「東方Project」シリーズ 二次創作 ラノベ
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その少女は夜空の星を通じて世界を暴いていたはずだった
入手した情報を元に、メリーと共にオカルトの調査をすべく奈良県は三輪山にやってきた蓮子。
道中で結界の境も見つけ、秘された何かへの期待は高まっていた。
夜半に山に侵入することに成功した蓮子だったが、出くわした怪しげな猫を追いかけているうちにメリーとはぐれてしまう。
星と月から位置と時刻を割り出す力を頼りに、合流するべく夜空を見上げるが、猛烈な不快感
――そして、まともに位置も時間も分からないという現実が彼女を襲う。
自分がどこにいるのか分からない。
今がいつなのかさえ分からない。
星空の下ではあり得なかった感覚に混乱する蓮子は、延々と変わらない風景の続く三輪山を彷徨い、疲弊していく。
やがて朝を待ちわびるようになるも、彼女を待っていたのは太陽ではなく、さらに理解を超えた、祈りをも砕く現実だった。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第11弾。 -
その少女は視ることが己の全てのはずだった
月の兎である鈴仙は、人里へ薬を売りに行ったり、永遠亭で主人の世話をしたり、程々に忙しくも穏やかに暮らしていた。
ある日、仕事の帰りに妖獣と妖精の喧嘩の仲裁に入った鈴仙は、意図せず彼女らを自分の狂気に冒してしまったことに目の不調を感じ、コンタクトレンズで狂気の視線を抑制することにした。
しかし狂気の瞳は鈴仙の意思や対策をあざ笑うかのように、部下の兎を、主人の敵を、妖怪たちを狂気に染めていく。
自分の狂気が彼女らに自分を襲わせる。
自分の存在理由が自分の手を離れる。
自分で自分の首を締めている状況に心が耐えられなくなった鈴仙には、頼みの綱にすがりつく他、道は残されていなかった。
しかしその道は、己の能力に一番詳しいはずの自分ですら分からないという現実を前にして容易く崩れ落ちる。
少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第九弾。 -
その少女は世の転換を求めていたはずだった
命を狙われていた天邪鬼・鬼人正邪は追い詰められた末、マジックアイテムの魔力を全て使い敵対者の『自分への害意』を逆転させることに成功した。
好意を持って接してくる元敵対者たち。彼女たちは正邪の過去の行いが正義だったと誤認しきっていた。
優しくしてくる皆に天邪鬼な部分は唾を吐くが、どこか安心した自分がいるのもまた事実だった。
だが、元々裏も表もない者たちに変化などない。里の人間に害意を浴びた正邪は、望むべきそれに怯える自分に気づく。逆転した好意に浸かった心には罅が入っていた。
けれど正邪は知ることになる。正道を外れた逆転によって生じた罅は、己を飲み込むものだと。その恐怖は正道であり、逆転という偽りの正道こそ真の邪道なのだと。
少女たちが抱く「最も恐ろしいもの」をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第六弾。 -
その少女は真なる己を見て驚いた顔を愉快に眺める者のはずだった
人里で暮らす妖怪・飛頭蛮の赤蛮奇は、変わらない日々に飽いた末に陶芸という趣味を見出し、人間に紛れて 作った器を売りながら、そこそこ充実した暮らしを送っていた。
そんな中、自分を遠巻きに見つめる男の存在を悟る。正体に気付かれたか、と彼を捕まえて吐かせたその動機 は、赤蛮奇の作る器に魅入られたというものであった。
器を介して不器用に繋がっていく二人。
傍から見れば恋仲でしかない生活。
だが、その関係が歪なものにならないわけがなかった。
赤蛮奇にとって、自分が妖怪であるという認識は確固たるものであり、他人と触れ合わぬ彼女には顔色を伺う ことすら満足にできなかったのだから。
そして歪な関係は、歪に組み合わされた不可避の未来を形作る。
少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第八弾。 -
その少女は人々の嘘を糧としていたはずだった
かの伝説の大妖怪・鵺の正体たる封獣ぬえは、久々の地上に恐怖の不足を感じつつも、暇を持て余していた。
夏の祭の日のこと。正面から祭の意図を挫こうとする魔女にあてられたぬえは、山の神たちを出汁に人々へ鵺の恐怖をしらしめることに成功した。
人間が正体不明を恐れている。恐怖が私を強くする。だが問題はないはずなのに、ぬえは増大する妖力に不安を覚えていた。
――その不安は、的中することとなる。
身を置いている寺の連中が、自分のことを正しく認識できなくなった。
正体不明の妖力が悪さをしているとしか思えない前代未聞の事態に、解決を模索するぬえだが、正体不明を襲う正体不明の現象はそれだけでは終わらない。
ぬえが辿り着いたのは、正体不明を歪める明々白々で絶望的な事実だった。
少女たちが抱く『もっともおそろしいもの』をテーマにした、各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第十弾。 -
その少女は死なず腐らぬ肉体を是とされていたはずだった
暗い場所に閉じ込められている――
宮古芳香という名を持つということ以外に自分に関する記憶のほとんどを失った少女は己が見知らぬ所にいることを悟る。
己を求めて、そして己を救える者を求めて彷徨う芳香であったが救われるべき己の肉体は死体そのものであった。
「こんなの化け物以外にありえない」
「私はいつから化生となったのか」
自分が人間であると信じていた宮古芳香の常識が一歩を踏み出すたびに腐り落ちていく。
やがて己の存在そのものを腐らせていくようになった芳香は人と人ならざる者の境界で醜く抗う。
その抵抗自体も腐敗への道のりを進めるものであるというのに。
少女たちが抱く『最も恐ろしいもの』をテーマにした各巻完結型の幻想少女恐怖シリーズ第七弾。 -
奇跡を起こす少女。超能力を操る少女。彼女達の出会いと別れ、そして秘封倶楽部の物語。
生まれながらにしての超能力者、宇佐見菫子。
「自分は他の人達と違う」
幼少期からそう悟り、目立たない為に、他人の中に溶け込むよう、努めて行動していた。
菫子は、彼女の望む通り、常に独りだった。
そんな彼女の前に現れた、一人の少女。
「私は神様が見えるの」
そう言った彼女の名は、東風谷早苗。
奇跡を起こす少女。
超能力を操る少女。
この出会いは偶然か、それとも奇跡か。
彼女達はどこへ向かい、
どこへ収束するのか?
『秘封倶楽部』
始まりの物語。 -
10年の時を超え、秘封倶楽部、最後の倶楽部活動が始まる!
ある理由により、秘封倶楽部が解散してから10年。
宇佐見蓮子は宇宙飛行士となっていたが、二月に一度も宇宙に出るという過酷な労働条件の中ですり切れようとしていた。そんな彼女のもとに突如としてかつての相棒、マエリベリー・ハーンからメッセージが届く。
彼女はかつての倶楽部をもう一度と蓮子に求めてきたのだ。
いくつかの疑問、そして何よりも10年の時が生んだ深い断裂に躊躇いを覚えながら、蓮子はメリーの住むマンションへと赴く。そこで待ち受けていた活動内容とは《娘》を空の彼方に浮かぶ《鳥船遺跡》から救い出したいというものだった。
第四重力均衡点に浮かぶ天の筏を目指すため、38万キロメートルの距離と10年の歳月を超え、秘封倶楽部最後の倶楽部活動が幕を開ける。 -
妖怪の山を舞台に、新たな恋の物語が幕を開ける!
東風谷早苗は平凡な学生として、また爪に火を灯すような信仰と虚ろな神を縁に祭祀の生を細々と生きていた。
そんなある日、残暑の折、早苗は神の消失を直観する。嘆き戸惑う早苗へとさらに待ち受けていたのは、見慣れぬ世界の強引な誘いだった。
右も左も分からぬ場所で、早苗は黒髪赤瞳の天狗、射命丸文と出会う。
いくつかの偶然と成り行きにより、共暮らすこととなった二人はやがて互いへの想いを徐々に育んでいく。だが、二人の想いを試すかのように、試練は次々と降りかかっていく。
妖怪の山の風俗と、二人の切ない恋を描いた物語がここに開幕する! -
その少女は、神と共に生きることを選んだはずだった
十年前、別れを告げた故郷をふと思い出した早苗は、過去の決断を出汁に、帰郷をちらつかせる諏訪子になじられる。布団に逃げ込んだ早苗が目を覚ますと、そこは実家の寝室だった。
重い身体は、正しく二十七歳になり、風祝としての力を失った外界の早苗のもの。諏訪子の言葉通り、夢から覚めたように早苗は外に追い出されたのだった。
祟られ、不調に喘ぐ彼女は、見えないが『居る』諏訪子に畏れを抱く。
特別でない自分は、あまりに無力だ。
身近な神は、こんなにも恐ろしい。
しかし、諏訪に覚えた違和感に、現実に存在する幻想郷への帰還を決意し、知己を頼るべく、早苗は一路東京へと向かう。
だが、己の求める故郷へ手を伸ばした早苗は知る由もなかった。幻想郷に、彼女の居場所はもうないことを。恐るべき神が、非力な彼女を待ち受けていることを。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第15弾。 -
蓮子と!メリーが!ちゅっちゅする!以上だ!
宇佐見蓮子と、マエリベリー・ハーン。
秘封倶楽部の2人の1日は、ちゅっちゅに始まりちゅっちゅに終わる。
寝起きのベッドで。
家のお風呂場で。
喫茶店の片隅で。
服屋の試着室で。
肌寒い夜の公園で。
そして、迷い込んだ夢の中で。
ところ構わず、飽きることなく、ちゅっちゅし続ける2人の、遊惰な日常。
唇の触れあった数だけ、互いを求め合う気持ちを絡め合って、混ざり合っていく。
ここが夢でも、現でも。
『ひふ~ふ』の浅木原忍×しぷっのタッグが贈る、ただただ蓮子とメリーがちゅっちゅするだけの秘封小説。 -
連城三紀彦の妖しき恋愛ミステリーの世界を幻想郷に再演する短篇集、第2弾!
魔理沙とアリスは、自らの異様な関係を題材とした人形舞台『恋人形』の千秋楽を終えた直後、アリスの自宅で心中を果たした。
『恋人形』のラストシーンを再現したかのような現場には、舞台で魔理沙を演じた人形が砕け散っていた……。
ふたりはなぜ心中しなければならなかったのか? 慧音はその真相を追うが……。(表題作)
天才・連城三紀彦の世界を幻想郷に再演する4編を収録。
【収録作】
「傀儡無情」
「見えない異邦人」
「親愛なるR譲へ」
「私のあやさん」 -
天才・連城三紀彦の恋愛ミステリーを幻想郷に再演する傑作5編!
星熊勇儀と水橋パルスィが、灼熱地獄へ身を投げ心中した。なぜふたりは心中しなければならなかったのか?
古明地さとりが小説『戻り橋心中』にその真相を描き、大きな話題を呼ぶ。
だがその記述に嘘を感じた射命丸文は、ふたりの情死の真相を探り始めた……。(表題作)
不世出の天才ミステリ作家、連城三紀彦が書き続けた恋愛ミステリーの世界。
嘘と演技、騙しの迷宮を幻想郷に再演する、全5編を収録した短編集。
【収録作】
「戻り橋心中」
「夜の傷痕」
「少女を買う女」
「夜の事情」
「早苗の恋文」 -
幽谷響子は、恋をした。命蓮寺に現れた月の民、稀神サグメに。
それは、叶うはずのない恋だった。相手は月の民、自分は平凡陳腐な地上の木っ端妖怪。相手にされるはずもない、一方的な思慕のはずだった。
だが、なぜかなりゆきで響子はサグメの案内役に指名されてしまう。
一言も喋らないサグメの不可解な行動に振り回される響子の初恋の行方は。
そして、響子の前でただ沈黙を保つサグメの真意とは――?
「声を――聞かせて、ください」
東方同人誌史上初(推定)。幽谷響子×稀神サグメの百合恋愛長篇小説。 -
「ねえメリー、結婚しよっか」
「ねえメリー、結婚しよっか」
――その一言から、蓮子とメリーの新しい生活が始まった。
これは秘封倶楽部の、ちゅっちゅで幸せな新婚生活のおはなし。 -
幻想郷式○課後ティータイム
八雲紫、パチュリー・ノーレッジ、姫海棠はたて、稗田阿求、宇佐見菫子の5名がガールズバンドを組む話です。
西暦20XX年、幻想郷はロックの炎に包まれた……。突如幻想郷に、というか八雲紫の脳内に沸き起こるガールズバンドブーム。というか◯いおんブーム。
かくして、あの伝説のバンド『パープル・すみれ団』が誕生した! -
東方プロジェクトの二次創作小説。秘封倶楽部の蓮子とメリーが、滅びつつある東京を旅する話。
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その少女は夢の世界を統べる管理者であるはずだった
夢の支配者であるドレミー・スイート。
普段根城にしている遊園地のある夢の世界で目を覚ました彼女は、眠る前のことを思い出せないことに気づく。
不可解な事態を疑問に思いながら夢の中で過ごすドレミーだが、そこに夢ならではの怪現象の数々が襲いかかる。
異物を吐き出す、人殺しに失敗する――現実での問題を強く示唆するそれらの凶夢は、いつの間にかたどり着いていた夢の世界から脱出する決意を固めさせるには、十分不吉なものであった。
一つ、また一つと、妨害を掻い潜りながら、時には敗北しながら彼女は夢から覚めていく。
しかし、現実へと、覚醒を求める彼女は夢の中で気づきもしなかった。
己を眠りへと誘う存在の、その真の狙いを。この事態の根底に眠る、抗いがたい破滅を。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第14弾。 -
小説と音楽で綴る少女のルーツと記憶
いつも夜中遭う金髪の少女。宇佐見蓮子は彼女になかなか声をかけられずにいた――
蓮子を躊躇わせる幼い日の記憶。
しかし一歩踏み出すための勇気もまた、記憶の地にあった。……山深い信州の地に。
八ヶ岳中信高原国定公園を舞台に繰り広げられる、宇佐見蓮子小学三年生の冒険。
本作はCD+小説……つまりは分厚いブックレットであったものを再編集しています。
巻末より、音楽CD部分のMP3でのDLが可能です。
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これは幻想郷を駆け抜けた最優の巫女――博麗霊夢の始まりから終わりまでを描いた物語だ。
本著は2014年~2015年にかけて同人誌即売会で頒布された浮世の巫女(上・中・下)を一冊にまとめたものです。
本作は全四部+断章の計五パートから構成されています。
「第一部 博麗の巫女」
博麗神社に預けられたれいむが先代巫女の教えを受け、博麗の巫女「霊夢」になるまでの話です。先代に連れられての妖怪退治や小さい頃の魔理沙との交流を主として、半人前の巫女の視線から幻想郷、特に人里の暮らしが語られます。
「第二部 博麗霊夢」
第一部から数年後を舞台に、PC98版(俗に旧作と呼ばれる一連)の作品群を再構成した話となります。舞台は幻想郷から離れ、夢の世界や遥か魔界にまで及びます。
「断章」
旧作とWin版を繋ぐ物語が語られます。一つの時代に終止符が打たれ、そして新しい時代が始まります。
「第三部 浮世の巫女」
Win版の紅魔郷から風神録までの作品を再構成し、紺珠伝後の月と対峙するオリジナルストーリーによって締めくくりとなる長編です。
異変解決の巫女としての霊夢が主に語られます。
「第四部 霊夢」
第三部から十数年後、霊夢が次代の巫女候補を迎え、引退の準備に入ることになります。それは有耶無耶になり続けた紫との関係に決着をつけるということでもあり、第一部から続いてきた生の果てに辿り着くことでもあり。ここに一つの物語は終わりを迎えます。
これらのパートによって霊夢の生涯を語り尽くそうと試みたのが本作となります。長大な物語ですが、最後までお付き合いいただけるとありがたいです。 -
「今まで私と貴女がすれ違っていた時間。その分だけ、貴女に伝えたい言葉、伝えさせて?」
「アリスの魔法を、アリスをーーもっとよく知りたい!」
終わらない冬が終わった日に、出会うべくして出会った霧雨魔理沙とアリス・マーガトロイド。戦いの中で、魔理沙は自分にないものを持つアリスに憧れを抱く。
「私は忙しいのよ。本当は出たくなかったって言ったでしょう?」
しかし、一人で魔法を研究し続けるアリスは毎日のように訪れる魔理沙を疎ましく思っていた。
「あー、早く来週にならねえかなあ!」
それでも、魔理沙はアリスの家に通い続ける。そして――
「ねえ、魔理沙。私は貴女の傍にいてもいいの……?」
少しずつ近づく二人の心。しかしそれが発端となり、物語は大きく揺れ動き始める……。 -
幻想郷が消えた後の世界。妖怪たちの奇跡で郷の記憶を宿した少女が、学生生活、そしてボーイフレンドとの出会いを経て、そして同じ幻想郷の夢を見た人に出会う。拙作東方二次創作ゲーム“東方夢終劇”の後日譚となる、ちょっと NL 要素もある、東方×オリジナルなスピンオフ物語。
幻想郷は、一人の少女が永い眠りの中で見ている夢の世界だった。
少女は夢の中で“博麗霊夢”として、幻想郷という世界を治めていたが、その東方の夢は終劇を迎えることとなった。この物語は幻想郷が消えた後の物語である。
妖怪たちの奇跡で、魔理沙としての夢を見た普通の女子高生“澪音”。
幻想郷消滅の悲しき思い出は、一度は学校生活の中で薄れ、そして夢の記憶のように消え去っていた。
そんな中、彼女はひょんなことで一人の上級生“智明”と出会う。
友達こそ多いものの男性経験はからきしの澪音は、その出会い自体がトラブルのようなものだったこともあり、当初は彼を煙たがり敬遠していたが、とある事故をきっかけに二人は想いを寄せるようになる。
──しかしそんなカップル生活も長く続くことはなかった。
気づくと彼女は幻想郷にいた。
彼女は現世での記憶を全て失い、とある日の“魔理沙”と戻り、その郷での日常生活を送っていた。
季節は春、雪はとうに止み、新緑もまばらと見え始めているが、春は何かを悲しむように銀世界を一掃できずにいた。
彼女はいつものように神社の巫女を冷やかすべく、家を後にする──。
こうして彼女は東方“夢終劇”の世界、そして奇跡を繰り返し、ついに夢の主の少女に“再会”することとなる。 -
その少女は人々の聲を聞き届ける天命を担っていたはずだった
仙人である豊聡耳神子は、増えた弟子たちに自分の時間を削られながらも高みへ至るための修行の傍ら、復活した幻想郷で穏やかに暮らしていた。
ある朝、そんな神子の目を覚ましたのは自らの声もろくに聞こえぬ爆音だった。
すわ襲撃かと構えるも、廟の様子は普段と変わらない平穏そのもので、神子以外の住人は爆音などないように話しかけてくる。
変わっていたのは、自分だった……?
この耳が、狂ってしまった……?
人々の声を聞くために与えられた聴覚の才。それが失われたという疑惑に至った神子はそれを隠してしまった見栄に屈して一人頑なに解決を目指す。
しかし、不器用に取り繕う神子にはまだ知る由もなかった。
頭を揺らす爆音は始まりに過ぎないことを。
己の変容と配下の不変の狭間には、人の埒外に蔓延る化物の呼び声が満ちているのだと。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第13弾。 -
その少女は自らを包む闇に安寧を見出していたはずだった
外来人を襲って欲しい――そんな依頼を受けた友人らに連れ出された闇の妖怪・ルーミアは、追い詰めた人間の消失と共に、闇の中で不気味なうめき声を耳にする。
聞き間違いか、気のせいか。不安を酒で忘れたその翌日、確かにそのうめき声はまた聞こえてくるのだった。
いずこから発されるかも分からない声。
何者かに憑かれているのか。
這い上がってくる苛立ちと不安に耐えかねたルーミアは、敵であるはずの博麗の巫女に助けを求める。
だが、神社に着いた彼女に待っていたのは、巫女ですら分からないという事実と、声の主が言葉を操り始めたという現実。
闇に安寧を求める身でありながら、誰かの気配に満ちた闇に怯えるルーミアがその正体を知ったとき、理解不能な深淵からの来訪者が彼女を包み込む。
少女たちの「最も恐ろしいもの」について述べた、各巻完結型・幻想少女恐怖シリーズ第12弾。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
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