ツケの取り立てで、よしの湯を訪ねたとんぼだが、湯屋の旦那から、ツケは既に辞めた番頭が作ったものだから払う筋はないと、一蹴されてしまう。しかし、湯屋の仕事を十日間手伝えば支払うと切り出され……。その手伝いというのは、なんと女湯の「三助」だった! 純朴なとんぼに、裸の女の背なかを流せるのか!? とんぼの苦労を知った親父は喜んで自ら役目を代わり、お志摩は静かに嫉妬心を抱いていた……。
(C)石森プロ (C)講談社
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江戸の遊郭・吉原は、この世であってこの世でない夢幻の世界──。お志摩が日本橋の大店の奥様になり、とんぼが吉原の太夫(たゆう)と駆け落ちする……!? 夢とうつつの狭間に揺れる、衝撃の最終巻! 番外編では、苦界十年を耐え忍び、晴れて吉原から娑婆(そと)の世界へと飛び出た遊女たちの、その後を描いた『さんだらぼっち外伝』6話も収録。江戸庶民たちの情緒あふれる人情時代劇の傑作、ついに完結!
各440円 (税込)
吉原は鶴亀楼のおきんは、嫌われ者の遣手(やりて)ババァ。遣手とは、遊女の管理や教育のみならず、楼主から見世(みせ)の経営も任された、いわば“支配人”である。意地悪で嫌味で非情なおきんも、実は若い頃は数々の男を虜にした高級遊女の太夫(たゆう)だったという。それがどうして、遊女にも客にも嫌われる遣手ババァになったのか!? ある日おきんは、とんぼに大昔のツケ、一万両もの始末を頼むが……。
吉原の大門で雨宿りをしていたとんぼは、夕立の中を泣きながら走る子供に出くわした。涙の理由に同情したとんぼは、親父に五十両を都合してほしいと頼む。吉原の女郎屋に売られた小僧の姉を身請けしたいと言うのだった。しかしその姉は、身請けの話を断り……。男たちが束の間の夢を見る遊郭には、外から売られてきた女達それぞれに、悲哀に満ちたドラマがあった。
ツケの取り立てで、よしの湯を訪ねたとんぼだが、湯屋の旦那から、ツケは既に辞めた番頭が作ったものだから払う筋はないと、一蹴されてしまう。しかし、湯屋の仕事を十日間手伝えば支払うと切り出され……。その手伝いというのは、なんと女湯の「三助」だった! 純朴なとんぼに、裸の女の背なかを流せるのか!? とんぼの苦労を知った親父は喜んで自ら役目を代わり、お志摩は静かに嫉妬心を抱いていた……。
景気悪化で仕事が減ってしまったある日、背に腹は代えられぬと親父が受けた仕事は、陰間茶屋(かげまちゃや)の始末。それは男娼専門の茶屋であり、始末相手は女色を禁じられた坊主だった。寺へ取り立てに向かったとんぼは、男色の坊主に迫られ大窮地! 一方吉原では、衣替え行事「紋日(もんぴ)」が迫っていた。客足が増える紋日は始末屋にとっても稼ぎ時。しかし客がつかない遊女には辛い行事だった……。
ケチ伝こと、御用両替商・丸金屋の伝兵衛が、数々のツケを残したままポックリ死んだ。しかし、どうも怪しい。伝兵衛の死に疑問を持ったとんぼが探りを入れると、何やら裏で悪知恵を働かせている男がいた。事割屋(ことわりや)の青蛙堂(せいあどう)──。元・腕利きの始末屋だった男“かえる”が、とんぼの前に立ちはだかる! 新たな好敵手の登場で、新展開を迎えた大江戸ヒューマン・ドラマ、第10巻!
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