この本は私が縄文土器を見て、感じて、思い、想像したことをまとめたものです。
博物館などに展示された土器片は遠いむかしの道具の残骸です。地面の下で大切に保存されてきたのではなく、たまたま残ってしまったものです。考古学の研究者は苦労してこれらを見つけ出し過去の人々やその生活を明らかにしようとしています。彼らはかつてあったにちがいないかたちに土器片を組み立て直し復元して見せます。
私はそれを見てむかしの作り手のことを思い、それの使われ方を想像します。ときどき私の気に入ったかたちに出会うと、その遠く離れた作り手や使い手に親しみさえ感じます。その時、この同じ日本列島に住みつづけている私にとって彼らは不思議に近い人々なのです。
そんなことをしているうちに私は縄文土器に魅せられてしまったのです。この列島に住んでいる人ならば、縄文土器について私と同じように感じる人もたくさんいるのではないかと思います。この本はそんなことを考えながら書いた本です。