永琳に相談を持ちかけるため、幻想郷を訪れたサグメ。竹林で迷っていると、ガラクタ拾いをしていた妖怪兎たちと出会う。
一匹の兎が抱えていた人形。誤解からサグメに押し付けられたそれは、持ち主の心の中を代弁してしまう呪いの人形であった。
次々と内心を暴く人形に、サグメは思い至る。口にすることで事態を反転させてしまうサグメの力が、人形の口を介して発現しているのではないかと。
迷うはずの道に迷わない。
会えるはずの人に会えない。
倒せるはずの敵が倒せない。
自身の能力に翻弄されながら、手放せない人形の解呪のために幻想郷を駆け回る。だが、神話に残る舌禍は、破滅的な事態へと運命を反転させる。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第十九弾。
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永琳に相談を持ちかけるため、幻想郷を訪れたサグメ。竹林で迷っていると、ガラクタ拾いをしていた妖怪兎たちと出会う。
一匹の兎が抱えていた人形。誤解からサグメに押し付けられたそれは、持ち主の心の中を代弁してしまう呪いの人形であった。
次々と内心を暴く人形に、サグメは思い至る。口にすることで事態を反転させてしまうサグメの力が、人形の口を介して発現しているのではないかと。
迷うはずの道に迷わない。
会えるはずの人に会えない。
倒せるはずの敵が倒せない。
自身の能力に翻弄されながら、手放せない人形の解呪のために幻想郷を駆け回る。だが、神話に残る舌禍は、破滅的な事態へと運命を反転させる。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第十九弾。
吸血鬼レミリア・スカーレットは、友人の魔女の戯れによって、性格まで鏡写しになった己の偽物を生み出されることになる。本物と違って素直で勤勉な偽物は、消え去るまでの間、紅魔館に暖かく迎え入れられた。
不快の種だった偽物騒動も一旦の落ち着きを見せた頃、今度はレミリアに些細な不調が這い寄っていた。
陽の光が、普段より痛い。
魔力が、いつもより心許ない。
自分から、力が失われている――。
困惑するレミリアは、原因を求めて己の運命を垣間見る。しかし、飛び込んできたビジョンは、紅魔館の皆を呪いながら消滅する未来の姿だった。
そして彼女は理解することとなる。それは、黒死の悪魔と呼ばれていた『吸血鬼になる前のレミリア』という過去に裏打ちされた、避け得ぬ運命なのだと。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第四弾「レミリア・スカーレットは蝕が怖い」が、全編改稿を経て新装版として蘇る。
ある日、鈴奈庵に一冊の奇妙な本が持ち込まれた。どんな文字で書かれた本も読み解く能力を持つ小鈴にすら読めないその本は、文字通り読まれることなく引き出しの奥に仕舞われ、そして忘れ去られた……。
それからしばらくして、小鈴に二つの異変が襲いかかる。
妖怪の悪夢に連日魘されること。
読めるはずの妖魔本が読めなくなっていったこと。
蝕まれる精神と喪失の恐怖に駆り立てられ、ただの落書き帳と化していく本たちを必死に調べる小鈴。そして残酷な真相に辿り着いたとき、抗いようのないこの異変の本質に絶望する。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第三弾「本居小鈴は識が怖い」が、全編改稿されて今蘇る
ある冬の日、妖怪・覚である古明地さとりは、事故によって読心の核である第三の目に傷を負った。傷は癒えることなく、やがてさとりは他人の心の声を聞くことができなくなる。
初めは、煩わしい声を聞かずに過ごせる人生のバカンスだと思っていた。療養の時間はひとときの幸せになるだろうと喜んですらいた。
けれどそれは、不幸の始まり。『あいつは何を考えているの』『どうしてそんなことをするの』――相手を理解できることが当たり前だった生活は一変し、些細な快適さを塗りつぶす苦悶をさとりが襲う。
そしてさとりは、静寂の中で理解することになる。最も理解できない存在こそ、この世で最も恐ろしいのだと。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第二弾「古明地さとりは静が怖い」が、全面改稿&新規シーン追加を経て、新装版として蘇る。
不死の妙薬を口にし、永遠の命を得た人間・藤原妹紅。千三百年の人生に飽いて死を求めていた彼女は、ある日、不死鳥の炎を生み出せなくなっていることに気づく。
一眠りしても治らない変調。不死身にあるまじき病の兆候。悠久の時の中で初めて遭遇したその異常に、待望していた本当の死を予感する。
だが、同時に去来したのは、千三百年余りの間忘れ去っていた死の恐怖。 限りある生命にやり直しは効かない。
心臓を突いたその先なんて存在しない。
自殺なんて、試せるわけがない。
あれほど疎んでいた生を求め、泥に塗れるように暮らし始める妹紅は、ここがどこなのか思い知らされることになる。
妖怪を隣人とする地・幻想郷。
死を隣に置いた地獄の園で、妹紅は堕ちた不死鳥として――ただの人間としてもがいていく。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた各巻完結型のサスペンスホラー・幻想少女恐怖シリーズ第一弾「藤原妹紅は死が怖い」が、十年の時を越えて新装版として蘇る。
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