1930年(昭和5年)に出版されたロングセラーのエッセイ集が、新字体、現代かなづかい、パラルビ(人名、地名、固有名詞、難読漢字だけにふりがなを添える一般的なルビ形式)で読みやすくなって電子書籍化! 当時の挿絵も収録しています。文字の大きさ(フォントサイズ)を変更できるリフロー形式です。
およそ百年前。帝都の片隅には、歓楽境(パラダイス)があった。
しぶとく生きる私娼や物乞う人々の知られざる生態、カフェーで働く若い女給さんに訊いた一斉アンケート結果、出どころが怪しい品物でバイ(商売)をおこなうテキ屋と大道芸人たち、活動写真館や浅草オペラ劇場の楽屋裏スケッチ、ダダイスト辻潤がとらえたモダンで滑稽な浅草抒情、等々…… 牛なべ、寿司、そば屋と天ぷら屋の暗闘、何やらわからぬ臓物の串焼き、市民の胃袋を支えていた定食屋の評判、立ち食い屋台店、等々のB級グルメ案内、乞食たちのおやつ「ハイカラ餅」の正体とは?
【解説】
本書『浅草底流記』は、愛憎・肉欲・暴力・犯罪・喜怒哀楽すべてが「ごった煮」の混沌地帯であったにもかかわらず絶妙なバランスで隆盛をきわめていた当時の「浅草公園第六区」で生きる者たちの息づかいを、平易&軽やかな文体で写し取った傑作随筆です。
【もくじ】
第1章 浅草 朝から夜中まで
第2章 浅草鳥瞰図
第3章 六区展望
第4章 舌端をゆくもの ─ 食い物屋
第5章 吼えろカフェー
第6章 大衆の食卓 ─ 屋台店第7章 香具師の群れ
第8章 浅草は性欲の廃墟?
第9章 浮浪者の天国
第10章 乞わない乞食
第11章 女給行状記
第12章 ノミ屋・門付・喧嘩
第13章 玉の井風景
第14章 浅草をうたった流行唄
第15章 観音の由来
第16章 浅草の伝説
第17章 仲見世の沿革
第18章 浅草つれづれ話
第19章 浅草に無いもの その他