「浅草寺の便所が破壊されただと!?
あれは俺たち大工『峰匠』が魂を込めてぶったてた豪華な便所だ」。
棟梁である松五郎は、娘のお初の婚礼もそこそこに、現場へすっとんでいった。
そこへさらに別のところで放火事件が勃発。
これまた「峰匠」が手がけた蔵だった。何者かの策謀か!?
大家族が路頭に迷うか迷わぬか、一刻を争う事態にお多枝は!?
まずは茶を飲んで落ち着くべし!
各550円 (税込)
時は天保の末期。浅草駒形町の大工『峰庄』の棟梁松五郎は、一年半ほど前に先妻を不慮の事故で亡くし、年老いた両親と七人の子どもの面倒をみるため後妻を娶ることにした。
しかし、こんな大家族のもとに来てくれる嫁はなかなかいない。
六人目の見合い相手は二十二歳のお多江という可愛い娘――本作の主人公である。
もちろん、先妻のわる餓鬼どもが起こす事件によって、
ハチャメチャな人生を歩む破目になるのであるが。
「姫様お忍び事件帖」の作者が送る、大家族時代劇コメディここに開幕!
「おふぇの、ふんふぉしを…」
前歯が四本抜けた義父の峰吉が何か言っている。
「おれの褌を洗ってくれてるのか」って言ってるみたいと、お多枝が老人の唇の動きを読んで通訳した。
大家族の一員となった嫁のお多枝は、おでぶの長女お初に花嫁修業をさせようと洗濯をさせていた。
これも、相撲取りかと馬鹿にされ、傷心のお初のため―。
明日のための減量その一、家事のついでにやせるべし。
「俺だよ俺、助けてくれ」と子どもの筆跡を真似た手紙を使い、年寄りから金を奪う悪い輩が現れた。
かみなり大家族の次男時次郎は、下っ引きとして、近所の婆さん連中に注意を促す。
「そんな手にだまされる馬鹿がいるもんかね」と一笑に付されていたが、その姿を逆に頼もしく思う母親のお多枝。
これなら大丈夫だわ、と安心した矢先、一人の婆さんが行方不明に…
やっぱりだまされたんかい。
「浅草寺の便所が破壊されただと!?
あれは俺たち大工『峰匠』が魂を込めてぶったてた豪華な便所だ」。
棟梁である松五郎は、娘のお初の婚礼もそこそこに、現場へすっとんでいった。
そこへさらに別のところで放火事件が勃発。
これまた「峰匠」が手がけた蔵だった。何者かの策謀か!?
大家族が路頭に迷うか迷わぬか、一刻を争う事態にお多枝は!?
まずは茶を飲んで落ち着くべし!
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