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『実用、歴史、思想』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全244件

  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    2024年4月現在の講談社学術文庫シリーズ目録が電子化されました。学術文庫のラインナップを全て収録。内容紹介付き。
  • シリーズ1348冊
    102549(税込)
    著者:
    鬼川桃果
    著者:
    MBビジネス研究班
    レーベル: ――

    さっと読めるミニ書籍です(文章量8,000文字以上 9,000文字未満(10分で読めるシリーズ))

    【書籍説明】
    頭の中では浮かんでいるのに、それをうまく言葉にできない。
    伝えたいことや心情にマッチする言葉が咄嗟に出てこない。
    語彙力を高めるとは、具体的になにをすればいいのかわからない。
    あなたもこんなふうに悩んでいませんか?

    言葉選びがうまくて説明が分かりやすい人がいる一方、言葉の引き出しが少ないと抽象的な表現になってしまいます。
    例えば「やばい!」という便利で多用しやすい言葉もありますが、便利な反面、ポジティブにもネガティブにも捉えられるため、具体的な感情が伝わりにくい言葉でもあります。
    これに限らず、具体的な言葉で伝えることが少なくなると、語彙力はあっという間に落ちていくことを私も体感しました。

    そこで、今回は「語彙力アップ」について掘り下げてお伝えします。
    本書では、基本的な言葉の収集およびそれらを語彙力に変える方法、1日30分でできるトレーニングもご紹介しています。
    ちょっとしたワークも用意しましたので、ぜひ実践してみてくださいね。

    オンラインが主流な現代においても、言葉を適切に使いこなす語彙力が求められます。
    さっそく本書を使って、あなたの言葉の引き出しを増やしてみましょう。

    【目次】
    本書の使い方
    レッスン1 語彙力とコミュニケーション
    レッスン2 語彙力の元になる言葉の集め方
    レッスン3 言葉遊びを使って言葉を引き出してみよう
    レッスン4 集めた言葉を語彙力に変えるには
    レッスン5 感情を具体的な言葉で表現してみよう
    レッスン6 語彙力アップトレーニング


    【著者紹介】
    鬼川桃果(オニカワモモカ)
    本業の傍ら、ウェブライターとして活動中。
    これまでの人生で得た知識を書籍を通して、読者の方に役に立ててもらうため執筆。
    今回は「語彙力アップ」をテーマに、数ある言葉の中からどのように語彙を拾い、語彙力に変えていくかについてまとめたものである。
  • シリーズ730冊
    99858(税込)
    著者:
    真生麻稀哉
    著者:
    MBビジネス研究班
    レーベル: ――

    20分で読めるミニ書籍です(文章量20,000文字程度=紙の書籍の40ページ程度)
    「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」をコンセプトに個性あふれる作家陣が執筆しております。自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。是非、お試しください。

    書籍説明文
    発達障害診断を受けるにあたって、当事者が、どうすればいいかを事例を挙げて徹底指導!発達障害は、当事者にも雇用者にも社会にとってもデリケートな問題。トラブル対策完全マニュアルを味方にしよう!

    まえがき
    まず、この本を手に取っている架空の「あなた」の話をしましょう。
    「空気、読めないね」
    「こんなこともできないの?」
    「どうして、そういう考え方をするのか、わからない」
    他人から、こういうことを言われた経験と―
    「頭の中が色んな思考でいっぱい」
    「集中力がない」
    「一度集中すると、寝食何もかも忘れてしまう」
    「努力しても、努力してもうまくできないことがある」
    こんな自分の実感とが、ちかちかちかと点滅して―
    あなたは、「もしかして、俺(私)発達障害かもしれない」という疑いを抱くようになる。

    著者紹介
    真生 麻稀哉(シンノウ マキヤ)
    愛知大学国文学専修卒業。2013年、某マスコミ関係の会社で働いている時に、広汎性発達障害の診断を受ける。障害者手帳3級取得歴1年半。5月に会社を退職。現在は、小説の賞に応募を続ける傍ら、某広告代理店でライターとして勤務中。… 以上まえがきより抜粋
  • ついに待望の文庫版登場! 世界的ベストセラー『サピエンス全史』に続いて著者が放つ「衝撃の未来」。カズオ・イシグロ、ビル・ゲイツ、ダニエル・カーネマンが絶賛する面白さと深い考察。
  • 日本文化の独自性を詩情豊かに語る

    『茶の本』(全訳)と『東洋の理想』(抄訳)を、読みやすい訳文と解説で読む! ロマンチックで波乱に富んだ生涯を、エピソードと証言で綴った読み物風伝記も付載。天心の思想と人物が理解できる入門書。
  • 1,540(税込)
    2024/5/15 (水) 配信予定
    訳・解説:
    秋本吉徳
    解説・その他:
    鉄野昌弘
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    ◇土地の名前、不思議な説話。そのすべては、古代びとの生きた確かな証◇

    奈良時代の初期、『古事記』や『日本書紀』とほぼ同時期に編述された、官撰の地誌『風土記』。
    地方に律令政治による統治を行きわたらせようとした朝廷が、令制国の国庁にそれぞれの地理、産物、文化、歴史についての調査を命じ、その記録を献上させたものである。
    各国ごとに編纂された『風土記』だが、その多くは散逸してしまい、現在まで遺されているのは、ごく数ヵ国のものに限られる。
    『播磨国風土記』はその一つであり、本書は兵庫県南西部の地名の由来、大国主の伝説や景行天皇求婚譚などの説話、古代人の生活・習俗などを生き生きと伝える最重要史料である。

    本書は漢文で書かれた原文からの訓下し文に、詳細な訳註つき。
    さらに懇切な解説も加えた、「風土記」の世界を味わいつくす全訳注!

    【本書「まえがき」より】
    〈国家神話〉として再構成されたものではなく、在地に生きる古代の人々の、生きた神話や伝説、また習俗・社会などのありさまが、断片的ながらも窺える……本書は日本古代の人々の、生きた姿を、少しでも明らかにしようと努めたものである。

    【本書の内容】
     まえがき
     凡例
    一 賀古郡(一)
    二 賀古郡(二)
    三 印南郡
     補説「印南郡」の存否
    四 餝磨郡(一)
    五 餝磨郡(二)
    六 餝磨郡(三)
    七 餝磨郡(四)
    八 揖保郡(一)
    九 揖保郡(二)
    十 揖保郡(三)
    十一 揖保郡(四)
    十二 揖保郡(五)
     補説「言挙げ」について
    十三 揖保郡(六)
     補説『万葉集』と播磨
    十四 揖保郡(七)
     補説 天日槍 付、粒丘銅牙石
    十五 讃容郡(一)
     補説 鹿の話
    十六 讃容郡(二)
     補説「異剣」伝説について
    十七 宍禾郡(一)
     補説「大神」「伊和大神」について
    十八 宍禾郡(二)
     補説 葦原志許乎神について
    十九 神前郡(一)
     補説 大汝神少比古尼神
    二十 神前郡(二)
     補説 百済人
    二十一 託賀郡(一)
     補説 盟酒
    二十二 託賀郡(二)
     補説 女性神
    二十三 賀毛郡(一)
     補説 地名起源記事の種類と性格
    二十四 賀毛郡(二)
     補説 根日女の話
    二十五 賀毛郡(三)
     補説 延喜式と風土記
    二十六 美なぎ郡
     補説 於奚袁奚天皇と「詠辞」
     解説 鉄野昌弘
     播磨国風土記地図

    *本書は訳し下ろしです。訳者の遺稿に補遺を施しました。
  • ビジネスパーソン必携!教養・リベラルアーツの必読書100冊を1冊に凝縮

    累計100万部突破!著者による教養書大全。
    ベストセラー『世界のエリートが学んでいる MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』シリーズ、本書のテーマは教養=リベラルアーツ。

    「ウクライナ戦争の原因とは何か?」「欧米人との交渉がうまくいかないのはなぜか?」「意見が割れているチームをどうまとめればよいか?」
    問題の本質を構造的に捉えるために必要なのが、教養だ。私たちが日々遭遇する多くの問題は、知識や経験だけで考えても答えは出てこない。教養を身につければこれが変わる。教養とは、過去の賢人たちが蓄積してきた膨大な知識の宝庫だ。だから教養を身につければ、見えなかった問題と対応策が見えてくる。逆に自分の経験と知識だけで考えるのは、完全武装した強大な敵と丸腰で戦うようなものだ。
    では教養は、どうすれば身につくか。それは教養の名著を読むことだ。名著は過去に活躍した賢人たちの知識の結晶だ。それらは「知的に面白く、かつ生きる上で役に立つ」からこそ、時代を超えて読み継がれてきたのである。(著者「はじめに」より)

    リベラルアーツの全ジャンル(哲学、倫理学、心理学、宗教学、アート、歴史学、社会文化、思想、経済学、政治学、社会学、自然科学、応用化学)を網羅。
    だが研究者向けの専門書、ではなく、誰もが明日の仕事や人生に生かせるように解説するのが本書オリジナルポイント。

    紹介する本も100冊と超大ボリューム。プラトン『ソクラテスの弁明』からマックス・ウェーバー『プロ倫』、世阿弥『風姿花伝』、ダーウィン『種の起源』、アインシュタイン『相対性理論』といった古典から、『ビーイングデジタル』など最新書まで網羅

    社会やビジネスの前提が根底から変わる「VUCAの時代」に絶対必要な教養がこの1冊で手に入る
  • 「忌む」とはどういう感情か。ここに死穢と差別の根原がある。日本各地からタブーに関する不気味な言葉、恐ろしい言葉、不思議な言葉、奇妙な言葉を集め、解説した読める民俗事典。全集未収録。
  • 戦争、宗教、民族、国家、生政治、免疫…哲学者の著作から、閉ざされた自己をもつ私たちが他者とどう社会を構築するかを考察する。
  • 急成長を続けるユニクロ。一方で同社ではサービス残業が常態化、うつ病の罹患率も高い。グローバル企業の実像を追った。

    編集部から ~あとがき~
     ユニクロ(ファーストリテイリング)を記事にするにあたって、柳井正会長兼社長の著作を何冊か読み直しました。『一勝九敗』『現実を視よ』『成功は一日で捨て去れ』……。どれもとても面白い。論理的な思考、理知的な語り口、経営への情熱。正直、日本の経営者でここまで読ませる人は少ない。この企業の強さと独自性をあらためて認識しました。しかし、です。長時間労働の実態や上意下達の企業風土については経済ジャーナリズムとして、ぜひとも指摘しておきたい事柄です。日本発のグローバル企業になる可能性があるからこそ、読者や社会にこの企業の現状を知らせたい、そう考えました。なお同社はこちらの取材要望にきちんと対応してくださったことを明記しておきます。
  • シリーズ175冊
    5501,320(税込)
    編:
    晋遊舎
    レーベル: 晋遊舎ムック
    出版社: 晋遊舎

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    生活習慣病対策の権威が
    健康に痩せるためのお得技を教えます!

    食事制限を頑張っているのに、
    思うような結果が出ない……
    いろんなダイエットに挑戦したけれど
    なかなかやせられない……

    そう悩んでるあなたは
    肝臓に脂肪がたまっているのが
    原因かもしれません。
    そこで本書は、
    肝臓からアプローチして自然に脂肪が落ちる体が目指せる

    名医の126の裏ワザを掲載!

    本書を読んで実践すれば、
    肝臓が元気になって自然と、ラクにやせられる
    体づくりができます!
  • シリーズ52冊
    1,2102,200(税込)
    監修:
    平野敦士カール
    レーベル: ――
    出版社: 宝島社

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    M&A、SWOT分析、PDCA、ブルー・オーシャン、プラットフォーム……「よく聞くけど、実はあまりわかってない。今さら聞けない、勉強しようと思っても経営学の本は難しすぎてちょっと…」。本書では、経営学の難しいテーマをイラストでわかりやすく解説しました。「経営とはなにか?」といった基本から「UberやAmazonなど最新企業のなにが新しく画期的だったのか?」まで、身近な事例をもとに経営学をざっくりと学びたい人にオススメの一冊です。
  • シリーズ4冊
    2,1893,344(税込)
    著:
    大澤真幸
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    シリーズの最初の巻「古代篇」では、〈世界史〉の中のミステリー中のミステリー、イエス・ キリストの殺害が、中心的な主題となる。もし、〈世界史〉の中で、われわれの現在に最も大きな影響を残した、たった一つの出来事を選ぶことが求められれば、誰もが、迷うことなく、イエス・キリストの十字架上の死を挙げることになるだろう。
     どうして、イエス・キリストは殺されたのか? どうして、たった一人の男の死が、これほどまでに深く、広い帰結をもたらすことになったのか? われわれの現在を、社会学的な基礎において捉えるならば、それは「近代社会」として規定されることになる。近代化とは、細部を削ぎ落として言ってしまえば、西洋出自の概念や制度がグローバル・スタンダードになった時代である。その「西洋」の文明的なアイデンティティは、キリスト教にこそある。とすれば、キリストの死の残響は、二千年後の現在でも、まったく衰えることなく届いていることになる。キリストの死は、どうして、これほどの衝撃力をもったのだろうか?
     イエス・キリストは、わけのわからない罪状によって処刑された。その死は、今日のわれわれのあり方を深く規定している。必ずしもクリスチャンではないものも含めて、その死の影響の下にある。どうしてこんなことになったのか?……
    (「まえがき」より)
  • シリーズ14冊
    1,3091,980(税込)
    著:
    島泰三
    レーベル: ――
    出版社: NHK出版

    なぜ霊長類の中でホモ・サピエンスだけが、積極的に魚を食べるのか? それは、もともとホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人といった「強者」に対抗するための仕方なしの生存戦略だった。だが、人類がアフリカから世界中に拡散していく過程で、その魚食こそが飢えを満たし、交通手段を発展させ、様々な文化を生み出す原動力になった。果たして、魚食は「弱者」ホモ・サピエンスに何をもたらしたのか? 他の霊長類との比較を踏まえ、出アフリカから日本列島へと至る「大逆転の歴史」をベテランの人類学者が鮮やかに描き出す。
  • 古代中国の最重要歴史書『史記』より「游侠列伝」全文を漢文で味わう。

    中国の第一正史とされる、司馬遷『史記』。中国古典ファンなら誰もが一度は原文で読んでみたいこの重要書を、漢文の解説を辿りながら原文で読める一冊。『史記』のなかでも短くまとまり、かつ内容のおもしろい「游侠列伝」の全文を15日間で読もう。詳しい語釈や文法の解説を辿りながら一文一文丁寧に読み進めることで、漢文の読解力が高まります。西田太一郎『漢文の語法』読者必見!
  • 20世紀における思想的な震源地のひとつであるラカン。その理論は、思想としての側面と、実践臨床としての側面の二面性をもち、両者が渾然一体となっていることに難しさがある。本書は、著者みずからの精神分析の体験にもとづき、実践臨床の側面からラカンの本丸に迫る。ラカンの核心を読み解く超入門の書、『疾風怒濤精神分析入門』増補改訂版。
  • 古代末期から中世、15世紀ルネサンス迄。理性、自己、創造論、言語と超越、知性と神秘など哲学史の基本問題を網羅する待望の論集。
  • シリーズ30冊
    1,4082,200(税込)
    著者:
    松岡正剛
    出版社: KADOKAWA

    本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。

    知の巨人、松岡正剛の本の読み方がわかる。読書は交際であり、格闘技である!
    第一章  世界読書の快楽
    道元『正法眼蔵』
    ブレーズ・パスカル『パンセ』
    滝沢馬琴『南総里見八犬伝』
    オノレ・ド・バルザック『セラフィタ』
    エドガア・アラン・ポオ 『ポオ全集』

    第二章 書架の森
    リュシアン・フェーヴル&アンリ『書物の出現』
    デレク・フラワー『知識の灯台』
    フランセス・イエイツ『世界劇場』
    メアリー・カラザース『記憶術と書物』
    ジョナサン・グリーン『辞書の世界史』
    ヴィンフリート・レーシュブルク『ヨーロッパの歴史的図書館』
    アルベルト・マングェル『読書の歴史』
    小川道明『棚の思想』

    第三章 読みかた指南
    ウォルター・オング『声の文化と文字の文化』
    川島隆太・安達忠夫『脳と音読』
    前田勉『江戸の読書会』
    上田利男『夜学』
    周興嗣『千字文』
    前田愛『近代読者の成立』
    ゴットフリート・ロスト『司書』

    第四章 ビブリオゲーム
    ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』
    ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』
    アンドルー・ラング『書斎』
  • 本書は、前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)の「姉妹篇」であるとともに「日本篇」と言えるものです。
    「クリティック」とは何か?――その問いに答える前著は、他方で現代日本におけるクリティックの不在という事実を突きつけてきました。本書は、その点にフォーカスを定め、「現代の日本において何故クリティックが定着しないのか」という問題を集中的に扱います。取り上げられるのは1900年前後からの日本の「知的状況」です。ただし、現実との関わりを抜きには不可能な「クリティック」の不在をテーマとする以上、日本がたどってきたここ100年余の歴史を無視することはできません。それゆえ、著者の言葉を借りれば、「本書の内容は「思想史」でもインテレクチュアル・ヒストリーでもない。知的階層ないし擬似知的階層の知的活動のうちのクリティックのみを追跡する」ことになります。
    ここで分析される対象は、「知的階層の言語行為」すべてです。それを分析することは、必然的に「知的階層の(欠落を含めた)あり方」をも扱うことになります。つまり、「知的階層を構成すべき人々の言語行為全体」が問題とされ、その結果、「狭い意味の学術」の世界の外で形成された言論も取り上げられることになります。
    本書の「結」で、著者はこう言います。「戦後期に課題として発見された地中深くの問題を解明しそのメカニズムを解体する方途を探るためのクリティックの構築が挫折し、そしてその結果今ではこの課題に立ち向かうための条件、つまり立ち向かう資質を潜在的に有する階層ないしこれを育てる環境それ自体、もまた失われてしまった」。
    この「失敗」は著者自身も当事者の一人にほかなりません。それゆえ、著者はこう言うのです。「なるほど私はバトンを受け取り先へ渡すことには失敗した。ブレイク・スルーを担う極小の一点へ、私の仕事が結び付くものではない。しかし、責任の中には必ず、失敗について報告し申し送る、とりわけ、何故失敗に終わったか、失敗の結果どういう状況が後へ残っているのか、について考察を遺しておく、ということがある」。
    本書は、まさにこの言葉を実践したものです。これは「失敗」の研究であるとともに、この国がたどってきた道程の記録でもあります。好むと好まざるとにかかわらず、未来はここから歩まなければならない。しかし、著者が言うように「本書が最も悲観的に見る部分にこそ希望があることも事実である」ことを、ぜひ多くのかたに感じていただきたい。その願いとともに、本書をお届けいたします。

    [本書の内容]
    第I章 与次郎
    第II章 戦前期(一八九五―一九四五年)
    第III章 戦後期(一九四五―七〇年)
    第IV章 ポスト戦後期I(一九七〇―九五年)
    第V章 ポスト戦後期II(一九九五―二〇二〇年)
  • シリーズ13冊
    1,2102,514(税込)
    著:
    大川周明
    序文:
    大川賢明
    レーベル: ――
    出版社: 土曜社

    ヨーロッパは夢より醒めねばならぬ。而してアジアは惰眠より起たねばならぬ――。日露戦役後も英露・英独の角逐に翻弄され続けるアジア。各国事情の中に復興の兆しを見すえ、日本は大乗アジアを率先すべしと唱える大川周明が三十代半ばで世に問うた名著。
  • 4,396(税込)
    著:
    大杉栄
    編:
    大杉豊
    レーベル: ――
    出版社: 土曜社

    1922年――、ベルリン国際無政府主義大会の招待状。アインシュタイン博士来日の狂騒のなか、秘密裏に脱出する。有島武郎が金を出す。東京日日、改造社が特ダネを抜く。中国共産党創始者、大韓民国臨時政府の要人たちと上海で会う。得意の語学でパリ歓楽通りに遊ぶ。獄中の白ワインの味。「甘粕事件」まで数カ月――大杉栄38歳、国際連帯への冒険!
  • 4,396(税込)
    著:
    大杉栄
    編:
    大杉豊
    レーベル: ――
    出版社: 土曜社

    東京外語大を出て8か月で入獄するや、看守の目をかすめて、エスペラント語にのめりこむ。英・仏・エス語から独・伊・露・西語へ進み、「一犯一語」とうそぶく。生物学と人類学の大体に通じて、一個の大杉社会学を志す。21歳の初陣から大逆事件の26歳まで、「頭の最初からの改造」を企てる人間製作の手記。
  • 4,396(税込)
    著:
    頭山満
    レーベル: ――
    出版社: 土曜社

    ――人間は平素は何をやっておろうと、どんな処にいようと構ったものでない。ここだと思うところにうんと力瘤を入れて、大奮発すれば、天にも上れる、神にも仏にも思う通りになれるものじゃ。戦前日本の外交・内政に隠然たる勢力を有した巨人・頭山満の「雷声」を聴く。人物論から人生論まで、頭山翁68歳の清談をおさめる。1923年(大正12)初版。
  • 驚くべき数合わせの真相とは――

    古事記の誕生から1300年。
    その胎深く秘められ続けていた数合わせの発見により、これまで解き明かされることのなかった真実が闡明される。

    ◇古事記の数合わせは古代冠位制度史を証明する。
    ・別天神五柱と神世七代の構造は天武朝冠位制度の構造に一致する。
    ・数合わせは近江令冠位制度の存在を証する。
    ・大宝律令は藤原不比等が近江律令を換骨奪胎したものである。
    ◆壬申乱前代の改新政治による衆生救済政策は
    乱後の天武朝による愚民化政策によって破壊された。
    ◆神生み神話の35神問題は古代戸籍制度史が解く。
  • 「ジャンルの垣根を超えた傑作。
    ページをめくる手が止まらない」
    スティーヴン・キング 絶賛!

    ニューヨーク・タイムズ
    ベストセラー 1位

    1970 -80年代に米国・カリフォルニア州を震撼させた連続殺人・強姦事件。30年以上も未解決だった一連の事件の犯人「黄金州の殺人鬼」(ゴールデン・ステート・キラー)を追い、独自に調査を行った女性作家による渾身の捜査録。

    アメリカでベストセラーとなり、現在HBOがTVドキュメンタリー・シリーズを製作中の話題作。強盗、強姦、殺人を十年以上にわたって繰り返し、DNA鑑定の網をくぐって闇に消えていた犯人を、作家である著者が独自の捜査で追いつめていく手に汗握るノンフィクション。

    序文寄稿:ギリアン・フリン(『ゴーン・ガール』著者)

    ワシントンポスト、「エスクァイア」誌、Amazon.com、ニューヨーク公立図書館、 シカゴ公立図書館他で “2018年 ベストブック・オブ・ザ・イヤー”受賞!!

    本当に手に汗握る作品だ――「ピープル」誌
    息を呑む野心的で見事な筆致――「ニューヨークマガジン」誌

    読者が知るべきは、なぜこの本が特別なのかという理由だ。それは、この本が向き合っている二種類の強迫観念である。一つは光に溢れ、もう一つは闇の中にある。
    「黄金州の殺人鬼」は闇であり、ミシェル・マクナマラは光だ。
    気が滅入るほど邪悪。聡明かつ、断固とした決意。本書はこの二つの心理への旅路である。
    私は本書を愛してやまない。 ――スティーヴン・キング
  • 1,100(税込)
    著者:
    城塚登
    レーベル: ちくま学芸文庫
    出版社: 筑摩書房

    社会思想は、その時代の社会がかかえる問題を解決しようと、思想家が格闘しつつ生みだすものである。本書はルネサンス以降の歴史を、3つの流れで捉える。すなわち、民主主義・資本主義社会はいかなる思想的過程で形成されたか、近代社会に顕在化した問題を解決するためどのような社会思想が生み出されたか、そして20世紀以降どのような問題が発生したか。著者が指摘する「現代社会の問題」とは、個人の自立性を押しつぶす官僚制化・大衆社会化・管理社会化であり、さらに資本主義社会の矛盾・弊害の克服を目指したはずの社会主義諸国の行き詰まりまでを含む。長らく読み継がれてきた簡潔で定評ある入門書。
  • 宗教・思想や文化の流れをたどり、日本人なら知っておきたい知識を網羅する

    古代から根付く習俗や、神道・仏教などの信仰、伝統文化にまつわる、知っておきたい知識を徹底解説! さらに、日本人が懐き続けた異国への憧憬や、明治維新と近代の戦争などから、日本人の内面を深掘りする。
  • 3,135(税込)
    著:
    鷲田清一
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ!

    「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。
  • 新生日本のために、まず日本人の特性を見つめ掘り下げた、柳田学の核心部を1冊に。旧版に、「明治人の感想」、折口対談「日本人の神と霊魂の観念そのほか」など大幅増補した新装版。
  • 復讐に取り憑かれた伍子胥、人心を操り権力に固執した王莽、女のために国を売った呉三桂……。極め付きの裏切り者たちが行き着く先は? 『史記』『戦国策』『三国志』『世説新語』等の史料から、歴史を動かした個性溢れる悪漢たちを描き切る。春秋時代から明末清初まで、二五〇〇年にわたって興亡の絶えない中国をかき回した反逆者たちの数奇な人生。

    中国古典の第一人者・井波律子氏による評伝集にして、中国史・中国文学のファン必携の一冊。

    【主な登場人物】
    ・母国の君主に父兄を殺され、敵国の呉に奔った伍子胥(ごししょ)
    ・品行方正を装い、世論を操作して王朝を簒奪した王莽(おうもう)
    ・三世代かけて国を滅亡させた諸葛亮のライバル司馬懿(しばい)
    ・貴族に出し抜かれ、皇帝になりそこなった繊細な桓温(かんおん)
    ・反乱を引き起こすも、夢半ばで息子に殺された安禄山(あんろくざん)
    ・英雄を処刑したため、中国史上最も忌み嫌われた秦檜(しんかい)
    ・恋人を奪われて激怒し、身を売り国をも売った呉三桂(ごさんけい)
    ほか、呉起、始皇帝、商鞅、張儀、蘇秦、趙高、則天武后、楊貴妃、項羽、劉邦、諸葛亮、永楽帝、朱元璋、李自成など多数。


    【目次】
    はじめに
    第1章 復讐の鬼――伍子胥
    第2章 自立するコスモポリタン――戦国時代のパフォーマー
    第3章 頭でっかちの偽善者――王莽
    第4章 持続する裏切り――司馬懿
    第5章 気のいい反逆者――王敦と桓温
    第6章 危険な道化――安禄山
    第7章 極め付きの「裏切り者」――秦檜
    第8章 恋に狂った猛将――呉三桂
    年表
    参考文献
    あとがき
  • 本とはなんだろうか.そう考えてみると,本というものは本当にただものではない.「究極の書物」などと本気で考える人も1人ならずいるのだ.この物体をはるかに人類史の彼方へと遡り,近代の書物の現場へと下り,そして現代のメディアを俯瞰.興味深い逸話を満載,書物を媒介とした西欧文学史をなす,書物をめぐる究極の1冊.

    ※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
  • 近現代までの基本史料を、現代語訳付きで網羅!仏教史の全貌がわかる必携書

    日本人は仏教の何に感化され、文化を、歴史を、思想を形成してきたのか。
    日本人に影響を与えた仏教の重要史料を、その時代背景や文脈とともに一挙収録。
    原文・現代語訳・注に加え、時代背景も解説した決定版。
    『日本仏教史入門――基礎史料で読む』(角川選書)をもとに大幅加筆し、さらに「第六章 近現代」を書き下ろした。
  • シリーズ8冊
    1,4301,870(税込)
    著:
    石黒浩
    レーベル: ――

    ロボットやAIで、私たちの生活はどう変わるか? 衣食住から恋愛・仕事・創造の方法まで、ロボット研究の第一人者・石黒浩が、自身の経験や日々の過ごし方を交えて、「新しい世界を拓く楽しさ」と人生、そして「ロボットと生きる未来」を率直に語る。
    〇全編語り下ろし。「未来の生き方」を考えるヒントが見つかる1冊です。
    〇カバーと本編のイラストは、マンガ『孤食ロボット』の岩岡ヒサエ先生
    〇世界思想社創業70周年記念新シリーズ「教養みらい選書」第1弾
  • シリーズ10冊
    3,0803,960(税込)
    監修:
    黒木俊秀
    訳:
    小野良平
    レーベル: ――
    出版社: 創元社

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    心の病を支援する臨床心理学をはじめ、身近な人間関係から学校、職場、地域社会、産業・文化など、心理学の関わる広大な領域を、カラフルなイラストと簡潔な解説でやさしく学べるビジュアル図鑑。心理学の概観から始め、さまざまな心の病とその治療法を解説し、さらには実生活の中での応用を見てゆく。これから心理学を学ぼうとする人たちだけでなく、不可思議な心のしくみに関心のある一般の人たちにも、ぜひお薦めしたい一冊。


    [本書の特徴]

    ●精神疾患を幅広く個別に解説
    疾患の分類・診断を概観し、個々の疾患については、症状や診断の仕方、治療法など、押さえておくべきポイントをわかりやすく簡潔に解説。

    ●さまざまな治療法の紹介
    現在、治療の現場で用いられているさまざまな考え方や方法、技法を紹介。治療の枠組みの違いがよくわかり、1人ひとりの疾患に合った治療法を探せる。

    ●心理学の広大な領域を網羅
    臨床心理学だけでなく、恋愛関係など身近な人間関係をはじめ、学校、職場、地域社会、産業・文化に至るまで、心理学が応用されている領域を幅広く取り上げている。

    ●理解を助けるカラフルなイラスト
    シンプルなイラストを用いて要点がうまく整理されているため、記憶に残りやすく、興味や関心が持続し、楽しみながら学習できる。

    ●必要な情報がコンパクトに
    1つのテーマが1ページか見開き(2ページ)にわかりやすくまとまっており、短時間で、必要な知識が網羅的に学べる。
  • あらゆる書物は見えない連関(ネットワーク)で結ばれている。その解読の驚きと愉しみ、秘術と実践。

    自分だけの「知の見取り図」は、いつの時代も蔵書から生まれる。20世紀前半、人文知再編の震源地となったアビ・ワールブルクの研究所およびワイマール文化を発端に、本書自体が、文化人類学的思考を通じてオルタナティヴな精神史・思想史を発見するための架空ライブラリーとして展開する、著者の代表作。
    美術、演劇、音楽、文学、宗教学、人類学……さまざまな文化/学問領域の隠れたネットワークを、おびただしい過去の書物をたぐりながら曼荼羅のように描き出す、みずみずしい驚きに満ちた知的アクロバット。
    1970~80年代のニューアカデミズム・ブームを牽引し、後世に巨大なインパクトを与えた伝説の一冊にして、普遍的な知の技術を示し/実践した名著を凱旋復刊。
    まさに「文庫の中の文庫」といえるコンパクトにして圧倒的な情報量が詰まったこの神話的迷宮は、21世紀の今も来る者すべてに開かれている。

    巻末に、「図書館」に関する講演録・エッセイを新たに増補。

    〈解説〉山本貴光

    【目次】
    第一章 二十世紀後半の知的起源
    第二章 ユダヤ人の知的熱情
    第三章 モーツァルトと「第三世界」
    第四章 「社会科学」としての芸能
    第五章 もう一つのルネサンス
    補 遺 物語作者たち

    [新増補]
    歴史と記憶(1995)
    図書館との出遭い(2000)

    解説 山本貴光
  • 第一次大戦後,資本主義の急激な高度化・都市化の進展によって引き起こされた社会変容は,日本の知識人に激しい衝撃を与え,20年代以降,文化的本来性をめぐる言説を大量に生み出した.西欧でも同時期に出現したこのあまりにも近代的な現象=「近代の超克」を新しい光のもとに捉え,日本の近代思想史像を一変した,衝撃の書
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    「平成」から「新元号」へ変わる今、暮らしに息づく「日本のしきたり」を知る

    2019年5月1日、平成も終わりを告げ、新たな元号へと変わります。
    日本独自の元号でもある和暦の中で生きる私たち日本人にとって、代々受け継がれてきた「日本の心」を改めて見つめ直す良い機会かもしれません。

    長い歴史を持つ日本の生活に息づいてきた様々なしきたりへの理解を深め、この国に生まれてきたことを感謝できる、豊かな人生を送るための「作法」「知識」「ならわし」が詰まった1冊です。

    ●おもな内容
    ▼平成から新元号へ 元号の基礎知識
    元号のルーツは?誰がどのように決めるのか? 元号にまつわる基礎知識や歴史の中の逸話などを徹底解説! 247の元号も一挙に掲載!

    ▼今日が何の日かわかる 年中行事歳時記カレンダー
    元旦、節分、端午の節句、夏祭り、七夕、十五夜、大晦日… 1年を通じて行われる様々な年中行事を紹介!その作法としきたりも解説します!

    ▼暦がおもしろくなる 日時・方位・運勢を表す言葉
    十二支や陰陽五行、六曜、九星など、これらを知れば、しきたりや年中行事がもっと深く理解できます!

    ▼妊娠から冠婚葬祭まで 人生節目の儀式
    妊娠、帯祝い、お宮参り、初節句、七五三から、厄年、結婚記念日、長寿のお祝い、葬儀、弔問の作法、年忌法要まで。人生の儀式を一挙に解説!
  • シリーズ2冊
    1,9252,035(税込)
    著:
    長谷川宏
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    長くヨーロッパの文化と思想を研究対象としてきた著者は、ここ20年ほど、日本の文化と思想の研究にとりくみ、その流れを歴史的に追跡してきました。その成果がついに一書にまとまったのが、本書です。題して、『日本精神史』。
    「精神」とはなにか。
    ヘーゲル研究者としてスタートした著者は言う。「あえて定義づければ、人間が自然とともに生き、社会のなかに生きていく、その生きる力と生きるすがたが精神だ」。
    テキストとして残された思想はもとより、土器や銅鐸、仏像、建築、絵巻、庭園など、あらゆる文化を渉猟し、縄文時代から江戸時代の終わりまでを、一望のもとに描く、まさに畢生の大作です。
    ただし、著者は、難解であることを潔しとしません。ヘーゲルのわかりやすい翻訳で脚光をあびたように、あくまでも流麗な文体で、明解に描いていきます。
    思想も絵画も仏像も、ひとしく日本の精神の歴史としてとらえ、あらためて、日本とはなにかを問いかける清新な傑作と言えます。
    待望の文庫化!

    【目次より】
    第一章 三内丸山の巨大建造物
    第二章 火炎土器と土偶
    第三章 銅鐸
    第四章 古墳
    第五章 仏教の受容
    第六章 『古事記』
    第七章 写経
    第八章 『万葉集』
    第九章 阿修羅像と鑑真和上像
    第十章 最澄と空海と『日本霊異記』
    第十一章 『古今和歌集』と『伊勢物語』
    第十二章 浄土思想の形成
    第十三章 『枕草子』と『源氏物語』
    第十四章 『今昔物語』と絵巻物
    第十五章 東大寺の焼失と再建
    第十六章 運慶の新しい造形意識
    第十七章 法然と親鸞
    第十八章 『正法眼蔵』
  • 縄文時代の巨大建造物から江戸末期の『東海道四谷怪談』まで、日本の美術・思想・文学の精神のありさまを、長大かつ深遠な歴史として一望のもとにとらえた傑作『日本精神史(上・下)』は、その年(2015年)の人文界の最大の収穫として話題をさらいました。

    本書は、読者諸氏が待ち焦がれたこの本の続篇です。題して、『日本精神史 近代篇』!

    この本が扱う時代は、その名のとおり江戸の終わりから20世紀の終わりにいたるまで。
    日本の歴史上、最大のインパクトのひとつである幕末の大転換期から、21世紀のいまを生き、わたしたちの生活に多様な彩りをあたえ、生きる源となるゆたかな精神のその発露までを追っていきます。
    日本近代の美術・思想・文学の三領域にわたる文物や文献を手がかりに、そこに陰に陽に示された精神のありようを、ときに冷静に、ときに客観的に言葉にした、前作『日本精神史』と双璧をなす大作です。
    著者は、前著同様、本書についても難解であることを決していさぎよしとしません。読みやすさに細心の注意をはらい、あくまでも流麗に、そして明解に描ききります。
    幕末から20世紀の終わりにいたるまでの150年にわたる時代の精神とはいったいどのようなものなのか? 近代における壮大かつ激しい精神の大河を、ここにご覧ください。
    上巻は、近代の始まりから、啓蒙思想の転変や近代文学者の苦闘などを経て、岸田劉生や村上華岳らによる美の探究まで。
    きな臭い時代へと突入するその精神のさまがじょじょに浮き彫りにされていきます。

    【目次より】
    はじめに
    第一章 近代の始まり
    1高橋由一/2『米欧回覧実記』
    第二章 啓蒙思想の転変
    1福沢諭吉/2加藤弘之/3中江兆民
    第三章 近代文学者の苦闘
    1坪内逍遥と二葉亭四迷/2北村透谷/3樋口一葉/4島崎藤村――抒情
    第四章 美術表現の近代性
    1青木繁/2菱田春草/3荻原守衛と朝倉文夫
    第五章 日清・日露戦争――ナショナリズムの嵐
    1日清戦争とその前後/2戦後経営/3日露戦争
    第六章 森鴎外と夏目漱石――近代的知性の面目
    1森鴎外(その一)/2森鴎外(その二)/3夏目漱石(その一)/4夏目漱石(その二)
    第七章 韓国併合と大逆事件
    1韓国併合/2大逆事件
    第八章 民俗への視線、民芸への視線――柳田国男と柳宗悦
    1民俗学の創成/2民芸を慈しむ思想
    第九章 言語表現への熱情
    1斎藤茂吉/2萩原朔太郎3宮沢賢治――修羅の苛立ちと彷徨
    第十章 絵における美の探究
    1岸田劉生/2村上華岳
  • 生きた全体としての歴史を捉えるという困難な課題から、歴史学の新たな問いかけが始まる。アナール学派を起点に、現代を生きる歴史家の営みを語る、迫力ある論考集。解説=岸本美緒
  • 過激なテロル,美しい詩,そして歴史叙述.近世日本の知識人は様々な企図を通して歴史に語り継がれたいと願った.そうした永遠性獲得願望の存在を指摘し,政治構想や時務策の次元だけでなく,論理化されない気分や情念の機微にまで分け入りながら,徂徠学から幕末志士へと至る新たな政治思想史の系譜を描き出す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
  • 12世紀の中世ヨーロッパ、一人の哲学者の著作が再発見され、社会に類例のない衝撃を与えた。そこに記された知識体系が、西ヨーロッパの人々の思考様式を根底から変えてしまったのである。「アリストテレス革命」というべきこの出来事は、変貌する世界に道徳的秩序と知的秩序―信仰と理性の調和―を与えるべく、トマス・アクィナスをはじめ、キリスト教思想家たちを激しい論争の渦へと巻き込んでいった。彼らの知的遺産は、現代にどのような意義を持つのであろうか。政治活動の発展と文化的覚醒が進んだ時代の思想を物語性豊かに描いた名著。
  • 革命を先導した芸術運動

    既存の価値観に対する攻撃とともに、ロシアでは20世紀初頭に産み落とされた前衛芸術。1917年の社会主義革命に先行したその活動は、芸術革命に呼応するものとして政治革命に同調し、昂揚する民衆のエネルギーに支えられて、芸術運動を展開してゆく。これがロシア・アヴァンギャルドと呼ばれる運動である。しかしそれはやがて、スターリン体制から「形式主義」として批判され、芸術の論理によらず粛清され抹殺されてゆく。マヤコフスキー、マレーヴィチ、メイエルホリドなど、激しい時代を生きた芸術家たちの活動に光をあて、その再評価の嚆矢となった20世紀美術史の名著。
  • 1,320(税込)
    その他:
    曹操
    訳:
    渡邉義浩
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    ■英雄たちが読み継いできた『孫子』は、曹操が定めたものだった!■
    □1800年受け継がれた”スタンダード”□

    「三国志」の激戦を戦い抜いた「魏武」曹操が、自らの軍事思想を込めて全篇にわたって付した注とともに校勘したその全文が、いまここに明らかに!
    読みやすい現代語訳に、懇切な語釈を付した全訳注。

    曹操が実践の応用に足るように定本をつくったからこそ『孫子』は現代まで兵法の根本として重んじられてきたことが、よくわかる!
    さらに、曹操や諸葛亮ら英傑たちが、戦場において孫子の説く兵法をいかに具体化させたかを分析する「実戦事例」も掲載。
    『孫子』の真髄がより具体的にわかるようになり、さらには「三国志」の世界もより深く理解することができる画期的全訳。

    *本書は講談社学術文庫のための訳し下ろしです。

    【本書より】
    曹操は、『孫子』の本文が持つ意味を深め、自身の解釈に合うような校勘をしながら、そこに自己の軍事思想を込めたのである。『孫子』は、これ以降、曹操が定めた本文を基本とした。……曹操の存在無くして、現行の『孫子』を考えることはできない(本書「解題」)

    【本書の内容】
    始計篇 第一
    【実戦事例一 白馬の戦い1】
    【実戦事例二 烏桓遠征】
    作戦篇 第二
    【実戦事例三 官渡の戦い1】
    謀攻篇 第三
    【実戦事例四 赤壁の戦い1】
    【実戦事例五 下ヒの戦い】
    軍形篇 第四
    【実戦事例六 官渡の戦い2】
    兵勢篇 第五
    【実戦事例七 白馬の戦い2】
    【実戦事例八 合肥の戦い】
    【実戦事例九 呉の平定】
    虚実篇 第六
    【実戦事例十 蜀漢滅亡】
    軍争篇 第七
    【実戦事例十一 諸葛亮の外交】
    【実戦事例十二 夷陵の戦い】
    【実戦事例十三 博望坡の戦い】
    【実戦事例十四 穣城の戦い・ギョウ城の戦い】
    九変篇 第八
    【実戦事例十五 五丈原の戦い】
    行軍篇 第九
    【実戦事例十六 諸葛亮の信】
    地形篇 第十
    【実戦事例十七 泣いて馬謖を斬る】
    九地篇 第十一
    【実戦事例十八 第一次北伐】
    火攻篇 第十二
    【実戦事例十九 赤壁の戦い2】
    用間篇 第十三
    【実戦事例二十 孟達を誘う】

    原文
    解題
    曹操の生涯
    年表
  • 1,100(税込)
    著:
    金谷治
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    『老子』は、『論語』とならぶ中国の代表的な古典である。その思想は、人間はその背後に広がる自然世界の万物のなかの一つであるという自然思想の立場をつらぬくことにある。したがって老子は、人間の知識と欲望が作りあげた文化や文明にたいして懐疑をいだき、鋭く批判する。無知無欲であれ、無為であれ、そして自然に帰って本来の自己を発見せよ、という。中国思想研究の第一人者が説く老子の精髄。
  • 神道とは何かを明らかにすることは、日本人の世界観や人生観を考えることにつながる!
    開祖も宗祖もおらず、教義も救済もない神道だが、その信仰は日本人の生活に深く浸透している。宗教の枠におさまりきれない神道について、その成り立ち、イスラム教との違い、仏教との関係など、「ない」宗教の本質に迫り、その展開を追う。
                  *
    第1章 「ない宗教」としての神道
    第2章 もともとは神殿などなかった
    第3章 岩と火-原初の信仰対象と閉じられた空間
    第4章 日本の神道は創造神のない宗教である
    第5章 神社の社殿はいつからあるのか
    第6章 「ない宗教」と「ある宗教」との共存
    第7章 人を神として祀る神道
    第8章 神道は意外にイスラム教と似ている
    第9章 神主は、要らない
    第10章 神道には生き神という存在がある
    第11章 伊勢神宮の式年遷宮はいつから行われているのか
    第12章 救いのない宗教
    第13章 ないがゆえの自由と伝統
    第14章 浄土としての神社空間
    第15章 仏教からの脱却をめざした神道理論
    第16章 神道は宗教にあらず
    第17章 「ある宗教」への胎動
    第18章 「ない宗教」の現在と未来
  • 3,080(税込)
    訳:
    井波律子
    レーベル: ――
    出版社: 岩波書店

    「仁」とは誠実な思いやり,人間愛──.のびやかにして剛毅,おおらかな楽観主義と陽性の健やかさに満ちた,人間・孔子.はつらつと弟子たちと語り合い,学問や音楽を心から愛し,どんな不遇のどん底でもユーモアを失わずに生きぬいた,力強い「肯定の思想」とは.今こそ新鮮な大古典の魅力を存分に味わえる,必携の一冊.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
  • 近代世界の同時形成の中で,東アジアもまた近代への道を歩み始めた.国民国家日本は,そのなかでどのような役割を果たしたのか.また,近代日本にとってアジアとはなんだったのか.思想の連鎖,人の移動,戦争と植民地化の複雑にからまりあった歴史を掘り起こし,近代アジアが形成されて行く過程をヴィヴィッドに分析する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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    1642ー1649年に絶対王政を打倒すべく起こったのが、清教徒(ピューリタン)革命である。その当時の政治的主張は、国王派、議会派、中立派、盟約派、カトリック同盟など、さまざまな主張が入り乱れていた。本書では、革命に思想的バックボーンを与えた思想を明らかにする。
    【目次より】
    目次
    はしがき
    凡例
    序説 ピューリタン革命の経済的背景
    I 反独占運動の発展
    [1] 王室独占の解体
    [2] 自由貿易論の展開
    [3] ギルド民主化運動
    II 農業・土地問題
    [1] 土地所有関係の変革
    [2] 囲込みと農業改良思想
    第一章 左翼民主主意義の成立 ジョン・リルバーンとレヴェラー運動
    I 分析の視角
    II リルバーンの思想的発展とその背景
    III レヴェラー運動の展開とリルバーン
    IV 『人民協約』の成立
    V 『人民協約』の発展
    VI レヴェラー運動の性格
    第二章 社会主義ユートウピアの構想 ジェラード・ウィンスタンリとディガー運動
    I 研究史的展望
    II ウィンスタンリの神学的歴史・社会観の成立
    III ディガー運動の実践へ
    IV ユートウピアの構想とその特質
    第三章 革命的無政府主義の先駆 第五王国思想の発展
    I 問題の所在
    II 「第五王国」思想の展開
    III 第五王国派の成立
    IV ジョン・ロジャーズの社会思想
    V プロテクター政権と第五王国派
    VI 第五王国派の性格
    第四章 不服従運動とその思想 初期クェーカーの社会思想
    I 問題の提起
    II クェーカー主義の成立
    III プロテクター政権とクェーカー運動
    IV 「内なる光」と社会批判
    V 初期クェーカーの社会思想
    第五章 エピローグ 総括と展望
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    西田幾多郎に師事した哲学者だったが、戦後マルクス主義唯物論者に転向した著者の著作集。全8巻。第一巻は、「自叙伝」である。
    【目次より】
    目次

    わが思想の遍歴
    まえがき
    ロシア語版序文
    ロシア語版あとがき   エリ・シャフナザロワ
    わが思想の遍歴
    唯物論十年 続わが思想の遍歴
    まえがき
    ロシア語版序文
    ロシア語版あとがき   ペー・フェドセーエフ
    唯物論十年
    私の人間変革
    まえがき
    前編 天空にあこがれて
    後編 大地に立つ 
    入党のことば
    わが入党の動機
    奇跡の友情 モスクワの女性からの手紙
    日本のみなさんへ   エリ・シャフナザロワ
    まえがき
    奇跡の友情
    柳田謙十郎略歴年譜
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  • 民主主義と自由主義は両立するのか。現代政治学の焦点の一つから、今日的な「政治」の意味が浮かび上がる。すべてが「資本」として流動化していく世界で、いかに資本主義と折り合いをつけ、どのように公共世界と私有財産を構築・維持していくか。これが「リベラルな共和主義」にとっての基本課題である。本書では、考察に必要な概念や論点に、歴史的・理論的な吟味を加える。まずは、フーコーとアレントの理論を足がかりに、そして、経済学、社会学の最新の知見を踏まえながら、実感の伴う政治の理解を目指す。
  • ウクライナ危機、旧統一教会問題の噴出、そして円高とさまよえる欲望……。現代日本の諸問題を、近代史を掘り下ることで明晰に読み解き、日本の未来を考える。最もアクチュアルな時評集。

    【気鋭の政治学者が日本の「いま」をわかりやすく読み解く!】

    ■アメリカ、中国、朝鮮戦争と日本の力学とは?
    ■戦後日本を形づくってきた権力とは何か?
    ■限界を超えた戦後体制はどこに向かうのか?

    繰り返される不祥事、
    政治家の信じがたい愚かで浅薄な言動、
    庶民の暮らしと乖離した政策のズレ、
    権力者たちの驕(おご)り等々。
    いったいこの違和感や奇妙でどうしようもない情けなさは、
    どこからきているのか。何が原点なのか。
    どういうことが影響してこんな体質や思考に陥るのか。
    そんな疑問は、
    日々のニュースの中で膨らんでいくばかりではないだろうか。

    しかし、その疑問を解くには、
    いくら毎日のニュースを積み重ねても本質にはなかなか届かず、
    正体が見えにくい。
    もっと深いところに降りていく必要があるのではないか――。

    幻想、幻惑から覚醒し、その実態を冷徹に見ることからしか、
    閉塞した状況を変え、
    壁の向こう側へとブレークスルーすることはできない。
    (本書より)

    ▽聞き手
    高瀬毅(たかせ・つよし)
    1955年長崎県生まれ。被曝二世。ジャーナリスト、ノンフィクション作家、ラジオパーソナリティー。現在、YouTube番組の「デモクラシータイムス」で司会を務める。明治大学政治経済学部を卒業後、ニッポン放送に入社。情報センター出版局編集者を経てフリージャーナリストとなる。1982 年、ラジオドキュメンタリー「通り魔の恐怖」で日本民間放送連盟賞最優秀賞、放送文化基金賞奨励賞を受賞。2009年『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』(平凡社)で平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞。日本文藝家協会会員。
  • 「歯車理論」や「小物理論」の虚偽を突き、第三帝国下の殺戮における個人の責任を問う「独裁体制のもとでの個人の責任」、アウシュヴィッツ後の倫理を検討し、その道徳論を詳らかにする講義録「道徳のいくつかの問題」など、ハンナ・アレント後期の未刊行論文集。ユダヤ人である自らの体験を通して全体主義を分析し、20世紀の道徳思想の伝統がいかに破壊されたかをたどる。一方、人間の責任の意味と判断の能力について考察し、考える能力の喪失により生まれる“凡庸な悪”を明らかにする。判断の基準が失われた現代こそ、アレントを読むときだ。
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    自由の謳歌と敗北の屈辱と……ふたつの相反する感情があざなって「戦後」の時空間は形成された。ふとしたことから噴出するわれわれの無意識とナショナリズムの関係に光をあてる。――「歴史認識」のぶつかりあいが必至なこれからの時代にあって、日本人はなにを思考の土台に据え、言葉を発していけるのか。

    【本文から】
    国家がもっている記憶の集積としての歴史について、それに一定の敬意を払うことは当然ですが、それに服従しなければいけない、それと一致しなければならないという歴史教育はおかしい。みずからが、国家がもっている記憶の集積にたいして、地域や家族の記憶を突き合わせて「どこがどうちがうんだろうか」と自律しながら見ていく目は必要ですね。(保阪正康)

    地益を地域のなかに生きている人びとがしっかりと自覚し、その地益に基づいて、地域と地域とが広域的に結びつく可能性に開かれていくならば、われわれは歴史の轍を踏まないで、これからの未来に、若い世代に、新しい日本、新しい朝鮮半島の可能性を用意してあげられるのではないかと思います。(姜尚中)

    このところの憲法を変えろという議論に象徴される、威勢のいい、勇ましい傾向は、ある種の葛藤、集合的な無意識だと私は思っているんです。みんながほんとうに本質的にこれが正しいと思って論理的に選択しているのではなく、「見たくないもの」を回避するための症状ですね。(香山リカ)

    ※北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて道新フォーラム「現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。今回は2012年11月25日に保阪正康、姜尚中、香山リカの三氏を招いて札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。

    ≪道新フォーラム≫活字化 第4弾
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  • 本やスマホ、土地や家屋、雇用や資産。自分のモノとして持っていることが「所有」であり、衣食住や商品取引、資本主義の原点である。こんにちシェアやレンタルがあるのに、ヒトは所有せずにいられない。他方でヒトの自由を守る所有権が、富の偏在を生む元凶となっている。なぜだろうか? 経済学や社会学、人類学の最新知見をふまえ、所有(権)の謎をひもとき、人間の本性や社会の成立過程、資本主義の矛盾を捉えなおす意欲作。
  • シリーズ2冊
    2,7502,860(税込)
    編集:
    小倉孝誠
    レーベル: ――

    感想から解釈へ、感動から批評へ飛躍するために。脱構築批評からフェミニズム批評、システム理論、そしてエコクリティシズムまで。 20 世紀から現代までの理論を幅広く学び、具体的な作品分析をとおして批評のプロセスも体感できる入門書。
  • オーストラリアの魔女、ルーシー・キャベンディッシュの邦訳第四弾です。原題は『Witches&Wizards』(2016年刊)。古代ヨーロッパから現代にいたる魔術の世界の歴史を俯瞰しつつ、それぞれの時代に生きた魔女や魔術師の“人生”に迫ります。
    魔術が新しい信仰と共存した時代の伝説の魔術師マーリンにはじまり、魔女狩り時代に死と隣り合わせの人生を生き抜いた天才魔術師ジョン・ディー、もっとも邪悪な魔術師と嫌悪されたアレイスター・クロウリー、迫害の時代から魔術復興の時代へと移る激動の時代を生きたドリーン・ヴァリアンテやジェラルド・ガードナー、ロザリーン・ノートンなど有名な魔女や魔術師だけでなく、ドイツやイギリス、アメリカなどで炎によって命を奪われた名もなき魔女たちも登場します。
    著者、ルーシーは本書執筆の動機をこう綴っています。
    「わたしたちと同様に悩み、葛藤し、その経験を生かして人生を謳歌し、世の中に変化をもたらす存在として力強く、たくましく生きた魔女や魔術師の真実を知ってほしい」
    ファンタジーや伝説のなかに封じ込められてきた魔女や魔術師たちに光を当てたヒストリカル・ストーリー。著者ルーシー・キャベンディッシュの新境地を拓く一冊となるでしょう。
  • 江戸時代中期、破滅的な財政危機に陥っていた米沢藩を質素倹約、殖産推進によって立て直し名君として知られる上杉鷹山。40年に及ぶ鷹山の藩改革が、ようやく実を結び始めるのは後半の20年に入ってから。その成功に至るプロセスで重要な役割を果たしたのが庄内藩の酒田商人・本間光丘。本書の著者は力説している〈光丘なくして鷹山なし。これは、何度繰り返しても言い過ぎではない〉と。鷹山が挫折からもう一度立ち上がろうとしたときに頼ったのが光丘。〈鷹山公の背後には、本間光丘という希代の名コンサルタントが軍師的存在として立ち現われ、その指導と助言に従って再建事業に着手した時、初めて前半生の二十年間にわたる苦闘の積み重ねがモノを言い、息を吹き返したのである〉。本書は鷹山を指南したその本間光丘の経営哲学を余すところなく伝えている。堅実に徹し、派手な投機には手を出さない。金を貸す相手には無理のない返済方法までを指南。必要な社会事業には惜しみなく金を注ぐ。一介の商人にとどまらない巨象の姿が見えてくる。
    〈目次〉
    第一章 自由都市酒田の伝統・自主自立の気概
    第二章 新興商人のチャンピオン
    第三章 米相場の天才、本間宗久の登場
    第四章 若き三代目光丘の着眼点
    第五章 本間流ケインズ政策の真相
    第六章 破産大名の再建請負ビジネス
    第七章 上杉鷹山の再建アドバイザー
    第八章 救済対策から始まった保険ビジネス
    第九章 最も確実な資本蓄積の道
    第十章 蝦夷地経営に乗り出す本間船
    エピローグ 永続的発展の道
  • 3・11以降の日本は、いったいどこに行こうとしてきたのだろうか。遅々として進まない被災地の復興、収束しない福島第一原発の事故処理、出口が見えない核廃棄物の最終処理問題、暴走しはじめたかに見える政治状況……。閉塞状態が続くこの現状にわたしたちはどう対峙すればいいのか。本書に収載されている3編はいずれも15年以上前に発表されたものだが、指摘されている内容の本質は、現在のわたしたちを取り巻いている状況と奇妙なほどに一致する。
  • 今から500年ほど前の日本。群雄割拠する戦国時代。天下取りを目指して知略を尽くしていた武将たち。自国の領地・民を守り如何にすれば他国を屈服させられるか。その先に見えてくる天下の平定。彼らは何に重きを置いて動いていたのだろうか。本書は、毛利元就、武田信玄、織田信長、豊臣(羽柴)秀吉、徳川家康、伊達政宗の6人にインタビューするかたちで、彼らの思想・行動の原理を解き明かしている。インタビューは架空だが、史実に基づいての受け答えはリアルであり、国家経営の要諦に迫っている。鉄砲の弱点に失望するよりも長所を最大限に生かすことに工夫を凝らした信長は、領内の関所を撤廃した。現代的に言えば関税・公共料金の廃止。すれば、領内に商人、民間企業が集まり経済が活発化して国が栄える。同時に各地からの情報も必然的に数多くもたらされる。情報の蓄積は次の行動の道標になる。時代の動きに敏感で異能のリーダーでもあった信長だが、人間の機微の把握には疎く本能寺の変に倒れる。人間の喜怒哀楽・愛憎の本質は時代を超えて不変である。力のみを頼りにすれば人間は傲慢になり暴走する。論理だけを頼りにすれば人心の機微を見失ってしまう。多様でそれぞれに違う個性をもつ人間を納得させてひとつの方向に導くことは至難の業。国・組織を動かすということはそういう難しさを超えたところにある。
     <目次>
    第一章 毛利元就~天下を呑む下剋上の組織術
    第二章 武田信玄~情報ネットワーク戦略
    第三章 織田信長~商人に学んだ自己啓発の極意
    第四章 豊臣(羽柴)秀吉〜天下取りの決断
    第五章 徳川家康~天下無双の交渉術
    第六章 伊達政宗~奇想天外の企画術

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