなし方までを懇切丁寧に解説します。

    頑張っても頑張っても、なぜか望む結果を得られない人、なんだかいつもうまくいってしまう人。
    波動の知識、メカニズム、使い方を知っていれば容易に後者になれます。
    波動を上手に使いこなせるようになれば、ピンチの抜け出し方や願望を実現させる方法がわかります。

    本書で、ぜひ、幸せで豊かな人生を手に入れてください。

    電子書籍刊行にあたり「<電子版>あとがき」を加筆
  • ルールを作る、ルールを守る、ルールを破る、ルールに違反する――。行動の不確実性を少なくして、社会を秩序立てるために、私たちの社会にはルールがある。人々にとってルールは「常識」とも言えるかもしれないが、ルールを言語化・可視化して体系的に整備して知識として蓄積することはいかに可能なのか。

    自然法則を対象とする自然科学に対して、社会学は規則=ルールを対象にする学問であると位置づけ、私たちの日常生活や所属する組織にある細かな規則から社会全体のルールまでを評価する視点やその意義を描き出す。

    本書はルールとゲームの関係性など、基本的な視点を身近な事例から確認したうえで、規範理論や機能主義、構築主義、エスノメソドロジーなどの社会学の理論と本書の「ルールの科学」を突き合わせて丁寧に検証する。さらに、差別論や社会学それ自体にこれまでの議論を応用して、ルールの科学の射程を明らかにする。
  • 知られざる数学3カ条
    ◎数学は身体活動
    ◎数学が大得意になる方法がある
    ◎偉大な数学者も私たちも脳は同じように動く

    たくさんの生徒が苦手意識をもち、大人になってもコンプレックスが消えない数学。
    得意なひとと苦手なひと、極端に分かれてしまうのはなぜだろう。
    数学は「学ぶ」ものではなく「やる」もの。
    スプーンの持ち方や自転車のこぎ方のように、正しい方法を教えてもらい、
    使うことで自分の身体の一部になる。
    歴史上の偉大な数学者たちは、直観と好奇心を総動員する術(すべ)を知っていた。
    さまざまなエピソードをひも解きながら、深い理解と柔軟なメンタルへ導く。
    「1+2+3+……+100」出てくる数式はこれひとつ!
  • 〈ジャーナリスト、研究者、エッセイストらが、今のネット空間を徹底解説〉

    炎上しない、人を傷つけない、無意識に差別しないため、どんな点に気をつければいいのか、SNSユーザーの基礎知識が満載!

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    生活になくてはならないスマホだけど、SNSではいつも誰かがケンカしているし、何か言ったら絡まれたりする。

    「エコーチェンバー」「フィルターバブル」「アテンション・エコノミー」……。
    ネット空間にはもともと人を孤立化させ、分断してしまう仕組みが組み込まれている。

    ──だけど私たちがスマホを手にして日は浅い。デジタルな時代は始まったばかりだ。

    ----------------------

    インターネットが広く使われるようになってから、まだたったの30年ほど。
    現在主流のSNSの誕生やスマホの普及からは20年も経っていない。
    私たちは今、デジタル人類史の旧石器時代を生きている。(本文より)

    ----------------------

    【目次】
    ■小島慶子……私たちはデジタル原始人──序論にかえて
    ■浜田敬子……眞子さまはなぜここまでバッシングされたのか」
    ■李美淑………炎上する「萌えキャラ」/「美少女キャラ」を考える
    ■田中東子……なぜSNSでは冷静に対話できないのか
    ■治部れんげ・山本恵子・白河桃子……なぜジェンダーでは間違いが起きやすいのか
    ■林香里………スマホ時代の公共の危機──ジェンダーの視点から考える

    ■〈特別対談〉君塚直隆×小島慶子……イギリス王室と皇室は何が違うのか?
    ■〈特別対談〉山口真一×小島慶子……ネット世論は世論ではない
    ■〈コラム〉石川あさみ……子ども向けアニメーションとジェンダー表現

    ■浜田敬子……あとがき
  • 2,090(税込)
    著:
    赤坂憲雄
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    b>〈陸と海、定住と遊動、生と死、虚構と現実、セクシュアリティ…〉
    ──境界線が溶け合うとき硬直した世界に未来の風景が立ち上がる。

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    人は避けがたく、ほんの気まぐれな偶然から、ある者は生き残り、ある者は死んでゆくのです。巨大な災害のあとに、たまたま生き残った人々はどんな思いを抱えて、どのように生きてゆくのか。思えば、それこそが人間たちの歴史を、もっとも深いところから突き動かしてきたものかもしれません。(本文より)

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    いくつもの不条理なできごとの底知れぬさみしさを抱えて、それでもなお生きるための思考。

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    【目次】
    夜語りの前に
     ■災間を生きるために
     ■中世の訪れを予感し、抗いながら
     ■不安は数量化できない

    第一夜……しなやかにして、したたかに。汝の名は
     ■そのとき、友は巡礼に
     ■津波の痕を訪ねて
     ■世界の終わりのような
     ■幽霊と出会うとき
     ■生きとし生けるもの、すべての命のために
     ■山野河海を返してほしい
     ■いのちの思想を紡ぎなおす

    第二夜……東北から、大きなさみしさを抱いて
     ■被災体験に触れる
     ■なぜ、わたしが生き残ったのか
     ■人間の根源的な無責任について
     ■その理不尽に折り合いをつけるために
     ■巨大な体積をもったさみしさ

    第三夜……渚にて。潟化する世界のほとりで
     ■潟化する世界に出会った
     ■海岸線は揺らぎのなかに
     ■人間という原存在への問い
     ■無主の海からみんなの海へ
     ■海のかなたから訪れしもの

    第四夜……民話という、語りと想像力のために
     ■おれは河童を見たことがある
     ■大きな真っ白い鳥が飛んだ
     ■奇譚が遠野と会津を結びなおす
     ■狐に馬鹿にされた、という
     ■民話的想像力によって、布を織る

    第五夜……遊動と定住のはざまに、生きよ
     ■心の考古学は可能か
     ■あらたな飢えと村八分の時代に
     ■われらの内なる山人
     ■定住革命のはじまりに
     ■遊動という離合集散のシステム
     ■住まうことと建てること
     ■妬みや恨みを抱えこんで
     ■分裂病親和性と強迫症親和性
     ■あらたな逃げられる社会は可能か

    ■あとがき
  • 1,760(税込)
    著者:
    養老孟司
    レーベル: ――
    出版社: 祥伝社

    自分を自由にしてくれる
    養老流ものの見方、考え方。

    「わかる」とはどういうことなのか、それが「わからない」。
    じゃあ説明してみましょうか、ということでこの本が始まりました。
    それなら私が「わかるとはどういうことか」わかっているのかと言えば、「わかっていない」。「わかって」いなくても、説明ならできます。
    訊かれた以上は、何か答えるというのが、教師の抜きがたい癖なのです。(本文より)

    学ぶことは「わかる」の基礎になる
    考えることが自分を育てる

    ものがわかるとは、理解するとはどのような状態のことを指すのでしょうか。
    養老先生は子供の頃から「考えること」について意識的で、一つのことについてずっと考える癖があったことで、次第に物事を考え理解する力を身につけてきたそうです。
    養老先生が自然界や解剖の世界に触れ学んだこと、ものの見方や考え方について、脳と心の関係、意識の捉え方について解説した1冊。
  • ★発売たちまち大重版! 
    ★ビル・ゲイツ絶賛
    ★世界16カ国で続々刊行の超話題作
    ★読むと世界が違って見える圧倒的な読書体験! これが、世界の学生が熱狂する「未来」の講義

    新学問「ビッグヒストリー」を提唱する世界屈指の歴史学者が、宇宙物理学、生物学、脳科学、哲学そして歴史学の最新知見を総動員。「未来」という人類最大の謎を解き明かす!

    「人類の過去、現在、未来の本質がわかる、最良の書物」
    ――佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

    「私は著者の大ファンだ。人類を待ち受ける、あまりに大きな課題と未来。どう備えるべきか、歴史学に基づいた本書のアプローチに学べ」
    ――ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)

    「私たちは〈まだ知らぬ未来〉へと突き進んでいくために、つねに〈過去〉に目を向けている。歴史を手がかりにして未来を予想し、望むべき未来へと舵を切っていくのだ。
    実はこうした能力は人間だけのものではない。人間以外の動物や植物、さらには1個1個の細胞や微生物ですら、未来を予想している。それは進化によってあらゆる生物が身につけたスキルだというのだ。
    そこで本書は、微生物や動植物、そして人間が、未来や時間というものをどう受け止め、どうやって過去から未来を予想するのかを、ビッグヒストリーの視点からひもといていく。
    そしてその上で、人類やこの宇宙を待ち受ける未来について大胆な予想を繰り広げていく。今後100年といった近未来だけでなく、数千年や数万年、さらには数億年、数百億年先までの未来を相手にするという、途方もない壮大さだ」
    ――水谷淳(「訳者あとがき」より)

    目次
    第1章 未来とは何か――「川の時間」と「地図の時間」
    第2章 実際的な未来思考――「関係性の時間」
    第3章 細胞はどのように未来を操るか
    第4章 動物と植物はどのように未来を操るか
    第5章 人間の未来思考はどこが新しいのか
    第6章 農耕時代の未来思考
    第7章 近代の未来思考
    第8章 近未来――この先100年
    第9章 中程度の未来――人類の系統
    第10章 遠い未来――さらに先へ
    原注
    訳者あとがき
  • 2015年1月7日、フランスの新聞社をテロリストが襲撃し、編集長や風刺画家ら12名が殺害されるという一連のテロ事件がおきました。このシャルリー・エブド事件のインパクトは、世界中の人々に表現の自由とは何かを改めて考えさせることとなりました。
    本書はこの出来事を受け止めたフランスの著名作家が、娘との対話の形をとりながら、テロリズムとは何か、テロリストとは誰か、テロの恐怖とそれを乗り越えるにはどうしたらよいのかをめぐって、真剣に思索を深めていきます。
    本書では、ライシテ(政教分離)などとの関連でテロの問題が論じられますが、話はフランス国内に限らず、世界中で拡大するイスラム原理主義にもとづくテロ全般に及びます。
    国際社会においてテロが終息する気配は一向に見えておりませんが、ウクライナ情勢でむき出しになった国家の暴力や、日本における安倍元首相襲撃事件とその後の政教分離の政治問題化など、いまの社会の動向を考えるうえでも有益な知見を提供してくれます。
    テロリズムはなぜ起きるのか? と疑問に思ったらまず読んでいただきたい一冊です。
  • 1,980(税込)
    編著:
    村上陽一郎
    著:
    藤垣裕子
    著:
    隠岐さや香
    著:
    佐藤卓己
    著:
    瀬川至朗
    著:
    神里達博
    他3名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    わたしたちは何を信じればいいのか?
    不信をぬぐい、対立を越えて――
    激しく揺れ動く社会で求められる知のありかたに
    9 つの観点から迫っていく

    危機が訪れればたちまち、さまざまな「専門家」が現れ、種々の「専門知」が入り乱れる。
    多くの人たちは翻弄され右往左往させられることが世の常となっている。
    それは新型コロナウイルス禍でいっそう明らかとなった。
    これまでも起きてきた、これからも起きるだろう。

    わたしたちは誰を信じればいいのか?
    何を指針とすればいいのか?
    科学、テクノロジー、歴史、メディア……
    多彩な分野から執筆陣を招き、専門知のあり方を問いなおす論考集。
    求められる知の実体を探り、どのように社会に生かすことができるかを考える。

    【目次より】

    ◆専門家とは何か――村上陽一郎
    ◆隣の領域に口出しするということ: 専門家のためのリベラルアーツ――藤垣裕子
    ◆科学と「専門家」をめぐる諸概念の歴史――隠岐さや香
    ◆「ネガティブ・リテラシー」の時代へ――佐藤卓己
    ◆ジャーナリストと専門家は協働できるか――瀬川至朗
    ◆リスク時代における行政と専門家: 英国BSE問題から――神里達博
    ◆女子教育と男子教育からみる「教養」と「専門」――佐伯順子
    ◆社会と科学をつなぐ新しい「専門家」――小林傳司
    ◆運動としての専門知: 対話型専門知と2061年の子どもたちのために――鈴木哲也
  • 【書籍説明】

    「鎌倉殿」源頼朝は宿敵・平家を滅ぼし、鎌倉幕府を創設した勝利者だし、
    歴史的にも武士の政権を確立した成功者として捉えられている。

    だが、その血統は悲劇の中で断絶した。

    頼朝の兄弟や近い親族も大半は戦乱や政治的暗闘の中で散った。

    その悲劇ばかりの物語がこの一族の実態でもある。

    『平家物語』をはじめ、『保元物語』『平治物語』『義経記』などの物語に書かれ、史実ではないものも含まれているが、
    そうした伝承が現代でも持たれているイメージを作り出している。

    それらを語る上で、基になる史料は何かと聞かれることもあるので、
    特に興味深いエピソードについては書いてある書名、巻、章段などを明示した。

    なお、その巻数、章段名は巻末の参考文献に掲げた書籍に準拠してある。

    入手しやすい文庫版や図書館などで探しやすい全集などで、実際に確かめてみるのも面白いと思う。


    【目次】

    第1部 頼朝、義経、範頼 平家は倒したけれど
    第1章 源頼朝 13歳の敗走秘話
    第2章 生涯ピンチの連続だった頼朝
    第3章 幕府を揺るがす頼朝の突然死
    第4章 源義経 幼少時代の苦難
    第5章 源平合戦の主役から暗転した義経
    第6章 源範頼 失言で勝ち組から転落

    第2部 頼朝の父と祖父 保元・平治の乱の顛末
    第1章 源為義 保元の乱で一家は敵味方に
    第2章 源義朝 家臣の裏切りで無念の最期

    第3部 頼朝の兄弟姉妹 平家との戦いとその後
    第1章 源義平 清盛の首狙った「悪源太」
    第2章 源朝長 繊細な美少年のはかなさ
    第3章 源義門と希義 頼朝の同母弟
    第4章 全成と義円 義経の同母兄
    第5章 頼朝の姉妹 義朝敗走劇の中で

    第4部 頼朝の令息令嬢 鎌倉政争の渦中で
    第1章 千鶴 3歳で惨殺、八重姫との愛息
    第2章 源頼家 北条氏に消された2代将軍
    第3章 源実朝 暗殺された3代将軍
    第4章 大姫 生涯貫いた義高との悲恋
    第5章 三幡 入内工作中の怪死
    第6章 貞暁 冷遇された側室の子

    第5部 頼朝の叔父たち 同族との戦いに敗れて
    第1章 源義賢 大蔵合戦で甥・義平に敗退
    第2章 志田義広 野木宮合戦で頼朝と対立
    第3章 源頼賢ほか 保元の乱でそろって処刑
    第4章 源為朝 強弓自慢の鎮西八郎
    第5章 源行家 令旨伝達後の迷走
    第6章 乙若兄弟 船岡山で刑死した男児4人
  • 1,980(税込)
    著:
    平尾昌宏
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    最大10%還元 本のまとめ買いキャンペーン
    〈です・ます〉体で書き上げた論文が却下された著者が抱いた疑問。「なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?」

    〈である〉と〈です・ます〉、二つの文末辞の違いを掘り下げていった末にたどり着いたのは、全く異なった二つの世界像=哲学原理だった。

    国語学、日本語学の成果をふまえ、日本語で哲学することの可能性を追求した画期的な論考。〈である〉と〈です・ます〉それぞれが表す哲学原理とは? 愛、正義、ケアの概念は〈である〉で語るべきか、それとも〈です・ます〉で語るべきか? 世界には〈です・ます〉でしか描けないものがある。スケールの大きな思考実験にして、唯一無二の哲学入門。

    「本書は(自分でも驚くのだが)日本語の「です・ます」と「である」について、ただそれだけを論じた本である。だが、その結果として(これも驚いたことに)、全く異なった二つの世界像に到達する。この二つの世界像がそれぞれどのようなものか、それらにどんな意味があるか、それを今ここで示すのは難しい。その意味、というより、それらに何らかの意味があることを明らかにするためだけに、これだけの分量が必要だったと言うしかない。もしその内実に関心があるという奇特な方がいらっしゃったら、後は本文を読んで貰うしかない。」(「まえがき」より)

    【目次】
    まえがき

    ■第1部 問題編
    第1章 なぜこんな問題を考えるか
    第2章 なぜ論文を〈です・ます〉で書いてはならないのか
    第3章 〈です・ます〉肯定論

    ■第2部 日本語学・国語学編
    第4章 「女子ども向き」説
    [ノート1]〈です・ます〉とケア
    第5章 「話し言葉」説
    第6章 「敬語」説
    [ノート2]人称詞と敬語
    第7章 モダリティ
    [ノート3]言語と主観性
    第8章 待遇表現論
    第9章 文体論

    ■第3部 日本語からの哲学編
    第10章 〈です・ます体〉から〈である体〉へ
    [ノート4]〈だ体〉の問題
    第11章 〈である体〉の人称的構造
    第12章 〈です・ます体〉の人称的構造
    [ノート5]文体、ジャンル、混用
    第13章 文体から原理へ、学問経由
    [ノート6]〈である原理〉と正義
    第14章 〈です・ます世界〉と〈である世界〉
    第15章 世界内の構成要素

    ■第4部 異論と展開編
    第16章 文体と原理
    第17章 二分法を超えて
    第18章 我と汝、我とそれ
    第19章 生成
    第20章 制度と間
    [ノート7]愛とケア

    結びに代えて
    あとがき

    付録1 日本語と哲学、従来の研究
    付録2 「ですゲーム」、あるいは哲学者たちの文体
  • ついに待望の文庫版登場! 世界的ベストセラー『サピエンス全史』に続いて著者が放つ「衝撃の未来」。カズオ・イシグロ、ビル・ゲイツ、ダニエル・カーネマンが絶賛する面白さと深い考察。
    ※本電子書籍は、「ホモ・デウス 上・下」の合本版です。
  • 1,760(税込)
    編著:
    内田樹
    著:
    小田嶋隆
    著:
    釈徹宗
    著:
    白井聡
    著:
    仲野徹
    著:
    平川克美
    他3名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    どうしてこんな時代になったのか?
    「丈夫な頭」を持つ9名の論者による平成30年大総括

    平成の30年は、日本の国運が「隆盛」から「衰退」へと切り替わる転換期だった。
    なぜ30年前に期待されていた「あのこと」は起こらずに、
    起きなくてもよかった「このこと」ばかり現実になったのか?
    平成という時代の終わりに向けて、この間に生まれた絶望の面と希望の面を、
    政治・社会・宗教・自然科学など9つの観点から回想するアンソロジー。

    【目次】
    まえがき ――内田樹
    戦後史五段階区分説 ――内田樹
    紆余曲折の日韓平成史 ――平田オリザ
    シスターフッドと原初の怒り ――ブレイディみかこ
    ポスト・ヒストリーとしての平成時代 ――白井聡
    「消費者」主権国家まで ――平川克美
    個人から「群れ」へと進化した日本人 ――小田嶋隆
    生命科学の未来は予測できたか? ――仲野徹
    平成期の宗教問題 ――釈徹宗
    小さな肯定 ――鷲田清一
  • 1,870(税込)
    編著:
    内田樹
    著:
    平田オリザ
    著:
    白井聡
    著:
    渡邊隆
    著:
    中田考
    著:
    小田嶋隆
    他5名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    아이고(アイゴー)、困っています。
    もつれた結び目を解くために、みなさんの知恵を貸してください。

    荒れるネット言説、政治のねじれ、歴史修正主義……
    日韓をめぐるさまざまな事象は、「問題」ではなく「答え」である。
    11人の寄稿者が考える、日韓相互理解への道すじ。

    K-POPや韓国コスメ、文学作品の翻訳などカルチャー面での交流が活発な一方、 泥沼化した政治情況につられてヘイトや嫌韓本が幅をきかせる日韓関係をめぐる言説。 「戦後最悪」とも言われるターニングポイントで、もつれた関係を解きほぐす糸口をどう見つけるか? 韓国での講演や著書刊行が続いている内田樹先生を編者に、思想、歴史、安全保障、文化などの観点から、 11名の執筆者が両国関係のこれからを考えるアンソロジー。 「軽々には解けそうもない問題」を前にして、日韓相互理解の道を探る試み。

    いまの日韓関係については、誰か賢い人に「正解を示してください」とお願いするよりも、忍耐づよく終わりなく対話を続けることのできる環境を整えることの方がむしろ優先するのではないでしょうか。クリアーカットであることを断念しても、立場を異にする人たちにも「取り付く島」を提供できるような言葉をこそ選択的に語るべきではないのか、僕はそんなふうに考えています。(まえがきより)

    【目次】
    内田樹「二人の朴先生のこと」
    平田オリザ「私が大学で教えている事柄の断片」
    白井聡「歴史意識の衝突とその超克」
    渡邊隆「韓国は信頼できる友好国となりえるか」
    中田考「隣国を見る視点」
    小田嶋隆「炎上案件に手を出す者は、必ずや己の身を焦がすことになる」
    鳩山友紀夫「東アジア共同体をめぐる、ひとつの提言」
    山崎雅弘「韓国のことを知らない日本人とその理由」
    松竹伸幸「植民地支配の違法性を考える」
    伊地知紀子「卵はすでに温められている」
    平川克美「見えない関係が見え始めたとき」
  • 1,540(税込)
    編著:
    内田樹
    著:
    岡田憲治
    著:
    小田嶋隆
    著:
    加藤典洋
    著:
    白井聡
    著:
    想田和弘
    他5名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    世の中の枠組みが大きく変化し、既存の考え方が通用しない歴史の転換期に、
    中高生に向けて「これだけは伝えておきたい」という知見を集めたアンソロジー。
    言葉の力について、憲法について、愛国心について、科学的態度について、
    弱さや不便さに基づいた生き方について……。
    若者たちがこれからの時代を生き延びるための知恵と技術がつまった、
    未来へ向けた11のメッセージ。

    タイトルにある「転換期」というのは、世の中の枠組みが大きく変化する時代のことです。(…)大人たちの大半が今何が起きているのかを実は理解できていない状況のことです。だから、大人たちが「こうしなさい」「こうすれば大丈夫」と言うことについても、とりあえず全部疑ってかかる必要がある。今は「マジョリティについて行けばとりあえず安心」という時代ではないからです。(「はじめに」より)

    【目次】
    身体に訊く──言葉を伝えるとはどういうことか 内田樹
    僕の夢――中高生のための「戦後入門」 加藤典洋
    表と裏と表――政治のことばについて考えてみる 高橋源一郎
    人口減少社会について根源的に考えてみる 平川克美
    13歳のハードワーク 小田嶋隆
    空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて 岡田憲治
    科学者の考え方――生命科学からの私見 仲野徹
    消費社会とは何か――「お買い物」の論理を超えて 白井聡
    「国を愛する」ってなんだろう? 山崎雅弘
    「中年の危機」にある国で生き延びるために 想田和弘
    社会に力がついたと言えるとき 鷲田清一
  • 1,980(税込)
    著者:
    秦野裕介
    レーベル: ――
    出版社: 柏書房

    「日本は神風が吹く、神に守られた特別な国」という「神風思想」が生み出す「ニッポンすごい!」「独り善がりの排他主義」「根拠なき楽観主義」……元寇から特攻まで日本史を貫きつづけてきた「神風思想」は、太平洋戦争における敗戦という結末を迎えることとなったが、その意識自体はいまだ日本人の心に根強く生き続けている。
     本書は、「神風思想」がいかに形づくられていったかを、史実に沿って検証、「神風が吹いたのは日本だけではない」「神社による立派な〈武器〉だった神風」「実は友好的だった元寇前のモンゴルの外交姿勢」「天皇制をこき下ろした天皇」「〈神の国〉ではなく〈人間本位〉を考えていた中世の政治家たち」「立憲制を念頭に置いていた大日本帝国憲法」など、日本が決して「神風思想」だけに凝り固まっていたわけではないことを示す事実を挙げながら、「神風思想」とそれに対峙する形の「撫民思想」とのせめぎ合い、そして「神風思想」の根幹をなす「根拠なき楽観」が招いた悲劇の過程を辿っていく。
     歴史的論考としてはもちろん、コロナ禍、ウクライナ戦争など混迷の時代において危機をいかに克服していくべきかの指針ともなる一冊。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    この共著の趣旨は、ハーバーマスやホネットらのテクストにそくして、「批判的社会理論」と総称される一連の知的営為がいかなる社会認識や社会分析の論理を内包し、それが現代社会的分析にいかなる寄与をなしうるのかを明らかにすることにある。・・・
    この共著では、ハーバーマスやホネットらの仕事の到達点を読者に分かりやすく伝えることをつうじて、批判的社会理論というプロジェクトの意義を明らかにしたい。(「あとがき」より)
  • イメージやモノが氾濫し、群島化した世界にふさわしい「オルターモダニティ」とは?
    翻訳の思考を通して現代の美術批評を素描するとはどのようなことか?

    今日の旅する人(ホモ・ウィアートル)としてのアーティストたち──
    時空間のなかを浮遊しながら根を伸ばし張りなおしていくような、その「ラディカント」的実践の分析から、文化や想像力の標準化に抗するしなやかな美学が浮かびあがる。「関係性の美学」を提唱したキュレーター、ニコラ・ブリオーの著書、待望の初邦訳!

    グローバル化され「大きな物語」「歴史」を失って久しい現代、さまざまな形態、イメージ、モノ、言説が氾濫し、差異が重要性をもつ世界を読み解くのにふさわしい美学とはどのようなものだろうか? ブリオーは、起源としての唯一の「根」を讃えた「ラディカル」なモダニズムとも、多文化主義的なポストモダンや多様で同時的な組織網たるリゾーム(地下茎)とも異なる、前進するにつれて根を伸ばし張りなおしていく「ラディカント(radicant)」的あり方を備えたモダニティ=オルターモダンという視座を提示する。

    そこで重要なのは、翻訳の身振りであり、イメージを他のコードに変換し、みずからの根を異質なフォーマットに移植することである。アーティストたちは他の時代や場所の素材を使用・転用し、記号航海士として放浪しながら現代の文化的風景の中に道筋をつくりだしていく。

    本書は、1998年『関係性の美学(原題:Esthétique relationnelle)』で美術の新たなパラダイムを切り拓いたブリオーが、21世紀の今日的状況を考察するため、旅人としてのアーティストたちの実践を通して新しい時代のしなやかな美学を描き出した、文化や想像力の標準化に抗するための挑戦的一冊である。
  • 2,640(税込)
    著者:
    タリア・ラヴィン
    著者:
    道本美穂
    レーベル: ――
    出版社: 柏書房

    ネット上の差別や駅前で散見されるヘイト街宣を、「たかが言葉」と放置すれば、いずれそれは必ず身体的な暴力へとつながる。「地獄の具現化」に歯止めをかけるための鋭い警告の書。――日本語版特別寄稿・安田菜津紀氏

    ■本書の内容
    本書は、ユダヤ人の女性ライターが素性を偽り、オンライン上の過激派コミュニティに潜入した渾身のルポルタージュである。著者は、様々なルートから「白人至上主義」の内実を暴き出す。

    〈テレグラム〉で90以上の極右グループを監視した際には、反ユダヤ主義的なミームや人種差別的な中傷、暴力的な文書や動画が日常的に交換される様を目の当たりにした。

    白人至上主義の男女を結びつけるサイト〈ホワイトデート〉には、白人の子を産みたい金髪の女性狩猟家として登録し、民族浄化を願う気持ちとミソジニーに支えられた熱烈な「ラブレター」をいくつも受け取った。

    孤独なインセルとして〈レディット〉の掲示板や〈ディスコ―ド〉の非公開型チャットに潜伏した際には、ミソジニーが白人至上主義思想へと発展していく様を確認した。

    右派のユーチューバーが集う「マインズIRL」では、イベント会場のカジノから「追い出された」。100万人近い登録者をもつ過激なユーチューバー(14歳の少女!)と対峙した際には「純度の高い硫酸」のような言葉を投げつけられた。

    ウクライナでテロリストの「マニフェスト」を広める役割を果たしていた男性とは、チャットで恋人関係を演じることで身元を特定し、国際調査集団「ベリングキャット」のメンバーに情報提供した。

    このような「潜入」を通じて本書は、民主主義の「建前」が崩壊した現代アメリカにおいて、オンライン上で育まれた反ユダヤ主義、レイシズム、ミソジニーなどが、いかにメインストリームを侵食しつつあるかに警鐘を鳴らす。同時に、私たちがそれに反撃するための方法を伝える。

    日本人にとっても、他人事ではない一冊。

    ■本国での反響
    ★『タイム』2020年の必読書100選
    ★『カーカス・レビュー』2020年ベスト・ノンフィクション
    ★『ニューヨーク・タイムズ』『フィナンシャル・タイムズ』などでも紹介
  • 選考委員からレベルが高いとの指摘があった第65回群像評論新人賞候補作、その中から優秀作に選ばれ、「群像」誌上に発表されると大反響と共に話題となった傑作批評に大幅加筆した増補改訂完全版。シールズの運動とその後を総括、我々と鷲田清一の平成における転向の軌跡、後続する臨床哲学の担い手たち。日本社会のひずみに鋭く切り込み、コロナ禍に顕在化したケアの問題にまで発展する極めてアクチュアルかつクリティカルな論考である。
    目次
    序 論駁するということ 射影の方法をめぐって
    第一章 二〇一五年の鷲田清一
    第二章 〈戦前〉から〈戦後〉へ
    第三章 〈ふれる〉ケアと加害の反転
    第四章 平成の転向者たち
    第五章 〈戦中〉派としてのSEALs
    第六章 鷲田清一から臨床哲学へ
    第七章 軸と回転 谷川雁vs.鶴見俊輔
    第八章 〈地方〉と〈中央〉
    第九章 〈旗〉と〈声〉 臨床哲学再論
    第十章 SEALsとその錯誤
    終論 待兼山の麓から――エッセイストたちの実践
  • 《コミュニケーションで悩む人たちへ》

    コミュニケーションや感情表現が上手できないと悩んだ著者はやがて、当たり障りなく人とやり取りする技術を身につけていく。

    だが、難なく意思疎通ができることは、本当に良いこと、正しいことなのか。
    なめらかにしゃべれてしまうことの方が、奇妙なのではないか。

    「言語とは何なのか」「自分を言葉で表現するとは、どういうことなのか」の深層に迫る、自身の体験を踏まえた「当事者研究」。


    --------------------------------------

    自分だけのものであるはずの感情を、多くの人に共通する「言葉で表す」ことなど、どうしてできるのだろうか。
    そして、人に「伝える」とはどういうことなのか――。

    言葉、存在、コミュニケーションをめぐる思考の旅が始まる。

    --------------------------------------

    【目次】
    ■はじめに

    ■1章 それぞれのタイムラインを生きるしかない——定型発達という呪縛
    ■2章 胚胎期間という冗長な生き延び方
    ■3章 社会なしに生きられないが、社会だけでは生きるに値しない
    ■4章 自律と自立を手にするための学習
    ■5章 絶望を冗長化させる

    ■あとがき


    --------------------------------------
  • 1,870(税込)
    編著:
    内田樹
    著:
    堀田新五郎
    著:
    斎藤幸平
    著:
    白井聡
    著:
    中田考
    著:
    岩田健太郎
    他10名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    少子化・人口減、気候変動、パンデミック……。国力が衰微し、手持ちの国民資源が目減りしてきている現在において「撤退」は喫緊の論件。にもかかわらず、多くの人々はこれを論じることを忌避している。
    名著『失敗の本質』で言われた、適切に撤退することができずに被害を拡大させた旧・日本陸軍と同じ轍をまた踏むことになるのか?
    「子どもが生まれず、老人ばかりの国」において、人々がそれなりに豊かで幸福に暮らせるためにどういう制度を設計すべきか、「撤退する日本はどうあるべきか」について衆知を集めて論じるアンソロジー。

    目次

    まえがき 内田樹

    ■1 歴史の分岐点で
    撤退は知性の証である──撤退学の試み 堀田新五郎
    撤退のための二つのシナリオ 内田樹
    撤退戦としてのコミュニズム 斎藤幸平
    民主主義からの撤退が不可能だとするならば 白井聡
    撤退戦と敗戦処理 中田考

    ■2 撤退の諸相
    撤退という考え方──ある感染症屋のノート 岩田健太郎
    下野の倫理とエンパワメント 青木真兵
    音楽の新しさはドレミの外側にだって広がっている 後藤正文
    文明の時間から撤退し、自然の時間を生きる 想田和弘
    撤退のマーチ 渡邉格
    撤退女子奮闘記 渡邉麻里子

    ■3 パラダイム転換へ
    『桜の園』の国から 平田オリザ
    ある理系研究者の経験的撤退論 仲野徹
    Withdrawalについて──最も根っこのところからの撤退 三砂ちづる
    個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か 兪炳匡
    極私的撤退論 平川克美
  • 1,980(税込)
    著:
    稲垣諭
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    「そろそろ滅びるそこのあなたへ」
    成田悠輔[イェール大学助教授、半熟仮想株式会社代表取締役]
    「機械の僕(しもべ)のように、家畜のように暮らしたっていいじゃないか。
    だってもう、“人間"は終わっているんだから」
    磯野真穂[人類学者]、推薦!

    完新世絶滅期(Holocene extinction)、あるいは、第六次の大絶滅期に
    私たちがなすべきこととは? 全人類に問う「生の哲学」。

    【すべてが「終わった」状態から考えるとすると、何が見えてくるだろうか】
    人間の視点を越えた視座、億年単位の宇宙を問題とする
    (当然すでに人類などというものもいない)、ある種「至高的な空間」から、
    「絶滅」を考えたとき見えてくるものとは。
    荒川修作の思想を系譜する気鋭の哲学者が「総合知としての哲学」を武器に、
    人類の未来を探究する。

    【目次】
    手引きのようなもの――視野を途方もなく拡張する
    1 絶滅へようこそ
    2 「まだ始まっていない」と「もう終わっている」の隙間を生きてみる
    3 機械のやさしさ
    4 食べられたい欲望
    5 神はまだ必要なのだろうか
    6 人間はツルツルになっていく
    7 苦しめば報われるのか?
    8 大人しい人間と裁きたい人間
    9 暴力と寛容
    10 風景なきiPhoneは空虚で、iPhoneなき風景は盲目である
    11 自己家畜化とどう向き合うか
    12 歴史の終わりとは何だったのか?(過去からの終わり1)
    13 村上春樹とピンボール・マシーン(過去からの終わり2)
    終わりが始まるまでに――人間の行方
  • 《ささやかだけど、かけがえのないことが、世界を変えていく》

    環境問題の先駆者として名高い科学者レイチェル・カーソンが、愛する甥に遺した『センス・オブ・ワンダー』。
    その小さな本には、危機の時代を生きるための大きなヒントが詰まっている。

    仕事や人間関係など身近な生活のレベルから気候変動までを貫く不滅のメッセージを、批評家・若松英輔が読み解く。


    --------------------------------------

    私たちは確かに自分に必要なものを、自分で見つけることができます。ただ、 そのときの「自分」とは他者に開かれた「自分」なのです。

    「よろこび」が先にあれば、必ず「学び」は起こる。本当に、深いところでよろこびを経験すると、私たちのなかで「学ぶ」というもう一つの本能が開花する、そうレイチェルは感じています。


    ――「ただ、相手と共にいて、一緒に驚き、よろこぶこと」が育む、未来を切り開くちからとは。

    --------------------------------------
  • われわれがこれまで、人類の過去の生き残りと教えられてきた人々――彼らのもとの世界の廃墟の中で、今現在「かろうじて存続する」ことを余儀なくされている人々――が、思いがけず、われわれ自身の未来の姿として現れてきます。
    クレナッキは言っています。私たち先住諸民族は、五世紀にわたって西欧の血なまぐさい「人道主義」に抵抗してきた。私が心配しているのは、むしろあなた方白人のことだ。これから起こることに対して、あなた方が耐えられるか、私にはわからないから、と。

    ――ヴィヴェイロス・デ・カステロによる「あとがき」より
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    戦後の日本社会学界を牽引した作田啓一。彼はなぜ文学や哲学などの社会学の外部を参照し続けたのか。その仕事は、社会学という知に何をもたらすのか。半世紀以上に渡る作田の軌跡を辿り直すことで、その思想のアクチュアリティを問う。
  • 年間3万人超え、10年以上続いた日本の自殺増加は何だったのか。
    なぜ、1998年からの日本の自殺増加の中心は中高年男性だったのか。
    なぜ、2000年以降、中高年の自殺が減っても、若者の自殺は減らないのか。
    なぜ、日本の女性や若者の自殺率は、他の先進国と比べてとくに高いのか。
    社会の自殺率は、何によって変化するのか。

    自殺研究は、いまも貧困や失業、離婚、病気、争いごとなどに自殺リスクの原因を求めがちだが、自殺は高度に社会的な現象でもある。自己本位や愛他、規範崩壊、宿命などの個人的な事情に押し込めずに、隠されている背景や事情を究明する必要がある。
    そのために、自殺率統計も援用しながら、ゴフマンが提起する自己イメージ(体面=フェイス)の概念をデュルケムと関連づけて考察し、デュルケムの『自殺論』を現代に適用して分析する。

    孤立や社会的排除など、個々人が集団や組織から切り離されたいま、個々人がどんな社会関係にも参入できる自己イメージをもつことが必要だ、と提起する新しい「自殺の社会学」。
  • エミール・デュルケムの集合意識論を批判的に継承し、フランス社会学派第2世代の中心を担ったアルヴァックス。近年、海外でも再評価が進むアルヴァックスが1925年に執筆した「記憶の社会学」の嚆矢が本書である。

    社会のメンバーがみずからの過去を想起するとき、「記憶の社会的枠組み」がいかに機能するのか、過去の出来事の記憶を社会のメンバーはどう組織化し、「集合的記憶」を形成するのか、「集合的記億」は社会にどのような影響を及ぼすのか――。

    アルヴァックスは本書でまず、個々人の夢や記憶などを論じるベルクソンやフロイトなどの哲学や心理学を緻密に検証する。そのうえで、「家族」「宗教」「社会階級」などを切り口に、社会集団にとって記憶が、人々を統合するばかりでなく、ときに分断もするというその社会的な機能を析出する。

    記憶をどう継承するのか、歴史と社会の関係をどう考えていくのかが様々な局面で問われる今日にも、集合的記憶という視点から問題提起を差し向けるアクチュアルな古典的名著。
  • 「日本に経済格差はあるが、文化的には平等である」――戦後、こういった神話が語られてきたが、はたして本当に平等と言えるだろうか。平等だと言うことで、どういう現実が覆い隠されてきたのだろうか。

    ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題意識と方法を共有しながら、社会調査や計量分析を基に、日本の文化資本の機能を読み解く。

    芸術・音楽・読書などの趣味とジェンダー/ライフスタイルの関係、趣味を通じた友人のネットワーク形成、家庭の文化資本が学歴や地位の形成に及ぼす効果とその男女差などの分析を通して、日本における文化的オムニボア(文化的雑食性)という特性とジェンダーによる文化の差異を浮き彫りにする。そして、日本で文化の再生産が隠蔽されてきたメカニズムを解き明かす。
  • 常識・感染・平和・情報・広告・貨幣・管理・交流・解放…9つのキーワードを巡り解き明かされるこの社会の「仕組み」と私たちの「盲点」とは? まなざしのデザイナーが贈る決定的思考法。
  • 1,980(税込)
    著者:
    松岡宗嗣
    レーベル: ――
    出版社: 柏書房

    2021年11月は「一橋大学アウティング事件」の控訴審判決から1年にあたる。「パワハラ防止法」により、2022年4月からは中小企業でもアウティングの防止対策が義務付けされることになっている。

    なぜアウティングは「不法行為」と判断されたのか? そもそもなぜ、性的指向や性自認といった個人情報の暴露が「命」の問題につながってしまったのか?

    実は、一橋事件の前からこうした被害は起きていたし、現在も起きている。学校や職場などの身近な人間関係、不特定多数に瞬時に情報を発信できてしまうネット社会において、誰もが加害者にも被害者にもなり得るのだ。

    校舎から飛び降りたのは、私だったのかもしれない――。勝手に伝えることが誰かの「命」を左右する瞬間を、痛みとともに、ひとりの当事者が描き出す。

    一橋事件を一過性のものとせず、被害を防ぎ、これ以上「命」が失われないためにも、いま改めて考えたい「アウティング問題」の論点!

    ■「アウティング」とは?
    本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露すること。

    ■「一橋大学アウティング事件」とは?
    「おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ」。一橋大学大学院のロースクールに通うAがゲイであることを、同級生ZがクラスメイトのLINEグループに同意なく暴露。心身に変調をきたしたAは2015年8月、校舎から転落死した。翌16年、遺族が学生Zと大学に対し損害賠償を求めて提訴。20年11月の控訴審判決では、本人の性のあり方を同意なく勝手に暴露するアウティングが「不法行為」であることが示され、世間的にも「アウティング=危険な行為」という認識が広まるきっかけとなった。地方自治体だけでなく、国レベルでも大きな影響があった。

    ■目次
    はじめに
    第一章 一橋大学アウティング事件――経緯
    第二章 アウティングとは何か
    第三章 繰り返される被害
    第四章 一橋大学アウティング事件――判決
    第五章 アウティングの規制
    第六章 広がる法制度
    第七章 アウティングとプライバシー
    第八章 アウティングの線引き
    第九章 アウティングのこれから
    終章 アウティング、パンデミック、インターネット
    おわりに

    ■著者プロフィール
    松岡宗嗣〈まつおか・そうし〉
    1994年愛知県名古屋市生まれ。明治大学政治経済学部卒。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。ゲイであることをオープンにしながら、HuffPostや現代ビジネス、Yahoo!ニュース等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。2020年7月、LGBT法連合会・神谷悠一事務局長との共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)を出版。近著に『「テレビは見ない」というけれど--エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読む』(青弓社)、『子どもを育てられるなんて思わなかった--LGBTQと「伝統的な家族」のこれから』(山川出版社)。本作が初の単著となる。
  • 1,980(税込)
    著:
    青木真兵
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    青木君たち、やっていることは「けっこう極端」なんだけれど、言葉の手ざわりがとてもやさしい。
    だから話をずっと聴いていられる。──内田樹

    注目の在野研究者・移住者・図書館主宰者による土着人類学宣言! あたらしい人文知はここからはじまる。

    市場原理主義や、社会に浸透する高度なテクノロジーによる管理化に飲み込まれず、地に足がついたまっとうな生き方をするためには、社会のなかでの「アジール(避難所)」を自分たちの手で確保することが必要ではないか。
    ・スピードが最優先される「スマート化」にどう抗うか?
    ・これからの「はたらく」のかたちとは?
    ・研究と生活をどう一致させるか?……
    奈良の東吉野村で自宅兼・人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」を主宰する著者が、志を同じくする若手研究者たちとの対話を通じて、「土着の知性」の可能性を考える考察の記録。あたらしい人文知はここからはじまる。

    ぼくらの直感は合っていました。合っていたからと言って世界が劇的には変わるわけではないのだけれど、でももうちょっと、この「土着の知」とも言うべき人間の生き物としての部分を認めないと、ぼくたちは生き残ることができないのではないか。社会を維持することだってできないのではないか。本書は『彼岸の図書館』で言語化でき始めたこの直感を、同年代の研究者と共有し、意見交換した記録です。(「はじめに」より)

    【目次】
    「闘う」ために逃げるのだ──二つの原理を取り戻す
    対話1 逃げ延びるという選択 栢木清吾×青木真兵×青木海青子
    対話2 これからの「働く」を考える 百木漠×青木真兵
    「最強」とはなにか──山村で自宅を開くこと
    対話3 「スマート」と闘う 藤原辰史×青木真兵
    対話4 土着の楽観主義 竹端寛×青木真兵
    手づくりのアジール──「自分のために」生きていく
    対話5 生活と研究 磯野真穂×青木真兵
    対話6 ぼくらのVita Activa——マルクス・アーレント・網野善彦 百木漠×青木真兵
    山村デモクラシーII
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    「もうフェミニズムに頼らなくても、女性だって活躍できる」

    「女性差別がなくなった現代において、フェミニズムの時代はもう終わった」

    と彼女は言った。

    では、私やあなたの心のどこかに張りついている「女であることの不安」はいったいどこからくるのだろうか。
    ――「女らしさからの自由」と「女らしさへの自由」、どちらも実現できる世界をともに目指すために。

    「ポストフェミニズム」という視点から、若い世代の性別役割分業や性行動の意識調査のデータを分析。さらにSNSにおけるハッシュタグ・ムーブメントや、雑誌『Can Cam』による「めちゃモテ」ブーム、「添い寝フレンド(ソフレ)」経験者などへの調査を通じて、現代社会における「女らしさ」のゆくえを追う。
  • 「表現の不自由展」だけじゃない
    政治家とマスコミに読ませたい皇室にまつわる法と常識を徹底解説
    ◎「御意向」は伺っても伺わなくても問題
    ◎「表現の自由」は免罪符にならない
    ◎「女系天皇」という詭弁
    日本人の節度を取り戻そう

    皇室制度に関しては、一ミリも妥協してはいけないのである。
    今回は一ミリどころか、大幅に伝統が捻じ曲げられた。
    例えば、伝統的には「譲位」とすべきところ、「退位」と「即位」に分離された結果、
    三種の神器が渡御することの意味合いが隠されてしまったこと、
    元号が代替わり前に公表されたこと、
    「太上天皇」を正式名称とせず「上皇」という略称が正式名称にされてしまったこと、
    大嘗祭の建物が一部プレハブにされたことなど、枚挙に遑(いとま)が無い。(「まえがき」より)

    譲位、皇位継承、皇族方の御結婚、天皇陵の調査問題……

    明治天皇の玄孫が
    憲法学的な視点から皇室を論じる

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