『講談社選書メチエ、雑誌を除く(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧
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地中海を中心に興亡を繰り返したさまざまな古代文明の世界、すなわち「地中海世界」の歴史を、古代ローマ史研究の第一人者、本村凌二氏が描きつくす。講談社選書メチエ創刊30周年を記念して堂々刊行する、全8巻。第1回配本は、1・2巻の同時発売。
「地中海世界」といえば、従来は「古代ギリシア・ローマ世界」と同義と思われてきたが、近年の研究ではもっと広く、古い時代からとらえられるようになったきた。それは、文明の発祥地メソポタミア、エジプトから、ペルシア帝国、ギリシアの都市国家を経て、ローマ帝国の誕生と崩壊にいたる、約4000年の歴史世界である。文字・貨幣・一神教の誕生、独裁制と民主主義、哲学と科学による真理の探究など、現代に続く人類の営みは、この「地中海世界」で始まっている。
第1巻は、地中海世界が共有する神話の世界から説き起こす。メソポタミアに文明を興したシュメール人の神々は、人間に何を語りかけたのか。古代エジプトの異形の王が断行した宗教改革とは。弱小勢力が興亡するパレスティナに起こった人類史的変動とは何か――。
1000年に一度の「文明の転換期」とも言われる現在、「1000年単位の歴史の変動」とはどんなものなのか、人類の歴史と現在を考える全ての読者にお送りする必読のシリーズ。
目次
序章 地中海世界とは何か
第一章 愛の女神イナンナに始まる
1 文字と都市の出現
2 シュメールの王、ギルガメシュ
3 「戦争」と「平和」の風景
4 アッカドからバビロニアへ
第二章 神々の河は地中海にそそぐ
1 聖なるナイルの王権
2 時はピラミッドを怖れる
3 古王国・中王国時代
4 新王国時代
第三章 両翼の狭間で
1 シリア・パレスチナの馬と群雄
2 ヘブライ人の登場
3 海の民とフェニキア人
第四章 神々の声が聞こえる
1 叙事詩のなかの神
2 神の声を聞く人々
3 自然信仰とマアト
4 心性の考古学
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より正確で安価なクオーツ式が普及したにもかかわらず、
高価な機械式腕時計に魅せられる人が後を絶たないのはなぜなのか?
機械式時計の定義と基本構造から、
クロノグラフや永久カレンダー、リピーターなど五大複雑機構の仕組みと変遷、
一三世紀から今日に至る歴史の中で語り継がれる数々の逸話の真偽、
スイス、ドイツ、日本の現行85ブランドの特徴と代表モデル、
さらには購入時や使用時の注意点まで――。
博覧強記の著者が半世紀に亘って積み重ねた知見を、豊富な図版と共に披露。
序章・そもそも機械式時計とは
1)機械式とクオーツ式 2)そもそも「機械式」とは何か
第一章 機械式時計の基本構造
第二章 複雑機構
序)複雑機構とは何か
1)クロノグラフ 2)永久カレンダー 3)天文表示 4)オートマタ 5)「鳴り物」(アラーム・ソムリ・リピーター)
第三章 間違いだらけな時計の歴史
11~13C・機械式の起源:「機械式時計は中国で発明された」=×
14C・複雑機構の起源:時計の機構はより複雑な方が高度である=×
16C・携帯時計の起源:「携帯時計はペーター・ヘンラインが1505年に発明した」=×
16C・時計と宗教改革:「スイスで時計産業が発達したのは水と空気がきれいな山国だから」=×
16~19C・和時計の誕生と進化:「機械式時計の1時間は夏でも冬でも変わらない」=×
17C・振子とヒゲゼンマイの誕生:「振子時計はガリレオが発明した」=×
18C・経度の発見:「クロノメーターは時計の精度の公式認定規格」=△
18C・マリー・アントワネットと3人の時計師:「ボーマルシェは劇作家である」=△
18~19C・時計産業の機械化:「高級時計は伝統的な手仕事で作られる」=△
19~20C・腕時計の誕生:「腕時計はA=L・ブレゲが発明した」=×
20C・クオーツ危機:「日本のクオーツ式がスイスの機械式を駆逐した」=×
20C・スイス時計産業の復興:「スウォッチグループはN(ニコラス)=G(ジョルジュ)・ハイエック氏が創業した」=△
21C・スイス時計20××年問題:「機械式腕時計のムーヴメントは大半がETA社製」=○→×
第四章 機械式時計の現状と主なブランド
第五章:機械式腕時計の選び方と買い方
1)何を選ぶ? 2)どこで買う? 3)どこを見る?
コラム1:「エアリーの定理」って、どんな定理?
コラム2:スイスの時計業界用語
コラム3:「時計界のピカソ」G・ジェンタ
コラム4:腕時計のドレスコード -
日本人研究者による待望の入門書、登場! 世界を創造した神は〈善〉か〈悪〉か? 「人間は<偽りの神>が創造した偽りの世界に墜とされている。われわれはこの汚れた地上を去り、真の故郷である<天上界>に還らなければならない」――誕生間もないキリスト教世界を席巻した<異端思想>。膨大な史料を博捜し、その実像に迫る。(講談社選書メチエ)
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誰もがその名は知っている本居宣長の大著『古事記伝』。しかし、全巻読み通した人はほとんどいないといっていいだろう。つまみ食い的に読んで彼の思想を語る前に、まず、細部まで精緻に読み抜こうではないか。とはいえ、宣長の注解は多岐・厖大にわたり、簡単に読み切れるものではない。本書は、現代の代表的『古事記』研究者が、その責任において、徹底的に、かつわかりやすく『古事記伝』全44巻を読み解いていく画期的なシリーズである。そこに浮かび上がってくる宣長の無類のおもしろさ、そして思想の核心とは──。(講談社選書メチエ)
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「黒いイギリス人」とは、Black Britishの訳語である。「黒人のイギリス人」である彼らは、歴史に翻弄されながらも、「白いイギリス人と女王様の国」では忘れられた存在だった。
「黒人史」といえば真っ先に思い浮かぶのは「アメリカ黒人史」だが、アメリカ黒人史の多くは「アメリカの国内史」として語られるのに対し、イギリスの場合、その黒人史はブリテン島内だけでなく、海を越えて東西にわたる帝国に視野を広げて見る必要がある。ここに「イギリス黒人(在英黒人)」にとどまらない「黒いイギリス人」という語を用いる意図がある。
イギリス史には古くから黒人が姿を見せる。イングランドに最初の黒人女性が現れたのはローマ時代。16世紀チューダー朝の絵巻には王室付き黒人ラッパ手が描かれている。17世紀初頭、エリザベス女王は黒人追放令を発し、シェイクスピアは『オセロー』でムーア人の軍人を主人公にした。さらに、18世紀の新聞の「逃亡奴隷」の広告データベース分析や、アメリカ独立戦争で王党派についた「黒人ロイヤリスト」たちの命運、ロンドンの黒人貧民をアフリカに移送する「シエラレオネ植民計画」の顛末など、「黒いイギリス人」の歴史は「イギリス帝国」の光と影を映し出す。
長期的かつグローバルな視点で、その移動と混合の歴史をたどり、社会的マイノリティの共生の道をさぐっていく。
目次
はじめに:「白いイギリス人」と女王様の国で
序章 「黒いイギリス人」とは誰か
第1章 最初の来訪者たち:ローマ帝国期から近世まで
第2章 逃亡奴隷のプロファイル:18世紀前半
第3章 シエラレオネ計画の夢と失望:18世紀後半
第4章 奴隷解放と「黒人消滅」:19世紀
第5章 世界大戦下の黒人臣民と黒人米兵:20世紀前半
第6章 戦勝国の旧弊:20世紀後半
終章 「イギリスらしさ」を担うのは誰か
あとがき -
あなたが「思っている」と思っていることは、全部でっちあげだった!
「心の奥底には何かが隠されている」と、誰もが思いたがる。
心理学者や精神分析学者たちは、暗がりに潜むものを暴き出そうと奮闘してきた。
だが、神経科学や行動心理学の驚くべき新発見の数々は、隠された深みなどそもそも存在しないことを明らかにしている。
「無意識の思考」などというのは、神話にすぎなかったのだ。
わたしたちの脳は、思考や感情や欲望を「その瞬間に」生み出している……行動の理由も、政治的信念も、そして恋心さえも。
本書が紹介する数々の驚くべき実験結果を目にしたとき、そのことを疑うことはもはや不可能になる。
世界はどのように存在し、自分はどんな人間であるのか―それも、脳がもつ途方もない即興能力によって創り出されるフィクションなのだ。
認知科学をリードする世界的研究者が"脳と心"の秘密を解き明かす、超刺激的論考!
※原題は、The Mind is Flat: The Illusion of Mental Depth and The Improvised Mind (Penguin, 2019)
【本書「訳者解説」より】
本書の最終結論である「心には表面しかない」ということは序章から明記されており、深みという錯覚で私たちを騙している犯人は脳であるということが、あたかも最初から犯人がわかっている倒叙ミステリーのごとく、はじめから述べられている。そして、心理学実験を紹介しながら進められる論証は、章を追うごとに説得力を増していくことが、一読してわかるだろう。
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チェイター教授は、オークスフォード教授との推論心理学(人間はどのように推論するのか)の共同研究を続けつつ、意思決定や判断、言語や社会的相互作用へと研究領域を拡げ、また自ら会社を共同創業したりイギリス政府へ協力したりと、認知科学のビジネスや政策への応用にも取り組んでいる。
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「心は実体というよりは、外界と接する接触面(インターフェイス)における即興演奏の ”手癖” である」という捉え方を展開する本書の見方の射程はかなり広い。
【本書の内容】
序章 文学の深さ、心の浅さ
第一部 心の深みという錯覚
でっち上げる力/現実という実感/インチキの解剖学/移り気な想像力/感情の創作/選んだ理由の捏造
第二部 即興が「心」を作る
思考のサイクル/意識の経路の狭さ/無意識的思考という神話/意識の境界/原理ではなく前例/知性の秘密
終章 自分を創り直す -
かつて、「歴史」を必要としたのは権力者だった。権力者は自らの支配を正当化するために歴史を書かせた。歴史家は往々にして、権力者に奉仕する者だったのである。しかし、近代歴史学の使命は、権力を監視し、批判することにこそある。近代世界の覇権を握った西洋文明を相対化し、西洋中心史観と中華主義からの脱却を訴える、白熱の世界史講座。
近代以前の世界では、中央ユーラシア諸民族の動向が、歴史を動かしていた。騎馬遊牧民はどのように登場し、その機動力と経済力は、いかに周辺諸国家に浸透していったのか。シルクロードのネットワークを媒介とした「前近代世界システム論」とは。ソグド人やウイグル人のキャラバン交易や、キリスト教の最大のライバルだったマニ教の動向などを、ユーラシア各地に残る古文書、石碑の読解から得たオリジナルな研究成果をもとに解明していく。そこから見えてくるのは、あらゆるモノは歴史的所産であり、文化・言語・思想から、政治・経済活動まで、すべては変化し混ざり合って生み出され、純粋な民族文化や普遍的な国家など存在しない、という真実である。さらに、近年日本で発見されて世界的な注目を浴びるマニ教絵画から、日本伝来の史料で明らかになるシルクロードの実像まで。「興亡の世界史」シリーズ最大の話題作『シルクロードと唐帝国』の著者による、待望の書下ろし。 -
いつ、日本に伝わったのか? なぜ、辛いのか?
辛いししとうと、辛くないししとうの違いとは?
ダイエットの効果はあるのか?
「辛い」というよりも「臭い」ハバネロ、「ネズミの糞」の名を持つ激辛種・・・。
知れば知るほど汗が出る。科学と食文化の両面から、世界のトウガラシを挟み撃つ、刺激的な「食の教養」!
第一部では、食用トウガラシの起源から、たくさんの種類、辛さの秘密、トウガラシでのダイエットまで、「トウガラシの基礎知識」を解説。
第二部は、トウガラシの故郷・中南米のハバネロに代表される激辛料理に始まり、スペイン、イタリア、東欧などのヨーロッパの郷土料理、さらにアフリカ、インド、タイ、中国、韓国・・・などなど、「世界一周トウガラシ紀行」。そして、実は豊かな日本の「唐辛子文化」を京都、信州はじめ各地に訪れる。 -
イギリスは貿易と戦争、そして「掠奪」で世界の海を制したのだった! 最強の海洋帝国と荒くれ者たちが動かした歴史を描く驚異的論考! 注目の若手研究者が、大きな歴史のうねりと、海の男たちの苦闘とを多層的に、鮮やかに描き出す。大海原の波濤の向こうに、誰も知らない世界史があった!
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戦国時代は「応仁・文明の乱」より13年早く、関東から始まった――。 享徳3年(1454)、古河公方と上杉氏の対立に始まる仁義なき抗争。以降30年近くにわたる戦乱を著者は、「享徳の乱」と称すべきと学界に提唱した。本書はこの用語をメインタイトルとし、「戦国時代の開始=応仁の乱」という根強い「国民的常識」を正さんとする著者年来の宿願である。
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共和政期以来、ローマ帝国を支えてきた元老院。しかし、軍事情勢が悪化し、貧富の差が拡大した三世紀以降、支配権はバルカン半島出身で下層民からのぼりつめた軍人皇帝の手に移る。アウレリアヌス帝、ディオクレティアヌス帝、コンスタンティヌス帝など、七七人中二四人が、バルカン半島出身の軍人皇帝である。ローマ文明を担うエリートの元老院の失墜と武人支配への変化を描き、ローマ帝国衰亡の世界史的意味をとらえなおす。(講談社選書メチエ)
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15世紀後半~18世紀後半、4万人以上の魔女が殺戮された。中世ではなく、近代黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜか? 「魔女狩りとは何か」という問いかけは、「ヨーロッパ近代とは何か」とイコールである。魔女狩りとヨーロッパ近代誕生の関係を新視点から解き明かす。視覚文化論、哲学、宗教学的な知見を盛り込み、魔女狩りの歴史研究を通したヨーロッパ近代化論、および人間存在と人間文化を探究した冒険的著作です。(講談社選書メチエ)
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核戦争、環境破壊、パンデミック、超AI……人類滅亡の可能性はきわめて高い。
しかしそれを切り抜けたならば、人類は宇宙を征服するだろう、と言われる。
そのとき「人類」は果たして「ヒト」だろうか?
そして存続を目指すべき「人類」の範疇とは?
超未来を想定すると、問うべき倫理と答えは変わる。
イーロン・マスクやテック企業家たちを熱狂させ、先端技術の基底思想になりつつある「長期主義」を軸に、ポストヒューマニズムの最前線を追う。
[本書の内容]
はじめに
1 『風の谷のナウシカ』と考える超未来
2 長期主義とは何か?
第一章 最大多数の最大幸福
1 長期主義はどこからやってきたのか?:ピーター・シンガーと功利主義の革新
2 未来のための行いが未来のためになるとは限らない:デレク・パーフィットと世代間倫理
第二章 人類が滅びる可能性
1 ニック・ボストロムと存亡リスク
2 カタストロフ保険はありうるか?
3 ポストヒューマン時代
第三章 未来への対立軸
1 道徳哲学における長期主義
2 加速主義とテクノ・リバタリアン
3 これは新しい優生学か?
第四章 動物たちの未来と反出生主義
1 奴隷的存在は生まれてこない方がよかったのか?
2 動物・AI・人造人間の尊厳
第五章 倫理は常識に合致するか?
1 功利主義と不平等
2 「いとわしい結論」
3 未来のために現在を犠牲にするべきか?
第六章 あなたが存在する世界と非同一性問題
1 枝分かれする世界線
2 道徳か、人生の意味か?
3 不死は悪か?
第七章 シングルトンの困難
1 ノーマル・アクシデント
2 宇宙へのエクソダス?
第八章 宇宙には他に誰かいるのか?
1 フェルミ・パラドックス
2 この世界はシミュレーションか?
第九章 本当に人類は宇宙に出ていいのか?
1 引きこもり文明
2 暗黒森林理論
第十章 それでも宇宙を目指す意味
1 星間文明
補論 星間スーパーコンピューター
2 分岐する人類
おわりに 現在と未来
1 まとめ
2 『風の谷のナウシカ』と考える現在
3 終末なき終末論
注
あとがき -
世界がキリスト教化する前、ローマ帝国は伝統的なギリシア・ローマの神々に加え、オリエントの神々、さらにはキリスト教、ユダヤ教の一神教に至るまで多彩な信仰や宗教で賑わっていた。そのなかでひときわ勢力を誇ったのがミトラス教である。
キリスト教最大のライバルとまで言われながらも消滅したこの宗教の実態は、文献史料の乏しさゆえに今も謎に包まれている。最新の発掘成果や研究を踏まえつつ、その全体像に迫る。
なぜミトラス教は帝国の数ある信仰のなかで隆盛し、そしてキリスト教に敗れたのか――。
壮大なスケールで異教にぎやかなりし帝国の姿を描き、ヨーロッパ世界の深層を照らし出す。
「もしキリスト教が何らかの致命的疾患によってその成長を止めていたならば、世界はミトラス教化していただろう」。19世紀フランスの宗教学者エルネスト・ルナンはこのように述べて、キリスト教最大のライバルとしてミトラス教を名指しした。
ユピテルやマルスなどの伝統的な神々にエジプトのイシスやアヌビス、小アジアのキュベレアッティスなどのオリエントの神々、さらに一神教のキリスト教、ユダヤ教に至るまで、数多くの信仰で賑わった異教時代のローマにおいて、なぜミトラス教は信仰を広めることができたのか。そして、なにゆえキリスト教に敗北したのか――。
古代オリエントの神々のなかでも例外的に広く東西に伝わったミトラ(ミスラ)の存在は、中央アジアを越えて日本にも伝播しており、平安貴族に日記としても使われた具注暦にその痕跡を残している。
この古代オリエント、ヘレニズム時代に始まるミトラ崇拝とローマ帝国の密儀宗教ミトラス教は、どのような関係にあるのか。いつ、どこでどのようにミトラス教は誕生し、拡大したのか。宗教組織や儀式、神話、信者がこの宗教に求めたものに至るまで、異教時代のローマ帝国の姿とともにその全貌に迫っていく。
オリエントを射程にいれた大きなスケールで歴史を捉え、ヨーロッパ世界の深層が浮かび上がる!
【本書の内容】
はしがき――宗教的カオスの中で
序章 謎の宗教への挑戦――一歴史学者のみた夢
第1章 古代オリエント世界の信仰――密儀宗教化前夜
第2章 亡国の王族か、解放奴隷か――教祖の存在と教線の拡大
第3章 密儀と七つの位階――ギリシア神話との関係
第4章 孤独と忍従――ローマ帝国の兵士と奴隷の人生
第5章 異教の時代の終焉――キリスト教の圧力
終章 世界はミトラス教化したのか――ヨーロッパ世界の深層へ -
ユーラシアの遊牧民が、世界史のなかで果たしてきた役割の大きさについては、近年、広く知られている。黒海沿岸にまで黄金文化を展開したスキタイや、歴代の中華王朝を脅かした匈奴や鮮卑、突厥などの存在、さらに13世紀にモンゴルが築いたユーラシアの東西にまたがる大帝国は世界史の転換点になったといわれる。
しかし、こうして語られる壮大な歴史像に、本書の著者は心を躍らせる一方で、不満も感じてきたという。そのなかに「遊牧民の姿は見えなかった」というのだ。
ユーラシア大陸を人体に見立てれば、モンゴル高原がその心臓部にあたるという。そこに暮らす遊牧民たちの動静が生み出す人と物の流れが、血流のように各地に行きわたり、人種、民族、宗教の垣根を越えて新しい細胞を目覚めさせてきたのだ。本書は、30年以上モンゴル各地の遺跡を発掘してきた著者が、その成果を集成した「遊牧王朝全史」である。
近年の考古学は理系研究者との協業により、新たな知見を次々もたらしている。例えば、出土人骨の最新のゲノム解析では、多数の東ユーラシア人を少数の西ユーラシア系エリートが統治していた匈奴という遊牧王朝の実態がわかってきている。また、歯石からは摂取していた乳の種類もわかるという。さらに、権力の源泉となる鉄はどこから来たのか、モンゴル帝国が営んだカラコルム首都圏の実態は――。文献史料には表れてこない、遊牧と騎乗の起源の探究に始まる「馬と遊牧のユーラシア史」を知る必読の書。
目次
はじめに
第一章 始動する遊牧民族――青銅器・初期鉄器時代
1 遊牧民の登場
2 家畜馬の到来
3 エリート層の形成
4 遊牧王朝の萌芽
第二章 台頭する遊牧王権――匈奴、鮮卑、柔然
1 ゴビ砂漠の攻防
2 シン・匈奴像
3 単于の素顔
4 みずから鮮卑と号す
5 カガンの登場
第三章 開化する遊牧文明――突厥、ウイグル
1 トルコ民族の勃興
2 大国の鼻綱
3 突厥の再興
4 ウイグルの興亡
第四章 興隆する遊牧世界――契丹、阻卜、モンゴル
1 契丹と阻卜
2 モンゴル部族の登場
3 最初の首都
第五章 変容する遊牧社会――イェケ・モンゴル・ウルス
1 国際都市の繁栄
2 大造営の時代
3 亡国の影
おわりに
参考文献
索引 -
インドで誕生した仏教は、いかにして世界に広まったか。その鍵は、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教など他の一神教とは異なり、仏教は現地の言語に翻訳されることを積極的に認めたことにある。本書の著者、ジャン・ノエル・ロベール氏によれば、仏教が中国に伝播するのは、同じインド・ヨーロッパ語族のユーラシア西部に伝わるよりもずっと困難だったはずだという。
チベット、モンゴルから中国、朝鮮、さらに日本へ、また、東南アジアやヨーロッパでは全く別の姿を見せながらも「仏教」としてひとつのまとまりを見せる「世界宗教」の変遷と広がりを、フランス屈指の東洋学者が平易に解説する。
なお著者は、日本語、中国語はもちろん、チベット語、サンスクリット語、ラテン語、ギリシャ語など多くの言語に通じ、日本仏教の研究などにより、2021年、第3回日本研究国際賞を受賞している。
チベット文献学の第一人者で、著者と旧知の今枝由郎氏が翻訳し、充実した訳注と解説を付した。巻末には関連年表、索引も完備。著者による「日本語版のための序文」も掲載。
原著=Petite histoire du bouddhisme: Religion, cultures et identites,.Edition J’AI LU, Paris, 2008 -
中国の歴史は、統一王朝時代と分裂時代の繰り返しである。そして、漢族と北方遊牧民との対立と融合の歴史でもある。なかでも、秦漢帝国が滅亡した後の「魏晋南北朝時代」は、それまでの「中華」が崩壊し、「新たな中華」へと拡大・再編された大分裂時代だった。この「中国史の分水嶺」で主役を演じたのが、本書の主人公、拓跋部である。
拓跋部は、モンゴル高原の騎馬遊牧集団・鮮卑に属する一部族だった。3世紀、部族国家を築いて歴史に登場し、386年には拓跋珪が北魏王朝を開いて、五胡十六国の混乱を治めた。
北魏では、皇太子の母が死を賜る「子貴母死」や、亡き父の妃を息子が娶るレビレート婚など、遊牧社会の伝統を残しつつ、雲崗・龍門の石窟寺院で知られる仏教文化や、名君・孝文帝の漢化政策により文化の融合が進み、「新たな中華」が形成された。北魏の首都・洛陽の平面プランは、唐の都・長安に受け継がれ、さらに奈良・平城京へともたらされるのである。
北魏は6世紀に東西に分裂するが、その後、中国を統一した隋王朝、さらに大唐帝国の支配層でも拓跋部の人々は活躍し、「誇るべき家柄」となっていた。「夷狄」「胡族」と呼ばれた北方遊牧民の子孫たちは中国社会に溶け込みつつも彼らの伝統を持ち込み、「中華文明」を担っていったのである。
目次
はじめに――分裂と夷狄・胡族の中国史
第一章 拓跋部の故郷――遊牧と伝説
第二章 部族を集めろ――「代国」の時代
第三章 部族を再編せよ――北魏の成立
第四章 中華の半分を手に――胡漢二重体制
第五章 中華の中心へ――孝文帝の「漢化」
第六章 胡漢融合への模索――繁栄と分裂
第七章 誕生! 新たな中華――隋唐帝国の拓跋
おわりに――なぜ中華文明は滅びないのか
あとがき
参考文献
索引 -
アダムとエバ(イブ)の創造、「ノアの箱舟」、「バベルの塔」、シナイ山でモーセが神と交わした「十戒」など、旧約聖書にはよく知られた逸話が数多く登場します。また、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる四つの「福音書」に始まる新約聖書も、「最後の晩餐」、イエスの処刑など、印象深い記述に事欠きません。
しかし、旧約と新約を読破したことのある人は、どれくらいいるでしょうか。クリスマスに代表される聖書に基づくイベントになじんでいる日本人の多くにとって、聖書そのものは決して身近なものではないと言わざるをえないのではないでしょうか。そして、そのことはキリスト教文化圏であるフランスでも近年は変わりないようです。
本書は、そのような現状を前にしたパスカル研究の第一人者が、一般の読者のために書き下ろした概説書です。旧約・新約を構成するすべての書を万遍なく紹介するとともに、重要なエピソードや預言者などの主要人物については別個に取り上げて分かりやすい説明が加えられます。その上、それぞれの書が西洋文化の中でどのように用いられ、息づいているかが、文学、絵画、音楽、演劇、映画など、多彩なジャンルの具体的な作品を通して示されます。ブリューゲルの《バベルの塔》、ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》、バッハの《マタイ受難曲》など、有名な作品のみならず、西洋には聖書に想を得た作品が無数にあることを知れば、聖書がもつ力の広大さと奥行きを実感することができるでしょう。
フランスの碩学がガイドを務める聖書の旅へ、一緒に出かけましょう! -
香港の民主化運動への禁圧、台湾への軍事的圧力――。現在の中国が見せる、特に南部への強硬な姿勢には、どのような歴史的背景があるのだろうか。中国史のフロンティア=華南地方の周辺民族と移民活動に焦点を当て、南から中国史を見直す。
中国の歴史は従来、黄河流域に展開した古代王朝の興亡史や、騎馬遊牧民が打ち立てた大帝国など、「北から動く」ものとして捉えられてきた。しかし、清代末期、広州などの港町を窓口とした近代ヨーロッパとの出会いをきっかけに、新しい時代が始まる。洪秀全の太平天国、孫文の辛亥革命など、社会変革の大きな動きは南から起こり、中国史上初めて「南からの風が吹いた」のである。その「風」を起こしたのは、漢民族にヤオ族・チワン族やミャオ族、さらに客家など様々な人々が移動と定住を繰り返す「越境のエネルギー」だった。
世界のチャイナタウンではなぜ広東語が話され、福建省出身者が多いのか。周辺民族は、漢民族のもたらす「文明」にどのように抵抗し、あるいは同化したのか。辺境でこそ過剰になる科挙への情熱や、キリスト教や儒教と軋轢を起こす秘密結社、漢民族から日本人そして国民党と、波状的な支配を受ける台湾原住民など、中国社会の多様性と流動性を史料と現地調査から明らかにし、そこで懸命に生きてきた人々の姿を見つめる。
目次
序章 中国史のフロンティア=華南
第一章 動き出した人々――福建・広東の移民活動
第二章 越境する漢人移民――広西と台湾への入植
第三章 辺境の科挙熱――中国文明と向き合う
第四章 周辺民族の抵抗と漢文化――流入する移民と秘密結社
第五章 太平天国を生んだ村で――移民社会のリーダーたち
第六章 械闘と動乱の時代――つくり直される境界
終章 越境してやまない人々――海外移住と新たな統合
あとがき
参考文献
索引 -
完全解読シリーズ第4弾は、現象学の祖フッサール前期の代表作。主-客問題を批判し認識問題に大転換をもたらした画期的著作を読む。
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出会わざる二つの巨星、ここに出会う。
芸術と政治権力の矛盾に満ちた「共生」の秘密を解き明かす、ドイツ哲学の大家による鮮やかな新解釈。
将軍・足利義満の寵愛を受け、芸術界の頂点を極めた世阿弥は、しかし義教の時代に一転冷遇され、佐渡配流に。一方、織田信長に引き立てられ、豊臣秀吉に優遇された千利休も、最期は秀吉から自刃を賜ることになった。
「芸道と権力の矛盾的共生」を生きた稀代の芸術家二人は、弛緩と緊張の相半ばする時代と人生の只中で、能楽と茶の湯という芸道をいかにして成らしめたのか。時の隔たりを超え、二つの巨星を突き合わせることで見えてくる、日本的美の深奥としての「遊」の境地。
[本書の内容]
第一章 なぜ「世阿弥と利休」か
一 六百余年の忘却に埋もれていた世阿弥
二 「世阿弥と利休」という視座
三 世阿弥と足利義満・義教
四 利休と織田信長
五 利休と豊臣秀吉
六 「芸道」および「茶道」の概念史
七 東西の芸術観の比較
八 戦陣の中の遊楽
第二章 世阿弥と義教
一 足利義教――天魔と歌人が同居する将軍
二 『風姿花伝』の「花」
三 『風姿花伝』から『花鏡』へ――「秘すれば花」
四 「離見の見」――演者の目と観衆の目
五 「批判之事」――「貴人」の批評眼の意味
六 『金島書』――「こがねの島」佐渡へ/から
第三章 利休と秀吉
一 『南方録』研究史の概観――茶湯ニハ、昔ヨリ書物ナシ
二 下克上の時代の茶の湯
三 織田信長――夢幻の如く也
四 秀吉と利休――美をめぐる対峙と共生
五 『南方録』の美学
六 「利休死後」の利休
結語 「遊」、そして現代
あとがき 西田幾多郎の手紙(新史料)にちなんで -
アメリカが取り憑かれ続けてきた強迫観念―「アジア人が攻めてくる!」
中国が日本と結び、西洋世界へと牙を剥く。驚異的な人口のパワーに、欧米は飲み込まれてしまう……
こうした「黄色い禍」という強迫的観念は、日露戦争で日本がロシアに勝利したことをきっかけに生まれた。
そしてこの「人種主義的思考」は、西海岸に多くの日系移民が押し寄せたアメリカにおいてはとりわけ強く刻まれ、形を変えながら現在に至るまで、社会・政治のなかに脈々と息づき続けている。
「我々は白人種と交わることのない人々から同質な人々を作り出すことはできない」
―ウィルソン(第28代米大統領・国際連盟提唱者)が署名したアジア人移民排斥を訴える文書
「黒人はアフリカに、黄色人はアジアに、そして白人はヨーロッパとアメリカにいるべきだと強く思うんだ」
―トルーマン(第33代米大統領)が妻に送ったラブレター
コロナ禍によって黄禍論的思考はいまだ欧米社会に根を張っていることが明らかとなり、アメリカでは人種をめぐる対立がいまもってなお深刻であることが露となったいま、トランプ大統領を生み出したアメリカ社会に100年以上根づく「人種主義的思考」の歴史をひもとかなければならない。
【本書の内容】
東洋人の群れ ―「日中同盟」の悪夢
幻の「人種平等」 ―国際連盟設立と人種差別撤廃案、そして排日移民法
汎アジア主義の勃興と破綻
戦争と人種主義
消えない恐怖 ―冷戦下の日米関係
よみがえる黄禍論 -
プラトンによれば、ソクラテスは、「……とは何か」と問うた。「正義とは何か」「美とはなにか」。真理を捉えるための「知性」や「理性」を最も重要な心の働きとする西洋哲学の伝統が、ここから生まれた。
これに対して、本書は、「想像力」を優位におく思想に着目する。イギリスのロマン主義者からはじまって、アメリカのエマーソンに継承され、ニーチェ、ハイデッガー、ローティにつながる系譜である。
真理は定まっていて、「理性」や「知性」は、それをあるがままに捉える能力だとするのが、プラトン的「理性主義」だとすれば、「想像力」とは、新たな見方、捉え方を創造する力である。これをローティは、「詩としての哲学」と呼んだ。
デカルト、カントなど、理性主義の変遷をも検証しつつ、「詩としての哲学」の可能性を問う力作。 -
『善の研究』から「場所の哲学」へ――。西田の哲学遍歴は「場所の哲学」にいたって、ついに独創的な境地にいたったとされる。『善の研究』の冒頭に出てくる「純粋経験」からはじまって、後期の「絶対無の場所」にいたる思考とは、どのようなものなのか。近年とみに影響関係が指摘されるベルクソンとの関係、あるいは仏教の時間論と西田の時間論の共通点と相違。フッサールやレヴィナス、あるいは鈴木大拙、井筒俊彦にいたるまで、あるいは量子論との相関など、様々な角度から丁寧に参照しつつ、著者はするどい考察を繰り広げて、独自のスタイルで西田の本質に迫っていく。それは西田自身の言葉をかりれば、さながら「悪戦苦闘のドッキュメント」の様相を呈しつつも、きわめて鮮明に、西田哲学の真のすがたが浮かび上がってくる。「存在と無」(=あるとない)という、われわれがごく日常的に想定する対立の以前に、「場所」というものを考え、そこに人間の根本をみようとした近代日本哲学の巨峰を、これまでにない明解な叙述で味わい尽くす力作!
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今、哲学は「人間」から離れて「実在」に向かっている。21世紀を迎えてすでに20年、哲学の世界では大きな変動が起きています。そこで問われているのは、「人間以後」の世界をいかに考えるか、というものです。「ポスト・ヒューマニティーズ」とも呼ばれるこの動向は、思弁的実在論、オブジェクト指向存在論、多元的実在論、加速主義、アクターネットワーク理論、新しい実在論など、狭い意味での「哲学」をはるかに越えた多様な領域に広がりつつあります。本書は、こうした動向の明快な見取り図を与え、自分の問題として考える手がかりを示すために気鋭の著者が書き下ろした渾身の1冊です。本書で取り上げられるのは、2016年に『有限性の後で──偶然性の必然性についての試論』の日本語訳が出版されて話題になったカンタン・メイヤスー(1967年生まれ)、2017年に『四方対象──オブジェクト指向存在論入門』の日本語訳が刊行されたグレアム・ハーマン(1968年生まれ)、そして2018年に日本語版『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)がベストセラーとなって広く名前を知られるようになったマルクス・ガブリエル(1980年生まれ)ら、最先端の哲学者たちです。「人間以後」の世界を考えることとは、「人間が消滅したあとの世界」という、ますますリアリティを帯びつつある世界を考えることだけではありません。それは同時に「人間の思考が届かない場所」を考えることでもある、と著者は言います。それはもちろん矛盾していますが、「実在論」への注目は、そこに現在の人間が希求するものがあることを示唆しているでしょう。それは、別の言葉で言えば、「実在論(realism)」とは「実存論(existentialism)」でもある、ということです。1987年生まれの著者は、「今」に生きることのリアリティを手放すことなく、哲学の問題とは「生きること」の問題にほかならないことを分かりやすく示しています。新しい哲学のムーブメントをただの流行で終わらせないために。未来のスタンダードが、ここにあります。[本書の内容]プロローグ 「何をしたいわけでもないが、何もしたくないわけでもない」 第I章 偶然性に抵抗する──カンタン・メイヤスー 第II章 人間からオブジェクトへ──グレアム・ハーマン 第III章 普遍性を奪還する──チャールズ・テイラーとヒューバート・ドレイファス 第IV章 新しい実在論=現実主義──マルクス・ガブリエルエピローグ メランコリストの冒険
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中世、日本人はキレやすかった!大名から庶民まで刃傷沙汰は日常茶飯、人命は鴻毛のごとく軽かった。双方の言い分を足して二で割る「折中の法」、殺人者の身代わりに「死の代理人」を差しだす「解死人の制」、そして喧嘩両成敗法。荒ぶる中世が究極のトラブル解決法を生みだすまでのドラマ。
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ギリシアが強大な力を持っていたヘレニズム時代。アレクサンドリアの七十二人のユダヤ人たちが、ヘブライ語聖書をギリシア語に翻訳しはじめたという。この通称「七十人訳」が、こそ、現存する最古の体系的聖書であり、「イエス時代の聖書」である。七十人訳聖書とはなにか。なぜ生まれ、いかにしてキリスト教を変えたのか。『七十人訳ギリシア語聖書』の訳者が、長年の研究の成果をわかりやすく解説する。
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アメリカ海軍はペリーの他にもうひとつの艦隊を派遣していた。司令長官は海軍大尉ジョン・ロジャーズ。「ペリーとハリスのあいだ」の「ロジャーズ来航」は黙殺され、まさに「忘れられた黒船」といっていい。それはいったいなぜなのか? 本書は、これまでほとんど本格的に検証されることのなかった測量艦隊の、具体的な来日の経緯と国際環境について明らかにし、日本開国の事情をこれまでとは異なる観点で描きなおすことをめざす。
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1500年に及ぶ天皇と和歌の「多彩で強固な関係」を通観する。『万葉集』の巻頭、少女への恋心を歌う雄略天皇の作に読み取れる、敵対者との抗争。平安時代から編まれた21もの勅撰集。戦国乱世の「古今伝授」。幕末の尊王運動への影響。明治天皇は、厖大な数の歌を詠むことで「国民国家の元首」となり、日米開戦を目前にした昭和天皇は御前会議で祖父の御製を読み上げた。「和歌」という視点から描く、異色の「天皇の歴史」。
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アメリカとは単なる地名でもなければ国名でもない。キリスト教旧世界が新たな大地に作り出した制度空間の名である。1492年、コロンブスにその一端が「発見」された新天地。西洋から見て「無主の地」は「法的所有」の対象となった。征服と植民により獲得され拡大する新世界。そこに教会・旧制度から逃れるように<自由>と<個人の自立>の観念が生い茂る。今や世界の隅々に浸透しているその根強い規範性の由来を探る。
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1940年8月1日、「大東亜共栄圏」という言葉が外務大臣・松岡洋右によって初めて公表された。新秩序構想を支えるスローガン「八紘一宇」はどのような思想的・歴史的背景から出てきたのか。やがて東南アジアを軍事占領し、対米開戦に至る日本の針路はこの構想で想定されていたのか。200万以上の日本人に「南方」での生活を強い、東南アジアの人々に日本と日本人を目撃させた「外交政策」を検証する。
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万物を生み出す気の循環。陰陽五行の八卦。古代中国から江戸の日本社会まで、深く浸透してきた東アジアの宇宙観(コスモロジー)を、易、風水、暦、養生、処世の5章に分けて、はじめてその全体像を描き出した力作。ここに、21世紀を生きる知恵がある!
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福沢諭吉は朝鮮侵略論者か、独立の支援者か――。「絶えざる転向」により多くの解釈を生むことになった福沢のアジア論。本書では、福沢と朝鮮で開化派と呼ばれた人々との関係と、『時事新報』の社説・論説を軸に、日朝清関係史のなかでそれを読み解いていく。そこに見えてきたのは、福沢のアジア論に貫徹する思想であり、「リベラルな帝国主義者」という19世紀的な立場が挫折してゆく過程であった。(講談社選書メチエ)
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19世紀イギリス。誰も知らない珍しい花や樹々を求め、国中が沸きたっていた。この要求に応えて世界をかけめぐるプラントハンターたち。ラン、チャ、ユリ……。エキゾチックなあこがれを満たすべく、彼らはジャワ、中国、そしてニッポンをめざす。豊富な文献渉猟から植物をめぐる文化交流をあざやかに位置づけた力作。(講談社選書メチエ)
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20世紀の「万能人」のユニークな思想 本邦初の本格紹介。科学の根源を問い、暗黙知理論を提唱した異色の科学哲学者。科学のみならず経済学・哲学・宗教学の分野においてもユニークな思考を展開した希代の天才の思想の全貌を初めて紹介する。(講談社選書メチエ)
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皇帝と天子 中華と夷狄「大一統」。中国史を貫く“統治と権力”の思想構造。儒教が「国教」となったのはいつか。皇帝と天子は同じものか。曹操はなぜ文学を称揚したか。諸葛亮は何を守ろうとしたのか。「竹林の七賢」は何に抵抗したか。国家の正統性を主張し、統治制度や世界観の裏づけとなる「正統思想」の位置に儒教が上り、その思想内容が変転していく様を、体系性と神秘思想の鄭玄、合理性と現実主義の王粛、光武帝、王もう、曹操や諸葛亮など、多彩な人物を軸にして、「漢」の成立と衰退、三国、魏晉時代の歴史を交えながら描き出す。(講談社選書メチエ)
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市場と金融工学の暴走(リーマン・ショック)、企業再生(JAL再建)、CSRとSRI(社会的責任投資)……株式は私たちに何をもたらしているのか? ファイナンスとガバナンスの相克。高度発達したファイナンス技術は、活発な企業活動を促すとともに、リーマン・ショックのような資本市場の暴走にも帰着する。また、破綻した企業の再生やベンチャー育成、社会にとってよりよい企業を育てるSRI(社会的責任投資)を実現させられるのも株の力によるものである。ファイナンス[企業の資金調達や投資]とガバナンス[企業をいかに統治するか]――株式の持つ相克する本質を掴み、市場社会の諸問題を基底から思考する! (講談社選書メチエ)
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「いま」「ここで」、〈それでよい〉と語る勇気。近代的思考の基礎を作ったドイツ観念論の四人の代表的哲学者。彼らの思想の核心には、歴史の「これから」におのれの身一つで踏み出す勇気と決断があった。先達の思想を受け継ぎ、かつ乗り越えて行くダイナミックな思想の歩みを、これまでになく平易かつ明快に解説する。(講談社選書メチエ)
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超難解な思考をあざやかに解説! ホワイトヘッドの世紀は来るか!? 本書は、ホワイトヘッドという哲学者のひじょうに偏った入門書である。読者の方々が、ホワイトヘッド自身の本を手にとってみようか、という気になられることだけを目指した。他意(?)はない。わかりやすさを重視したので、かなり強引なところもあると思う。特に入門篇は、こちらの興味にぐっとひきつけて書いた。淡々と説明だけをするというのは、どうしても性にあわない。それぞれが、1話完結のエッセイとしても読めるように工夫したつもりだ。上手くいったかどうかは、保証の限りではない。もちろん全体として一貫した流れはある。いってみれば、本書全体が、ホワイトヘッドが考えたこの宇宙とおなじあり方、つまり「非連続の連続」になっているといえる……といいのだが。――〈[まえがき]より〉(講談社選書メチエ)
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祈りによって人々に安心と喜びをもたらす、仏法の徒たる僧侶たち。しかし、中世という時代がはじまるにつれて、彼らの中には武器をとって、合戦を引きおこし、人々に恐怖を与えた者たちがあらわれた。暴力と祈りの力をあわせもつ彼らは、いかなる原理のもとに行動したか。比叡山延暦寺を舞台に、多彩な「悪僧」たちが跋扈し、「冥顕の力」をもって世俗権力、社会とわたりあう姿を描き出す! (講談社選書メチエ)
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ブリタニカ、OED、DNB。大辞書、大事典プロジェクトにとり組んだ巨人たちの物語! 『ブリタニカ百科事典』Encyclopaedia Britannica 『オックスフォード英語辞典』Oxford English Dictionary 『イギリス国民伝記辞典』Dictionary of National Biography……。18世紀後半から19世紀後半にかけて、イギリス人はこの3つの大辞書、大事典を編纂した。世界をリードする気概にあふれた当時のイギリス社会は、なぜ、このような大事業を敢行したのか。それらは、どのように利用され、効果を発揮したのか。近代の知のインフラを整備した人々と歴史を検証する。(講談社選書メチエ)
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時は、幕末がいまだ「政治の季節」であった文久期。幕府の権威が根底から揺らぎ、過激志士らの暴発に朝廷がおびえる中、その動向をもっとも注目された男こそ、島津久光であった。久光の指揮の下、小松帯刀、大久保一蔵、中山中左衛門、堀次郎ら、実力ある藩士たちが、京都の中央政局を舞台にして、幕末の行方を決定づける政争をくりひろげてゆく。史料を丹念に読みこみ、幕末政治史にあらたな光をあてる意欲作! (講談社選書メチエ)
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日英同盟の是非、開戦論vs.非戦論、「露探」問題、日比谷焼打……新聞がいちばん面白かった時代。日露戦争の時代、新聞界は黄金期を迎えていた。福澤諭吉創刊の『時事新報』、陸羯南主筆『日本』といった高級紙から伊東巳代治による『東京日日新聞』、徳富蘇峰『国民新聞』や『東京朝日新聞』など時の政府に近いもの、政治家の女性問題のようなゴシップから政府・大企業批判、リベラルな主張までを載せる『萬朝報』『二六新報』。知識人から下層階級、政府支持から社会主義者まで、多様な読者に向けた無数で雑多な新聞が、大国との戦争へと向かう日本と世界をいかに語り、論争をしたか。膨大な史料を掘り起こし、新聞が大企業化する以前の、粗野で豊かだった時代を活写する、メディア史研究の試み! (講談社選書メチエ)
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「旧仏教」を読み直し鎌倉新仏教のルーツを探る。鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。偉大な祖師たちの思想が生まれる背景には、先行する有名無名の宗教者たちによる、さまざまな試みがあった。山林修行、戒律の問題、経典への信仰など「実践」をキーワードに、これまで見過ごされてきた、新仏教を準備したさまざまな運動に光を当てる。(講談社選書メチエ)
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選書日本中世史 第3弾! 公家政権と武家政権と寺社勢力……室町幕府の傑出した統治構造とは!? 室町幕府にできて、鎌倉幕府にはできなかったこと。それは、「太平の世」前夜の、動乱の続く地方に対して中央政権として安定的に君臨することである。そのために室町幕府が考え出した統治構造とは? 自明のものとされてきた将軍の主従性的支配権に一石を投じ、天皇・公家の持つ力の本質を検証することで、明らかになった将軍権力とは、いったいどんなものだったのか? 「わかりにくい中世をどうわかりやすくするか」の大問題に真っ向から挑む、刺激に満ちた1冊。(講談社選書メチエ)
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人口を4分の1減らした「革命」「解放」の真実。囚人14000人、生還者7人の監獄。無軌道に展開した強制労働、密告、そして処刑。社会基盤を破壊し全国民の4分の1を死に追いやったポル・ポト政権はいかにして「革命」を遂行したのか。20世紀最大の蛮行、その軌跡と背景を完全解読。(講談社選書メチエ)
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世界勢力三つ巴、殺戮と外交の時代。世界制覇に動くモンゴル。十字軍と奮闘するイスラム勇将。数千キロの彼方に親書を届ける西欧の宣教師。世界の3大勢力が武力と外交力の限りを尽くし覇を競った「中世の世界大戦」の時代を活写! (講談社選書メチエ)
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「共産主義時代にも盗みはあるでしょうか」「ないでしょう。社会主義時代にぜんぶ盗まれていますから」体制にとって「危険な世論」でありつづけたアネクドートは、口から口へと広まる。辛辣に権力を嗤いつづけたロシア人の過激な「笑い」を通して、ピョートル大帝期から現代にいたる、激動のロシア300年を読む。(講談社選書メチエ)
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本書は、平安時代の摂関政治がどのように権力を生み出していったか、そのしくみについて女たちの後宮世界からみていくものです。その恰好の例として『栄花物語』を取り上げます。作者は歴史的事実をあえて無視したり操作することで、女であること・生むこと・母となることの連なりに走る裂け目こそが、男たちの世界をつくってはやがて掘り崩し、そうした変化が新しい権力構造を生みだしていくことをはからずも明らかにするのです。(講談社選書メチエ)
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奥州藤原氏の政庁平泉館跡で発見された儀式・宴会用の大量のかわらけ。金、馬、鷲羽の交易で得られた巨富。紛争の調停者として所領支配を保障し、平和の実現をもって家臣団を統合する独自の安全保障体制――。中国大陸までつながる交易網を築き、一宮二十二社制や真言密教など中央の神仏体系を拒否した奥州藤原氏。ヤマトともアズマとも異なるもうひとつの世界を明らかにし、歴史のなかの「東北」を問い直す。(講談社選書メチエ)
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本居宣長の歴史的な名著『古事記伝』。「古事記」を古典として再評価し、一字一句、詳細に読み解いた大著だが、そのあまりの大著ゆえに、これを読み通せる人は、ほとんど皆無である。本書は、現代の「古事記」研究の第一人者である著者が、『古事記伝』全44巻を、細部にわたり、懇切丁寧に解説した、画期的な労作。便利な合本版でどうぞ。
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「文弱の貴公子」という八百年来の誤解から実朝を解放する。政治状況の精緻な分析と、和歌への犀利な読み込みが明らかにする「東国の王権」を夢見た男の肖像。(講談社選書メチエ)
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仙人になって不老長生を得たいという願い。世俗を離れ思うがままに暮らしたいという隠逸への憧れ。古代の理想郷=華胥氏の国――。中国最古の詩集『詩経』にあらわれた「楽土」から陶淵明の「桃花源記」まで、中国の精神文化を考えるうえで欠かせない「楽園」の思想を読み解く。
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