手掛かりがなく、迷宮入りやむなしという、手掛かりのない3つの難事件に、豊科署の道原伝吉刑事が足を使い知力と執念で挑む。
表題となっている「仮面の雪山」。正月の北アルプスで遭難した大学後輩の救助に向かった中丸伊左男は、猛吹雪の中、捜索隊からはぐれ行方不明になってしまう。
二重遭難となったが、4日後、奇跡の生還を果たす。
しかし、そこには何かが隠されていた……。
「月の女神」は、大糸線穂高駅のホームで女性が倒れていたことが事件の発端。
おびただしい出血があり救急搬送されるが、病院に到着する前に亡くなった。検死の結果、銃弾による失血による死亡とされた。
数人しかいなかったホームでの銃撃だったが、銃声を耳にした者はいなかった……。
「絶頂の餓鬼」は、冬の北アルプスを山行していた4人パーティに悲劇が襲いかかった。
ストーブに使うホワイトガソリンが、水にすり替えられていた!
1人は生き残るが、3人が死亡。誰が何のためにそんなことをしたのか。
事件に潜む宿怨を、道原伝吉刑事が炙りだしていく。
読み応え十分の中編3本からなる山岳推理集である。
「穂高屏風岩」では、穂高屏風岩の屏風ノ頭で恋人と待ち合わせしていたが現れないと、女性が山小屋に助けを求めてきた。男はどこに行ったのか。
「鬼の生還」は、遭難した男が羽毛服を着ていなかったことに違和感を覚えた豊科署の刑事たちは、そこから重大な事件を嗅ぎ取った。
「夜の山脈」では、食堂に4歳の男の子がひとりでご飯を食べやってきた。この子に両親はいないのか。食堂の店主からの通報を受けた道原伝吉は、単なる迷子ではなく、事件が潜んでいると直感した。
660円〜682円(税込)
ちょうどその日、冬の上高地で、カラマツの木に寄りかかるようにして立つ、氷に閉じ込められた遺体が発見された。いったい誰が、手間をかけた遺体をつくったのか。警察官の妻の射殺と関連ははたしてあるのか。稀にみる難事件に、長野県警豊科署の道原伝吉が挑む!一月下旬の朝、警視庁刑事の妻射殺事件のニュースで持ちきりだった長野県警豊科署に「妙な遭難者を発見」の通報が入った。現場は上高地の小梨平。遭難者は若い男性で、氷柱の中に閉じ込められた形で木の幹に添って立っていた。所持品から身元は割れたが、脇腹を二か所刺されていたため他殺と断定、殺人事件へ。手がかりも殺害動機も掴めず、捜査は難航。担当の道原伝吉刑事も、これだけ犯人像が浮かばない事件も珍しい―と。山岳ミステリーの第一人者・梓林太郎の渾身作。
読み応え十分の5つの中編ミステリーからなっている。
表題となった「白銀の暗黒」は、北アルプスの屏風岩で転落死した登山者のテントに、別の登山者の凍死体が発見されたことが事件の発端となった。
「潜伏」では、自分のミスから若い女性を死なせたことから責任をとって辞職した元刑事が、数十年後、死の予感の中で、迷宮入りとなったその事件に、鋭い推理を働かせる。
「弱味」は、6千万円を持ったまま行方不明になった不動産会社社長の行動を追ううちに、忌まわしい過去をあぶり出していく。
「岩尾根の告発」では、ピッケルを間違えてられた若者に悲劇が襲いかかる。
「雪の蝶」では、記憶喪失になった男が、蝶を描くことだけはできるということを知った長野県警豊科署の道原伝吉の見事な推理が冴え渡る。
「避難命令」では、雪山の小屋から署に犯人移送をはじめた伝吉たち刑事の危機を描く。
梓林太郎が、巧みで、力強いことをあらためて知らせている。読後感は清涼だ
登山者の少ない北アルプス霞沢岳で、顔面を無惨に切り裂かれた死体が発見された。
ポケットにはコスモスの花びらが一枚入っていた。
八日後、遠く北海道警旭川東署から、旭岳で同じように顔面を刻まれて殺された死体が見つかったとの報告を、長野県警豊科署の道原伝吉刑事は受けた。
ポケットには同じようにコスモスの花びらがひとつ。
地道な捜査をつづけるが、連続殺人の輪郭を描けず、被害者に共通することは何も見つけられない。
捜査本部に行き詰まり感が漂いはじめた頃、第三の殺人の報が入った。
宿怨を抱く犯人とは誰か。
そして、殺された者たちに共通する行いとは何だったのか……。
刑事の鬼気迫る執念が、男たちの闇をあぶりだしていく。
付与コインの内訳
316コイン
会員ランク(今月ランクなし)
1%
初回50%コイン還元 会員登録から30日以内の初回購入に限り、合計金額(税抜)から50%コイン還元適用
複数商品の購入で付与コイン数に変動があります。
会員ランクの付与率は購入処理完了時の会員ランクに基づきます。
そのため、現在表示中の付与率から変わる場合があります。
【クーポンの利用について】
クーポン適用後の金額(税抜)に対し初回50%コイン還元分のコインが付与されます。
詳しくは決済ページにてご確認ください。