エリザベス・アーニムの小説『魅せられて(The Enchanted April)』は、1920年代のイギリスとイタリアを舞台に、4人の女性が「心の再生」を求めて過ごす春のひと月を描いた物語です。あらすじ(概要)ロンドンの雨続きのある日、退屈で閉塞感に満ちた生活にうんざりしていた主婦ロッティ・ウィルキンスは、新聞広告に目を留めます――「紫藤と日差しを愛する方へ。イタリア・地中海沿岸の小さな城を、4月の1か月間お貸しします。」ロッティは同じ婦人クラブにいたローズ・アーバスノットを誘い、費用を分担するためさらに二人の女性――美貌の貴族レディ・キャロライン・デスターと、気難しい老婦人フィッシャー夫人――とともに、イタリア・リグーリア海岸の古城「サン・サルバトーレ」へ旅立ちます。最初は互いに気を遣い、距離を感じながら始まる共同生活。しかし、イタリアの春の魔法のような美しい自然、静寂な時間、陽光に包まれた日々の中で、4人は次第に心の鎧を脱ぎ、友情や自分自身を見つめ直していきます。果たして4人はそれぞれにとって大切なものを見出すことが出来るのでしょうか。この物語は、戦後の疲弊した人々にとって癒やしと希望の物語として人気を博しました。現代に生きる私たちにとっても、「心を休め、自分自身を見つめ直す時間」の大切さを優しく教えてくれます。