江戸市中夜半。昏睡状態の中で竜之助は、無数の地蔵に襲われる夢にうなされていた。悲鳴上げ目を覚ますと鋭い眼に戻っていた。与八の魂が竜之助の記憶を戻したのか? だが、その頃、夜の闇の中に竜之助に近づいて来る影があった。その影こそ、2年の間、竜之助を追い続けていた凄腕の夫婦殺し屋だった。果たして、妖しげな技を駆使する彼らを前にして、瀕死の状態から回復したばかりの竜之助に“音無しの剣”は使えるのか?
(C)ふくしま政美 大西祥平 中里介山/松文館
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各550円 (税込)
宇津木道場門下生30数名を惨殺した机竜之助は、その刹那、天罰のような雷に倒れ、そして消えた。だが、斬殺者・机竜之助の噂は、名を上げるための殺し屋たちの耳にも早々に届いていた…。しかし、竜之助を追うのは、殺し屋ばかりではなく宇津木文之丞の弟・兵馬も仇討のために追跡し始める。一方、お松と七兵衛は、お松の身寄りを訪ねるため江戸に向かったのだが……。
地蔵を担いで山を登る大男。それは竜之助と一緒に育った無二の友、与八であった。「おいら若先生の仏様になるべ。それが若先生の償いだ」と涙を流す与八は、斬殺された人々の供養のため地蔵を彫り、峠に運んでいたのだ――。それから2年後、雷で記憶を失った竜之助は、お浜と一緒に江戸に住んでいた。狂気も消え無邪気な笑顔を見せる竜之助だが、ある日、浪士組を名乗る愚連隊に絡まれ、瀕死の傷を負う……。
江戸市中夜半。昏睡状態の中で竜之助は、無数の地蔵に襲われる夢にうなされていた。悲鳴上げ目を覚ますと鋭い眼に戻っていた。与八の魂が竜之助の記憶を戻したのか? だが、その頃、夜の闇の中に竜之助に近づいて来る影があった。その影こそ、2年の間、竜之助を追い続けていた凄腕の夫婦殺し屋だった。果たして、妖しげな技を駆使する彼らを前にして、瀕死の状態から回復したばかりの竜之助に“音無しの剣”は使えるのか?
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