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『学問、一般財団法人東京大学出版会、雑誌を除く(実用)』の電子書籍一覧

1 ~32件目/全32件

  • シリーズ10冊
    1,8703,300(税込)

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    線型代数の最も標準的なテキスト。平面および空間のベクトル、行列、行列式、線型空間、固有値と固有ベクトル等7章の他、附録をつけ線型代数の技術が習熟できる。各章末に演習問題があり、巻末に略解を付す。
  • ハクビシンはどこから来たのか――はたして日本の在来種なのか、それとも外来種なのか? 永年にわたる謎をついに解明! さらに、生態や人間との関係をはじめ、さまざまな視点からその生きざまに迫る。都市化する野生動物たちとわれわれはどのように付き合えばよいのか?

    【「序章 ハクビシンの不思議を探る」より】
    ハクビシンは、日本をはじめ東アジアや東南アジアに広く生息するアジアに特有の哺乳類であるが、現在でもさまざまな謎を秘めた動物である。その名前の由来、外観の多様性、生活様式、地理的分布、日本での在来種説vs外来種説、農業被害など人間社会での問題点、今後の行方……。本書では七つの章に分けて、これらの謎をひもといていくことにする。種々の文献を参考にするとともに、私たちの研究室で取り組んできた遺伝子研究の成果を交えながら探っていきたい。


    【主要目次】
    序章 ハクビシンの不思議を探る

    第1章 ハクビシンとはどんな動物か
    1 縞模様のある顔と長い体――形態の特徴
    2 どこに住んでいるのか――東南アジアから東アジアまで
    3 どこでどんな暮らしをしているのか――生息環境、食性、生活様式
    4 どんな仲間がいるのか――分類と進化

    第2章 日本のハクビシン
    1 古文書のなかのハクビシン
    2 在来種なのか――日本在来種とのちがい
    3 外来種なのか――飛び石状の分布と急激な増加
    4 ハクビシンという名前の由来
    5 社会経済のなかのハクビシン

    第3章 台湾から日本へ
    1 タイでハクビシンに出会う
    2 渡来ルートを解明する――遺伝子からたどる
    3 台湾のハクビシンとの出会い
    4 台湾のハクビシンと日本のハクビシン
    5 日本への二つの渡来ルート

    第4章 日本で繁栄するハクビシン
    1 日本で分布を拡大するハクビシン
    2 本州と四国のハクビシン――DNAから見た地理的変異と多様性
    3 北海道と九州のハクビシン――日本列島での北上と南下

    第5章 ハクビシンと人間社会
    1 ヒトのグローバル化がもたらす外来種
    2 なぜ外来種が分布を拡大するのか
    3 外来種が引き起こす人間社会と生態系への問題
    4 ハクビシンとほかの外来種との関係
    5 ハクビシンの都市動物化

    終章 ハクビシンはどこへ行くのか

    あとがき
  • ニューヨークの街角から、現代都市の「分断」を学びほぐし、「共生」の可能性をさぐる

    今世紀初頭以降、ニューヨーク・ブルックリンで拡大してきたジェントリフィケーション。その過程とメカニズムを考察し、人種やジェンダー、階級による「分断」が錯綜する時代に生きる住民たちの日常生活と闘争、そして「共生」への試みを、精彩に富む筆致で描き出す。


    【主要目次】
    序章 なぜブルックリンに注目するのか――ポスト・コロナ都市の実験室

    I ブルックリンの都市変容と住民コミュニティの再編――ジェントリフィケーションが引き起こす「身体的共存」
    1章 現代都市を変える力学――ローカルな都市空間とトランスナショナルな不動産・金融複合体
    2章 複数のブルックリンと予期せぬ共存

    Ⅱ 対立の争点としてのジェントリフィケーション
    3章  「立ち退き」というパンデミックな感覚
    4章 地元で「部外者」になる――その場にいながらの排除
    5章 地域の新たなアクターたち――ジェントリファイヤー論再考
    6章 空間にひもづけられた「差異のるつぼ」――ミクロな差異の可視化と空間的共存の帰結

    Ⅲ ジェントリフィケーションの再解釈と「共生」
    7章 反ジェントリフィケーションの多様な実践
    8章 人種横断的な共生の実践――再解釈されるジェントリフィケーション
    9章 パンデミック時代の共生

    終章 「分断」を学びほぐす
  • 小澤正直氏(名古屋大学教授)推薦!
    「本書によって、量子の世界の奇妙さが身近に感じられる新しい文化が生まれることを期待する。」

    【内容紹介】
    「粒子は波である」「確定は確率的不定である」「不可知は完全な知である」――奇怪で不可思議で美しい、私たちの世界をつくる量子力学。その考え方の基本と量子生物学や宇宙論・情報理論などの話題のテーマを、物理と哲学と文学を絶妙にからめたユニークな文体でつづる。

    【本書「はじめに」より】
    「ここで試みたのは、物理学にあまりなじみのない、量子力学に関してはその名前以外あまり聞いたことのない読者に、量子論の考え方の基本を、そこに潜む常識から離れた奇妙な論理ごと理解してもらうことである。数学の知識も前提にしていない。……量子力学を知る愉しみを、物理学者にだけ独占させておくのはもったいないではないか。量子力学の物語は、実用性や応用技術を離れても、それ自体が大変美しい、鑑賞して面白い、論理空間上に建てられた一種の建築物だと、筆者には思えるのだ。」

    【主要目次】
    はじめに
    I  量子世界の不協和な調和について
    1  量子の不条理
    2  量子の不思議な部屋
    3  量子と確率と主観主義
    4  量子の堪え難い不確かさ
    5  波動関数とはなにか
    6  二状態量子力学の魔法部屋
    7  光の量子力学
    8  スピンの量子力学
    II 我々の身辺の諸物に見られる量子の不可思議な反照について
    9  量子の魔法部屋の用途
    10 量子状態と原子の成り立ち(物と波その1)
    11 フェルミオンとボソン(物と波その2)
    12 万物理論を求めて(物と波その3)
    13 量子的同一性について
    14 量子の統計的なテレパシー
    15 量子もつれの応用技術
    16 三目並べを量子的にする
    III 量子力学と宇宙、生命、そして人間世界との関わりについて
    17 行列とヴェクトルの抽象世界へ
    18 ディラックの海
    19 量子トンネリング
    20 量子と宇宙
    21 量子カオスの夢
    22 生命活動の量子論
    23 量子ゲーム理論
    24 いにしえの世界観の復興としての量子力学
    おわりに
  • 明治期に創立された三崎臨海実験所は、世界でも最も歴史の古い臨海実験所のひとつとして、日本における生物学の発展に大いに貢献してきた。近代日本の幕開けから現在にいたるその歩みを丁寧に振り返りながら、今後の海洋生物学研究・教育拠点としての実験所の展望を示す。


    【主要目次】
    1.明治期の三崎臨海実験所(1886–1912年)
    1.1 三崎臨海実験所前史
    1.2 三崎臨海実験所の創立
    1.3 入船時代――三崎臨海実験所の黎明期
    1.4 油壷移転――新しい実験所の幕開け
    1.5 実験所の大拡張――研究教育活動の基礎の確立

    2.大正期の三崎臨海実験所(1912–1926年)
    2.1 実験生物学の導入
    2.2 大正期の研究の動向

    3.昭和期の三崎臨海実験所(1926–1989年)
    3.1 実験生物学研究の進展
    3.2 実験所水族館の建設
    3.3 実験所本館の建設
    3.4 実験所建物の消長
    3.5 太平洋戦争と実験所
    3.6 太平洋戦争後の実験所

    4.平成期前半の三崎臨海実験所(1989–2004年)
    4.1 新実験研究棟の建設
    4.2 実験所で活躍した船たち
    4.3 平成期前半の研究活動
    4.4 実験所の教育活動――臨海実習

    5.平成期後半から令和期の三崎臨海実験所(2005年~現在)
    5.1 三浦真珠プロジェクトと三崎臨海実験所
    5.2 21世紀における三崎臨海実験所での研究
    5.3 海洋生物学100周年記念館・水族館の取り壊しと教育棟建設
    5.4 マリンバイオ共同推進機構(JAMBIO)
    5.5 三崎談話会の復活

    6.相模湾の豊かな生物相とその保全――三崎臨海実験所周辺
    6.1 実験所周辺の生物相
    6.2 実験所周辺の生物の保全活動
    6.3 生物保護区の設定

    7.三崎臨海実験所人物記
    7.1 実験所のスタッフ
    7.2 実験所に足跡を残した研究者
    7.3 天皇家と三崎臨海実験所

    8.日本の臨海実験所の未来への歩み
    8.1 国立大学理学部附属臨海実験所
    8.2 日本と欧米諸国の臨海実験所
    8.3 日本の臨海実験所の将来構想
    8.4 国立大学臨海実験所等の再編に関する提言
    8.5 臨界実験所の未来へ向けて

    付表1 三崎臨海実験所略年表
    付表2 三崎臨海実験所歴代所長、教員、職員一覧
    付表3 三崎談話会
    付表4 昭和期・平成期前半における研究の一例(教員・大学院生の研究題目)
    付表5 団 勝磨、団ジーン、磯野直秀関連資料
    付表6 マリンバイオ共同推進機構(JAMBIO)メンバー
    付表7 1900年までに開設された世界の臨海実験所
  • ツキノワグマによる人身事故はなぜ起こるのか—―ツキノワグマと人間の歴史をていねいにたどりながら、生息場所である森の変化、そして人間の生活の変化をふまえて、都市近郊に出現するようになった現代のツキノワグマの生態をとらえなおし、これからのつきあい方を考える。

    【著者からのメッセージ】
    1980年前後から本格的に開始されたツキノワグマ研究は、人とクマの関係の好ましい在り方についての多くの提言を、さまざまな機会を利用して世に出すことで、普及啓発に一定の役割を果たしてきたといえます。そのため、ツキノワグマに対する一般の認識も、ポジティブとまではいえなくても、ネガティブからは好転してきたと感じていました。
    しかし、ツキノワグマの出没が2000年代に入ってから常態化するようになり、そのような年には数千頭のクマが捕獲されると同時に、100人を超える多くの方が負傷される事態となっています。決定的な事故は、昨年初夏に秋田県で発生した4件の死亡事故で、すべての被害者が食害を受けたことから、ツキノワグマに対するイメージは一気に悪くなってしまいました。
    その結果、秋田県では未曾有の500頭近くのクマが捕殺されることになり、その影響は本州の他の自治体にも波及しました。こうした状況の背景には、ツキノワグマの分布域が本州全体で拡大している一方で、その管理が適切になされていないという構造的な問題が指摘できます。少子高齢化が進み、限界集落が増える予測の中で、クマとの軋轢は今後も続きそうです。
    本書は、一般読者の方を対象とした普及書です。すでに隣人と化したツキノワグマという動物について、まずはきちんと知ってもらいたいという願いで、その生態や現状について、最新の情報にもとづき、できるだけわかりやすくまとめてみました。もちろん自然科学にかかわる多くの方にもぜひ読んでいただき、ご意見をいただければ幸いです。

    【主要目次】
    第1章 ツキノワグマという動物
    1 クマの仲間
    2 アジアのツキノワグマ
    3 日本への渡来
    4 日本のツキノワグマ
    第2章 森や人間の変化
    1 分布域の急激な拡大
    2 人里への出没
    3 出没のメカニズム
    4 個体数の増加
    5 はげ山だった日本の山
    6 狩猟者の減少
    7 里山の機能喪失
    第3章 人間との衝突
    1 農業被害
    2 林業被害
    3 畜産業・水産業被害
    4 心理的な被害
    5 人身事故の実態
    6 ツキノワグマの行動の変化
    第4章 姿を消したツキノワグマ
    1 九州のツキノワグマ
    2 四国のツキノワグマ
    第5章 管理や保全のための試み
    1 非致死的管理の試み
    2 集落に誘引しないための取り組み
    3 危機的個体群の保全
    4 管理や保全のための普及啓発
    第6章 これからどうつきあうか
    1 保護管理計画の現状
    2 管理や保全の課題
    3 モニタリングの課題
    4 人身事故を繰り返さないために
  • 都市に現れたヒグマたち
    アイヌの人々に神と敬われ、豊かな自然の象徴とされながらも、しばしば駆除の対象ともなっているヒグマ。かれらはなぜ市街地に出没するようになったのか? 野生動物と人間の関係になにが起こっているのか? ヒグマの生態からその謎に迫る。


    【主要目次】
    序章 晩夏のヒグマの多様な素顔
    第1章 北の森に暮らすヒグマの素顔
    第2章 歴史的視点から見た人とヒグマの対立
    第3章 農地への出没
    第4章 市街地への出没
    終章 これからのヒグマ管理
    あとがき/引用文献


    【序章より】
    このところ、ヒグマの話題がつねに身近にある。私の身のまわりだけというのではなく、北海道全体でそうなのだ。毎年春になれば人身被害、初夏には市街地への出没や駆除の多発、晩夏には畑作物や果樹への食害、秋には果実類の凶作による餌不足と出没の関係が取り沙汰される。いったいヒグマになにが起きているのだろう。なぜ市街地に出没するのか、ほんとうに人とヒグマは共生できるのか、そのために私たちはどう対処すればよいのか。その答えはどれもそう単純ではない。地域によって、季節によって、年によって、ヒグマを取り巻く環境は変化し、人間社会も当然変化する。10年前と現在とでは人とヒグマの関係もまた違っている。

    人とヒグマの関係についての答えは、絶滅か共存かの二項対立のなかにはない。人もヒグマも大切な地球の構成要素の一つとして50年後も100年後もともにこの地に暮らしていること、そのために一部の人が不安や負担を強いられない関係をめざす必要がある。いつの時代にも、どの地域にもあてはまるような一般的な解決策は存在しない。今起きていることを冷静に分析し、とりうる選択肢の最適な組み合わせはなにか、問題を抱えたそれぞれの地域がその時々に応じて考え決めていくべき問題だ。

    冷静で効果的な判断のためには、ヒグマのこと、その他の野生動物や自然環境のこと、地域の人々の暮らしのこと、さらには地域以外の人々の考え方などをよく知り、地域の実情に応じていく必要がある。ヒグマについて、生息環境について、そしてそれを取り巻く地域について詳しく知れば、さまざまな場面で発生するヒグマに関わる問題を、他人事ではなく身近な関心事、自分事として共感を持ってとらえることができるようになるだろう。本書を手にとった方は少なくとも身近になったヒグマを知ろうと思ってくださったに違いない。本書が、さまざまな形で報道されるヒグマに関わる問題の背景にある、ヒグマという動物とそれを取り巻く環境、人との関わりのことを知っていただき、身近な動物として理解や共感を持っていただいたうえで、現在起きている問題の実態とその対処法について考えていただくきっかけになれば幸いである。

    この本では、野生動物としてのヒグマの素顔と自然環境や人間の暮らしなどヒグマに関係する要素を取り上げ、生態学的視点から今なにが起きているのかを考察する。そして社会学的な視点も取り入れながら、今後の北海道におけるヒグマ管理について、そのあり方を議論したい。そのために、私のヒグマとの出会いから始まる約30年の足取りをたどりながら、ヒグマをめぐる旅におつきあいいただくことにしよう。
  • ホモ・サピエンスは、生物としては20万年前からほとんど進化していない!
    「ビッグヒストリー」で紐解けば、現代社会の見方が変わる

    ・狩猟採集社会から変わらぬ人類の共通点とは?
    ・現代人がメタボになりやすいのはなぜ?
    ・確率論・ゲーム理論・抽象的思考は苦手?
    ・戦争を引き起こす思考のバイアスとは?
    ・環境問題より経済成長を重視しがちなワケは?
    ・ビッグデータや情報技術にどう向き合うべき?

    サピエンスの「進化」に照らせば、人間とは本来どのような生き物なのか、現代社会の抱える諸問題の根源に何があるかが見えてくる! 日本を代表する女性科学者として様々な社会課題の解決に貢献してきた著者が、進化の基礎知識から、リーダーの資質、Society 5.0への疑念まで縦横に語る。

    【本書「はじめに」より】
    今の子どもたちは、こんなIT環境に生物学的に適応するように、「進化」しているのだろうか。そんなことはまったくない。彼らの遺伝子の構成は、以前の人間たちと変わらない。(中略)私たち人類は、技術の発展に追いついてリアルタイムで進化してはいないのである。進化は、もっとゆっくりとした変化だ。


    【主要目次】
    はじめに
    Ⅰ ヒトの進化とは
    Ⅱ ヒトの特徴
    Ⅲ ヒトとヒト以外の動物たち
    Ⅳ ヒトと食
    Ⅴ 考えるヒト
    Ⅵ 共感と文化
    Ⅶ 集団の圧力やひずみ
    Ⅷ 地球環境問題
    Ⅸ 進化と現代社会のズレ
    Ⅹ ウィズ・コロナの世界で
    Ⅺ 遠くへ行きたい
    Ⅻ これからの日本社会に必要なこと
  • 「進化」で子育てをよみとく新しい試み

    ヒトに近縁な霊長類から系統としては遠いが身近なイヌ、ネコ、アリまで、その生活史や子育てのしかたを紹介。ヒトを含めた動物の子育てとはどのようなものなのか、心理学、行動学、進化学に基づき、信頼できる最新の科学的情報を伝え、子育てを相対化する視点を提供する。

    ~もう“ざんねん”とは言わせない!? 本書に登場する動物たち~
    ●もともとは「男も女も仕事、子育てはみんなで」だった [ヒト]
    ●パパもミルクで平等な子育て [ハト、ペンギン]
    ●助産師もこなす超イクメンザル [マーモセット]
    ●冬眠中に出産して身を削って子育て [ツキノワグマ]
    ●分身の術で餌をねだる托卵鳥 [ジュウイチ]
    ●子殺しからわが子を守る [ノラネコ]
    ●重複障害児を育てる [チンパンジ]
    ●子育て経験がなくても里親になる [イルカ]
    ほか多数!


    【本書「あとがき」より】
    本書の執筆者たちは、自らの子育てに苦労しながら、動物の行動を研究する科学者として、少し異なる視点から子育てについて考えられる材料を提供しようと試みています。こうして、さまざまな動物の子育てをずらりと並べてみて見ると、ヒトという動物の特徴が浮かび上がってきます。ヒトは社会生活をする動物です。脳が非常に大きいので、こんな大きな脳を持つ子どもを育てるのは、大変な仕事です。…ヒトの子育てには、血縁・非血縁を含めた多くの他者の協力が必要なのです。これが、ヒトの子育ての原点です。…本書を読んだ人たちも、いろいろな固定観念を崩し、ヒトの原点は忘れずに、より多くの人々が子育てを楽しめる柔軟な社会を作っていってくれることを期待します。


    【主要目次】
    はじめに(齋藤慈子)
    本書での基本事項

    I まずは知りたい! 子育てといういとなみ
    1 進化の中で子育てをとらえる(平石界)
    2 ヒトという動物の子育て(蔦谷匠)
    3 「母親」をめぐる大きな誤解(齋藤慈子)
    4 卵子・精子・生殖にまつわる不思議(藤原摩耶子)

    II みんな同じ…… 子育てをめぐる葛藤
    5 出産・子育てをめぐる心と体のしくみ――ラット(後藤和宏)
    6 抱っこで落ち着くのはなぜ?――マウス(吉田さちね)
    7 おっぱいはいつまであげる?――ニホンザル(山田一憲)
    8 ミルクでパパも子育て――ハト(牛谷智一)
    9 歌はことばを育てる――テナガザル(香田啓貴)

    III どこか似ている? さまざまな子育てのかたち
    10 ママのワンオペ孤育て――オランウータン(久世濃子)
    11 献身的すぎる? パパのワンオペ――トゲウオ(川原玲香)
    12 女系家族の子育てスタイル――アリ(古藤日子)
    13 パパは超イクメン――マーモセット(齋藤慈子)
    14 ママは放任主義?――ゴリラ(竹ノ下祐二)
    15 平等な育児と保育園――ペンギン(森貴久)
    16 子育ての正解は一つじゃない――シクリッド(篠塚一貴)

    IV のぞいてみよう! 驚きの子育て戦略
    17 冬眠中の出産! 身を削っての子育て――ツキノワグマ(小池伸介)
    18 進化がとぎすましただまし術――ジュウイチ(田中啓太)
    19 意外なイクメンぶり――ノラネコ(山根明弘)
    20 失われた父性――オオカミからイヌへ(今野晃嗣)
    21 タンザニアの森で障害児を育てる――チンパンジー(松本卓也)
    22 子育て経験がなくても里親になる――イルカ(酒井麻衣)

    あとがき(長谷川眞理子)
  • デジカメの時代にわざわざ生き物のスケッチ?
    いえいえ、じつはそれが大切なのです。
    自然観察の達人「ゲッチョ先生」が生き物の見方、描き方を伝授します。
    さぁ、フィールドノートとペンを持って、生き物たちの観察に出かけよう。

    【内容紹介】
    生き物をスケッチしよう――自然観察の第一歩はフィールドへ出て絵を描くことから始まる。デジカメ全盛の時代にあえてスケッチすることの大切さを熱く語る。絵を描くのが得意な人にも苦手な人にも、生き物スケッチのコツをていねいに伝授。

    【本書「はじめに」より】
    「これから本書で紹介するのは、僕がどのように生き物のスケッチを身につけたかという、いわば手探りの結果である。(中略)僕のような不器用な人間でも、スケッチと呼べるようなしろものが生み出せるようになったということは、かえって絵心にあまり自信がない人にも、伝えられる部分があるのかもしれないと思っている。」
  • ■地球温暖化によって雨は増えるのか
    ■晴れた日の夜はなぜ冷え込むのか
    ■火山噴火の後は冷夏になるのか

    地球温暖化によって雨は増えるのか? 晴れた日の夜はなぜ冷え込むのか? 火山噴火が夏の気温に与える影響とは? 身の回りやニュースで目にする天気の疑問や不思議を考えることで、自然現象の原理とそのおもしろさを学びながら、気象学の基本を身につける。


    【主要目次】
    まえがき
    1 地球温暖化
    2 温暖化は降水量を増やすか?
    3 都市の気候と日だまり効果
    4 晴天日の夜が寒くなる理由
    5 昼夜と場所によって変わる風速と突風率
    6 河川改修と養殖魚の大量死事件
    7 火山噴火と冷夏
    8 蒸発・蒸散量と気温の関係
    9 森林の水収支・熱収支と林内の気温
    10 砂時計に学ぶ砂漠の気候
    11 湧水の温度と環境変化
    12 空間の大きさと温度変化の時間
    13 大気・海洋の熱エネルギー移動と地球の気候
    付録 大気境界層・熱収支水収支論の発展史
    あとがき
  • メディアについての議論百出諸説紛紛。ベンヤミン、マクルーハン、ボードリヤール、エーコ、マクロビー、キットラー、マノヴィッチ、ラマール、ホイ……。彼ら/彼女らがメディアに関して紡いだ思考の核心を浮かび上がらせる。第一線で活躍するメディア研究者が執筆するメディア論を知り学ぶための最強テキスト。


    【主要目次】
    はじめに(伊藤 守)

    Ⅰ メディア論の目覚め
    ガブリエル・タルド:モナド論からメディア論へ(伊藤 守)
    ヴァルター・ベンヤミン:媒質から複製技術メディアへ(竹峰義和)
    テオドール・W・アドルノ:同一化と抵抗の弁証法(竹峰義和)
    レイモンド・ウィリアムズ:テレビのフォームとフォーメーション(山田雄三)
    マーシャル・マクルーハン:メディア論の発見者(門林岳史)

    Ⅱ メディア論の展開
    ジャン・ボードリヤール:モノの記号論からメディアのシミュラークル論へ(塚原 史)
    ウンベルト・エーコ:偶然からのメディア論!?(西 兼志)
    スチュアート・ホール:イデオロギー分析としてのメディア論へ(有元 健)
    アンジェラ・マクロビー:フェミニスト・カルチュラル・スタディーズの広がる領野(河野真太郎)
    レイ・チョウ:眼差す力とメディア(本橋哲也)
    フェリックス・ガタリ:Machine=「機械」の思想(伊藤 守)
    フランコ・ベラルディ(ビフォ):アウトノミア運動と自由ラジオ(毛利嘉孝)
    ポール・ヴィリリオ:メディア技術の速度(今関裕太)

    Ⅲ デジタルのメディア論
    フリードリヒ・キットラー:メディアの系譜学と技術への問い(大宮勘一郎)
    ベルナール・スティグレール:〈アテンション〉からのメディア哲学(西 兼志)
    マーク・B・N・ハンセン:テクノロジーと身体の媒介者(増田展大)
    レフ・マノヴィッチ:デジタル文化のメディア論(堀 潤之)
    アレクサンダー・ギャロウェイ:脱中心化以後のコントロールはいかに作動するのか(松谷容作)
    マシュー・フラー:ソフトウェア・スタディーズを組織するメディア実践者(毛利嘉孝)

    Ⅳ メディア論の最前線
    トーマス・ラマール:アニメを通して思考するメディアの理論化(藤木秀朗)
    ヘンリー・ジェンキンズ:媒介(メディエイト)される文化(渡部宏樹)
    ロザリンド・ギル:変容し続けるメディア・ランドスケープと女性性(飯田麻結)
    サラ・バネット=ワイザー:メディア文化と両義性の政治(田中東子)
    ジョディ・ディーン:メディア論と左翼政治の交点に立つコミュニスト政治学者(水嶋一憲)
    エルキ・フータモ/ユッシ・パリッカ:メディア考古学はどこへ向かうか(大久保 遼)
    ブライアン・マッスミ:〈不安/怖れ〉とテクノロジー(伊藤 守)
    ユク・ホイ:宇宙技芸の多様性(原島大輔)

    おわりに(伊藤 守)
  • 第16回大佛次郎論壇賞、第33回渋沢・クローデル賞受賞!
    2015年パリ同時多発テロ以来、注目を集める「ホームグロウン」の若者たち。そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか。「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり、暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる。

    【序章「フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う」より】
    「しかしこの悲劇(出版社注:2015年パリ同時多発テロ)は「グローバル・テロリズム」とそれに抵抗する「民主主義」というような図式には容易に収まりきらない背景を持っている。それは過去30年にわたって深まってきた、フランスの主流社会と移民・マイノリティの間の亀裂である。実行犯の多くは、ヨーロッパで生まれ育った「ホームグロウン」のエスニック・マイノリティの若者たちであった。彼らをこのような暴力へと向かわせる社会構造とはいったい何なのだろうか。
    本書は、フランスで現在「紛争」と化している事態を、マジョリティとマイノリティの間にある「亀裂」という角度から考察していくものである。」


    【主要目次】
    序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う
    1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から
    2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換
    3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目

    1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除
    1 日本とは異なる郊外像
    2 モラル・パニックとメディア、政治空間
    3 先行研究における「郊外」の位置づけ
    4 本書の枠組み――差別、排除、レイシズム
    5 本書の方法と構成

    2章 多様化する郊外とマイノリティ
    1 「移民」と「郊外」の関係を整理する
    2 郊外をめぐる複数の空間的アプローチ
    3 「移民」と居住の多様化――中産階級の台頭
    4 「移民」カテゴリー内部における分極化の進行――郊外貧困地区の状況の悪化と時間的変化
    5 「郊外問題地区」の類型化とセーヌ・サン・ドニ県の事例

    3章 排除空間の形成と国家の役割――フランス的例外か?
    1 「マイノリティ集住地区」としての郊外はどのように形成されたのか
    2 工業地区の郊外
    3 団地の郊外
    4 移民の郊外
    5 結びにかえて――排除空間としての郊外と国家

    4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開
    1 問題設定
    2 「都市政策」の誕生と展開
    3 脱工業化のインパクトと「赤い郊外」の変容
    4 市政と住民をつなぐ新たな媒介の模索
    5 「都市問題」という解読格子の誕生と定着
    6 階級問題から「都市問題」へ――「赤い郊外」における解読格子の変化

    5章 再生事業と住民コミュニティへの影響
    1 地域社会の底上げか、下層マイノリティの排除か?
    2 「ソーシャル・ミックス」の評価
    3 住民はどこに行ったのか?
    4 「ミックス」の実情と課題
    5 都市政策と地域社会の再編

    6章 郊外マイノリティの多様な抵抗
    1 エスニック・マイノリティの若者たちをめぐる参加と抵抗
    2 アソシエーション活動を通した抵抗――文化表現から政治活動へ
    3 問題化される「参加」――ラップの事例
    4 おわりに

    7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」――フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外
    1 追悼デモに来なかった「郊外の住民」たち
    2 事件直後の「郊外の住民」の反応
    3 「テロ対策」としての3つの改革――治安、教育、郊外
    4 カラー・ブラインド原則とその実態――まなざしの人種化
    5 文化的統合の深化と(それゆえの)問題化というパラドクス
    6 ダブル・スタンダードが生み出す問題
    7 プラグマチークな解決にむけた道のり

    終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして
    1 亀裂を生じさせる二重の「乖離」
    2 郊外の比較社会学に向けて――変容する日本の郊外へのまなざし
    3 「客観性」としてのマイノリティの視座

    文献一覧
    あとがき
    地名・人名索引
    事項索引
  • コロナ・パンデミックをはじめとする災禍の時代。露わになる格差の拡大、社会の分断、民主主義の危機などに、私たちはどのように立ち向かうのか。社会学理論の知見やデータをもとに、第一線の社会学者たちが未来へ向けて発信する市民へのメッセージ。


    【主要目次】

    まえがき

    I 災禍が拡大した格差と孤立
    1.コロナ・パンデミックと雇用格差(有田 伸)
    2.コロナ・パンデミックとジェンダー格差(筒井淳也)
    3.コロナ・パンデミックと教育政策(中村高康)
    4.コロナ・パンデミックと住宅問題(村上あかね)
    5.コロナ・パンデミックと日本の自殺(江頭太蔵)

    Ⅱ 民主主義社会のゆらぎと危機
    6.コロナ禍は民主主義国への評価を低下させたか(園田茂人)
    7.新しい介入主義に市民社会はどう対峙するか(町村敬志)
    8.危機に瀕する民主主義:ヴァイマル共和国の歴史から考える(友枝敏雄)
    9.民主主義の二つのかたちと日本の選択:教育から考える価値観と市民像(渡邉雅子)
    10.社会のゆらぎと社会理論のゆくえ(山田真茂留)
    11.文化戦争と文系学問の危機(盛山和夫)

    Ⅲ 未来をどのように創るか
    12.〈生〉を包摂する社会へ:ケアとジェンダーの視点から(落合恵美子)
    13.モビリティーズと〈共〉の社会理論(吉原直樹)
    14.持続可能な民主主義へ向けて(今田高俊)
    15.ウィズコロナ、ウィズAI時代の民主主義と社会学5.0(佐藤嘉倫)
    16.災禍の時代を超えて:孤立から語り合う世界へ(遠藤 薫)

    あとがき
  • 地震研×史料編纂所――東大駒場の人気講義

    3・11の津波は平安時代にも起きていた。
    地震学と歴史学双方からのアプローチで
    過去の災害を読み解き、未来に備える。

    数百年から数千年の間隔で発生する過去の大地震や火山噴火の実態に、歴史学と地震学の連携により迫る。東日本大震災の津波は平安時代の貞観津波の再来なのか、繰り返す南海トラフの地震はどこまでわかっているのか。歴史から将来の災害予測につなげる文理融合のアプローチを紹介する。東京大学出版会創立70周年記念出版。


    【主要目次】
    はじめに――過去の地震・噴火を読み解く

    1章 東北の地震
    1-1 東日本大震災の地震と津波
    1-2 平安前期の火山噴火と地震
    1-3 三陸地方の歴史地震

    2章 南海トラフの地震
    2-1 南海トラフの巨大地震―その繰り返しの歴史を概観する
    2-2 古代・中世の南海トラフの地震
    2-3 宝永の地震と富士山噴火
    2-4 安政の地震
    2-5 地震発生の長期予測と被害予測

    3章 連動する内陸地震
    3-1 熊本地震と兵庫県南部地震
    3-2 天正地震
    3-3 文禄畿内地震
    3-4 文禄豊後地震

    4章 首都圏の地震
    4-1 関東地方の地震のタイプと大正関東地震
    4-2 中世の相模トラフの地震
    4-3 元禄関東地震
    4-4 安政江戸地震
    4-5 関東地震の繰り返しと長期評価

    5章 歴史地震研究の歩みとこれから
  • 時代に対応した待望の改訂版

    研究対象者への配慮、ゲノムの扱い方、
    試料や情報の使い方、研究成果の伝え方、
    そして、研究不正を避けるには。
    最新の状況を反映し、好評テキストをアップデート。


    【内容紹介】
    医療応用を目指す生命科学の研究倫理ハンドブックとして好評に迎えられた教科書の第2版。初版以降の研究を取り巻く状況の変化に対応した改訂を行った。読みやすい「です・ます体」やコラムでの話題提供などは変わらず、アップデートされた教科書としてますます広く活用されることが期待される。


    【本書「はじめに」より】
    「研究倫理」という言葉を聞いて、どのようなことが思い浮かびますか? 楽しいことやワクワクするイメージが浮かびましたか? それとも、なんとなく「難しそう」とか「面倒臭そう」といった否定的なイメージが頭をよぎりましたか? おそらく後者のことを思った人が多いのではないでしょうか。……

    研究倫理に対する「難しそう」とか「面倒臭そう」といったイメージを払拭し、読者のみなさんに「意外とおもしろいんだ」と思っていただきたい、これが本書を執筆するにあたって私たちが目標としたことです。そうした思いから、本書は全編口語体にしています。本書を読み終わったあと、「研究倫理」がみなさんにとって少し身近な存在になっていれば、筆者一同にとってこの上ない喜びです。


    【主要目次】
    第1部 人を対象とする医学・生命科学研究に関する倫理の基礎知識
    レクチャー1 人を対象とする医学・生命科学の歴史と「研究倫理」の誕生(神里彩子)
    コラム1  731部隊(神里彩子)
    レクチャー2 人の身体に由来する試料を用いた研究の倫理(井上悠輔)
    コラム2  脳画像から偶然わかった重要な所見の取り扱い(高島響子)
    レクチャー3 インフォームド・コンセント(高島響子)
    コラム3 卵子の研究利用とスキャンダル(洪賢秀)
    レクチャー4 日本における倫理ルールの枠組み(神里彩子)
    コラム4 病院倫理委員会(楠瀬まゆみ)

    第2部 研究領域特有の倫理
    レクチャー5 ヒトゲノム解析研究の倫理(武藤香織)
    コラム5 患者を対象としたインフォームド・コンセントの実践(洪賢秀)
    レクチャー6 調査研究に伴う倫理的配慮(武藤香織)
    コラム6 臨床試験・治験に関する患者の語り(吉田幸恵)
    レクチャー7 臨床試験を倫理的に行うために(丸祐一)
    コラム7 体内植え込み型医療機器の臨床試験をめぐる倫理的課題(中田はる佳)
    レクチャー8 幹細胞研究の倫理(高嶋佳代)
    コラム8 動物を利用した臓器の作製はどこまで許される?(楠瀬まゆみ)
    レクチャー9 脳神経科学研究の倫理(礒部太一)
    コラム9 科学技術社会論と市民参加型ワークショップ(礒部太一)
    レクチャー10 動物実験の倫理(神里彩子)

    第3部 研究者としての倫理
    レクチャー11 実験終了後の倫理(高島響子)
    コラム10 遺伝子検査ビジネス(武藤香織)
    レクチャー12 研究発表の倫理と不正(井上悠輔、高島響子)
    コラム11 「STAP細胞」と研究不正(井上悠輔)
    レクチャー13 医学研究の信頼性と利益相反(井上悠輔)
    コラム12 ディオバン事案と研究者の責任(井上悠輔)

    関連する文献・ウェブサイト
  • “理系の本”をめぐるユニークで熱きメッセージ
    ようこそ、みなかワールドへ! 理系研究者を生業としながら、数多の本を読み、新聞やSNSなどさまざまなメディアで書評を打ち、いくつもの単著を出版してきた〈みなか先生〉からの〈本の世界〉への熱きメッセージ。さあ、まずはたくさん本を読もう! 東京大学出版会創立70周年記念出版。


    【主要目次】
    本噺前口上 「読む」「打つ」「書く」が奏でる “居心地の良さ”

    プレリュード――本とのつきあいは利己的に
    1 読むこと――読書論
    2 打つこと――書評論
    3 書くこと――執筆論

    第1楽章 「読む」――本読みのアンテナを張る
    1-1 読書という一期一会
    1-2 読む本を探す
    1-3 本をどう読むのか?――“本を学ぶ”と“本で学ぶ”
    1-4 紙から電子への往路――その光と闇を見つめて
    1-5 電子から紙への復路――フィジカル・アンカーの視点
    1-6 忘却への飽くなき抵抗 ――アブダクションとしての読書のために
    1-7 “紙” は細部に宿る――目次・註・文献・索引・図版・カバー・帯
    1-8 けっきょく、どのデバイスでどう読むのか

    インターリュード(1)「棲む」―― “辺境” に生きる日々の生活
    1 ローカルに生きる孤独な研究者の人生行路
    2 限界集落アカデミアの残照に染まる時代に
    3 マイナーな研究分野を突き進む覚悟と諦観

    第2楽章 「打つ」――息を吸えば吐くように
    2-1 はじめに――書評を打ち続けて幾星霜
    2-2 書評ワールドの多様性とその保全――豊崎由美『ニッポンの書評』を読んで
    2-3 書評のスタイルと事例
    2-4 書評頻度分布の推定とその利用
    2-5 書評メディア今昔――書評はどこに載せればいいのか
    2-6 おわりに――自己加圧的 “ナッジ” としての書評

    インターリュード(2)「買う」――本を買い続ける背徳の人生
    1 自分だけの “内なる図書館” をつくる
    2 専門知の体系への近くて遠い道のり
    3 ひとりで育てる “隠し田” ライブラリー

    第3楽章 「書く」――本を書くのは自分だ
    3-1 はじめに――“本書き” のロールモデルを探して――逆風に立つ研究者=書き手
    3-2 「読む」「打つ」「書く」は三位一体
    3-3 千字の文も一字から――超実践的執筆私論
    3-4 まとめよ、さらば救われん――悪魔のように細心に,天使のように大胆に
    3-5 おわりに――一冊は一日にしてならず……『読む・打つ・書く』ができるまで

    ポストリュード――本が築く “サード・プレイス” を求めて
    1 翻訳は誰のため? ――いばらの道をあえて選ぶ
    2 英語の本への寄稿――David M.Williams et al.,The Future of Phylogenetic Systematics
    3 “本の系統樹” ――“旧三部作” から “新三部作” を経てさらに伸びる枝葉

    本噺納め口上 「山のあなたの空遠く 『幸』住むと人のいふ」
  • デカルト、ダーウィンからドゥ・ヴァールまで――
    人間を特別視する思想の起源と危険性を問う
    動物の「心」は人間から類推できる/すべきものなのか。動物の行動実験や脳研究から比較によってヒトの心に迫ろうとしてきた著者が、心理学に巣くう擬人主義がなぜ問題なのかを解き明かし、心の多様性への理解を促す警鐘の書。西欧的人間観の終焉、無脊椎動物や植物についての議論など約100頁増。


    【主要目次】
    まえがき――反擬人主義の旗の下に
    序 章 擬人主義のなにが問題か
    第1章 類似性と擬人主義――面妖なり観相学
    第2章 ダーウィンをルネ・デカルトは知らざりき
    第3章 哀れなり、ラ・マルク
    第4章 ダーウィン、ダーウィン、ダーウィン
    第5章 ウォーレス君,何故だ
    第6章 元祖「心の理論」――ロマネス、モルガンの動物心理学
    第7章 ドイツ実験心理学の栄光と賢馬ハンスの没落
    第8章 新大陸の動物心理学
    第9章 行動主義宣言!
    第10章 花盛りの動物心理学――新行動主義の栄光
    第11章 行動分析とスキナーの孤独
    第12章 比較認知科学――忍び寄る擬人主義
    第13章 「人間」の終焉と比較認知科学の完成
    第14章 擬人主義・ロマン主義・浪曼主義
    第15章 擬人主義を排す
    第16章 動物の哲学 
    第17章 無脊椎動物に「心」は必要か
    第18章 植物に「心」は必要か
    第19章 機械に「心」は必要か――ヒトとの共生
    終 章 心とはなにか
    自著解題
    あとがき
    増補改訂版あとがき
  • ルーマンの思考が切り開く
    新たな社会学の地平

    ニクラス・ルーマンが切り開いた社会の自己産出系論を経験的な社会科学のひとつとして位置づけ、鍛え抜かれた思考をより広い地平へ解き放つ。「社会学の溶解」が問われる現在、新たなルーマン像を「中範囲の理論」として描き出し、社会科学へ回帰させる試み。


    【主要目次】
    序論 経験的システム論への転回――社会学における理論の地平とマスメディア

    I メディアと社会
    1.サブカルチャー/社会学の非対称性と批評のゆくえ――「世界を開く魔法」社会学編
    2.制度と技術と民主主義――ネット社会の政治システム
    3.世論と世論調査の社会学――「前面化」と「潜在化」の現在と未来
    4.現代メディアと批評する個人――ジャーナリズムのシステム論から
    5.機能的に分化した社会のマスメディア――報道するシステムと知のあり方
    6.「社会学の知」の位置と資産

    II システムの公理系
    1.自己産出系の公理論――システム論のsyntaxとsemantics
    2.自己産出系のセマンティクス――あるいは沈黙論の新たな試み
    3.回帰的なネットワーク――社会の自己産出系の解説1
    4.「固有値」と機能的分化――社会の自己産出系の解説2

    III システムとネットワーク
    1.ネットワークと境界性――「第三世代」システム論からの考察
    2.オートポイエティック・システム論から組織を見る――「二次の観察」としての理論の射程

    終章 人と学術
  • 東日本大震災、新型コロナウイルスなど、人びとの生活を一変させる出来事が起こる現在、科学コミュニケーションはどのようにあるべきなのか? 科学コミュニケーションの科学論、現場からの実践、そしてその広がりについて、多角的な視点から論じる。


    【主要目次】
    はじめに(藤垣裕子)

    第I部 科学コミュニケーション再訪(理論篇)
    第1章 「空間人間観」を越えゆくために――欠如モデルの歴史的位置づけ(廣野喜幸)
    第2章 一般市民の文脈、自然科学者の文脈――文脈モデルの含意(廣野喜幸)
    第3章 科学コミュニケーションの垂直モデルと水平モデル(廣野喜幸)
    第4章 科学コミュニケーションのモデル――欠如モデルから垂直モデル/水平モデルへ(内田麻理香)
    第5章 市民参加における水平モデル(定松 淳)

    第II部 メディアの現場から(実践・事例篇)
    第6章 科学コミュニケーションとインターネットコミュニケーション技術・ソーシャルメディア(田中幹人)
    第7章 科学ジャーナリズム(須田桃子)
    第8章 テレビ
    8.1 科学番組制作の実践例(井上智広)
    8.2 科学コミュニケーションにおけるテレビの位置づけ(佐倉 統)
    第9章 博物館
    9.1 科学博物館(小川達也)
    9.2 科学展示のキュレーショ(洪 恒夫)
    第10章 サイエンスライティング(渡辺政隆)
    第11章 科学者・技術者のアウトリーチ
    11.1 原発事故後のリスクコミュニケーション(鳥居寛之)
    11.2 メディア・アートと自然科学の連携がもたらす新しい発問の仕掛け(ホアン・マヌエル・カストロ、豊田太郎)

    第III部 これからの科学コミュニケーション、その広がり(展望篇)
    第12章 科学コミュニケーションと初等中等教育(大島まり)
    第13章 ヘルスコミュニケーション(孫 大輔)
    第14章 ELSIおよびRRIが提起する科学コミュニケーション上の課題(藤垣裕子)

    おわりに(廣野喜幸)
  • すべてのイヌ好きに贈る――動物行動学者が愛犬家として綴る感動の科学エッセイ
    動物行動学者のKとその愛犬コーディー、両者の視点からイヌの認知やコミュニケーションについて楽しく深く学べる1冊。読めばますますイヌが愛おしくなること間違いなし!

    【「まえがき」より】
    イヌはほんとうに不思議な動物である。なにが不思議かといえば、その立ち姿から行動、表情、そしてその兼ね備えた未知なるパワー、いずれもが不思議である。肉食の四足動物、本来ならヒトの天敵でもおかしくなかったはずが、たとえばハウンド・ドッグの立ち姿はあまりにも優美であり、フレンチ・ブルドッグのそれはかわいさにあふれている。どうしてこのような多様な容姿を手に入れることができたのだろうか。地球上に存在するありとあらゆる生物の中で、イヌほど多様な種はいるまい。話しかけるとじっとこちらを見てくるし、わかったような顔さえする。 飼い主の様子をうかがいながら、自分の行動を選択し、ときには飼い主を出し抜くことさえある。散歩に出ると、普段は話すこともないような人たちが挨拶してきて、一気に場が和む。イヌはどうしてそのような身につけたのだろうか。…

    本書は研究者としてではなく、私がボストンにいたときに迎えたコーディーを中心に、彼の行動の背景にある進化的要因や認知機能を、飼い主の目線と、そしてイヌからの目線を妄想して記した。イヌからの目線に関しては、自分でコーディーの気持ちを書くと、あまりにも恣意的になる。そこで、コーディーをよく見て、研究の立ち上げを支援してくれた同じ研究室の永澤美保先生にお願いした。コーディーのよさはラボ内に限らず、散歩中や家の中でもたくさんあったが、研究室内の彼のイキイキとした生活ぶりを中心に記載してもらった。コーディー自身の目線からの文章を読むと、今でも彼の姿が思い出されてしまう。


    【主要目次】
    まえがき(菊水健史)

    第1章 はじまり
    誕生前夜
    誕生
    きょうだい

    第2章 成長
    開眼
    探検
    離乳
    お出かけ

    第3章 新しい世界へ
    新しい家
    色・音・におい
    おやつのゆくえ
    目じるし
    仲間

    第4章 イヌの世界
    家族
    再会
    群れ
    リーダー
    同調

    第5章 ヒトとイヌ
    指さし


    自分
    真似

    協力

    第6章 絆の形成
    お別れ
    お留守番
    おかえりとただいま

    第7章 おわり
    老い
    進化
    不安
    出会い
    寄り添い
    共生
    最後の夜

    あとがき――その後のできごと(永澤美保)
  • 進化に興味を持った人に、最初に読んでほしい本

    ヒトに固有な特徴や性差について進化という軸を通して検討し、なぜ言語や文化を持つのか、ヒトの進化環境がどんなものだったかなどについて、領域横断的に考察する。第一人者が明晰かつ親しみやすい語り口で、進化という視点から人間の本性に迫る。


    【第1章より】
    人間がなぜこのような生き物なのかを科学的に探るには、人間の進化の理解が必須である。進化を理解するには、進化のプロセスに関する一般的な理論を知らねばならない。その進化の理論を最初に科学的な形で提出したのはチャールズ・ダーウィンだった。…

    ダーウィンは、遺伝について何も知らずに進化の理論を考えたのだが、その後の遺伝学の発展に伴い、進化理論はどんどん進んでいった。現在の理解をもとに、人類の進化を考えると何が見えてくるか、本書では、進化という軸を通して、人間の理解を統合してみようと思う。進化学の越境であり、新たな人間学の試みの萌芽でもある。


    【目次】
    第1章 人間への興味――越境する進化学
    第2章 ヒトとチンパンジーはどこが違う?
    第3章 ヒトの生活史――赤ん坊、子ども、年寄り
    第4章 ヒトの子育て――ヒトは共同繁殖
    第5章 進化生物学から見た少子化――ヒトだけがなぜ特殊なのか
    第6章 ヒトの食物と人間性の進化
    第7章 ヒトにはどんな性差があるのか
    第8章 ヒトのからだの性差と配偶システム
    第9章 ヒトの脳と行動の性差1――食物獲得との関連
    第10章 ヒトの脳と行動の性差2――文化との関連
    第11章 三項表象の理解と共同幻想
    第12章 群淘汰の誤りとヒトにおける群淘汰
    第13章 ヒトはなぜ罪を犯すのか――進化生物学から見た競争下での行動戦略
    第14章 ヒトの適応進化環境と現代人の健康
    第15章 ヒトの適応進化環境と社会のあり方
    第16章 言語と文化
    第17章 人間の統合的理解の行方
    第18章 進化心理学・人間行動生態学の誕生と展望
  • 学生・実務者必携の一冊
    未来社会を変えるドローン
    2022年12月に第三者上空飛行が可能となる改正航空法が施行され、ドローンの本格的な社会実装、事業化が始まる。本書は、ドローンの有効な使用法から実際に使うときに必要な法律面・リスク管理の知識までを一冊にまとめた学生・実務者必携の一冊である。


    【主要目次】
    はじめに

    第1章 次世代エアモビリティの社会実装に向けて
    1.1 はじめに
    1.2 ドローンへの期待
    1.3 ドローンの歴史とその技術
    1.4 ドローン、空飛ぶクルマの制度的課題
    1.5 まとめ

    第2章 社会におけるドローン活用
    2.1 次世代エアモビリティ──人が中心となる活用に向けて
    2.2 政府の取り組み
    2.3 自治体の取り組み
    2.4 まとめ

    第3章 産業に活かすドローン
    3.1 日本のドローン産業──歴史と課題
    3.2 ドローン配送実現に向けて
    3.3 機体の信頼性の向上と認証制度
    3.4 落下対策
    3.5 第三者認証制度の導入
    3.6 災害時対応に耐える信頼性を目指して
    3.7 まとめ

    第4章 教育現場でのドローンの可能性
    4.1 教育テーマとしてのドローン
    4.2 ドローンと「ハサミ」
    4.3 屋内小型ドローンと得られる学び
    4.4 ドローン教育事例
    4.5 まとめ

    第5章 近づく人とドローンの距離
    5.1 次世代エアモビリティの特徴
    5.2 社会受容の仕組み
    5.3 空は誰のものか──他人所有地上空における無人航空機飛行に関する法的整理
    5.4 運航リスクアセスメント手法──SORA
    5.5 空中衝突リスクの考え方
    5.6 まとめ
  • 緑先輩、タヌキをとことん語る

    ●タヌキの基本スペックは?
    ●タヌキはどう進化してきた?
    ●タヌキは本当に人を化かす?

    タヌキ学の黒帯的研究者が、令和のポンポコ事情を明らかにする。
    大いなる「狸想」を掲げ、「真狸」を追求せよ!
  • 「人間とは何か」という問いに「進化」という側面から光を当て、生物としてのヒトという視点で行動や心理をとらえたロングセラー・テキストの全面改訂第2版! 新たに共著者を迎え、分子生物学・化石人類学を含む研究の進展に対応し、生活史・進化心理学の研究法・文化進化について章を設けるなど、内容を刷新。
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    大気境界層といわれる地表面にもっとも近い大気層の身近な気象を,放射・熱収支・風などのさまざまな要素にわけて解説した本格的な応用気象学のテキスト.学生から現場で働く技術者にまで役立つよう豊富な実例をあげ,やや専門的な内容までわかりやすく解説している.
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    気象学への広い関心に応え,気象現象についての話18章を見た現象から次第に科学的な法則へと導いて解説するユニークなテキスト.東北大学教養学部における講義を基礎に,「自然の物理」を見る感覚を育てることを主眼とする.
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    力学を通して物理学の姿を紹介。多くの実験データをもとに経験数理科学としての物理学を活きいきと描くことに努め、力学のつくられてゆく歴史的過程を教材として積極的にとり入れた。研究者を志す人々にとって教科書としては勿論のこと自習書としても最適。
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    自然界を記述する言葉を与え、リーマン幾何学やアインシュタイン多様体、ゲージ理論、シンプレクティック幾何学など、さまざまな分野との関係も深い微分幾何学。本書は、東京大学で行われた講義をもとに基礎概念を体系的に解説。周辺分野との関連も紹介する。
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    現代数学の基礎となる群と環。その初歩を、東京大学理学部数学科で行われている講義「代数学I」のシラバスに基づきつつ、具体例を交えてわかりやすく解説。テーマをしぼり、コンパクトにまとめる新しい教科書シリーズの第1冊目。演習問題も多数。
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    微積分や線形代数の先には、どのような世界がくりひろげられているのだろう。東大数理の執筆陣が、いま数学ではどのようなおもしろい研究がおこなわれているのかを、初学者に向けて生き生きと解説。あなたも臨場感あふれる講義に参加してみませんか。
  • 論文とはどういう文章か? 論文のモラルとは? 主題の見つけ方、設計と構築の仕方は? 論文を書くこと=技術(アート)として捉えて、この創造的な仕事の基本姿勢から実践方法までを懇切に解説する。卒論や学術論文の本格的な作法を身につけ、知の基礎能力を高められる一冊。

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