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女子大生マミには、誰にも言えない「秘密」があった。それは、「ロリータファッション」に憧れていること。背が高く、一見クールなマミは、家族からも友達からも「かっこいい女性」像を自然と求められ、そのイメージから外れることに臆病になっていた。だが、周りの目を気にせず奇抜すぎるファッションをし続けるバイト先の同僚・小澤くんに感化され、徐々に「本当の自分」を開放していく――。
「ロリータ」が、家族にバレた。そして母との喧嘩中、思わず言ってしまった「ロリータを着ている時だけが本当の自分」という言葉が、家族に決定的な亀裂を生んでしまう。「家族」という名の「小さな社会」の中で、「自分らしさ」を貫くためにはどうすれば良いのか。主人公・マミがたどり着く答えとは…!?
「自分らしくある事」と「幸せになれる事」は違う―。その言葉が、主人公・マミに刺さる。ロリータファッションに出会い、少しずつ「自分らしさ」を獲得してきたマミだったが、憧れの男性・小澤は仕事にしか興味がなく、マミの「自分らしさ」は彼に響かない。更にマミは、ファッション業界でバイヤーとして働く小澤と比較して、自分の個性は「誰にでも替えがきくツマラナイもの」という劣等感すら持ってしまい…。
SNS上で、意図せずロリータを着た動画が拡散してしまったマミ。さらにSNSのコメント欄には、マミの人間性を勝手に決めつけたような書き込みが。自分自身すらまだ「自分のこと」が分からないのに、他人から好き勝手に論評されることに動揺し、疲弊するマミ。そんなとき、ファッションマガジン「KERA」編集部の近藤から、マミは予想外の「ある依頼」を受ける。自分には不相応な、身の丈に合わない依頼だと一度は断るマミだが、近藤の「あなたの“身の丈”を決めるのは誰か。ネット上の人たちでも、家族でも、友達でもない。あなた自身だ」という言葉に、マミの心は揺れはじめる…。
様々なシーンでマミを勇気づけてくれた、ポジティブな小澤の言葉たち。しかし、そんな言葉の裏側にあった、小澤の哀しい過去が明らかになる。愛する人の「闇」を知ってしまった時、自分に何ができるのか。誰かに「寄り添う」とは、一体どういうことなのか。「自分」と「他者」の関わりを真摯に描き続けてきた『着たい服がある』の、最終にして最高の完結5巻!
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