吉原は鶴亀楼のおきんは、嫌われ者の遣手(やりて)ババァ。遣手とは、遊女の管理や教育のみならず、楼主から見世(みせ)の経営も任された、いわば“支配人”である。意地悪で嫌味で非情なおきんも、実は若い頃は数々の男を虜にした高級遊女の太夫(たゆう)だったという。それがどうして、遊女にも客にも嫌われる遣手ババァになったのか!? ある日おきんは、とんぼに大昔のツケ、一万両もの始末を頼むが……。
(C)石森プロ (C)講談社
江戸の遊郭・吉原は、この世であってこの世でない夢幻の世界──。お志摩が日本橋の大店の奥様になり、とんぼが吉原の太夫(たゆう)と駆け落ちする……!? 夢とうつつの狭間に揺れる、衝撃の最終巻! 番外編では、苦界十年を耐え忍び、晴れて吉原から娑婆(そと)の世界へと飛び出た遊女たちの、その後を描いた『さんだらぼっち外伝』6話も収録。江戸庶民たちの情緒あふれる人情時代劇の傑作、ついに完結!
各440円 (税込)
江戸の遊郭・吉原の大門前にあるおもちゃ屋は、店番の男「とんぼ」が削る竹とんぼで子供達から大人気。しかしこの店の本業は、吉原での借金を取り立てる「始末屋」だった……! 図体がでかくて頼りなげなとんぼが、色事がらみ、金がらみ、親子の情愛がらみなど、吉原の様々な厄介事を、“粋”に巧みに解決する! 情緒あふれる庶民の生活を活写し、1975年の「ビッグコミック」連載開始から好評を博した、人情時代劇の傑作!
とんぼが以前、空飛ぶ竹とんぼを作ったことを聞き付けた老人が、からくり人形の制作を頼んできた。しかし単なる玩具ではなく、等身大の“からくり女郎”だ。30年前に身請け直前で急死してしまった遊女が忘れられず、死ぬ前にせめて一日、愛した女と暮らしたいというのだが、床入りもできる人形など作れるのか!? 玩具だけではなく、とんぼによる吉原のツケ取りにも、人の心にも“からくり”が隠された、痛快人情時代劇!!
吉原に一日も休まず通いながら、遊女たちから嫌われる客がいた。“ひやかしの政”と呼ばれ、一度も座敷には上がらず、格子の向こうの遊女をからかうだけの男だ。しかし政が顔を出さなくなると、遊女たちは寂しがるのだった。すっかり“格子なじみ”となった政を心配する遊女たちが、とんぼに見舞いを頼む……。とんぼが思いついた、粋なはからいとは!? 江戸を舞台にした心温まる人間ドラマ!!
とんぼが吉原のツケを取り立てるのは、貧乏長屋に住む佐官。近くの町の大工連中に挑発され、吉原の座敷に上がってしまったという。話を聞いた長屋の男達が、みんなで吉原に繰り出そうと言い出すが、ツケどころか家賃すら滞納する身……。そこに、金を差し出す者が現れた!? 晴れて吉原へ向かった長屋の男達は、大工連中に一泡吹かせようとするが……。江戸の町人たちの、粋(いき)でいなせな人情譚!!
吉原大門前のおもちゃ屋のお志摩は出戻り娘。しっかり者の姐さんは、とんぼにとって憧れであり、頼りになる存在だ。ある日、とんぼの前にお志摩の元亭主が現れた。今までその色気に翻弄されながらも、努めて女として意識しないようにしてきたとんぼだが、元亭主の存在を目の当たりにして明らかに動揺する。そんなとんぼに、下駄屋の太平が酒を飲みながら語ったこととは……!?
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