『実用、鷲田清一』の電子書籍一覧
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主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ!
「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。 -
ロボットやAIで、私たちの生活はどう変わるか? 衣食住から恋愛・仕事・創造の方法まで、ロボット研究の第一人者・石黒浩が、自身の経験や日々の過ごし方を交えて、「新しい世界を拓く楽しさ」と人生、そして「ロボットと生きる未来」を率直に語る。
〇全編語り下ろし。「未来の生き方」を考えるヒントが見つかる1冊です。
〇カバーと本編のイラストは、マンガ『孤食ロボット』の岩岡ヒサエ先生
〇世界思想社創業70周年記念新シリーズ「教養みらい選書」第1弾 -
どうしてこんな時代になったのか?
「丈夫な頭」を持つ9名の論者による平成30年大総括
平成の30年は、日本の国運が「隆盛」から「衰退」へと切り替わる転換期だった。
なぜ30年前に期待されていた「あのこと」は起こらずに、
起きなくてもよかった「このこと」ばかり現実になったのか?
平成という時代の終わりに向けて、この間に生まれた絶望の面と希望の面を、
政治・社会・宗教・自然科学など9つの観点から回想するアンソロジー。
【目次】
まえがき ――内田樹
戦後史五段階区分説 ――内田樹
紆余曲折の日韓平成史 ――平田オリザ
シスターフッドと原初の怒り ――ブレイディみかこ
ポスト・ヒストリーとしての平成時代 ――白井聡
「消費者」主権国家まで ――平川克美
個人から「群れ」へと進化した日本人 ――小田嶋隆
生命科学の未来は予測できたか? ――仲野徹
平成期の宗教問題 ――釈徹宗
小さな肯定 ――鷲田清一 -
世の中の枠組みが大きく変化し、既存の考え方が通用しない歴史の転換期に、
中高生に向けて「これだけは伝えておきたい」という知見を集めたアンソロジー。
言葉の力について、憲法について、愛国心について、科学的態度について、
弱さや不便さに基づいた生き方について……。
若者たちがこれからの時代を生き延びるための知恵と技術がつまった、
未来へ向けた11のメッセージ。
タイトルにある「転換期」というのは、世の中の枠組みが大きく変化する時代のことです。(…)大人たちの大半が今何が起きているのかを実は理解できていない状況のことです。だから、大人たちが「こうしなさい」「こうすれば大丈夫」と言うことについても、とりあえず全部疑ってかかる必要がある。今は「マジョリティについて行けばとりあえず安心」という時代ではないからです。(「はじめに」より)
【目次】
身体に訊く──言葉を伝えるとはどういうことか 内田樹
僕の夢――中高生のための「戦後入門」 加藤典洋
表と裏と表――政治のことばについて考えてみる 高橋源一郎
人口減少社会について根源的に考えてみる 平川克美
13歳のハードワーク 小田嶋隆
空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて 岡田憲治
科学者の考え方――生命科学からの私見 仲野徹
消費社会とは何か――「お買い物」の論理を超えて 白井聡
「国を愛する」ってなんだろう? 山崎雅弘
「中年の危機」にある国で生き延びるために 想田和弘
社会に力がついたと言えるとき 鷲田清一 -
ことばを、
・だんまり
・つぶやき
・語らい
の三つの層で考えてみるというお話に入ろうと思います。
最初にひとつだけ質問させてください。
みんな、ことばって好きですか? 好きなひと、ちょっと手を挙げてくれます?
はい。ありがとう。
嫌いなひとは?
あら……。そうか、どちらでもないひとが圧倒的に多いみたいですね。
ことばが嫌いなひとがものすごく少ない。これ、ちょっと驚きです。
ぼくはですね……じつはことばが苦手、というか、嫌いな人間なんです(笑)。
それで、いまの若い世代の人って、ぼく以上に嫌いなのかなって思っていたんで、虚を衝かれました。
でも、みなさん。だれかとしゃべる、ひとと話すことって、読むとか書くよりしんどくないですか?
しゃべりたくないときでも、黙っていると場から浮いてしまうんじゃないか。
メールが来たらすぐ返さないと、なんか悪くとられてしまうんじゃないか。もうつきあってもらえなくなるんじゃないか
とか、いろいろありそうですね。
しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラクだと思うのに、なぜかいつもしゃべらないといけないような空気みたいなものがある。ぼくはそれを敏感に感じるほうです。
ことばって面倒くさいじゃないですか。
じゃないですかって、挙手をみるかぎり、みなさんのほとんどがそう思っていないようですから、ちょっと困るところではありますが(笑)、ぼくは、ことばってすっごく面倒くさいものだと思っているんですね。
というのは、たいていの場合、ことばのほうが過剰か過少であり、ピタリ、ズバリはまずない。そのアンバランスというか、チグハグさにひとは苦しみ悶える。……
2020年10月15日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高等学校でおこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に読者はいつしかわが身をふりかえることだろう。 -
「つかう」を巡る、かくも深く、多様な論考。
「つかう」という言葉の様相をさまざまな観点から考え抜いた一冊。道具をつかう、出汁につかう、楽器をつかう……、同じ「つかう」でも、その意味はさまざま。この単語を契機に、意味を探り、使われ方の変遷を辿り、哲学はもちろん、民俗学、芸術学、料理本まで関係書物を渉猟し、考えを深めていきます。著者は、2015年4月から朝日新聞の朝刊に「折々のことば」を連載中の、現代哲学の第一人者である鷲田清一氏。「つかう」を巡り、ひとをつかうから始まり、道具の使用、民芸での意味の変遷、多種多様な身体用法、武道でのかけひき、保育・介護の場面での展開、ペットとのつきあい、ひとと楽器の関係など具体的な場に即して、徹底的に考え抜いた哲学エッセイで、鷲田ワールド全開の一冊です。ひとを、道具を、楽器を、衣服を、ペットを……、「つかう」を介して人はどのように、ひとと、社会と、世界と拘わっているのかを深く考察します。カバー写真と文中には、現代写真の先端で作品を発表し続ける、ヴォルフガング・ティルマンスの写真を採用。アートにも親和性の高い一冊です。 -
コロナ・パンデミックによって世界は変わった。グローバル資本主義の神話は崩れ、医療や教育などを「商品」として扱ってはならないことがはっきりし、一握りの超富裕層の一方で命を賭して人々の生活を支える多くのエッセンシャルワーカーが貧困にあえぐ構図が明らかとなった。私たちは今、この矛盾に満ちた世界をどうするかの分岐点にいる。この「歴史的転換点」以後を生きる中高生たちに向けて、5つの世代20名の識者が伝える「生き延びるための知恵」の数々。知的刺激と希望に満ちたメッセージ集。
こんなに誠実な大人たちから、地球を引き継げるワクワクをあなたへ。
──山邊鈴(長崎県立諫早高校3年/「この割れ切った世界の片隅で」作者)
「ウイルス一つによって、わずか数ヵ月の間に、ほんの昨日までこの世界の「常識」だと思われていたことのいくつかが無効を宣告されました。それがどのような歴史的な意味を持つことになるのか、人々はまだそのことを主題的には考え始めてはいません。日々の生活に追われて、そんな根源的なことを考える暇がありませんから。でも、中高生たちはこの「歴史的転換点」以後の世界を、これから長く生きなければなりません。彼らに「生き延びるために」有益な知見や情報を伝えることは年長者の義務のひとつだと僕は思います」(まえがきより)
【目次】
まえがき 内田樹
■1 Letters from around 30
ポストコロナにやってくるのは気候危機 斎藤幸平
楽しい生活──僕らのVita Activa 青木真兵
これからの反乱ライフ えらいてんちょう
■2 Letters from over 40
君がノートに書きつけた一編の詩が芸術であること 後藤正文
技術と社会──考えるきっかけとしての新型コロナ危機 白井聡
「タテ、ヨコ、算数」の世界の見方 岩田健太郎
支援の現場から考える、コロナ後の世界 雨宮処凛
「大学の学び」とは何か──「人生すべてがコンテンツ」を越えて 増田聡
■3 Letters from over 50
コロナで明らかになった日本の最も弱い部分──対話・エンパシー・HOME 平田オリザ
コロナ禍と人間──私たちはどう生きるのか 想田和弘
台風とコロナ・パンデミックは同じか? 俞炳匡
図太く、しぶとく、生きてゆけ──誰も正解を知らない問題にどう答えを出すか 山崎雅弘
■4 Letters from over 60
医療が無料であること 三砂ちづる
人生100年時代、ポストコロナはダブルメジャーで 仲野徹
メメント・モリ──思いがけない出会いに開かれているために 中田考
ディレンマの知性 釈徹宗
■5 Letters from over 70
ポストコロナ期における雇用について 内田樹
自分に固有の問題を考えること 池田清彦
コロナと価値のものさし 平川克美
マスクについて 鷲田清一 -
本書は、現象学を前人未踏の域に導いたフランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティ(1908-61年)の生涯と主要著作をていねいにたどる至高の概説書です。『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)や『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)など、多くの支持を得てきた著者が、みずからの出発点にある哲学者と真摯に向き合い、全力で格闘した稀有なドキュメントがここにはあります。
フランス西部のロシュフォールで生まれたメルロ=ポンティは、高等師範学校でサルトルやボーヴォワールと知り合うい、そしてフッサールの現象学と出会いました。初めての著作が『行動の構造』(1942年)と題されたように、メルロ=ポンティは「生活世界」に注目した後期フッサールを引き継ぐとともに、その中心に身体をもつ人間を据えることで独自の道を歩み始めます。その最大の成果が主著『知覚の現象学』(1945年)です。
戦後はリヨン大学で教鞭を執ったあと、1949年にはソルボンヌの教授、そして1952年には異例の若さでコレージュ・ド・フランスの教授となったメルロ=ポンティは、サルトルとの共同編集で『レ・タン・モデルヌ(現代)』誌を発刊し、『ヒューマニズムとテロル』(1947年)などでマルクス主義に関する考察を続けることで現実と向き合いました。さらにサルトルの実存主義、ソシュールの言語学を取り入れたメルロ=ポンティは、1960年代にはさらなる高みに到達し、『シーニュ』(1960年)を発表しましたが、翌年、惜しまれながら急逝します。残された遺稿は『見えるものと見えないもの』(1964年)や『世界の散文』(1969年)として公刊されました。
これら燦然と輝く著作の数々を激動する時代の中で繰り広げられた生涯に位置づけつつ精緻に考察していく本書は、まさに著者の「主著」と呼ぶべきものです。このたび学術文庫版として新たな装いをまとうことで、永遠の生命を得ることでしょう。
[本書の内容]
まえがき
プロローグ 現象学の地平へ
第一章 構 造――〈行動〉の研究
第二章 運 動――〈身体〉の現象学
第三章 スティル――〈変換〉の現象学
第四章 偏 差――〈隔たり〉の現象学
第五章 可逆性――〈肉〉の存在論
エピローグ 現象学の臨界点
主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
あとがき
学術文庫版あとがき
メルロ=ポンティ略年譜 -
被災地支援から東北の地域社会に入って制作する芸大生、タコツボ無人販売で作品を売る陶芸家、ウクレレ保存化にとりくむ工芸家……。コロナ禍の時代にもひびく、芸術が開く新たな社会性についての注目の評論。
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未来はけっして明るくない。そんな気分が充満するなかで、
どうかこのことだけは心に留めておいてほしいという願いを込めています。
――あとがきより
哲学者・鷲田清一が、大阪大学、京都市立芸術大学の入学・卒業式で、
新しい世界に旅立つ若者へ贈った、8年分の人生哲学。
東日本大震災の2週間後、戸惑いのなかで話されたリーダーシップ論
「… 請われれば一差し舞える人物になれ … 」も収録。
不安と希望が入り混じった若い人へ向けたメッセージはそのまま、
私たち現代人が直面する仕事や人生の悩みに寄り添い、背中を押してくれます。 -
生存、表現、探求――人間の営みの本質とは何か。その果実としての形はどんな味わいなのか。今を良く生きるための哲学エッセイ。モノの形の味わい、生きることの難儀さ、芸術の偉力、考えることの深さ。多面体としての人間の営みとその様々な相に眼差しを向け織りなされる思索。日常を楽しみ味わいながら生きるための技法を、哲学者が軽やかに、しかも深く語るエッセイ80編余を収録。
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大正時代、都市化の進行や人々の意識の変化は、明治に始まった「官製の近代化」とは質の違う近代を歩み始めたのではないか。新しい社会・思想の源があったのではないか。「震災」「民生」「学区」「趣味」「娯楽」「サラリーマン」「職業婦人」「専業主婦」「地方(ぢかた)」「自由」など、この時代の言葉に着目、その発生や流行の社会状況を立ち上がらせながら、現代の社会や暮らし方の起点となった時代を読み解く。
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東日本大震災後、アートのもつ底力がこじあけた未知の社会性とは? 被災地支援に取り組む芸大生と写真家、陶芸家のタコツボ無人販売所、工芸家のウクレレ化保存計画……臨床哲学者が社会とアートの交差する場所に立つ日本の未来への刺激的評論。
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たのしい仕事もあればつらい遊びもある。仕事/遊び、労働/余暇という従来の二分法が意味を消失した現代社会にあって、わたしたちが生きることを支えているものはなにか、それは「働く」ことと「遊ぶ」こととどのようなかかわりがあるのか――。人間性の深みまで掘り下げて労働観・余暇観の歴史にせまり、人間活動の未来像をさぐる、清新な労働論。(講談社学術文庫)
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かつてなく幼稚化した日本。メディアでもネットでも、「こんな日本に誰がした」という犯人捜しの物言いや他罰的な言論が多いと思いませんか? 本書では、日本でいま一番練れた「大人」の思考をもつ哲学者と思想家が、現代社会と成熟について存分に語り合います。「子どもを成熟させないシステムを作り上げてきたのは私たち自身」「人は年をとるほど“多重人格化”していく」等々、ドキリとする言葉が満載。「大人が消えつつある日本」のいまを多層的に分析し、成熟への道しるべを示した目からウロコの1冊です!
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古い寺社は多いが歴史意識は薄く、技巧・虚構に親しむ。けったいなもんオモロイもんを好み、町々に三奇人がいる。「あっち」の世界への孔がいっぱいの「きょうと」のからくり――。〈聖〉〈性〉〈学〉〈遊〉が入れ子になり都市の記憶を溜めこんだ路線、京都市バス206番に乗った哲学者の温かな視線は生まれ育った街の陰と襞を追い、「平熱の京都」を描き出す。(講談社学術文庫)
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「そこに居てくれること」で救われるのは誰か? ケアにあたるひとが、ケアを必要としているひとに、逆にときにより深くケアされ返す反転が《ホスピタブルな光景》には起きている。看護、ダンスセラピー、グループホーム、小学校、ゲイバー――。斯界の第一人者が反転の意味を追い、ケアの現場に立つ13人へのフィールドワークをとおしてケア関係の本質に迫った、臨床哲学のこころみ。(講談社学術文庫)
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「どうしようもなさ」と「かけがえのなさ」。現代人の心のありかを問う。
「死者を育てる」「ゆるキャラの明るいニヒリズム」「正しい声の危うさ」。現代社会にひそむ違和を独特の言葉でとらえ、育てて、その根の部分を複層的に思考する。臨床哲学の視点から発信するやさしい哲学エッセイ。 -
河合隼雄と鷲田清一──偉大なる二人の「臨床家」が、ずばり《臨床》をキーワードに初めて語り合った注目のダイアローグ。
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ロングセラー『「聴く」ことの力』で哲学の新たな地平を拓いた著者が、純粋・所有・国家・宗教などをテーマに思想史の次元に切り込む。
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聴く、届く、遇う、迎え入れる、 触わる、享ける、応える…… 哲学を社会につなげる 新しい試み第3回桑原武夫学芸賞受賞作 わたしは、哲学を〈臨床〉という社会のベッドサイドに置いてみて、そのことで哲学の、この時代、この社会における〈試み〉としての可能性を探ってみたいとおもうのだが、そのときに、哲学がこれまで必死になって試みてきたような「語る」――世界のことわりを探る、言を分ける、分析する――ではなく、むしろ「聴く」ことをこととするような哲学のありかたというものが、ほのかに見えてくるのではないかとおもっている。 本文より
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心が息をふきかえすには? 震災から一年。命を支える「言葉の力」を考える
語りきれない苦しみを抱えて、人はどう生きていけばいい? 阪神大震災を機に当事者の声を聴く臨床哲学を提唱した著者が、東日本大震災から一年を経て、心を復興し、命を支える「人生の語りなおし」の重要性を説く。 -
<わたし>は「他者の他者」としてある。他者の思いの宛先としてここにいる。
生きること、老いることの意味。現代はそういう問いを抱え込んでいる。<わたし>が他者の宛先でなくなったとき、ひとは<わたし>を喪う。存在しなくなる。そんな現代の<いのち>のあり方を滋味深く綴る哲学エッセイ。
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